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光をモードに分ける:1つのモードは1つの調和振動子

2026年10月15日9分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第1章 序章:モードと2準位系で光を読む
目次
  1. 2枚の鏡の間の電磁場
  2. モードのエネルギーは調和振動子のエネルギー
  3. 3次元の箱のモードの数
  4. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

光学と量子エレクトロニクス 第1章 §1.1 ★★★ 境界のある空間の電磁場はとびとびのモードに分かれ、各モードのエネルギーは調和振動子のエネルギーと同じ形になる

光学の授業は、光線の屈折と結像から始まり、回折と干渉、物質中の屈折率と吸収へ進む。量子エレクトロニクスの授業は、光子のエネルギー ℏω\hbar\omega と Einstein の係数から始まり、反転分布とレーザー発振、原子の冷却と原子時計へ進む。2つの授業は扱う装置も使う式も違うように見えるが、どちらも同じ3つの部品を組み合わせて書かれている。1つ目は電磁場で、境界のある空間ではとびとびのモードに分かれ、モード1つ1つは調和振動子として振る舞う。2つ目は物質で、光に応答する部分を古典の振動子(Lorentz 振動子)か、量子の2準位系に縮めてモデル化する。3つ目は両者の結合で、多くの場合は電気双極子と電場の相互作用 −d^⋅E-\hat{\bm{d}}\cdot\bm{E} である。この巻は、光学と量子エレクトロニクスの話題を、この3つの部品の選び方と、そのとき置いた近似で読み直す。

この章は巻全体の見方を示す。1.1節で電磁場をモードに分け、1つのモードが1つの調和振動子であることを示す。1.2節で物質の2つのモデル(Lorentz 振動子と2準位系)を並べ、両者が弱い光に対して同じ応答を与えることを確かめる。1.3節で結合の形と、巻を通して使う2つの近似(双極子近似と回転波近似)を述べる。1.4節では、光子1個のエネルギー ℏω\hbar\omega を熱のエネルギー kBTk_{\mathrm B} T と比べ、可視光は室温で量子的に振る舞い、マイクロ波は 50 mK50\,\mathrm{mK} の桁まで冷やさないと量子的に振る舞わない理由を述べる。1.5節で巻の章の型と6つの部の地図、巻を通して戻ってくる3本の筋を示し、1.6節で授業で習った形との対応を並べ、1.7節でまとめる。導出の本体は後の章で行うので、この章では結果を先に借りる所がある。借りた所には、どの章で示すかを書き添える。

2枚の鏡の間の電磁場

最も簡単な例として、z=0z=0 と z=Lz=L に置いた2枚の完全導体の鏡の間で、xx 方向に偏った電場 Ex(z,t)E_x(z,t) と yy 方向の磁場 By(z,t)B_y(z,t) だけを考える。真空の Maxwell 方程式から ExE_x は波動方程式 ∂z2Ex−c−2∂t2Ex=0\partial_z^2E_x-c^{-2}\partial_t^2E_x=0 に従い、完全導体の表面で電場の接線成分は 00 なので Ex(0,t)=Ex(L,t)=0E_x(0,t)=E_x(L,t)=0 である。この境界条件を満たす関数は sin⁡(kℓz)\sin(k_\ell z)(kℓ=ℓπ/Lk_\ell=\ell\pi/L、ℓ=1,2,…\ell=1,2,\dots)で、これらは [0,L][0,L] で完全系をなす。そこで電場を

Ex(z,t)=∑ℓ=1∞Aℓ(t)sin⁡(kℓz)(1.1)E_x(z,t)=\sum_{\ell=1}^{\infty}A_\ell(t)\sin(k_\ell z)\tag{1.1}

と展開して波動方程式に入れると、係数ごとに

d2Aℓdt2=−ωℓ2Aℓ,ωℓ=ckℓ=ℓπcL(1.2)\frac{\mathrm{d}^2A_\ell}{\mathrm{d} t^2}=-\omega_\ell^2A_\ell,\qquad\omega_\ell=ck_\ell=\frac{\ell\pi c}{L}\tag{1.2}

に分かれる。係数 Aℓ(t)A_\ell(t) どうしは互いに結びつかず、それぞれが角周波数 ωℓ\omega_\ell で単振動する。この1つ1つをモードと呼ぶ。隣り合うモードの周波数の間隔は Δν=c/(2L)\Delta\nu=c/(2L) で、これを自由スペクトル領域(FSR)と呼ぶ。光共振器の縦モードとして第5章で詳しく扱う(第5章)。

モードのエネルギーは調和振動子のエネルギー

モードが調和振動子であることを、エネルギーで確かめる。磁場は Faraday の法則 ∂tBy=−∂zEx\partial_tB_y=-\partial_zE_x から決まる。鏡の面積を SS、体積を V=SLV=SL として、電磁場のエネルギー ε02∫(Ex2+c2By2) d3r\frac{\varepsilon_0}{2}\int(E_x^2+c^2B_y^2)\,\mathrm{d}^3r を計算すると、sin⁡(kℓz)\sin(k_\ell z) と cos⁡(kℓz)\cos(k_\ell z) がそれぞれ直交するので、異なるモードの交差項は消えて

U=∑ℓε0V4[Aℓ2+(1ωℓdAℓdt)2](1.3)U=\sum_{\ell}\frac{\varepsilon_0V}{4}\Bigl[A_\ell^2+\Bigl(\frac{1}{\omega_\ell}\frac{\mathrm{d} A_\ell}{\mathrm{d} t}\Bigr)^2\Bigr]\tag{1.3}

になる。ここで新しい変数 qℓ,pℓq_\ell,p_\ell を Aℓ=2/(ε0V) pℓA_\ell=\sqrt{2/(\varepsilon_0V)}\,p_\ell、dpℓ/dt=−ωℓ2qℓ\mathrm{d} p_\ell/\mathrm{d} t=-\omega_\ell^2q_\ell で定めると、dqℓ/dt=pℓ\mathrm{d} q_\ell/\mathrm{d} t=p_\ell が成り立ち、

H=∑ℓ12(pℓ2+ωℓ2qℓ2)(1.4)H=\sum_\ell\frac12\bigl(p_\ell^2+\omega_\ell^2q_\ell^2\bigr)\tag{1.4}

となる。これは質量 11、角周波数 ωℓ\omega_\ell の調和振動子を独立に並べた Hamiltonian そのものである。電場は運動量 pℓp_\ell に、磁場は座標 qℓq_\ell に比例する。真空の電磁場が厳密に線形なので、この分解は近似を含まない。

調和振動子を量子化すると、エネルギーは ℏωℓ(nℓ+12)\hbar\omega_\ell(n_\ell+\frac12)(nℓ=0,1,2,…n_\ell=0,1,2,\dots)のとびとびの値を取る。段の数 nℓn_\ell をそのモードにいる光子の数と読む。この読み替えと量子化した場の演算子は 解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第5部第2章 と解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第5部第3章 で導いてあり、この巻では第30章で結果を引いて使う(第30章)。この章では、光子1個のエネルギーが ℏω\hbar\omega であることと、熱平衡でモード1つに入っている光子の平均の数が Bose 分布になること(1.4節)の2つだけを使う。

3次元の箱のモードの数

1辺 LL の立方体の箱では、波数 k\bm{k} がとびとびの値を取り、1つの k\bm{k} に偏光の向きが2つある。周期境界条件で数えると k\bm{k} は (2π/L)3(2\pi/L)^3 の体積に1個ずつ並ぶので、角周波数が ω=c∣k∣\omega=c\lvert \bm{k}\rvert 以下のモードの数は 2×4π3(ω/c)3/(2π/L)3=Vω3/(3π2c3)2\times\frac{4\pi}{3}(\omega/c)^3/(2\pi/L)^3=V\omega^3/(3\pi^2c^3) である。これを ω\omega で微分して、単位角周波数あたりのモードの数

g(ω)=Vω2π2c3(1.5)g(\omega)=\frac{V\omega^2}{\pi^2c^3}\tag{1.5}

を得る(壁が完全導体でも、LL が波長より十分大きければ同じ式になる)。モードの数は周波数の2乗で増える。可視光の周波数では、小さな箱にも膨大な数のモードがあり(例題 1.1)、レーザーはその中のごく少数のモードに光子を集めた状態である。逆に箱が波長より小さいと、式 (1.5) は成り立たず、その周波数のモードは1つも無いことがある。

例題 1.1 箱と共振器のモードを数える ★★

オリジナル

  1. (1) 体積 V=1 cm3V=1\,\mathrm{cm^3} の箱の中で、波長 500 nm500\,\mathrm{nm} のまわりの幅 Δλ=1 nm\Delta\lambda=1\,\mathrm{nm} に入るモードの数を、式 (1.5) から求めよ。
  2. (2) 1辺 1 cm1\,\mathrm{cm} の立方体の完全導体の空洞で、最も低いモードの周波数は ν=c2(1/L)2+(1/L)2\nu=\frac{c}{2}\sqrt{(1/L)^2+(1/L)^2} である。周波数 5 GHz5\,\mathrm{GHz} のモードはこの空洞にあるか。
  3. (3) 鏡の間隔 L=30 cmL=30\,\mathrm{cm} の1次元の共振器で、FSR を求めよ。利得のある周波数の幅が 1.5 GHz1.5\,\mathrm{GHz} のとき、その幅に入る縦モードはいくつか。
解答

(1) ω=2πc/λ\omega=2\pi c/\lambda、Δω=2πcΔλ/λ2\Delta\omega=2\pi c\Delta\lambda/\lambda^2 を式 (1.5) に入れると

N=g(ω)Δω=Vπ2c3(2πcλ)22πcΔλλ2=8πVΔλλ4N=g(\omega)\Delta\omega=\frac{V}{\pi^2c^3}\Bigl(\frac{2\pi c}{\lambda}\Bigr)^2\frac{2\pi c\Delta\lambda}{\lambda^2}=\frac{8\pi V\Delta\lambda}{\lambda^4}

で、N=8π×10−6×10−9/(5×10−7)4≈4.02×1011N=8\pi\times10^{-6}\times10^{-9}/(5\times10^{-7})^4\approx4.02\times10^{11} である。1 nm1\,\mathrm{nm} の幅だけで約 4×10114\times10^{11} 個のモードがある。

(2) ν=c22/L=2.998×108×1.414/(2×0.01)≈21.2 GHz\nu=\frac{c}{2}\sqrt2/L=2.998\times10^8\times1.414/(2\times0.01)\approx21.2\,\mathrm{GHz}。5 GHz5\,\mathrm{GHz} はこれより低いので、この空洞に 5 GHz5\,\mathrm{GHz} のモードは無い。波長 6 cm6\,\mathrm{cm} の電磁場は、それより小さな箱の中に定在波を作ることができない。式 (1.5) は箱が波長より十分大きいときに限って使える数え方である。

(3) Δν=c/(2L)=2.998×108/0.6≈500 MHz\Delta\nu=c/(2L)=2.998\times10^8/0.6\approx500\,\mathrm{MHz}。1.5 GHz1.5\,\mathrm{GHz} の幅には 1.5×109/(5.0×108)≈31.5\times10^9/(5.0\times10^8)\approx3 個の縦モードが入る。(1) の箱では 1 nm1\,\mathrm{nm}(1.2×1012 Hz1.2\times10^{12}\,\mathrm{Hz})の幅に 101110^{11} 個を超えるモードがあったのに比べ、共振器は光が往復できる方向を1つに限るので、利得の幅に入るモードを数個まで減らしている。

ほかの巻では

木下の勉強ステータス

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AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

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