授業で習った形との対応
AI 生成・木下が未勉強
光学と量子エレクトロニクス 第1章 §1.6 ★★ 授業の光学が出発点に置く屈折率と、量子エレクトロニクスが出発点に置く Planck の式と Einstein 係数が、モードと2準位系からどう出てくるか
光学の授業:屈折率を与えて波動方程式を解く
学部の光学の授業は、多くの場合、物質中の波動方程式
を出発点に置き、屈折率 を物質ごとに与えられた数として扱う。この巻では、 を物質のモデルの出力と読む。 の感受率 は、単位体積あたり 個の振動子の分極率から で決まる(希薄な気体の場合。密な媒質の局所場の補正は 第11章)。さらに の極限で式 (1.17) から光線の方程式(アイコナール方程式)が出るので、第1部の幾何光学は「モードを光線に縮めた」近似として読める。
量子エレクトロニクスの授業:Planck の式と Einstein 係数
量子エレクトロニクスの授業は、光子のエネルギー 、黒体放射の Planck の式、Einstein の ・ 係数から始めることが多い。この巻では、Planck の式を1.1節のモードの数と1.4節の光子数の積と読む。単位体積・単位角周波数あたりのエネルギー密度は
で、モードの数の 、光子1個のエネルギーの 、熱の光子数の3つの因子の積になっている。Einstein の係数は、角周波数あたりのエネルギー密度 を基準にして(この本の流儀。 基準の教科書とは が 違う)
の関係を持つ(縮退の無い場合。導出は第20章。第20章・解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第4部第12章)。式 (1.18) と並べると、誘導放出の速さ と自然放出の速さ の比は、ちょうどそのモードの光子数 になる。自然放出は「光子が 個のモードへの誘導放出」で、熱の光子が 個いるとそれが 倍に増える、と読める。この読み方を量子化したモードで確かめるのは第34章である(第34章)。
対応をまとめると次のようになる。
| 授業で習った形 | この巻での読み方 |
| 屈折率 (物質ごとに与える数) | Lorentz 振動子か2準位系の分極率 から |
| 光線と Snell の法則 | 波動方程式の の極限(B 型の近似) |
| 光子のエネルギー | 調和振動子であるモードの段の間隔 |
| Planck の式 | モードの数 × 光子1個のエネルギー × Bose 分布の光子数 |
| Einstein の ・ 係数の関係 | 誘導放出/自然放出 。自然放出は光子 個のモードへの放出 |
| 2準位原子と Rabi 振動 | 式 (1.12)(双極子近似と回転波近似のあとの 行列) |
例題 1.6 誘導放出と自然放出の比を光子数で読む ★★
オリジナル
- (1) 式 (1.18) と式 (1.19) から、 を示せ。
- (2) 波長 で、 の黒体放射と の黒体放射のそれぞれについて、この比を求めよ。
- (3) 周波数 、 ではこの比はいくらか。(2) と比べ、レーザー(誘導放出で光を増やす装置)がマイクロ波で先に作られたことと、この比の大小の関係を述べよ。
解答
(1) 。 の と の が、 の と打ち消し合う。
(2) :、。:(例題 1.4)。太陽の表面ほどの温度の熱の光でも、可視光では自然放出が誘導放出より約 倍速い。
(3) で、誘導放出が自然放出より約 倍速い。誘導放出は に比例し、自然放出は に比例する(式 (1.19))ので、周波数が低いほど自然放出が遅く、誘導放出で光を増やす条件を作りやすい。誘導放出による増幅は、まずマイクロ波(メーザー)で実現され、そのあと可視光のレーザーへ広がった1アンモニア分子のメーザー:J. P. Gordon, H. J. Zeiger and C. H. Townes (1954), Phys. Rev. 95, 282。ルビーの光のレーザー:T. H. Maiman (1960), Nature 187, 493。下の脚注へ。可視光で発振させるには、自然放出に負けないだけの反転分布を作る必要があり、それが第4部の主題になる(第21章・第22章)。
1 アンモニア分子のメーザー:J. P. Gordon, H. J. Zeiger and C. H. Townes (1954), Phys. Rev. 95, 282。ルビーの光のレーザー:T. H. Maiman (1960), Nature 187, 493。
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