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当てる道具:Fresnel の伝搬核と qq パラメータの ABCD 則

2026年10月15日13分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第4章 近軸波動方程式とガウスビーム
目次
  1. Fresnel の伝搬核
  2. ガウス型の解と パラメータ
  3. ABCD 則
  4. 複素光線
  5. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

光学と量子エレクトロニクス 第4章 §4.2 ★★★ 一様な媒質の伝搬は自由粒子の伝搬関数で書け、ガウス型の解の複素パラメータ qq は光線と同じ ABCD 行列の1次分数変換で移る

Fresnel の伝搬核

一様な媒質(屈折率 nn、k=nk0k=nk_0)の近軸波動方程式 ∇⊥2u+2ik ∂zu=0\nabla_\perp^2u+2\mathrm{i} k\,\partial_zu=0 は、質量 mm の自由粒子の Schrödinger 方程式の m/ℏm/\hbar を kk に置き換えたものである。自由粒子の伝搬関数 m2πiℏteim∣x−x′∣2/(2ℏt)\frac{m}{2\pi\mathrm{i}\hbar t}\mathrm{e}^{\mathrm{i} m\lvert \bm{x}-\bm{x}'\rvert ^2/(2\hbar t)} を同じ置き換えで写すと、z=0z=0 の包絡線から距離 zz 先の包絡線が

u(x,z)=∫K(x,x′;z) u(x′,0) d2x′,K(x,x′;z)=k2πizexp⁡(ik∣x−x′∣22z)(4.6)u(\bm{x},z)=\int K(\bm{x},\bm{x}';z)\,u(\bm{x}',0)\,\mathrm{d}^2x',\qquad K(\bm{x},\bm{x}';z)=\frac{k}{2\pi\mathrm{i} z}\exp\Bigl(\frac{\mathrm{i} k\lvert \bm{x}-\bm{x}'\rvert ^2}{2z}\Bigr)\tag{4.6}

で決まる。KK をFresnel の伝搬核と呼ぶ。KK の位相 k∣x−x′∣2/(2z)k\lvert \bm{x}-\bm{x}'\rvert ^2/(2z) は、点 x′\bm{x}' から点 x\bm{x} までの直線の光路長 z2+∣x−x′∣2\sqrt{z^2+\lvert \bm{x}-\bm{x}'\rvert ^2} を2次まで展開した余りに kk を掛けたもので、各点から出る球面波を放物面で近似した Huygens の原理の式になっている。回折の一般論は第6章(第6章)で扱い、この章ではガウス型の包絡線に限る。

ガウス型の解と qq パラメータ

包絡線を、複素数のパラメータ qq を持つガウス関数

u(x,z)=q(0)q(z)exp⁡(ik∣x∣22q(z))(4.7)u(\bm{x},z)=\frac{q(0)}{q(z)}\exp\Bigl(\frac{\mathrm{i} k\lvert \bm{x}\rvert ^2}{2q(z)}\Bigr)\tag{4.7}

の形に置いて ∇⊥2u+2ik ∂zu=0\nabla_\perp^2u+2\mathrm{i} k\,\partial_zu=0 に入れると、∣x∣2\lvert \bm{x}\rvert ^2 の係数から d(1/q)/dz=−1/q2\mathrm{d}(1/q)/\mathrm{d} z=-1/q^2、つまり

q(z)=q(0)+z(4.8)q(z)=q(0)+z\tag{4.8}

が出て、残りの項から前の因子 q(0)/q(z)q(0)/q(z) が決まる。式 (4.6) の積分を直接実行しても同じ結果になる(verify で数値積分と比べた)。1/q1/q の実部と虚部をそれぞれ

1q(z)=1R(z)+i2kw(z)2(4.9)\frac{1}{q(z)}=\frac{1}{R(z)}+\mathrm{i}\frac{2}{kw(z)^2}\tag{4.9}

と書くと、式 (4.7) の指数は −∣x∣2/w2+ik∣x∣2/(2R)-\lvert \bm{x}\rvert ^2/w^2+\mathrm{i} k\lvert \bm{x}\rvert ^2/(2R) になる。w(z)w(z) は振幅が中心の 1/e1/\mathrm{e} になる半径(ビームの半径)、R(z)R(z) は波面の曲率半径である。qq をqq パラメータと呼ぶ。ww が実数で正であるためには Im⁡(1/q)>0\operatorname{Im}(1/q)>0 が要る。この本の流儀(e−iωt\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\omega t} と e+ikz\mathrm{e}^{+\mathrm{i} kz})では虚部の前の符号が ++ で、工学流の e+iωt\mathrm{e}^{+\mathrm{i}\omega t} を使う教科書とは符号が逆になる(4.6節)。

ABCD 則

第2章の ABCD 行列は、光線の位置 xx と運動量 p=nsin⁡θp=n\sin\theta(屈折率を掛けた傾き)を組にした (x,p)(x,p) に掛かる行列で、伝搬は (1d/n01)\bigl(\begin{smallmatrix}1&d/n\\0&1\end{smallmatrix}\bigr) だった。式 (4.8) は qq が距離 dd をそのまま足すことを言うので、(x,p)(x,p) の行列と合わせるには qq を屈折率で割った

qˉ≔qn,u∝exp⁡(ik0∣x∣22qˉ)(4.10)\bar q\coloneqq\frac{q}{n},\qquad u\propto\exp\Bigl(\frac{\mathrm{i} k_0\lvert \bm{x}\rvert ^2}{2\bar q}\Bigr)\tag{4.10}

を使う(この章では換算した qq と呼ぶ。第2章の換算距離 d/nd/n と同じ考え方)。伝搬で qˉ→qˉ+d/n\bar q\to\bar q+d/n である。

定理 4.1(ガウスビームの ABCD 則 ★★★)

近軸の光学系の (x,p)(x,p) の ABCD 行列を M=(ABmathbbCD)M=\bigl(\begin{smallmatrix}A&B\\mathbb{C}&D\end{smallmatrix}\bigr)(AD−BC=1AD-BC=1)とする。入口の包絡線が exp⁡(ik0∣x∣2/(2qˉ1))\exp(\mathrm{i} k_0\lvert \bm{x}\rvert ^2/(2\bar q_1)) なら、出口の包絡線は

u2=1A+B/qˉ1exp⁡(ik0∣x∣22qˉ2),qˉ2=Aqˉ1+BCqˉ1+D(4.11)u_2=\frac{1}{A+B/\bar q_1}\exp\Bigl(\frac{\mathrm{i} k_0\lvert \bm{x}\rvert ^2}{2\bar q_2}\Bigr),\qquad \bar q_2=\frac{A\bar q_1+B}{C\bar q_1+D}\tag{4.11}

である。さらに Im⁡(1/qˉ2)=Im⁡(1/qˉ1) ∣qˉ1∣2/∣Aqˉ1+B∣2>0\operatorname{Im}(1/\bar q_2)=\operatorname{Im}(1/\bar q_1)\,\lvert \bar q_1\rvert ^2/\lvert A\bar q_1+B\rvert ^2>0 で、ガウス型は崩れない。

証明

第2章の近軸の系は、伝搬 (1d/n01)\bigl(\begin{smallmatrix}1&d/n\\0&1\end{smallmatrix}\bigr) と、屈折力 Φ\Phi の薄い要素 (10−Φ1)\bigl(\begin{smallmatrix}1&0\\-\Phi&1\end{smallmatrix}\bigr)(薄いレンズ・球面での屈折・凹面鏡)の積で書ける。伝搬は式 (4.8) と前の因子 qˉ1/(qˉ1+d/n)=1/(1+B/qˉ1)\bar q_1/(\bar q_1+d/n)=1/(1+B/\bar q_1) で、式 (4.11) の形をしている。薄い要素は、光軸から高さ ∣x∣\lvert \bm{x}\rvert の所の光路長を −Φ∣x∣2/2-\Phi\lvert \bm{x}\rvert ^2/2 だけ変える(中心の厚い凸レンズで縁の光路が短い)ので、包絡線に exp⁡(−ik0Φ∣x∣2/2)\exp(-\mathrm{i} k_0\Phi\lvert \bm{x}\rvert ^2/2) を掛ける。これは 1/qˉ→1/qˉ−Φ1/\bar q\to1/\bar q-\Phi で、(Aqˉ+B)/(Cqˉ+D)(A\bar q+B)/(C\bar q+D) に A=D=1A=D=1, B=0B=0, C=−ΦC=-\Phi を入れたものと同じであり、前の因子は 11 である。1次分数変換 qˉ↦(Aqˉ+B)/(Cqˉ+D)\bar q\mapsto(A\bar q+B)/(C\bar q+D) を2つ続けたものは、行列の積の1次分数変換になる。前の因子 qˉ/(Aqˉ+B)\bar q/(A\bar q+B) も、続けて掛けると積の行列の因子になる(verify で記号計算した)。したがって要素の積で書けるどの系でも式 (4.11) が成り立つ。虚部の式は1/qˉ2=(Cqˉ1+D)(Aqˉ1∗+B)/∣Aqˉ1+B∣21/\bar q_2=(C\bar q_1+D)(A\bar q_1^*+B)/\lvert A\bar q_1+B\rvert ^2 の虚部が (BC−AD)Im⁡qˉ1/∣Aqˉ1+B∣2=−Im⁡qˉ1/∣Aqˉ1+B∣2(BC-AD)\operatorname{Im}\bar q_1/\lvert A\bar q_1+B\rvert ^2=-\operatorname{Im}\bar q_1/\lvert A\bar q_1+B\rvert ^2 であることと、Im⁡(1/qˉ1)=−Im⁡qˉ1/∣qˉ1∣2\operatorname{Im}(1/\bar q_1)=-\operatorname{Im}\bar q_1/\lvert \bar q_1\rvert ^2 から出る。

光線の行列が波の qq をそのまま変換することは、次のように読める。近軸の光線は H2H_2 の Hamilton 方程式に従い、近軸の波は H2H_2 を量子化した Schrödinger 方程式に従う。H2H_2 が2次式のとき、量子力学の Heisenberg の運動方程式 dx^/dz=[x^, H^2]/(i/k0)\mathrm{d}\hat x/\mathrm{d} z=\left[\hat x,\,\hat H_2\right]/(\mathrm{i}/k_0) は古典の Hamilton 方程式と同じ線形の式になり、演算子 (x^,p^)(\hat x,\hat p) も光線と同じ行列で変換される。2次の Hamiltonian では、量子の時間発展が古典の線形の正準変換で完全に決まる。ガウス型の波がガウス型のまま進むのはこのためで、行列式 11(シンプレクティック)であることが幅を実数に保つ。

複素光線

ABCD 則には、光線の言葉の読み方がもう1つある。qˉ=xc/pc\bar q=x_{\mathrm c}/p_{\mathrm c} と、複素数の組 (xc,pc)(x_{\mathrm c},p_{\mathrm c}) の比に書き、この組を光線と同じ行列で(xc,pc)→(Axc+Bpc, Cxc+Dpc)(x_{\mathrm c},p_{\mathrm c})\to(Ax_{\mathrm c}+Bp_{\mathrm c},\,Cx_{\mathrm c}+Dp_{\mathrm c}) と動かせば、比は式 (4.11) のとおりに変わる。(xc,pc)(x_{\mathrm c},p_{\mathrm c}) を複素光線と呼ぶ(この章の呼び名)。複素光線とその複素共役の組に、第2章の Lagrange の不変量 I(a,b)=xapb−xbpa\mathcal I(a,b)=x_ap_b-x_bp_a(第2章)を当てると

I(c,c∗)=xcpc∗−xc∗pc=−2i Im⁡(pcxc∗)\mathcal I(\mathrm c,\mathrm c^*)=x_{\mathrm c}p_{\mathrm c}^*-x_{\mathrm c}^*p_{\mathrm c}=-2\mathrm{i}\,\operatorname{Im}(p_{\mathrm c}x_{\mathrm c}^*)

で、これは行列式 11 の行列で保存する。一方 Im⁡(1/qˉ)=Im⁡(pcxc∗)/∣xc∣2\operatorname{Im}(1/\bar q)=\operatorname{Im}(p_{\mathrm c}x_{\mathrm c}^*)/\lvert x_{\mathrm c}\rvert ^2 で、式 (4.9) と k/q=k0/qˉk/q=k_0/\bar q から Im⁡(1/qˉ)=2/(k0w2)\operatorname{Im}(1/\bar q)=2/(k_0w^2) なので

w2=2k0∣xc∣2Im⁡(pcxc∗).(4.12)w^2=\frac{2}{k_0}\frac{\lvert x_{\mathrm c}\rvert ^2}{\operatorname{Im}(p_{\mathrm c}x_{\mathrm c}^*)} .\tag{4.12}

分母は不変量なので、複素光線の規格を Im⁡(pcxc∗)=2/k0\operatorname{Im}(p_{\mathrm c}x_{\mathrm c}^*)=2/k_0 に選べば、ビームの半径は複素光線の大きさ w=∣xc∣w=\lvert x_{\mathrm c}\rvert そのものになる。

くびれ(R=∞R=\infty の所)で半径 w0w_0 のビームは、qˉ=−ik0w02/2\bar q=-\mathrm{i} k_0w_0^2/2 なので、この規格で xc=w0x_{\mathrm c}=w_0, pc=i λ0/(πw0)p_{\mathrm c}=\mathrm{i}\,\lambda_0/(\pi w_0) と選べる。実部と虚部はどちらも実際の光線で、1本目は高さ w0w_0 で光軸に平行な光線、2本目は光軸から運動量 p=λ0/(πw0)p=\lambda_0/(\pi w_0) で出る光線である。系を通った後の半径は、この2本の実の光線の高さ x1x_1, x2x_2 の2乗和の平方根

w2=x12+x22=A2w02+B2(λ0πw0)2(4.13)w^2=x_1^2+x_2^2=A^2w_0^2+B^2\Bigl(\frac{\lambda_0}{\pi w_0}\Bigr)^2\tag{4.13}

になる。2本の光線の Lagrange の不変量は I(1,2)=w0⋅λ0/(πw0)=λ0/π\mathcal I(1,2)=w_0\cdot\lambda_0/(\pi w_0)=\lambda_0/\pi で、ビームの太さと広がりの積は波長だけで決まる。

例題 4.2 平行なビームをレンズで絞る ★★★

オリジナル波長 λ0=1.064 μm\lambda_0=1.064\,\mu\mathrm m、半径 w0=1 mmw_0=1\,\mathrm{mm} のくびれがレンズ(焦点距離 f=1 mf=1\,\mathrm m、空気中)の位置にある。

  1. (1) レンズから距離 dd の所の半径 w(d)w(d) を式 (4.13) で求めよ。
  2. (2) w(d)w(d) が最小になる dd と、そのときの半径を求め、幾何光学の焦点 d=fd=f と比べよ。
  3. (3) 同じ答えを qˉ\bar q の ABCD 則で確かめよ。
解答

(1) レンズの後に距離 dd 進む行列は (1d01)(10−1/f1)=(1−d/fd−1/f1)\bigl(\begin{smallmatrix}1&d\\0&1\end{smallmatrix}\bigr)\bigl(\begin{smallmatrix}1&0\\-1/f&1\end{smallmatrix}\bigr)=\bigl(\begin{smallmatrix}1-d/f&d\\-1/f&1\end{smallmatrix}\bigr) なので、θ0=λ0/(πw0)=3.39×10−4\theta_0=\lambda_0/(\pi w_0)=3.39\times10^{-4} として w(d)2=(1−d/f)2w02+d2θ02w(d)^2=(1-d/f)^2w_0^2+d^2\theta_0^2 である。1本目の光線(平行光線)は焦点 d=fd=f で光軸を横切り、2本目(光軸から出る光線)は dθ0d\theta_0 で離れていく。

(2) d(w2)/dd=0\mathrm{d}(w^2)/\mathrm{d} d=0 から

d∗=f1+(fθ0/w0)2=f1+(f/zR)2,zR=πw02λ0=2.95 m.d_*=\frac{f}{1+(f\theta_0/w_0)^2}=\frac{f}{1+(f/z_{\mathrm R})^2},\qquad z_{\mathrm R}=\frac{\pi w_0^2}{\lambda_0}=2.95\,\mathrm m .

数値では f/zR=0.339f/z_{\mathrm R}=0.339 で d∗=0.897 md_*=0.897\,\mathrm m、半径は w(d∗)=0.321 mmw(d_*)=0.321\,\mathrm{mm} である。くびれは幾何光学の焦点より 10 cm10\,\mathrm{cm} 手前にできる。焦点 d=fd=f では1本目の光線の高さが 00 になるが、2本目の光線の高さ fθ0=0.339 mmf\theta_0=0.339\,\mathrm{mm} が残り、これを少し手前で両者の和が小さくなる所がくびれである。f≪zRf\ll z_{\mathrm R} ならくびれは焦点にでき、半径は fθ0=λ0f/(πw0)f\theta_0=\lambda_0f/(\pi w_0) になる(4.3節)。

(3) くびれでは qˉ1=−iπw02/λ0=−izR\bar q_1=-\mathrm{i}\pi w_0^2/\lambda_0=-\mathrm{i} z_{\mathrm R}。レンズで 1/qˉ=1/qˉ1−1/f1/\bar q=1/\bar q_1-1/f、さらに dd 進んで qˉ+d\bar q+d が純虚数になる dd がくびれの位置で、1/(1/qˉ1−1/f)1/(1/\bar q_1-1/f) の実部の符号を変えたものとして d∗=0.897 md_*=0.897\,\mathrm m、その虚部から w=−Im⁡(qˉ)λ0/π=0.321 mmw=\sqrt{-\operatorname{Im}(\bar q)\lambda_0/\pi}=0.321\,\mathrm{mm} になり、(2) と一致する。

ほかの巻では

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

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