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出てくるもの(2):光子対の源と偏光のもつれ

2026年10月15日16分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第33章 ビームスプリッタと光子対
目次
  1. パラメトリック下方変換を量子化する
  2. 2モードのスクイーズド真空
  3. 告知した1光子
  4. 原子のカスケードと偏光のもつれ
  5. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

光学と量子エレクトロニクス 第33章 §33.4 ★★★ χ(2)\chi^{(2)} の結晶は真空から2モードのスクイーズド真空 ∑ntanh⁡nζ∣n,n⟩/cosh⁡ζ\sum_n\tanh^n\zeta| n,n \rangle /\cosh\zeta を作り、片方の腕は熱的、2つの腕の相互相関は 2+1/⟨n^⟩2+1/\langle \hat n \rangle で古典の Cauchy–Schwarz の上限を破る。J=0→1→0J=0\to1\to0 のカスケードは偏光でもつれた対 (∣xx⟩+∣yy⟩)/2(| xx \rangle +| yy \rangle )/\sqrt2 を出し、相関は cos⁡2(α−β)\cos2(\alpha-\beta)

パラメトリック下方変換を量子化する

第17章では、χ(2)\chi^{(2)} の結晶の中で、強いポンプ光(角周波数 ωp\omega_{\mathrm p})がシグナル光(ωs\omega_{\mathrm s})とアイドラー光(ωi\omega_{\mathrm i}、ωs+ωi=ωp\omega_{\mathrm s}+\omega_{\mathrm i}=\omega_{\mathrm p})を増幅することを古典の結合波方程式で示した。位相整合した長さ LL の結晶で、シグナル光の振幅は cosh⁡(gL)\cosh(gL) 倍になる(第17章の式)。古典の式では、シグナル光もアイドラー光も入れなければ何も出てこない。量子化すると、入れなかったモードにも真空があり、その真空から光子の対が生まれる。これが自発パラメトリック下方変換(spontaneous parametric down-conversion、SPDC)である。

ポンプを古典の振幅のまま残し(33.5節の近似)、シグナルとアイドラーのモードを1つずつ取り出すと、相互作用は2つのモードの生成演算子の積 a^s†a^i†\hat a_{\mathrm s}^\dagger\hat a_{\mathrm i}^\dagger とそのエルミート共役になる。ポンプ光子1個が消えてシグナルとアイドラーの光子が1個ずつ生まれる項と、その逆の項である。結晶を通り抜ける間の時間発展は、ポンプの位相を選んで

S^2(ζ)=exp⁡[ζ(a^s†a^i†−a^sa^i)],ζ=gL(33.15)\hat S_2(\zeta)=\exp\bigl[\zeta(\hat a_{\mathrm s}^\dagger\hat a_{\mathrm i}^\dagger-\hat a_{\mathrm s}\hat a_{\mathrm i})\bigr],\qquad\zeta=gL\tag{33.15}

と書ける。ζ\zeta を2モードのスクイーズのパラメータと呼ぶ。これは第31章の S^2(ζ)\hat S_2(\zeta)(式 (31.25))と同じ演算子で、ポンプの位相を選んで ζ\zeta を実数にしたので ζ\zeta は第31章のスクイーズの強さ rr に等しい。この章では rr を反射の振幅に使う。K^=a^s†a^i†−a^sa^i\hat K=\hat a_{\mathrm s}^\dagger\hat a_{\mathrm i}^\dagger-\hat a_{\mathrm s}\hat a_{\mathrm i} について [a^s, K^]=a^i†\left[\hat a_{\mathrm s},\,\hat K\right]=\hat a_{\mathrm i}^\dagger、[a^i†, K^]=a^s\left[\hat a_{\mathrm i}^\dagger,\,\hat K\right]=\hat a_{\mathrm s} なので、Heisenberg 描像では双曲線関数の級数にまとまり、

S^2†a^sS^2=a^scosh⁡ζ+a^i†sinh⁡ζ,S^2†a^iS^2=a^icosh⁡ζ+a^s†sinh⁡ζ(33.16)\hat S_2^\dagger\hat a_{\mathrm s}\hat S_2=\hat a_{\mathrm s}\cosh\zeta+\hat a_{\mathrm i}^\dagger\sinh\zeta,\qquad\hat S_2^\dagger\hat a_{\mathrm i}\hat S_2=\hat a_{\mathrm i}\cosh\zeta+\hat a_{\mathrm s}^\dagger\sinh\zeta\tag{33.16}

になる。これは第17章の古典の解(シグナルの振幅が cosh⁡(gL)\cosh(gL) 倍、アイドラーにシグナルの複素共役が sinh⁡(gL)\sinh(gL) で混ざる)を演算子に読み替えたもので、ビームスプリッタの cos⁡θ\cos\theta, sin⁡θ\sin\theta が cosh⁡ζ\cosh\zeta, sinh⁡ζ\sinh\zeta に替わった形をしている。ビームスプリッタは a^\hat a と a^\hat a を混ぜて光子の数の和を保つのに対し、下方変換は a^\hat a と a^†\hat a^\dagger を混ぜて光子の数の差 n^s−n^i\hat n_{\mathrm s}-\hat n_{\mathrm i} を保つ(対で生まれるので)。

真空から出発したシグナルの光子の数は、式 (33.16) の期待値をとって

⟨n^s⟩=sinh⁡2ζ=cosh⁡2(gL)−1(33.17)\langle \hat n_{\mathrm s} \rangle =\sinh^2\zeta=\cosh^2(gL)-1\tag{33.17}

である。この sinh⁡2ζ\sinh^2\zeta は式 (33.16) の a^i†sinh⁡ζ\hat a_{\mathrm i}^\dagger\sinh\zeta の項から出て、アイドラーの腕に光子を1個入れたときにシグナルへ移る分と同じ大きさである。入れなかったアイドラーの真空のゆらぎが、シグナルの光子になる。

2モードのスクイーズド真空

状態で書くと、真空に S^2(ζ)\hat S_2(\zeta) を当てた状態は

∣ψSPDC⟩=S^2(ζ)∣0,0⟩=1cosh⁡ζ∑n=0∞tanh⁡nζ ∣n⟩s∣n⟩i(33.18)| \psi_{\mathrm{SPDC}} \rangle =\hat S_2(\zeta)| 0,0 \rangle =\frac{1}{\cosh\zeta}\sum_{n=0}^\infty\tanh^n\zeta\,| n \rangle _{\mathrm s}| n \rangle _{\mathrm i}\tag{33.18}

である(S^2\hat S_2 を正規順序に並べ直す公式から出る。verify で打ち切った Fock 空間の数値と照合した)。シグナルとアイドラーの光子の数はいつも等しく、この状態を2モードのスクイーズド真空と呼ぶ。ζ\zeta が小さいとき、展開の頭は

∣ψSPDC⟩≈∣0,0⟩+ζ∣1,1⟩+O(ζ2)| \psi_{\mathrm{SPDC}} \rangle \approx| 0,0 \rangle +\zeta| 1,1 \rangle +\mathcal{O}(\zeta^2)

で、ほとんどの時間は何も出ず、ときどき光子の対が1組だけ出る。対が2組同時に出る確率は、1組の確率の tanh⁡2ζ\tanh^2\zeta 倍である。

片方の腕(シグナル)だけを見ると、アイドラーについて部分トレースをとって

ρ^s=1cosh⁡2ζ∑ntanh⁡2nζ ∣n⟩⟨n∣\hat\rho_{\mathrm s}=\frac{1}{\cosh^2\zeta}\sum_n\tanh^{2n}\zeta\,| n \rangle \langle n |

で、これは平均 sinh⁡2ζ\sinh^2\zeta の熱的な分布(第32章の熱的な光、gss(2)(0)=2g^{(2)}_{\mathrm{ss}}(0)=2)である。2つの腕を合わせると純粋状態で、片方だけでは熱的な混合状態になる。この違いが、2つの腕のもつれの表れである(相対エントロピーから情報と物理を組み立てる 第3部第4章)。

2つの腕の相関は、相互相関 gsi(2)=⟨n^sn^i⟩/(⟨n^s⟩⟨n^i⟩)g^{(2)}_{\mathrm{si}}=\langle \hat n_{\mathrm s}\hat n_{\mathrm i} \rangle /(\langle \hat n_{\mathrm s} \rangle \langle \hat n_{\mathrm i} \rangle ) で測る。式 (33.18) では n^s=n^i\hat n_{\mathrm s}=\hat n_{\mathrm i} なので、熱的な分布の ⟨n^2⟩=2nˉ2+nˉ\langle \hat n^2 \rangle =2\bar n^2+\bar n(nˉ=sinh⁡2ζ\bar n=\sinh^2\zeta)から

gsi(2)=2+1sinh⁡2ζ(33.19)g^{(2)}_{\mathrm{si}}=2+\frac{1}{\sinh^2\zeta}\tag{33.19}

になる。古典の強度 IsI_{\mathrm s}, IiI_{\mathrm i} では、Cauchy–Schwarz の不等式 ⟨IsIi⟩2≤⟨Is2⟩⟨Ii2⟩\langle I_{\mathrm s}I_{\mathrm i} \rangle ^2\le\langle I_{\mathrm s}^2 \rangle \langle I_{\mathrm i}^2 \rangle から (gsi(2))2≤gss(2)gii(2)(g^{(2)}_{\mathrm{si}})^2\le g^{(2)}_{\mathrm{ss}}g^{(2)}_{\mathrm{ii}} が成り立つ。SPDC の光では右辺が 2×2=42\times2=4 なのに左辺が (2+1/nˉ)2>4(2+1/\bar n)^2>4 で、どんなに小さな nˉ\bar n でも破れる。対が少ないほど、片方の光子の到着がもう片方の到着を強く告げる。

告知した1光子

アイドラーの腕に検出器を置き、鳴ったときだけシグナルの光子を使えば、シグナルの腕に1光子の状態を用意できる。これを告知した(heralded)1光子と呼ぶ。検出器が光子の数を区別せず「1個以上来たら鳴る」とすると、鳴ったときのシグナルの状態は、式 (33.18) の n≥1n\ge1 の項を集めたもの

ρ^s∣h∝∑n≥1tanh⁡2nζ ∣n⟩⟨n∣\hat\rho_{\mathrm s|\mathrm h}\propto\sum_{n\ge1}\tanh^{2n}\zeta\,| n \rangle \langle n |

である。n=1n=1 の割合は 1−tanh⁡2ζ1-\tanh^2\zeta で、g(2)(0)g^{(2)}(0) は

gh(2)(0)=2nˉ1+nˉ≈2nˉ(33.20)g^{(2)}_{\mathrm h}(0)=\frac{2\bar n}{1+\bar n}\approx2\bar n\tag{33.20}

になる(n=m+1n=m+1 と置き、mm が平均 nˉ\bar n の熱的な分布に従うことを使う)。nˉ\bar n を小さくするほど単一光子に近づくが、対の出る速さも下がる。2組同時に出ることが告知した1光子の不純物で、その割合と速さの釣り合いで源の明るさを選ぶ。

結晶の中では、エネルギー ℏωp=ℏωs+ℏωi\hbar\omega_{\mathrm p}=\hbar\omega_{\mathrm s}+\hbar\omega_{\mathrm i} と運動量 ℏkp=ℏks+ℏki\hbar\bm{k}_{\mathrm p}=\hbar\bm{k}_{\mathrm s}+\hbar\bm{k}_{\mathrm i}(位相整合。第17章の Δk=0\Delta k=0)が保たれる。連続波のポンプでは ωp\omega_{\mathrm p} が決まっているので、シグナルの周波数が帯域の中で高ければアイドラーは低く、2つの周波数は逆向きに相関する。2個の光子が生まれる時刻は、帯域の逆数(コヒーレンス時間)の程度でそろう。同じ源から出た2個の光子を 33.3節の2つの入口に入れれば、HOM の谷の幅で生まれた時刻の差を測れる。

原子のカスケードと偏光のもつれ

光子対のもう1つの源は、2つの遷移を続けて起こす原子である。Ca 原子の 4p2 1S04p^2\,{}^1S_0(J=0J=0、偶)を励起すると、4s4p 1P14s4p\,{}^1P_1(J=1J=1、奇)へ波長 551.3 nm551.3\,\mathrm{nm} の光子を出して移り、続けて基底状態 4s2 1S04s^2\,{}^1S_0(J=0J=0、偶)へ 422.7 nm422.7\,\mathrm{nm} の光子を出す(図 33.4。波長は Aspect ほか (1982) の値)。2つの遷移はどちらも第18章の電気双極子の遷移で、始めと終わりの準位がともに J=0J=0 なので、2個の光子の対は角運動量 00 と偶の偶奇性を原子から受け継ぐ。

図

図 33.4 Ca の J=0→1→0J=0\to1\to0 のカスケード。zz 軸に沿って逆向きに出る2個の光子は、中間の m=±1m=\pm1 のどちらを通ったかが分からないので、2つの経路の振幅が重なる(m=0m=0 からは zz 軸の向きに光子が出ない)。

2個の光子を zz 軸に沿って逆向き(光子1が +z+z、光子2が −z-z)に取り出す。zz の向きに進む光子は zz 軸まわりの角運動量 ±ℏ\pm\hbar しか運べないので、中間の準位は m=−1m=-1 か m=+1m=+1 で、m=0m=0 は通らない。光子1が角運動量 +ℏ+\hbar を運べば原子は m=−1m=-1 に移り、そこから光子2が −ℏ-\hbar を運んで m=0m=0 に戻る。偏光で書くと、zz 軸まわりの角運動量 ±ℏ\pm\hbar の偏光ベクトルは e±=∓(ex±iey)/2\bm{e}_\pm=\mp(\bm{e}_x\pm\mathrm{i}\bm{e}_y)/\sqrt2 なので、2つの経路の和は e+⊗e−+e−⊗e+=−(ex⊗ex+ey⊗ey)\bm{e}_+\otimes\bm{e}_-+\bm{e}_-\otimes\bm{e}_+=-(\bm{e}_x\otimes\bm{e}_x+\bm{e}_y\otimes\bm{e}_y) になる。2つの経路の相対的な符号は対称性で決まる。zz 軸まわりの回転で不変な2光子の偏光の状態は ∣xx⟩+∣yy⟩| xx \rangle +| yy \rangle と ∣xy⟩−∣yx⟩| xy \rangle -| yx \rangle の2つで、xzxz 面での鏡映(y→−yy\to-y)で前者は不変、後者は符号を変える。始めと終わりの原子の状態はどちらも J=0J=0 で偶なのでこの鏡映で不変であり、光子の対も不変な前者になる。したがって

∣ψpol⟩=12(∣x⟩1∣x⟩2+∣y⟩1∣y⟩2)(33.21)| \psi_{\mathrm{pol}} \rangle =\frac{1}{\sqrt2}\bigl(| x \rangle _1| x \rangle _2+| y \rangle _1| y \rangle _2\bigr)\tag{33.21}

である。どちらの光子も単独では偏光していない(部分トレースが 12\frac12 の単位行列)が、2つの偏光は完全に相関している。相対エントロピーから情報と物理を組み立てる 第3部第5章(相対エントロピーから情報と物理を組み立てる 第3部第5章)の ∣Φ+⟩| \Phi^+ \rangle と同じ形で、∣0⟩↔∣x⟩| 0 \rangle \leftrightarrow| x \rangle、∣1⟩↔∣y⟩| 1 \rangle \leftrightarrow| y \rangle と対応づけたものである。

光子1を透過軸の角 α\alpha の偏光子に、光子2を角 β\beta の偏光子に通す。透過する偏光は ∣α⟩=cos⁡α∣x⟩+sin⁡α∣y⟩| \alpha \rangle =\cos\alpha| x \rangle +\sin\alpha| y \rangle で、2つとも透過する確率は ∣⟨α∣⊗⟨β∣ ψpol∣2=12cos⁡2(α−β)\lvert \langle \alpha |\otimes\langle \beta |\,\psi_{\mathrm{pol}}\rvert ^2=\frac12\cos^2(\alpha-\beta) である。透過を +1+1、反射(直交する偏光)を −1-1 と数えた相関は

E(α,β)=cos⁡2(α−β)(33.22)E(\alpha,\beta)=\cos2(\alpha-\beta)\tag{33.22}

になる。偏光子の角が α\alpha だけ回ると Poincaré 球(第15章)の上では 2α2\alpha だけ回るので、Bloch 球の角で書いた相対エントロピーから情報と物理を組み立てる 第3部第5章の E=cos⁡(α−β)E=\cos(\alpha-\beta) とは角が2倍だけ違う。CHSH の量 S=E(a,b)−E(a,b′)+E(a′,b)+E(a′,b′)S=E(a,b)-E(a,b')+E(a',b)+E(a',b') は、偏光子の角を a=0∘a=0^\circ, a′=45∘a'=45^\circ, b=22.5∘b=22.5^\circ, b′=67.5∘b'=67.5^\circ に選ぶと、4つの項がどれも大きさ cos⁡45∘\cos45^\circ で S=22S=2\sqrt2 になり、局所的な隠れた変数の模型の上限 22 を超える(CHSH 不等式の導出と Tsirelson の上限 222\sqrt2 は相対エントロピーから情報と物理を組み立てる 第3部第5章)。

偏光でもつれた対は、SPDC でも作れる。シグナルとアイドラーが直交する偏光で生まれる位相整合(タイプ II)の結晶では、2つの円錐状の光の交わる2方向で (∣HV⟩+eiϕ∣VH⟩)/2(| HV \rangle +\mathrm{e}^{\mathrm{i}\phi}| VH \rangle )/\sqrt2 の対が得られる(P. G. Kwiat ほか (1995)、Phys. Rev. Lett. 75, 4337)。波長板(第15章)で ϕ\phi と偏光の基底を回せば式 (33.21) の形にできる。

例題 33.4 ζ=0.1\zeta=0.1 の光子対の源 ★★

オリジナル1組のシグナルとアイドラーのモードについて、2モードのスクイーズのパラメータが ζ=0.1\zeta=0.1 の SPDC の源を考える。

  1. (1) nˉ=⟨n^s⟩\bar n=\langle \hat n_{\mathrm s} \rangle、1組だけ出る確率 P(1,1)P(1,1)、2組と1組の確率の比を求めよ。
  2. (2) gss(2)g^{(2)}_{\mathrm{ss}} と gsi(2)g^{(2)}_{\mathrm{si}} を求め、古典の Cauchy–Schwarz の不等式と比べよ。
  3. (3) アイドラーで告知したシグナルが1光子である割合と、gh(2)(0)g^{(2)}_{\mathrm h}(0) を求めよ。
解答

(1) nˉ=sinh⁡20.1=0.01003\bar n=\sinh^20.1=0.01003。式 (33.18) から P(n,n)=tanh⁡2nζ/cosh⁡2ζP(n,n)=\tanh^{2n}\zeta/\cosh^2\zeta で、P(1,1)=tanh⁡2(0.1)/cosh⁡2(0.1)=9.84×10−3P(1,1)=\tanh^2(0.1)/\cosh^2(0.1)=9.84\times10^{-3}、比 P(2,2)/P(1,1)=tanh⁡2(0.1)=0.00993P(2,2)/P(1,1)=\tanh^2(0.1)=0.00993 である。1組の対を100回取るごとに、2組同時の事象が1回ほど混ざる。

(2) 片方の腕は熱的なので gss(2)=2g^{(2)}_{\mathrm{ss}}=2。式 (33.19) から gsi(2)=2+1/0.01003=101.7g^{(2)}_{\mathrm{si}}=2+1/0.01003=101.7。(gsi(2))2=1.03×104(g^{(2)}_{\mathrm{si}})^2=1.03\times10^4 は古典の上限 gss(2)gii(2)=4g^{(2)}_{\mathrm{ss}}g^{(2)}_{\mathrm{ii}}=4 の2500倍を超える。片方の腕の光子は熱的にばらばらに来るのに、2つの腕の到着は強く結びついている。

(3) 1光子である割合は 1−tanh⁡2ζ=0.9901-\tanh^2\zeta=0.990、gh(2)(0)=2×0.01003/1.01003=0.0199g^{(2)}_{\mathrm h}(0)=2\times0.01003/1.01003=0.0199 である。熱的な片方の腕の g(2)=2g^{(2)}=2 が、アイドラーで告知するだけで 0.020.02 まで下がる。

例題 33.5 偏光でもつれた対の相関と CHSH ★★

オリジナル式 (33.21) の対の光子1を角 α\alpha、光子2を角 β\beta の偏光子で調べる。

  1. (1) α−β=30∘\alpha-\beta=30^\circ のとき、2つとも透過する確率と相関 EE を求めよ。
  2. (2) 光子1の結果だけを見たとき、透過の確率が α\alpha に依らず 1/21/2 であることを示せ。
  3. (3) 本文の4つの角で S=22S=2\sqrt2 となることを確かめよ。測定の装置の不完全さで相関が E=Fcos⁡2(α−β)E=F\cos2(\alpha-\beta) に縮むとき、S>2S>2 となる FF の範囲を求めよ。
解答

(1) 2つとも透過する確率は 12cos⁡230∘=0.375\frac12\cos^230^\circ=0.375。E=cos⁡60∘=0.5E=\cos60^\circ=0.5 である。

(2) 光子2について和をとると、光子1が透過する確率は 12cos⁡2(α−β)+12sin⁡2(α−β)=12\frac12\cos^2(\alpha-\beta)+\frac12\sin^2(\alpha-\beta)=\frac12 で、α\alpha にも β\beta にも依らない。光子2の偏光子の角を変えても光子1の統計は変わらず、片方の操作で他方へ信号を送ることはできない。

(3) E(a,b)=cos⁡(−45∘)E(a,b)=\cos(-45^\circ)、E(a,b′)=cos⁡(−135∘)=−cos⁡45∘E(a,b')=\cos(-135^\circ)=-\cos45^\circ、E(a′,b)=cos⁡45∘E(a',b)=\cos45^\circ、E(a′,b′)=cos⁡(−45∘)E(a',b')=\cos(-45^\circ) なので S=4cos⁡45∘=22=2.828S=4\cos45^\circ=2\sqrt2=2.828。縮んだ相関では S=22FS=2\sqrt2F で、S>2S>2 には F>1/2=0.707F>1/\sqrt2=0.707 が要る。

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

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