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この章のまとめ

2026年10月15日9分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第35章 終章:モードと2準位系で何が言えたか

AI 生成・木下が未勉強

光学と量子エレクトロニクス 第35章 §35.7 ★★★ モードと2準位系の4つの問いで巻全体が書け、近似の多くは周波数の階段を使う B 型で、その半分近くは前提の確認が残っている

この巻は、光学と量子エレクトロニクスの話題を、場のモード、物質のモデル、結合、近似の4つの問いで読み直した。場の扱いは光線から波、光子へと細かくなり、物質の扱いは屈折率から振動子、2準位系へと細かくなり、前の部の結果は次の部の極限として戻ってきた。表には無かった筋として、ガウスビーム・能動モード同期のパルス・量子化したモードの真空とコヒーレント状態・光の罠の底の原子の4つで、2次の Hamiltonian の基底状態(最小不確定の Gauss 型)が答えになった。

序章で予告した3本の筋は次の形で回収できた。分極率は屈折率と光の力を U=−(n−1)I/(Nc)U=-(n-1)I/(Nc) の1つの式で結ぶ。縦モードの櫛 νn=nνrep+νceo\nu_n=n\nu_{\mathrm{rep}}+\nu_{\mathrm{ceo}} は、光の周波数を整数とマイクロ波の端数に分けて数える道具になる。Poincaré 球と Bloch 球は軸の名前を付け替えただけの同じ球で、波長板とパルスは同じ回転である。

近似の側では、第1〜34章の札89枚のうち72枚が B 型で、その多くは ω0≫Γ,Ω≫ωrec\omega_0\gg\Gamma,\Omega\gg\omega_{\mathrm{rec}} の周波数の階段か、波長と構造の大きさの比を使う。証明済みは閉じた形の厳密解と比べた5枚だけで、要確認が44枚ある。C 型の10枚は内部に誤差の評価を持たず、実験との比較で確かめる。光の量子技術(原子時計・中性原子の量子計算・量子計測・量子通信)は、どれもこの巻の部品の組み合わせで、それぞれ階段のどの段を使うかで性格が分かれる。

この巻で使った見方

  • 4つの問い:どのモードを取り出し、物質をどうモデル化し、どう結合させ、何を近似したか。
  • 3本の筋:U=−(n−1)I/(Nc)U=-(n-1)I/(Nc)(分極率)、νn=nνrep+νceo\nu_n=n\nu_{\mathrm{rep}}+\nu_{\mathrm{ceo}}(櫛)、S1↔wS_1\leftrightarrow w・S2↔uS_2\leftrightarrow u・S3↔vS_3\leftrightarrow v(球)。
  • 4つの調和振動子:ガウスビーム、能動モード同期のパルス、場のモード、罠の底の原子。どれも基底状態が最小不確定。
  • 周波数の階段:ω0≫Γ,Ω≫ωrec\omega_0\gg\Gamma,\Omega\gg\omega_{\mathrm{rec}}。1段目が回転波近似と Markov 近似、2段目が半古典の力と冷却。
  • 札:89枚のうち B 型 72・A 型 7・C 型 10、証明済み 5・条件付き 32・要確認 44・内部の評価なし 8。

総合問題 Rb 原子を1個、冷やして光ピンセットに捕まえる ★★★

オリジナル87Rb{}^{87}\mathrm{Rb} の D2 線(波長 λ0=780.241 nm\lambda_0=780.241\,\mathrm{nm}、自然幅 Γ/2π=6.0666 MHz\Gamma/2\pi=6.0666\,\mathrm{MHz}、質量 m=1.443×10−25 kgm=1.443\times10^{-25}\,\mathrm{kg})を2準位原子として扱う。冷やした原子を、波長 λL=1064 nm\lambda_{\mathrm L}=1064\,\mathrm{nm}、パワー P=1 WP=1\,\mathrm W の光をビーム半径 w0=10 μmw_0=10\,\mu\mathrm m に絞った焦点に置く。焦点の中心の強度は I=2P/(πw02)I=2P/(\pi w_0^2) とする。

  1. (1) (使う道具:第20章の Einstein の AA 係数)自然放出の速さ Γ=ω03d2/(3πε0ℏc3)\Gamma=\omega_0^3d^2/(3\pi\varepsilon_0\hbar c^3) から、2準位原子の双極子の行列要素 dd を求め、ea0ea_0 の単位で答えよ。
  2. (2) (使う道具:第26章のレーザー冷却、35.3節)Doppler 限界 TDT_{\mathrm D} と反跳温度 TrecT_{\mathrm{rec}} を求めよ。
  3. (3) (使う道具:第1章の分極率と第25章の双極子力、35.2節)焦点の中心の Rabi 周波数 Ω\Omega を求め、反共鳴の項も残した分極率 α=2ω0d2/[ℏ(ω02−ωL2)]\alpha=2\omega_0d^2/[\hbar(\omega_0^2-\omega_{\mathrm L}^2)] で罠の深さ U/kBU/ k_{\mathrm B} を求めよ。回転波近似の ℏΩ2/(4Δ)\hbar\Omega^2/(4\Delta) との比も求め、Doppler 限界まで冷やした原子がこの罠に捕まるかを述べよ。
  4. (4) (使う道具:第25章の散乱の速さ)罠の光を原子が散乱する速さを Γsc≈(Γ/∣Δ∣)∣U∣/ℏ\Gamma_{\mathrm{sc}}\approx(\Gamma/\lvert \Delta\rvert )\lvert U\rvert /\hbar で見積もれ。散乱1回ごとに反跳のエネルギー Erec=ℏ2kL2/(2m)E_{\mathrm{rec}}=\hbar^2k_{\mathrm L}^2/(2m) の2倍が加わるとして、1秒あたりに増えるエネルギーを kBk_{\mathrm B} で割った値と、罠の深さに達するまでの時間を見積もれ。
  5. (5) (使う道具:35.3節・35.4節の札)(3) と (4) で使った近似の小さいパラメータ(Ω/ω0\Omega/\omega_0、∣Δ∣/(ω0+ωL)\lvert \Delta\rvert /(\omega_0+\omega_{\mathrm L})、ωrec/Γ\omega_{\mathrm{rec}}/\Gamma)の値を並べ、どの近似の誤差がもっとも大きいかを述べよ。2準位への縮約について、この原子で捨てているものを1つ挙げよ。
解答

(1) ω0=2πc/λ0≈2.414×1015 s−1\omega_0=2\pi c/\lambda_0\approx2.414\times10^{15}\,\mathrm{s^{-1}}、Γ≈3.812×107 s−1\Gamma\approx3.812\times10^7\,\mathrm{s^{-1}} から

d=3πε0ℏc3Γω03≈2.53×10−29 C m≈2.99 ea0d=\sqrt{\frac{3\pi\varepsilon_0\hbar c^3\Gamma}{\omega_0^3}}\approx2.53\times10^{-29}\,\mathrm{C\,m}\approx2.99\,ea_0

である。寿命 1/Γ=26 ns1/\Gamma=26\,\mathrm{ns} は、原子の大きさ a0a_0 と電気素量 ee の積の3倍程度の双極子で決まっている。

(2) TD=ℏΓ/(2kB)≈146 μKT_{\mathrm D}=\hbar\Gamma/(2 k_{\mathrm B})\approx146\,\mu\mathrm K、Trec=ℏ2k2/(mkB)≈0.362 μKT_{\mathrm{rec}}=\hbar^2k^2/(m k_{\mathrm B})\approx0.362\,\mu\mathrm K(例題 35.4)。

(3) I=2/(π×10−10)≈6.37×109 W m−2I=2/(\pi\times10^{-10})\approx6.37\times10^9\,\mathrm{W\,m^{-2}}、E0=2I/(cε0)≈2.19×106 V m−1E_0=\sqrt{2I/(c\varepsilon_0)}\approx2.19\times10^6\,\mathrm{V\,m^{-1}}、Ω=dE0/ℏ≈5.26×1011 s−1\Omega=dE_0/\hbar\approx5.26\times10^{11}\,\mathrm{s^{-1}} で、Ω/ω0≈2.2×10−4\Omega/\omega_0\approx2.2\times10^{-4}。ωL≈1.770×1015 s−1\omega_{\mathrm L}\approx1.770\times10^{15}\,\mathrm{s^{-1}}、Δ=ωL−ω0≈−6.44×1014 s−1\Delta=\omega_{\mathrm L}-\omega_0\approx-6.44\times10^{14}\,\mathrm{s^{-1}}(赤い離調)。

U=−14αE02=−ℏΩ24⋅2ω0ω02−ωL2≈−1.31×10−26 J,U/kB≈−0.948 mKU=-\frac14\alpha E_0^2=-\frac{\hbar\Omega^2}{4}\cdot\frac{2\omega_0}{\omega_0^2-\omega_{\mathrm L}^2}\approx-1.31\times10^{-26}\,\mathrm J,\qquad U/ k_{\mathrm B}\approx-0.948\,\mathrm{mK}

である。回転波近似では URWA/kB≈−0.822 mKU_{\mathrm{RWA}}/ k_{\mathrm B}\approx-0.822\,\mathrm{mK} で、比は U/URWA=2ω0/(ω0+ωL)≈1.154U/U_{\mathrm{RWA}}=2\omega_0/(\omega_0+\omega_{\mathrm L})\approx1.154。第1章の総合問題(第1章)は同じ罠を丸めた与値 d=2.5 ea0d=2.5\,ea_0 で解いて 0.662 mK0.662\,\mathrm{mK} を得た。深さは d2d^2 に比例するので、比 (2.99/2.5)2=1.43(2.99/2.5)^2=1.43 がそのまま現れる。罠の深さは Doppler 限界の約 6.56.5 倍なので、Doppler 限界まで冷やした原子(エネルギーの分布の大部分が kBTDk_{\mathrm B} T_{\mathrm D} の数倍以下)は捕まる。

(4) Γsc≈(3.812×107/6.44×1014)×1.31×10−26/1.0546×10−34≈7.3 s−1\Gamma_{\mathrm{sc}}\approx(3.812\times10^7/6.44\times10^{14})\times1.31\times10^{-26}/1.0546\times10^{-34}\approx7.3\,\mathrm{s^{-1}}。kL=2π/λLk_{\mathrm L}=2\pi/\lambda_{\mathrm L} で Erec/kB≈97 nKE_{\mathrm{rec}}/ k_{\mathrm B}\approx97\,\mathrm{nK} なので、加熱の速さは 2ErecΓsc/kB≈1.4 μK s−12E_{\mathrm{rec}}\Gamma_{\mathrm{sc}}/ k_{\mathrm B}\approx1.4\,\mu\mathrm K\,\mathrm s^{-1}、罠の深さ 0.948 mK0.948\,\mathrm{mK} に達するまでの時間は約 660 s660\,\mathrm s である。遠く離調した光の罠では、原子は1秒に数回しか光を散乱せず、分単位で罠の中にとどまる。Γsc\Gamma_{\mathrm{sc}} と UU の比は Γ/∣Δ∣\Gamma/\lvert \Delta\rvert で、離調を大きくするほど、同じ深さに対して散乱が少なくなる。

(5) Ω/ω0≈2.2×10−4\Omega/\omega_0\approx2.2\times10^{-4}、∣Δ∣/(ω0+ωL)≈0.154\lvert \Delta\rvert /(\omega_0+\omega_{\mathrm L})\approx0.154、ωrec/Γ≈6.2×10−4\omega_{\mathrm{rec}}/\Gamma\approx6.2\times10^{-4} である。誤差がもっとも大きいのは回転波近似で、捨てた反共鳴の項が罠の深さを 15%15\% 変える((3) の比)。(4) の散乱の速さも回転波近似の形で見積もったので、同じ桁の誤差を含む。2準位への縮約(A 型の札)について、87Rb{}^{87}\mathrm{Rb} には波長 795 nm795\,\mathrm{nm} の D1 線(5S1/2→5P1/25\mathrm S_{1/2}\to5\mathrm P_{1/2})があり、1064 nm1064\,\mathrm{nm} の光は D1 線からも D2 線からも同じ桁だけ離れているので、D1 線の分極率への寄与を捨てていることになる。1064 nm1064\,\mathrm{nm} の罠の深さを正しく出すには、両方の線を足した分極率が要る(第25章)。

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