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授業で習った形との対応

2026年10月15日7分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第1部 第1章 序章:何と何を比べたのか
目次
  1. 情報理論:底2のエントロピー
  2. 熱力学:自由エネルギー最小と Clausius の不等式
  3. 統計学:最尤推定と Fisher 情報
  4. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

相対エントロピーから情報と物理を組み立てる 第1部 第1章 §1.1.6 ★★ ビットのエントロピー・自由エネルギー最小・Clausius の不等式・最尤推定が、それぞれどの2つの分布の DD にあたるか

この節では、情報理論・熱力学・統計学の授業や資格の勉強で習う形と、この巻の形を式で並べる。

情報理論:底2のエントロピー

情報理論の授業では、エントロピーを −∑xp(x)log⁡2p(x)-\sum_xp(x)\log_2p(x) と底2で書き、符号の平均の長さの下限として導入する。この巻の式 (1.1.5) は自然対数で、両者は ln⁡2\ln2 倍だけ違う。相互情報量も同じ式で、I(X;Y)=H(X)−H(X ∣ Y)I(X;Y)=H(X)-H(X\,|\,Y) と「受け取ったあとに残る不確かさの減り方」として習うことが多い。この巻では、これを独立という仮説との DD として式 (1.1.7) で読む。どちらの書き方でも同じ値になるのは、対数の中身を分けて和を並べ替えるだけの違いだからである。

熱力学:自由エネルギー最小と Clausius の不等式

熱力学の授業では、温度と体積を決めた系の平衡は Helmholtz の自由エネルギー F=U−TSF=U-TS の最小で決まる、と習い、第二法則を Clausius の不等式 ΔS≥Q/T\Delta S\ge Q/T の形で書く。この巻では、前者を式 (1.1.11) の非負性、後者の等温の場合を式 (1.1.12) のデータ処理不等式として読む。等温で外から仕事をしない系では、熱浴からもらう熱 QQ は内部エネルギーの変化 ΔU\Delta U に等しいので、Clausius の不等式は ΔS≥ΔU/T\Delta S\ge\Delta U/T、すなわち ΔF=ΔU−TΔS≤0\Delta F=\Delta U-T\Delta S\le0 と同じである。統計力学の授業では、カノニカル分布を「系と熱浴を合わせた全体の等重率」から導く。この巻では、平均エネルギーだけを知っているときにエントロピーを最大にする分布として導く(Jaynes の最大エントロピー原理1E. T. Jaynes (1957), Phys. Rev. 106, 620–630。下の脚注へ、第2部第1章)。この最大化は、平均エネルギーを決めたときの D(p ∥ peq)D(p\,\|\,p_{\mathrm{eq}}) の最小化と同じ問題である。

統計学:最尤推定と Fisher 情報

統計学の授業では、観測値 x1,…,xnx_1,\dots,x_n から模型 qθq_\theta のパラメータを推定するとき、対数尤度 ∑kln⁡qθ(xk)\sum_k\ln q_\theta(x_k) を最大にする θ^\hat\theta を選ぶ(最尤推定)。観測値の経験分布 p^(x)=(値 x が出た回数)/n\hat p(x)=(\text{値 }x\text{ が出た回数})/n を使うと

1n∑k=1nln⁡qθ(xk)=∑xp^(x)ln⁡qθ(x)=−H(p^)−D(p^ ∥ qθ)(1.1.13)\frac1n\sum_{k=1}^n\ln q_\theta(x_k)=\sum_x\hat p(x)\ln q_\theta(x)=-H(\hat p)-D(\hat p\,\|\,q_\theta)\tag{1.1.13}

と書け、H(p^)H(\hat p) は θ\theta に依らない。したがって、最尤推定は「観測の分布にいちばん近い模型を D(p^ ∥ qθ)D(\hat p\,\|\,q_\theta) で選ぶ」ことと同じである。Fisher 情報は統計学では I(θ)I(\theta) と書き、Cramér–Rao の不等式 Var(θ^)≥1/(nI(θ))\mathrm{Var}(\hat\theta)\ge1/(nI(\theta)) で習う。この巻では J(θ)J(\theta) と書き、式 (1.1.8) の2次の係数として読む。

授業で習った形この巻での読み方
−∑plog⁡2p-\sum p\log_2p(ビット)H(X)=ln⁡∣X∣−D(p ∥ u)H(X)=\ln\lvert \mathcal X\rvert -D(p\,\|\,u) を ln⁡2\ln2 で割ったもの
I(X;Y)=H(X)−H(X ∣ Y)I(X;Y)=H(X)-H(X\,|\,Y)D(pXY ∥ pXpY)D(p_{XY}\,\|\,p_Xp_Y):独立という仮説との違い
平衡は F=U−TSF=U-TS の最小F[p]−Feq=kBT D(p ∥ peq)≥0F[p]-F_{\mathrm{eq}}= k_{\mathrm B} T\,D(p\,\|\,p_{\mathrm{eq}})\ge0
Clausius の不等式(等温)D(Wpt ∥ peq)≤D(pt ∥ peq)D(Wp_t\,\|\,p_{\mathrm{eq}})\le D(p_t\,\|\,p_{\mathrm{eq}})
カノニカル分布を等重率から平均エネルギーを決めた最大エントロピー
最尤推定 max⁡θ∑ln⁡qθ(xk)\max_\theta\sum\ln q_\theta(x_k)min⁡θD(p^ ∥ qθ)\min_\theta D(\hat p\,\|\,q_\theta)
Fisher 情報 I(θ)I(\theta)D(pθ ∥ pθ+δ)D(p_\theta\,\|\,p_{\theta+\delta}) の2次の係数 J(θ)J(\theta)

例題 1.1.6 硬貨の最尤推定を DD の最小化として解く ★★

オリジナル硬貨を n=20n=20 回投げたところ、表が k=14k=14 回出た。

  1. (1) 経験分布 p^\hat p を書き、D(p^ ∥ Bern(θ))D(\hat p\,\|\,\mathrm{Bern}(\theta)) を最小にする θ\theta を求めよ。
  2. (2) 最尤推定の模型と公平な硬貨 Bern(0.5)\mathrm{Bern}(0.5) の対数尤度の差を、式 (1.1.13) を使って DD で表し、値を求めよ。
解答

(1) p^=Bern(0.7)\hat p=\mathrm{Bern}(0.7)。D(p^ ∥ Bern(θ))=0.7ln⁡0.7θ+0.3ln⁡0.31−θD(\hat p\,\|\,\mathrm{Bern}(\theta))=0.7\ln\frac{0.7}{\theta}+0.3\ln\frac{0.3}{1-\theta} を θ\theta で微分すると −0.7θ+0.31−θ-\frac{0.7}{\theta}+\frac{0.3}{1-\theta} で、これが 00 になるのは θ=0.7\theta=0.7 のときである。θ=0.7\theta=0.7 で D=0D=0 となり、非負性からこれが最小である。最尤推定 θ^=k/n=0.7\hat\theta=k/n=0.7 と一致する。

(2) 式 (1.1.13) を θ=0.7\theta=0.7 と θ=0.5\theta=0.5 で引き算すると、H(p^)H(\hat p) が消えて

∑kln⁡q0.7(xk)−∑kln⁡q0.5(xk)=n[D(p^ ∥ q0.5)−D(p^ ∥ q0.7)]=n D(p^ ∥ q0.5).\sum_k\ln q_{0.7}(x_k)-\sum_k\ln q_{0.5}(x_k)=n\bigl[D(\hat p\,\|\,q_{0.5})-D(\hat p\,\|\,q_{0.7})\bigr]=n\,D(\hat p\,\|\,q_{0.5}).

D(p^ ∥ q0.5)=0.7ln⁡1.4+0.3ln⁡0.6≈0.0823D(\hat p\,\|\,q_{0.5})=0.7\ln1.4+0.3\ln0.6\approx0.0823 なので、対数尤度の差は 20×0.0823≈1.6520\times0.0823\approx1.65、尤度比は e1.65≈5.2\mathrm{e}^{1.65}\approx5.2 である。尤度比検定の統計量 2×1.65≈3.32\times1.65\approx3.3 は、自由度1の χ2\chi^2 分布の上側 5 % 点 3.843.84 より小さいので、この観測だけでは公平な硬貨という仮説を有意水準 5 % で棄却することはできない。例題 1.1.1 の 0.90.9 の硬貨と比べて、0.70.7 の硬貨は公平な硬貨との DD が小さく、見分けるのに多くの回数が要る。

ほかの巻では

1 E. T. Jaynes (1957), Phys. Rev. 106, 620–630。

木下の勉強ステータス

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