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定義:最大値で書く Legendre 変換

2026年10月15日6分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第1部 第7章 Legendre 変換(図から)
目次
  1. 最大値による定義
  2. 導関数は逆関数どうし
  3. Young の不等式
  4. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第1部 第7章 §1.7.2 ★★★ f∗(p)=sup⁡x [px−f(x)]f^*(p)=\sup_x\,[px-f(x)]。導関数どうしが逆関数になり、2階導関数どうしは逆数になる

最大値による定義

図 1.7.1 の右のように、原点を通る直線 pxpx とグラフ f(x)f(x) の縦の差 px−f(x)px-f(x) を考える。xx の関数として微分すると p−f′(x)p-f'(x) で、ff が下に凸なら f′f' は増加するので、差は f′(x)=pf'(x)=p となる接点 x0x_0 まで増え、そこから先は減る。したがって差の最大値は接点でとられ、その値は式 (1.7.2) の f∗(p)f^*(p) に一致する。この「最大値」の形を定義に採ると、接点を探す手間を定義に含めることができ、微分できない関数や凸でない関数にもそのまま使うことができる。

定義 1.7.1(Legendre 変換)

区間 II 上の関数 f(x)f(x) に対して

f∗(p)≔sup⁡x∈I[px−f(x)](1.7.3)f^*(p)\coloneqq\sup_{x\in I}\bigl[px-f(x)\bigr]\tag{1.7.3}

を ff の Legendre 変換と呼ぶ(上限が有限になる pp だけを f∗f^* の定義域とする)。凸解析では、この最大値の形を Legendre–Fenchel 変換と呼んで区別することもあるが、この本では両方を Legendre 変換と呼ぶ。

ff が2回微分できて f′′(x)>0f''(x)>0(狭義に下に凸)なら、f′f' は狭義に増加するので、各 pp(f′f' の値域の中)に対して f′(x)=pf'(x)=p の解 x(p)x(p) がただ1つあり、

f∗(p)=p x(p)−f(x(p)),f′(x(p))=p(1.7.4)f^*(p)=p\,x(p)-f\bigl(x(p)\bigr),\qquad f'\bigl(x(p)\bigr)=p\tag{1.7.4}

となる。物理で使う Legendre 変換は、ほとんどがこの形である。

導関数は逆関数どうし

定理 1.7.2(導関数の入れ替え)

f′′>0f''>0 のとき、f∗f^* は f′f' の値域の上で2回微分でき、

(f∗)′(p)=x(p),(f∗)′′(p)=1f′′(x(p))>0.(1.7.5)(f^*)'(p)=x(p),\qquad (f^*)''(p)=\frac{1}{f''\bigl(x(p)\bigr)}>0 .\tag{1.7.5}

すなわち f′f' と (f∗)′(f^*)' は互いの逆関数で、f∗f^* もまた狭義に下に凸である。

証明

式 (1.7.4) を pp で微分すると、連鎖律から

(f∗)′(p)=x(p)+p x′(p)−f′(x(p)) x′(p)=x(p)+[p−f′(x(p))]x′(p)=x(p).(f^*)'(p)=x(p)+p\,x'(p)-f'\bigl(x(p)\bigr)\,x'(p)=x(p)+\bigl[p-f'\bigl(x(p)\bigr)\bigr]x'(p)=x(p).

角括弧は x(p)x(p) の定義で 00 になる。x(p)x(p) の動き x′(p)x'(p) が結果に入らないことが、この計算の中心である。さらに f′(x(p))=pf'(x(p))=p を pp で微分すると f′′(x(p)) x′(p)=1f''(x(p))\,x'(p)=1 なので、(f∗)′′(p)=x′(p)=1/f′′(x(p))(f^*)''(p)=x'(p)=1/f''(x(p))。

角括弧が消えた理由は、x(p)x(p) が px−f(x)px-f(x) の最大点だからである。最大点では xx についての微分が 00 なので、pp を動かしたときに最大点が動いても、その動きは1次では値を変えない。この事実は、後で LL や UU に取り替えない変数が入ったときにも同じ形で使う(1.7.4節の式 (1.7.10))。

式 (1.7.5) は、2つの関数の関係を対称な形にする。ff の側では「xx を入れると傾き p=f′(x)p=f'(x) が出る」、f∗f^* の側では「pp を入れると傾き x=(f∗)′(p)x=(f^*)'(p) が出る」。xx と pp は互いに相手の関数の傾きになっていて、変換の前後で役を交換する。2階導関数が逆数どうしになることは、図で言えば「ff のグラフが急に曲がる所では、傾き pp を少し変えても接点 xx はあまり動かない」ということである。

Young の不等式

定義 (1.7.3) から、任意の xx と pp について f∗(p)≥px−f(x)f^*(p)\ge px-f(x)、すなわち

f(x)+f∗(p) ≥ px(1.7.6)f(x)+f^*(p)\ \ge\ px\tag{1.7.6}

が成り立つ。これを Young の不等式(Fenchel–Young の不等式)と呼ぶ。f′′>0f''>0 なら、等号は p=f′(x)p=f'(x)(xx と pp が互いの傾き)のときだけ成り立つ。f(x)=12x2f(x)=\frac12x^2 では f∗=12p2f^*=\frac12p^2 で、不等式は 12x2+12p2≥px\frac12x^2+\frac12p^2\ge px、すなわち 12(x−p)2≥0\frac12(x-p)^2\ge0 になる。この不等式は、Legendre 変換の対が「xx と pp の積 pxpx を上から押さえる2つの関数の組」であることを示している。解析力学では L+H≥pq˙L+H\ge p\dot q、熱力学では U−F≥TSU-F\ge TS という形で現れる(1.7.5節)。

例題 1.7.2 指数関数の Legendre 変換と定義域 ★★

オリジナルf(x)=exf(x)=\mathrm{e}^x(x∈Rx\in\mathbb{R})について次に答えよ。

  1. (1) p>0p>0 について f∗(p)f^*(p) を求めよ。
  2. (2) p=0p=0 と p<0p<0 で上限 (1.7.3) がどうなるか調べ、f∗f^* の定義域を答えよ。
  3. (3) 式 (1.7.5) の2つの関係を確かめよ。
解答

(1) f′(x)=ex=pf'(x)=\mathrm{e}^x=p から x(p)=ln⁡px(p)=\ln p。式 (1.7.4) より

f∗(p)=pln⁡p−eln⁡p=pln⁡p−p(p>0).f^*(p)=p\ln p-\mathrm{e}^{\ln p}=p\ln p-p\qquad(p>0).

(2) p=0p=0 では sup⁡x(−ex)=0\sup_x(-\mathrm{e}^x)=0(x→−∞x\to-\infty で近づくが、とられない)なので f∗(0)=0f^*(0)=0。これは p→+0p\to+0 での pln⁡p−p→0p\ln p-p\to0 と一致する。p<0p<0 では x→−∞x\to-\infty で px→+∞px\to+\infty、ex→0\mathrm{e}^x\to0 なので上限は +∞+\infty。よって f∗f^* の定義域は p≥0p\ge0 である。f′(x)=exf'(x)=\mathrm{e}^x の値域が (0,∞)(0,\infty) なので、正の傾きの接線しか引けないことに対応する。

(3) (f∗)′(p)=ln⁡p+1−1=ln⁡p=x(p)(f^*)'(p)=\ln p+1-1=\ln p=x(p) で、f′(x)=exf'(x)=\mathrm{e}^x の逆関数になっている。(f∗)′′(p)=1/p(f^*)''(p)=1/p で、f′′(x(p))=eln⁡p=pf''(x(p))=\mathrm{e}^{\ln p}=p の逆数である。(pln⁡p−pp\ln p-p は統計力学のエントロピーの式によく出る形で、ex\mathrm{e}^x との Legendre 変換の対は第3部第4章でもう一度現れる。)

木下の勉強ステータス

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