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UU から FF へ:エントロピーを温度に取り替える

2026年10月15日8分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第1部 第7章 Legendre 変換(図から)
目次
  1. 同じ図に載せる
  2. 取り替えない変数と2階微分
  3. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第1部 第7章 §1.7.5 ★★★ F(T,V)=inf⁡S[U−TS]=−U∗(T)F(T,V)=\inf_S[U-TS]=-U^*(T)。体積は取り替えない変数で、L→HL\to H と同じ図に載る

同じ図に載せる

熱力学では、粒子数 NN を止めた系の内部エネルギーを U(S,V)U(S,V) と書き、温度と圧力を

T=∂U∂S∣V,P=−∂U∂V∣ST=\frac{\partial U}{\partial S}\Big|_V,\qquad P=-\frac{\partial U}{\partial V}\Big|_S

で定める。安定な系では T>0T>0 で、UU は SS について下に凸、∂2U/∂S2∣V=T/CV>0\partial^2U/\partial S^2|_V=T/C_V>0(CVC_V は定積熱容量)である。SS は実験で直接制御できないが、TT は熱浴に接触させて一定に保てるので、SS を TT に取り替えたい。UU の SS についての傾きが TT なので、これは1.7.2節の Legendre 変換で x→Sx\to S、p→Tp\to T とし、VV を取り替えない変数としたものである。

熱力学の習慣では、切片に負号を付けずにそのまま使う。傾き TT の接線の切片は U−TSU-TS で、これを Helmholtz の自由エネルギーと呼ぶ。

F(T,V)≔inf⁡S[U(S,V)−TS]=−U∗(T)(U∗ は S についての Legendre 変換、V は止める).(1.7.13)F(T,V)\coloneqq\inf_S\bigl[U(S,V)-TS\bigr]=-U^*(T)\qquad(U^*\text{ は }S\text{ についての Legendre 変換、}V\text{ は止める}).\tag{1.7.13}

inf⁡\inf と sup⁡\sup は負号で入れ替わる(inf⁡S[U−TS]=−sup⁡S[TS−U]\inf_S[U-TS]=-\sup_S[TS-U])。FF は TT について上に凸(−U∗-U^* だから)になる。

図 1.7.4 は、L→HL\to H と U→FU\to F を同じ図に描いたものである。左は LL を q˙\dot q の関数として描き、傾き pp の接線の切片が −H-H になる。右は UU を SS の関数として描き、傾き TT の接線の切片が FF になる。2つは同じ作図で、違いは切片に負号を付けるかどうかの約束だけである。HH は LL の Legendre 変換そのもの、FF は UU の Legendre 変換の −1-1 倍である。

図 図

図 1.7.4 同じ作図の2つの例。左:相対論的な粒子の L=−mc21−q˙2/c2L=-mc^2\sqrt{1-\dot q^2/c^2}(V=0V=0)。q˙=0.6c\dot q=0.6c での傾きは p=0.75mcp=0.75mc、切片は −1.25mc2=−H-1.25mc^2=-H。右:体積を止めた単原子理想気体の U∝e2S/(3NkB)U\propto\mathrm{e}^{2S/(3N k_{\mathrm B})}(単位を 3NkB/2=13N k_{\mathrm B}/2=1 に選んだ)。S=0.5S=0.5 での傾き TT の接線の切片が F=U−TSF=U-TS。曲線は実線、接線は破線(どちらも近似を含まない)

左の図の LL は ∣q˙∣<c\lvert \dot q\rvert <c でしか定義されないが、傾き p=mq˙/1−q˙2/c2p=m\dot q/\sqrt{1-\dot q^2/c^2} は q˙→±c\dot q\to\pm c で ±∞\pm\infty に向かうので、どんな pp にも接線を引くことができる。その結果 H=p2c2+m2c4H=\sqrt{p^2c^2+m^2c^4} はすべての pp で定義され、p→±∞p\to\pm\infty で傾きが ±c\pm c に近づく。LL の定義域の端が、HH の傾きの上限として現れている(相対論的な粒子の LL の由来は第2部第3章)。

取り替えない変数と2階微分

規則 (1.7.10) と同じ計算を F=U−TSF=U-TS(最小点で ∂U/∂S=T\partial U/\partial S=T)に当てると

∂F∂T∣V=−S,∂F∂V∣T=∂U∂V∣S=−P(1.7.14)\frac{\partial F}{\partial T}\Big|_V=-S,\qquad \frac{\partial F}{\partial V}\Big|_T=\frac{\partial U}{\partial V}\Big|_S=-P\tag{1.7.14}

を得る。1つ目は定理 1.7.2 の (f∗)′=x(f^*)'=x に負号が付いたもの、2つ目は取り替えない変数 VV の偏微分が引き継がれたものである。F=−U∗F=-U^* と約束したので、HH の場合と違って2つ目には負号が付かない。2階微分は定理 1.7.2 から

∂2F∂T2∣V=−1∂2U/∂S2∣V=−CVT<0\frac{\partial^2F}{\partial T^2}\Big|_V=-\frac{1}{\partial^2U/\partial S^2|_V}=-\frac{C_V}{T}<0

で、UU が SS について凸であることと、FF が TT について上に凸であることは同じ条件 CV>0C_V>0 の言い換えになる。

Young の不等式 (1.7.6) は、熱力学では U(S,V)−F(T,V)≥TSU(S,V)-F(T,V)\ge TS、すなわち任意の SS について U(S,V)−TS≥F(T,V)U(S,V)-TS\ge F(T,V) と読むことができる。温度 TT の熱浴に接した系では、エントロピーをどんな値にしても U−TSU-TS は FF を下回らず、平衡(∂U/∂S=T\partial U/\partial S=T)で等号になる。自由エネルギー最小の原理は、この不等式の等号条件である。

未定乗数との関係

U(S,V)−TSU(S,V)-TS を SS について最小にする問題は、UU を「SS の値を決めた」という拘束のもとで扱う代わりに、拘束を外して −TS-TS を足した形になっている。第1部第6章の未定乗数の言葉では、TT は拘束 S=一定S=\text{一定} に付く乗数で、「拘束の値 SS を1単位変えたときの最適値 UU の変化」∂U/∂S\partial U/\partial S に等しい。Legendre 変換は、拘束の値(SS)とその乗数(TT)のどちらを変数として持つかを入れ替える操作と読むこともできる。

体積も取り替えると、エンタルピー He=U+PVH_{\mathrm e}=U+PV(V→−PV\to-P)や Gibbs エネルギー G=F+PVG=F+PV が同じ手続きで得られる。どの変数を取り替えるかの組み合わせと、統計力学の分配関数との関係は第3部第4章で扱う。

例題 1.7.5 単原子理想気体の自由エネルギー ★★★

オリジナル単原子理想気体(粒子数 NN)のエントロピーは、定数 s0s_0 を含めてS(U,V)=NkB[ln⁡(V/N)+32ln⁡(U/N)+s0]S(U,V)=N k_{\mathrm B}\bigl[\ln(V/N)+\frac32\ln(U/N)+s_0\bigr] と書くことができる。

  1. (1) これを UU について解いて U(S,V)U(S,V) を求め、T=∂U/∂ST=\partial U/\partial S から U=32NkBTU=\frac32N k_{\mathrm B} T を示せ。
  2. (2) F(T,V)=U−TSF(T,V)=U-TS を TT と VV で表せ。
  3. (3) 式 (1.7.14) から PP を求め、∂2F/∂T2=−CV/T\partial^2F/\partial T^2=-C_V/T を確かめよ。
解答

(1) 32ln⁡(U/N)=S/(NkB)−ln⁡(V/N)−s0\frac32\ln(U/N)=S/(N k_{\mathrm B})-\ln(V/N)-s_0 より

U(S,V)=N(NV)2/3exp⁡[23(SNkB−s0)].U(S,V)=N\Bigl(\frac NV\Bigr)^{2/3}\exp\Bigl[\frac{2}{3}\Bigl(\frac{S}{N k_{\mathrm B}}-s_0\Bigr)\Bigr].

SS で微分すると指数の係数 2/(3NkB)2/(3N k_{\mathrm B}) が出るので T=∂U/∂S=2U/(3NkB)T=\partial U/\partial S=2U/(3N k_{\mathrm B})、すなわち U=32NkBTU=\frac32N k_{\mathrm B} T。∂2U/∂S2=23NkB T>0\partial^2U/\partial S^2=\frac{2}{3N k_{\mathrm B}}\,T>0 なので UU は SS について下に凸で、CV=32NkBC_V=\frac32N k_{\mathrm B} と合わせて T/CVT/C_V に等しい。

(2) U=32NkBTU=\frac32N k_{\mathrm B} T を SS の式に入れて S=NkB[ln⁡(V/N)+32ln⁡(32kBT)+s0]S=N k_{\mathrm B}\bigl[\ln(V/N)+\frac32\ln(\frac32 k_{\mathrm B} T)+s_0\bigr]。よって

F=32NkBT−NkBT[ln⁡VN+32ln⁡(32kBT)+s0].F=\frac32N k_{\mathrm B} T-N k_{\mathrm B} T\Bigl[\ln\frac VN+\frac32\ln\Bigl(\frac32 k_{\mathrm B} T\Bigr)+s_0\Bigr].

(3) P=−∂F/∂V∣T=NkBT/VP=-\partial F/\partial V|_T=N k_{\mathrm B} T/V で、理想気体の状態方程式が出る。∂F/∂T=32NkB−NkB[⋯ ]−32NkB=−S\partial F/\partial T=\frac32N k_{\mathrm B}-N k_{\mathrm B}[\cdots]-\frac32N k_{\mathrm B}=-S で式 (1.7.14) の1つ目と合う。もう一度微分すると ∂2F/∂T2=−∂S/∂T∣V=−32NkB/T=−CV/T\partial^2F/\partial T^2=-\partial S/\partial T|_V=-\frac32N k_{\mathrm B}/T=-C_V/T で、定理 1.7.2 の逆数の関係∂2F∂T2=−1/∂2U∂S2\frac{\partial^2F}{\partial T^2}=-1\big/\frac{\partial^2U}{\partial S^2} と一致する。

ほかの巻では

木下の勉強ステータス

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AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

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