拘束を消すか、残すか
AI 生成・木下が未勉強
解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第1部 第6章 §1.6.1 ★★ 選ぶのは冗長な座標で書いた と拘束の式の組。拘束は座標の関係か速度の関係か、時刻を含むかで分ける
振り子のおもりは支点から一定の距離にあり、ビーズは針金の上しか動けない。こうした「座標の間に成り立つ関係」を拘束と呼ぶ。第1部第2章では、拘束を満たす座標だけを残して一般化座標 を選び、拘束を最初から消してしまう方法を取った。振り子なら角度 1つにすれば、長さの拘束は書く必要すらなくなる。この方法は運動を求めるには一番の近道だが、2つのものを捨てている。1つは拘束を保つ力(糸の張力・面の垂直抗力)で、一般化座標の運動方程式には現れない。もう1つは拘束を外す自由で、拘束の形が込み入っていてうまい一般化座標が見つからないときや、速度についての拘束(転がる車輪)のように座標を減らせない拘束では、この方法を使うことはできない。
この章では、拘束を消さずに残したまま停留の条件を書く方法、すなわち Lagrange の未定乗数法を作る。多変数関数の極値問題で習う未定乗数法を出発点にし、時刻ごとの拘束 には時刻の関数 を、積分で書かれた拘束 には定数 を1つ割り当てる。前者から出る運動方程式が Lagrange の第1種の方程式で、乗数 に拘束の勾配を掛けたものがそのまま拘束力になる。後者は等周問題で、乗数は固有値として現れる。どちらの場合も乗数には「拘束の値を少し変えたときに最適値がどれだけ変わるか」という読み方があり、熱力学の逆温度 もこの読み方で出てくる。Euler–Lagrange 方程式とその端の条件は 第1部第4章、 の選び方は 第1部第5章の結果をそのまま使う。
この章で選ぶもの
この章で選ぶのは、拘束を気にせずに書いた冗長な座標 での Lagrangian と、拘束の式の組である。
質点が 個なら は直交座標の 個で、 と書ける。拘束の式が互いに独立なら(勾配 を並べた の行列の階数が なら)、自由に選べる座標の数、すなわち自由度は
である。第1部第2章の一般化座標は、この 個を直接選んだものにあたる。拘束を消す方法と残す方法は、同じ運動を別の変数で書いているだけで、運動そのものは変わらない(1.6.3節で振り子について確かめる)。
拘束の分け方
拘束は2つの軸で分ける。1つ目は、座標の間の関係 として書けるかどうかである。書けるものをホロノミック拘束と呼ぶ。振り子の 、球面上の粒子の がその例である。これに対して、速度についての1次の関係
としてしか書けず、どう積分しても座標の関係に直らないものを非ホロノミック拘束と呼ぶ。2つ目の軸は、拘束の式が時刻 をあらわに含むかどうかで、含まないものをスクレロノミック(定常な)拘束、含むものをレオノミック(時間に依存する)拘束と呼ぶ。長さを時間とともに縮める振り子 はホロノミックかつレオノミックである。
式 (1.6.3) の形の拘束でも、積分できればホロノミックになる。直線の上を滑らずに転がる半径 の円板では、中心の位置 と回転角 の間に が成り立つが、これは なので という座標の関係に直り、自由度は になる。平面の上のスケートの刃(あるいはナイフの刃)は事情が違う。刃の位置を 、向きを とすると、刃は自分の向きにしか進めないので、速度 は に平行で
が成り立つ。刃は向きを変えながら進めば平面上のどの点にもどの向きでも着けるので(車の縦列駐車と同じである)、 の間に成り立つ関係は1つも無い。したがってこの拘束は積分できず、非ホロノミックである。座標は3つとも独立に動けるが、各瞬間に選べる速度の向きは2つしかない。
積分できるかどうかの判定
変数が3つで拘束が1本 のときは、ベクトル について が成り立つことが、積分因子が存在して座標の関係に直るための必要十分条件である(Frobenius の定理の最も簡単な場合)。刃の拘束では (成分の順は )で、、 となり、積分できない。
ホロノミック拘束は一般化座標を選び直せば消せるが、非ホロノミック拘束は消すことができない。この違いのため、非ホロノミック拘束を扱える一般の方法として、拘束を残したまま運動方程式を書く方法が要る。それが次の節の未定乗数である。
例題 1.6.1 拘束を分類して自由度を数える ★
オリジナル次の4つの系について、拘束がホロノミックか非ホロノミックか、スクレロノミックかレオノミックかを答え、自由度を数えよ。
- (1) 半径 の滑らかな球面の上を動く1個の質点。
- (2) 鉛直面内の振り子で、糸の長さを ( は一定)で巻き取っていくもの。
- (3) 直線の上を滑らずに転がる円板(中心の位置 と回転角 で表す)。
- (4) 水平面の上を動くスケートの刃(位置 と向き で表す)。
解答
(1) 拘束は で、座標の関係として書けて時刻を含まないので、ホロノミックかつスクレロノミックである。自由度は (緯度と経度)。
(2) 拘束は で、座標の関係として書けるがあらわに時刻を含むので、ホロノミックかつレオノミックである。自由度は (角度 )。長さを巻き取る手が仕事をするので、この系の力学的エネルギーは保存しない(1.6.4節)。
(3) 拘束 は と積分できるので、ホロノミックかつスクレロノミックである。自由度は 。
(4) 拘束 (1.6.4) は積分できないので非ホロノミックで、時刻を含まないのでスクレロノミックである。座標の関係が無いので配置の自由度は のまま減らないが、速度の自由度は になる。非ホロノミック拘束では「配置の数」と「速度の数」が食い違う。自由度を1つの数で言えないことが、このタイプの拘束を一般化座標で消せない理由である。
木下の勉強ステータス
木下はまだこの記事を勉強していません。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com
← AI生成教科書『虎の巻』の記事一覧へ