tecktom.com

出てくるもの(3):Newton 極限で係数を決める・宇宙項

2026年10月15日8分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第2部 第15章 Einstein–Hilbert 作用と Einstein 方程式
目次
  1. 係数を Newton の重力に合わせる
  2. 宇宙項は距離に比例する斥力
  3. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第2部 第15章 §2.15.5 ★★★ 弱い静的な場で Einstein 方程式が Poisson 方程式に戻ることを要求して 8πG/c48\pi G/c^4 と作用の符号を決め、Λ\Lambda を斥力として読む

係数を Newton の重力に合わせる

Einstein 方程式の右辺の係数を、いったん未知の κ′\kappa' として Gμν=κ′TμνG_{\mu\nu}=\kappa'T_{\mu\nu}(Λ=0\Lambda=0)と書き、Newton の重力に戻るように κ′\kappa' を決める。重力が弱く、物質がゆっくり動き、場が時間によらない場合を考える。計量を

g00≈1+2Φc2,gij≈−(1−2Φc2)δij(2.15.17)g_{00}\approx1+\frac{2\Phi}{c^2},\qquad g_{ij}\approx-\Bigl(1-\frac{2\Phi}{c^2}\Bigr)\delta_{ij}\tag{2.15.17}

とおく(Φ\Phi は Newton のポテンシャル、∣Φ∣≪c2\lvert \Phi\rvert \ll c^2。記法の正本 §4)。第2部第12章で、この g00g_{00} のもとで測地線方程式が x¨=−∇Φ\ddot{\bm{x}}=-\nabla\Phi になることを見た。この計量の Ricci テンソルの 0000 成分は、Φ/c2\Phi/c^2 の1次で R00=∇2Φ/c2R_{00}=\nabla^2\Phi/c^2 である(記法の正本 §4 で確かめた)。物質は静止した塵で、T00=ρc2T_{00}=\rho c^2、T=g00T00≈ρc2T=g^{00}T_{00}\approx\rho c^2。トレースを取り直した式 (2.15.12) の形 R00=κ′(T00−12g00T)R_{00}=\kappa'(T_{00}-\frac12g_{00}T) に入れると

∇2Φc2=κ′(ρc2−12ρc2)=κ′ρc22⟹∇2Φ=κ′c42ρ\frac{\nabla^2\Phi}{c^2}=\kappa'\Bigl(\rho c^2-\frac12\rho c^2\Bigr)=\frac{\kappa'\rho c^2}{2}\qquad\Longrightarrow\qquad\nabla^2\Phi=\frac{\kappa'c^4}{2}\rho

となる。これが Poisson 方程式 ∇2Φ=4πGρ\nabla^2\Phi=4\pi G\rho と一致するには κ′=8πG/c4\kappa'=8\pi G/c^4 でなければならない。作用の前の係数 c3/(16πG)c^3/(16\pi G) の 16π16\pi はここから決まった。

符号も同じ式で決まる。作用の前の符号を ++ にすると 2.15.3節の計算で右辺の符号が反転し、∇2Φ=−4πGρ\nabla^2\Phi=-4\pi G\rho になる。このとき Φ\Phi は質量のまわりで正の極大を持ち、力 −∇Φ-\nabla\Phi は質量から離れる向き、つまり斥力になる。重力が引力であることが、(+,−,−,−) の流儀で前の符号を −- にする理由である。

宇宙項は距離に比例する斥力

Λ\Lambda を残すと、式 (2.15.12) の 0000 成分に −Λg00≈−Λ-\Lambda g_{00}\approx-\Lambda が加わり、

∇2Φ=4πGρ−Λc2(2.15.18)\nabla^2\Phi=4\pi G\rho-\Lambda c^2\tag{2.15.18}

となる。物質のない所での球対称な解は ΦΛ=−Λc26r2\Phi_\Lambda=-\frac{\Lambda c^2}{6}r^2(∇2r2=6\nabla^2r^2=6)で、加速度 −∇ΦΛ=+Λc23r er-\nabla\Phi_\Lambda=+\frac{\Lambda c^2}{3}r\,\bm{e}_r は外向きで距離に比例する。Λ>0\Lambda>0 は距離に比例して強くなる斥力として現れる。物質のない宇宙の解 a(t)=eHta(t)=\mathrm{e}^{Ht}(de Sitter 宇宙)では Gμν=3H2c2gμνG_{\mu\nu}=\frac{3H^2}{c^2}g_{\mu\nu} なので、式 (2.15.11) から Λ=3H2/c2\Lambda=3H^2/c^2 で、Λ>0\Lambda>0 が加速膨張にあたる(記法の正本 §4 で確かめた)。このときスカラー曲率は式 (2.15.12) のトレースから R=−4Λ=−12H2/c2R=-4\Lambda=-12H^2/c^2 である。符号の向きに注意する。(−,+,+,+) の教科書は Gμν+ΛgμνG_{\mu\nu}+\Lambda g_{\mu\nu} と書き、作用は R−2ΛR-2\Lambda になるが、Λ>0\Lambda>0 が斥力である点は同じである(記法の正本 §4 の表)。

宇宙項を右辺へ移すと Gμν=κ(Tμν+Λκgμν)G_{\mu\nu}=\kappa\bigl(T_{\mu\nu}+\frac{\Lambda}{\kappa}g_{\mu\nu}\bigr) で、Λκgμν\frac{\Lambda}{\kappa}g_{\mu\nu} を真空の持つエネルギー運動量テンソルと読むことができる。完全流体の形 (ρc2+P)uμuν/c2−Pgμν(\rho c^2+P)u_\mu u_\nu/c^2-Pg_{\mu\nu} と比べると、エネルギー密度 ρΛc2=Λc4/(8πG)>0\rho_\Lambda c^2=\Lambda c^4/(8\pi G)>0、圧力 PΛ=−ρΛc2<0P_\Lambda=-\rho_\Lambda c^2<0 の流体にあたる。例題 2.15.4 の w=−1w=-1 で、膨張しても密度が薄まらない。Poisson 方程式の源は式 (2.15.12) から ρ+3P/c2\rho+3P/c^2 の形で入るので、ρΛ+3PΛ/c2=−2ρΛ<0\rho_\Lambda+3P_\Lambda/c^2=-2\rho_\Lambda<0 が斥力になる。

宇宙項は A. Einstein が静止した宇宙の解を作るために導入した(A. Einstein (1917), Sitzungsber. Preuss. Akad. Wiss. 1917, 142)。現在の観測値として、Planck Collaboration は宇宙背景放射の解析から Hubble 定数 H0=67.4 km s−1 Mpc−1H_0=67.4\,\mathrm{km\,s^{-1}\,Mpc^{-1}}、物質の密度パラメータ Ωm=0.315\Omega_{\mathrm m}=0.315 を得ている(Planck Collaboration (2020), Astron. Astrophys. 641, A6)。空間が平坦なら ΩΛ=1−Ωm=0.685\Omega_\Lambda=1-\Omega_{\mathrm m}=0.685 で、Λ=3ΩΛH02/c2=1.09×10−52 m−2\Lambda=3\Omega_\Lambda H_0^2/c^2=1.09\times10^{-52}\,\mathrm{m^{-2}}、ρΛ=5.85×10−27 kg m−3\rho_\Lambda=5.85\times10^{-27}\,\mathrm{kg\,m^{-3}}(エネルギー密度 5.25×10−10 J m−35.25\times10^{-10}\,\mathrm{J\,m^{-3}})になる。H0=67.4 km s−1 Mpc−1=2.18×10−18 s−1H_0=67.4\,\mathrm{km\,s^{-1}\,Mpc^{-1}}=2.18\times10^{-18}\,\mathrm s^{-1} を使った。

例題 2.15.5 太陽の引力と宇宙項の斥力がつり合う距離 ★★

オリジナル太陽(GM⊙=1.327×1020 m3 s−2GM_\odot=1.327\times10^{20}\,\mathrm{m^3\,s^{-2}})からの距離 rr で、引力の加速度 GM⊙/r2GM_\odot/r^2 と宇宙項の加速度 Λc2r/3\Lambda c^2r/3(Λ=1.09×10−52 m−2\Lambda=1.09\times10^{-52}\,\mathrm{m^{-2}})を比べる。

  1. (1) 2つがつり合う距離 rΛr_\Lambda を求め、パーセク(1 pc=3.086×1016 m1\,\mathrm{pc}=3.086\times10^{16}\,\mathrm m)で表せ。
  2. (2) 地球の軌道 r=1 au=1.496×1011 mr=1\,\mathrm{au}=1.496\times10^{11}\,\mathrm m での比 Λc2r/3GM⊙/r2\frac{\Lambda c^2r/3}{GM_\odot/r^2} を求めよ。
解答

(1) GM⊙r2=Λc2r3\frac{GM_\odot}{r^2}=\frac{\Lambda c^2r}{3} から rΛ=(3GM⊙Λc2)1/3=(3×1.327×10201.09×10−52×8.988×1016)1/3=3.44×1018 m=111 pcr_\Lambda=\Bigl(\frac{3GM_\odot}{\Lambda c^2}\Bigr)^{1/3}=\Bigl(\frac{3\times1.327\times10^{20}}{1.09\times10^{-52}\times8.988\times10^{16}}\Bigr)^{1/3}=3.44\times10^{18}\,\mathrm m=111\,\mathrm{pc}。

(2) 比は Λc2r33GM⊙=(rrΛ)3=8.2×10−23\frac{\Lambda c^2r^3}{3GM_\odot}=\Bigl(\frac{r}{r_\Lambda}\Bigr)^3=8.2\times10^{-23}。太陽系の中では宇宙項の効果は測れないほど小さく、恒星どうしの間隔(1 pc1\,\mathrm{pc} ほど)でもまだ引力が勝つ。宇宙項が引力に勝つのは、物質の平均密度が 2ρΛ2\rho_\Lambda を下回る宇宙論的な尺度である。図 2.15.1 に2つの加速度を両対数で示した。

図

図 2.15.1 太陽からの距離 rr での引力(実線)と宇宙項の斥力(破線)の加速度。どちらも厳密な式で、傾きは −2-2 と +1+1。rΛr_\Lambda で交わる(例題 2.15.5)

近似の裏付け

型 B(極限) | 小さいもの ∣Φ∣/c2→0\lvert \Phi\rvert /c^2\to0 と v/c→0v/c\to0(重力が弱く、物質がゆっくり動く。太陽の表面で ∣Φ∣/c2=2×10−6\lvert \Phi\rvert /c^2=2\times10^{-6}) | 証明 要確認(Einstein 方程式の解の族が c→∞c\to\infty で Newton の解に収束するための前提は原論文で確かめていない) | 行き先 近似の数理 第7章

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

← AI生成教科書『虎の巻』の記事一覧へ