tecktom.com

授業で習った形との対応

2026年10月15日7分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第3部 第8章 Liouville に衝突を足すと Boltzmann 方程式
目次
  1. Drude の運動方程式
  2. 気体分子運動論の輸送係数
  3. 連続の方程式
  4. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第3部 第8章 §3.8.6 ★★ Drude の運動方程式・気体分子運動論の粘性率と拡散係数は、Boltzmann 方程式に運動量を掛けて積分したもの

Drude の運動方程式

固体物理の授業では、電子の平均の速度 vd\bm{v}_{\mathrm d} に対する運動方程式

mdvddt=−eE−mvdτ(3.8.27)m\frac{\mathrm{d} \bm{v}_{\mathrm d}}{\mathrm{d} t}=-e\bm{E}-\frac{m\bm{v}_{\mathrm d}}{\tau}\tag{3.8.27}

を立て、定常解 vd=−eτE/m\bm{v}_{\mathrm d}=-e\tau\bm{E}/m から J=−envd=(ne2τ/m)E\bm{J}=-en\bm{v}_{\mathrm d}=(ne^2\tau/m)\bm{E} を出す。右辺の第2項は「摩擦」として導入されることが多い。この式は、一様な場合の Boltzmann 方程式 ∂f/∂t−eE⋅∇pf=−(f−f0)/τ\partial f/\partial t-e\bm{E}\cdot\nabla_{\bm{p}}f=-(f-f_0)/\tau に p\bm{p} を掛けて運動量で積分したものである。左辺の第2項は部分積分すると +eE∫f d3p=enE+e\bm{E}\int f\,\mathrm{d}^3p=en\bm{E} になり(移項して −enE-en\bm{E})、右辺は f0f_0 が ∫pf0 d3p=0\int\bm{p}f_0\,\mathrm{d}^3p=0 を満たすので −1τ∫pf d3p-\frac1\tau\int\bm{p}f\,\mathrm{d}^3p である。∫pf d3p=nmvd\int\bm{p}f\,\mathrm{d}^3p=nm\bm{v}_{\mathrm d} と書けば式 (3.8.27) の nn 倍になる。「摩擦」と呼んだ項は、運動量を保存しない f0f_0 への緩和である。自由電子でない(ε(p)\varepsilon (\bm{p}) が2次でない)場合は ∫pf\int\bm{p}f と電流が比例しないので、この手は使えず、式 (3.8.25) の ⟨m∗−1⟩\langle m^{*-1} \rangle が代わりになる。

気体分子運動論の輸送係数

気体分子運動論の授業では、分子が平均自由行程 λ\lambda だけ飛ぶ間に運んでくる運動量やエネルギーの差を数えて、粘性率・熱伝導率・拡散係数を

η≈13nmvˉλ,D≈13vˉλ(3.8.28)\eta\approx\frac13nm\bar v\lambda,\qquad D\approx\frac13\bar v\lambda\tag{3.8.28}

と見積もる。この「13×\frac13\times速さ×\times平均自由行程」の形は、緩和時間近似の Boltzmann 方程式を1次まで解くと係数まで含めて出てくる。拡散では、数密度 n(x)n(x) が xx 方向にゆっくり変わる温度一様の気体に、粒子の数を保つ緩和 f0=n(x)G(p)f_0=n(x)G(\bm{p}) を当てる。定常で1次まで取ると δf=−τvx ∂f0/∂x\delta f=-\tau v_x\,\partial f_0/\partial x で、粒子の流れは ∫vxδf d3p=−τ⟨vx2⟩∂n/∂x\int v_x\delta f\,\mathrm{d}^3p=-\tau\langle v_x^2 \rangle \partial n/\partial x、すなわち Fick の法則 −D ∂n/∂x-D\,\partial n/\partial x で D=τkBT/mD=\tau k_{\mathrm B} T/m になる。Einstein の関係 D=kBTμe/eD= k_{\mathrm B} T\mu_{\mathrm e}/e(移動度 μe=eτ/m\mu_{\mathrm e}=e\tau/m)も、伝導度 (3.8.26) と同じ τ\tau から同時に出る。λ=vˉτ\lambda=\bar v\tau を入れると 13vˉλ=13vˉ2τ=83πkBTmτ\frac13\bar v\lambda=\frac13\bar v^2\tau=\frac{8}{3\pi}\frac{ k_{\mathrm B} T}{m}\tau で、式 (3.8.28) は係数 8/(3π)=0.8498/(3\pi)=0.849 だけ違う。初等的な見積もりでは全部の分子が平均の速さで飛ぶとしたが、Boltzmann 方程式では vx2v_x^2 の平均を正しく取るので、この比が現れる。

例題 3.8.7 ずれの流れの粘性率 ★★

オリジナルxx 方向の流れの速度が yy によって ux(y)=γyu_x(y)=\gamma y と変わる気体(温度 TT、数密度 nn は一様)を、BGK 模型で考える。f0f_0 はその場の局所 Maxwell 分布 f0=n(2πmkBT)−3/2exp⁡(−m∣v−ux(y)ex∣2/(2kBT))f_0=n(2\pi m k_{\mathrm B} T)^{-3/2}\exp\bigl(-m\lvert \bm{v}-u_x(y)\bm{e}_x\rvert ^2/(2 k_{\mathrm B} T)\bigr)(v=p/m\bm{v}=\bm{p}/m)である。

  1. (1) 定常で γ\gamma の1次まで取ると δf=−τvy ∂f0/∂y\delta f=-\tau v_y\,\partial f_0/\partial y となることを示せ。
  2. (2) yy 方向に運ばれる xx 方向の運動量の流れ Πxy=∫mvxvyf d3p\Pi_{xy}=\int mv_xv_yf\,\mathrm{d}^3p を、y=0y=0 で計算し、Πxy=−ηγ\Pi_{xy}=-\eta\gamma の形から粘性率 η=nkBTτ\eta=n k_{\mathrm B} T\tau を導け。
  3. (3) 平均自由行程 λ=vˉτ\lambda=\bar v\tau を使って、式 (3.8.28) の 13nmvˉλ\frac13nm\bar v\lambda との比を求めよ。
解答

(1) 定常で外力が無いので、Boltzmann 方程式は vy ∂f/∂y=−(f−f0)/τv_y\,\partial f/\partial y=-(f-f_0)/\tau。右辺の f−f0=δff-f_0=\delta f は γ\gamma の1次で、左辺の ff を f0f_0 で置き換えると δf=−τvy ∂f0/∂y\delta f=-\tau v_y\,\partial f_0/\partial y。

(2) ∂f0/∂y=∂f0∂uxγ=m(vx−ux)kBTf0γ\partial f_0/\partial y=\frac{\partial f_0}{\partial u_x}\gamma=\frac{m(v_x-u_x)}{ k_{\mathrm B} T}f_0\gamma で、y=0y=0 では ux=0u_x=0。f0f_0 の部分は vxvyv_xv_y が奇関数なので Πxy\Pi_{xy} に寄与しない。したがってΠxy=−τγm2kBT∫vx2vy2f0 d3p=−τγm2kBTn(kBTm)2=−nkBTτγ\Pi_{xy}=-\tau\gamma\frac{m^2}{ k_{\mathrm B} T}\int v_x^2v_y^2f_0\,\mathrm{d}^3p=-\tau\gamma\frac{m^2}{ k_{\mathrm B} T}n\Bigl(\frac{ k_{\mathrm B} T}{m}\Bigr)^2=-n k_{\mathrm B} T\tau\gamma。Maxwell 分布では vxv_x と vyv_y が独立で ⟨vx2⟩=⟨vy2⟩=kBT/m\langle v_x^2 \rangle =\langle v_y^2 \rangle = k_{\mathrm B} T/m であることを使った。η=nkBTτ=Pτ\eta=n k_{\mathrm B} T\tau=P\tau(PP は圧力)。

(3) 13nmvˉλ=13nmvˉ2τ=13nm⋅8kBTπmτ=83πnkBTτ\frac13nm\bar v\lambda=\frac13nm\bar v^2\tau=\frac13nm\cdot\frac{8 k_{\mathrm B} T}{\pi m}\tau=\frac{8}{3\pi}n k_{\mathrm B} T\tau。比は 13nmvˉλ/η=8/(3π)=0.849\frac13nm\bar v\lambda/\eta=8/(3\pi)=0.849 で、初等的な見積もりは緩和時間近似の値の約 85 %85\,\% になる。ただし BGK 模型そのものも衝突の項を置き換えたものなので、実際の気体の粘性率とは別に比べる必要がある(剛体球の衝突の項を使った値は 近似の数理 第8章)。(検算 scripts/verify_ch3-08.py)

連続の方程式

流体力学や電磁気学の授業の連続の方程式 ∂ρm/∂t+∇⋅(ρmu)=0\partial\rho_{\mathrm m}/\partial t+\nabla\cdot(\rho_{\mathrm m}\bm{u})=0、電荷の保存 ∂ρe/∂t+∇⋅J=0\partial\rho_{\mathrm e}/\partial t+\nabla\cdot\bm{J}=0 は、3.8.4節の式 (3.8.16) で示したとおり、Boltzmann 方程式を運動量で積分したものである。衝突の項が積分で消えるのは粒子数が衝突不変量だからで、Noether の定理で言えば、電荷の保存は第2部第7章の場の位相の変換(第2部第7章)、粒子数の保存は衝突の前後で粒子の数が変わらないことにあたる。緩和時間近似で f0f_0 の密度を ff の密度に合わせておかないと(たとえば f0f_0 を固定した Maxwell 分布にすると)、この保存則が破れる。緩和時間近似を使うときは、f0f_0 が何を保存するように選ばれているかを必ず確かめる。

ほかの巻では

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

← AI生成教科書『虎の巻』の記事一覧へ