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当てる道具:複素場の Euler–Lagrange 方程式と Noether の電流

2026年10月15日7分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第5部 第6章 Ginzburg–Landau 理論と Meissner 効果
目次
  1. について変分する
  2. について変分する
  3. 位相の対称性と Noether の電流
  4. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第5部 第6章 §5.6.2 ★★★ ψ∗\psi^* と A\bm{A} について変分すると GL 方程式と Ampère の法則が出て、位相の対称性の Noether の電流が超伝導電流になる

ψ∗\psi^* について変分する

複素場 ψ\psi は実部と虚部の2つの実の場からなる。第2部第5章では、実部と虚部について変分する代わりに ψ\psi と ψ∗\psi^* を独立な場とみなして変分してよいことを使った(2つの組み合わせは可逆な線形変換で結ばれるので、片方の組で停留なら他方の組でも停留である)。式 (5.6.1) を ψ∗\psi^* について変分し、勾配の項を部分積分すると

δF=∫d3r δψ∗[12m∗(−iℏ∇−qA)2ψ+aψ+b∣ψ∣2ψ]+∮dS⋅−iℏ2m∗ δψ∗ (−iℏ∇−qA)ψ+(複素共役)(5.6.7)\delta F=\int\mathrm{d}^3r\,\delta\psi^*\Bigl[\frac{1}{2m^*}(-\mathrm{i}\hbar\nabla-q\bm{A})^2\psi+a\psi+b\lvert \psi\rvert ^2\psi\Bigr] +\oint\mathrm{d}\bm{S}\cdot\frac{-\mathrm{i}\hbar}{2m^*}\,\delta\psi^*\,(-\mathrm{i}\hbar\nabla-q\bm{A})\psi+(\text{複素共役})\tag{5.6.7}

を得る。体積積分の中が 00 であることが GL 方程式

12m∗(−iℏ∇−qA)2ψ+aψ+b∣ψ∣2ψ=0(5.6.8)\frac{1}{2m^*}(-\mathrm{i}\hbar\nabla-q\bm{A})^2\psi+a\psi+b\lvert \psi\rvert ^2\psi=0\tag{5.6.8}

である。左の2項は、電荷 qq・質量 m∗m^* の粒子の磁場中の Schrödinger 方程式の左辺で、−a=∣a∣-a=\lvert a\rvert がエネルギー固有値の位置にある。第3項が非線形で、∣ψ∣\lvert \psi\rvert が大きくなるのを押さえる。

表面の項は、超伝導体の表面で ψ\psi の値を固定しない限り残る。第1部第4章の「端を固定しない場合」(第1部第4章)と同じく、任意の δψ∗\delta\psi^* に対して停留であるためには、表面の法線 n\bm{n} について

n⋅(−iℏ∇−qA)ψ=0(真空や絶縁体と接する表面)(5.6.9)\bm{n}\cdot(-\mathrm{i}\hbar\nabla-q\bm{A})\psi=0\qquad(\text{真空や絶縁体と接する表面})\tag{5.6.9}

が要る。これは方程式と別に課した条件ではなく、変分から自然に出た境界条件である。

A\bm{A} について変分する

A\bm{A} を A+δA\bm{A}+\delta\bm{A} にずらすと、勾配の項の1次の変化は −δA⋅js-\delta\bm{A}\cdot\bm{j}_{\mathrm s}、磁場の項の1次の変化は部分積分して δA⋅(∇×B)/μ0\delta\bm{A}\cdot(\nabla\times\bm{B})/\mu_0 になる。ここで

js=q2m∗[ψ∗(−iℏ∇−qA)ψ+c.c.]=qℏ2m∗i(ψ∗∇ψ−ψ∇ψ∗)−q2m∗∣ψ∣2A(5.6.10)\bm{j}_{\mathrm s}=\frac{q}{2m^*}\bigl[\psi^*(-\mathrm{i}\hbar\nabla-q\bm{A})\psi+\text{c.c.}\bigr] =\frac{q\hbar}{2m^*\mathrm{i}}(\psi^*\nabla\psi-\psi\nabla\psi^*)-\frac{q^2}{m^*}\lvert \psi\rvert ^2\bm{A}\tag{5.6.10}

である(c.c. は前の項の複素共役)。停留条件は

∇×B=μ0js(5.6.11)\nabla\times\bm{B}=\mu_0\bm{j}_{\mathrm s}\tag{5.6.11}

で、静的な場の Ampère の法則そのものになる。したがって js\bm{j}_{\mathrm s} は超伝導体を流れる電流密度と読むことができる。これは第2部第6章で、電磁場の Lagrangian 密度の −JμAμ-J^\mu A_\mu の項を AμA_\mu で変分すると電流が源として現れたのと同じ構造で、ここでは電流が外から与えた源でなく ψ\psi から作られる。js\bm{j}_{\mathrm s} は第4部第6章の確率の流れに電荷 qq を掛けたものと同じ式で、ゲージ変換で変わらない。

位相の対称性と Noether の電流

同じ電流は Noether の定理(第2部第7章)からも出る。FF は全体の位相の回転 ψ→eiαψ\psi\to\mathrm{e}^{\mathrm{i}\alpha}\psi(A\bm{A} は変えない)で不変である。第2部第7章では、時空の座標を持つ場について、連続的な対称性から ∂μjμ=0\partial_\mu j^\mu=0 を導いた。ここでは座標は空間の3つだけなので、保存則は ∇⋅j=0\nabla\cdot\bm{j}=0 の形になる。実際、GL 方程式 (5.6.8) に左から ψ∗\psi^* を掛けたものから、その複素共役を引くと、a∣ψ∣2a\lvert \psi\rvert ^2 と b∣ψ∣4b\lvert \psi\rvert ^4 は実数なので消え、

ψ∗(−iℏ∇−qA)2ψ−c.c.=−iℏ∇⋅[ψ∗(−iℏ∇−qA)ψ+c.c.]⟹∇⋅js=0(5.6.12)\psi^*(-\mathrm{i}\hbar\nabla-q\bm{A})^2\psi-\text{c.c.}=-\mathrm{i}\hbar\nabla\cdot\bigl[\psi^*(-\mathrm{i}\hbar\nabla-q\bm{A})\psi+\text{c.c.}\bigr] \quad\Longrightarrow\quad\nabla\cdot\bm{j}_{\mathrm s}=0\tag{5.6.12}

を得る。左の恒等式は、勾配の項が位相の回転で変わらないことの書き直しである。

一方、式 (5.6.11) の発散を取ると、∇⋅(∇×B)=0\nabla\cdot(\nabla\times\bm{B})=0 から ∇⋅js=0\nabla\cdot\bm{j}_{\mathrm s}=0 が恒等的に従う。A\bm{A} についての方程式が、それだけで電流の保存を含んでいる。これは第2部第8章(第2部第8章)で、ゲージ不変性があると運動方程式どうしの間に恒等式(Noether の第2定理)が成り立ち、電荷の保存が Maxwell 方程式から従ったのと同じ事情である。位相の大域的な対称性から出る保存則と、局所的なゲージ不変性から出る恒等式が、同じ ∇⋅js=0\nabla\cdot\bm{j}_{\mathrm s}=0 を与えている。

例題 5.6.2 表面から電流は出ていかない ★★

オリジナル超伝導体が絶縁体と接している。

  1. (1) 自然境界条件 (5.6.9) から、表面で n⋅js=0\bm{n}\cdot\bm{j}_{\mathrm s}=0 となることを示せ。
  2. (2) 超伝導体の中の任意の閉曲面を貫いて流れ出る全電流が 00 であることを、式 (5.6.12) から示せ。
  3. (3) 表面で ψ=0\psi=0 を課す(固定端にする)と、(1) の結論はどうなるか。
解答

(1) 式 (5.6.10) の1つ目の書き方で、n⋅js=q2m∗[ψ∗ n⋅(−iℏ∇−qA)ψ+c.c.]\bm{n}\cdot\bm{j}_{\mathrm s}=\frac{q}{2m^*}\bigl[\psi^*\,\bm{n}\cdot(-\mathrm{i}\hbar\nabla-q\bm{A})\psi+\text{c.c.}\bigr]。境界条件から括弧の中の n⋅(−iℏ∇−qA)ψ\bm{n}\cdot(-\mathrm{i}\hbar\nabla-q\bm{A})\psi が 00 なので、その複素共役も 00 で、n⋅js=0\bm{n}\cdot\bm{j}_{\mathrm s}=0。変分が「表面で ψ\psi を自由に動かしてよい」と言ったことの結果として、電流が絶縁体へ漏れないという物理的に当然の条件が出てきた。

(2) Gauss の定理で ∮dS⋅js=∫d3r ∇⋅js=0\oint\mathrm{d}\bm{S}\cdot\bm{j}_{\mathrm s}=\int\mathrm{d}^3r\,\nabla\cdot\bm{j}_{\mathrm s}=0。

(3) ψ=0\psi=0 なら js\bm{j}_{\mathrm s} の式の各項に ψ\psi か ψ∗\psi^* が掛かっているので、やはり表面で js=0\bm{j}_{\mathrm s}=0 になる。ただし ψ=0\psi=0 は表面で秩序を壊す条件で、真空との境界には合わない。式 (5.6.9) は表面で ∣ψ∣\lvert \psi\rvert の傾きが 00 になることを許し、秩序は表面まで保たれる。どちらの境界条件を使うかで解が変わるので、固定端を使うのは常伝導の金属と接している場合のように、表面で秩序を壊す理由があるときに限る。

木下の勉強ステータス

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