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この章のまとめ

2026年10月17日10分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第3部 第2章 基準から経路積分を導く

AI 生成・木下が未勉強

量子力学の様々な構成方法 第3部 第2章 §3.2.7 ★★ 時間分割・完全系の挿入・Trotter の積公式・Gauss 積分の4つで基準から経路積分が出る。順序の問題は評価点の問題として残る

基準の時間発展 e−iH^t/ℏ\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\hat Ht/\hbar} を NN 個の短い時間の因子に分け、そのあいだに位置の完全系を挟むと、伝播関数は「中間の位置のすべての選び方の和」という経路の和の形に厳密に書けた。ここまでは近似を使っておらず、挟む完全系の選び方によって、位置の経路・相空間の経路・状態の列(2準位系)など、さまざまな経路積分が得られる。唯一の近似は、可換でない H^0\hat H_0 と V^\hat V の指数関数を積に分ける Trotter の分割で、その誤差は1区間あたり ϵ2\epsilon^2、全体で 1/N1/N(対称に分ければ 1/N21/N^2)である。非有界な場合も、H^0+V^\hat H_0+\hat V が自己共役であれば Trotter の積公式によって状態ごとに極限が成り立つ。

1区間の振幅は運動量の Gauss 積分で計算でき、前因子 (m/2πiℏϵ)1/2(m/2\pi\mathrm{i}\hbar\epsilon)^{1/2} と作用の1区間分が出た。第3部第1章が要請として置いた形は、これで基準から導かれた。運動量の積分を残すと位相空間の経路積分になり、それを積分することは Legendre 変換の逆に当たる。寄与する経路の1区間の変位は ϵ\sqrt\epsilon の大きさを持ち(⟨η2⟩=iℏϵ/m\langle \eta^2 \rangle =\mathrm{i}\hbar\epsilon/m)、このため演算子の順序は区間の評価点として経路積分に残る。ポテンシャルの評価点は極限に残らないが、a(x)x˙a(x)\dot x の形の項では中点(Weyl の順序)だけが正しい答えを与える。

第3部の次の章(第3部第3章)では、この章で導いた形を使って共通例題①③を Gauss 積分で解く。停留位相による古典極限は第3部第4章、逆向きの同値は第3部第5章、時間を虚数にした統計力学は第3部第6章、測度の厳密な定義の難しさは第3部第7章で扱う。

総合問題 磁束を通した輪の上の粒子 ★★★

オリジナル周の長さ LL の輪の上を動く質量 mm・電荷 qq の粒子を考える。輪の中心を磁束 Φ\Phi が貫き、輪に沿ったベクトルポテンシャルの成分は一定値 A=Φ/LA=\Phi/L である(輪の上で磁場は 0)。a=qA=qΦ/La=qA=q\Phi/L とおくと、ハミルトニアンは H^=(p^−a)2/(2m)\hat H=(\hat p-a)^2/(2m)、Lagrangian は Lring=m2x˙2+ax˙L_{\mathrm{ring}}=\frac m2\dot x^2+a\dot x である。φ=qΦ/h\varphi=q\Phi/h と書く。

  1. (1) H^\hat H を p^2/(2m)\hat p^2/(2m) と (−ap^+a2/2)/m(-a\hat p+a^2/2)/m に分けたとき、Trotter の分割が有限の NN で厳密になることと、aa の評価点が結果に残らないことを示せ。(使う道具:3.2.2節・3.2.5節)
  2. (2) 時間分割した経路積分で伝播関数を求め、K=∑weia(Δ+wL)/ℏK0(Δ+wL,t)K=\sum_w\mathrm{e}^{\mathrm{i} a(\Delta+wL)/\hbar}K_0(\Delta+wL,t)(Δ=xf−xi\Delta=x_f-x_i)となることを示せ。さらにこれがスペクトルの和1L∑neiknΔe−i(ℏkn−a)2t/(2mℏ)\frac1L\sum_n\mathrm{e}^{\mathrm{i} k_n\Delta}\mathrm{e}^{-\mathrm{i}(\hbar k_n-a)^2t/(2m\hbar)} に等しいことを示せ。(使う道具:3.2.3節・3.2.6節の例題 3.2.6)
  3. (3) 巻き数 ww の経路が受け取る位相を φ\varphi で書け。エネルギー準位を求め、それが φ\varphi について周期1を持つこと、φ=1/2\varphi=1/2 で基底状態が2重に縮退することを示せ。(使う道具:(2)・第1部第2章の公理 Q5)
  4. (4) 電子(q=−eq=-e)で L=1 μmL=1\,\mu\mathrm m のとき、準位の間隔の単位 Eu=(2πℏ/L)2/(2m)E_{\mathrm u}=(2\pi\hbar/L)^2/(2m) を J・μ\mueV・温度(Eu/kBE_{\mathrm u}/ k_{\mathrm B})で求めよ。φ=1/2\varphi=1/2 の基底状態のエネルギーと、輪を円としたとき φ=1/2\varphi=1/2 に要る一様な磁場を求めよ。(使う道具:(3))
  5. (5) ベクトルポテンシャルが一定でない a(x)a(x) に変わったとき、中点で離散化した経路積分では、巻き数 ww の経路の位相が ∮a dx\oint a\,\mathrm{d} x だけで決まることを示せ。左端で離散化するとどうなるか。(使う道具:3.2.5節・例題 3.2.5)
解答

(1) aa は定数なので、p^2/(2m)\hat p^2/(2m) と (−ap^+a2/2)/m(-a\hat p+a^2/2)/m はどちらも p^\hat p だけの関数で、互いに可換である。BCH の公式 (3.2.6) の交換子が 0 なので、e−iH^ϵ/ℏ=e−ip^2ϵ/(2mℏ)e−i(−ap^+a2/2)ϵ/(mℏ)\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\hat H\epsilon/\hbar}=\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\hat p^2\epsilon/(2m\hbar)}\mathrm{e}^{-\mathrm{i}(-a\hat p+a^2/2)\epsilon/(m\hbar)} は厳密で、NN によらず分割の誤差はない。評価点については、式 (3.2.18) の余分の項が a′=0a'=0 により消える。a(xˉ)η=aηa(\bar x)\eta=a\eta はどこで評価しても同じ値である。

(2) 輪の上でも1区間の行列要素は運動量の完全系 ∑n∣n⟩⟨n∣\sum_n| n \rangle \langle n | で計算できる。直線の場合の計算(3.2.3節)を被積分関数 eipΔ/ℏ−i(p−a)2ϵ/(2mℏ)\mathrm{e}^{\mathrm{i} p\Delta/\hbar-\mathrm{i}(p-a)^2\epsilon/(2m\hbar)} に対して行うと、p→p+ap\to p+a と積分変数をずらして eiaΔ/ℏK0(Δ,ϵ)\mathrm{e}^{\mathrm{i} a\Delta/\hbar}K_0(\Delta,\epsilon) が直線上の1区間の核になる。指数の aΔa\Delta は Lagrangian の ax˙a\dot x の1区間分 a ηa\,\eta そのものである。例題 3.2.6 と同じく輪を直線に開くと、各区間の a ηka\,\eta_k の和は直線上の全変位 Δ+wL\Delta+wL に aa を掛けたものになり、残りは自由粒子の経路積分なので

K=∑w∈Zeia(Δ+wL)/ℏK0(Δ+wL,t)K=\sum_{w\in\mathbb{Z}}\mathrm{e}^{\mathrm{i} a(\Delta+wL)/\hbar}K_0(\Delta+wL,t)

を得る。スペクトルの和との一致は、Poisson の和の公式で F(y)=eiay/ℏK0(y,t)F(y)=\mathrm{e}^{\mathrm{i} ay/\hbar}K_0(y,t) とおけばよい。F~(k)=e−iℏ(k−a/ℏ)2t/(2m)=e−i(ℏk−a)2t/(2mℏ)\tilde F(k)=\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\hbar(k-a/\hbar)^2t/(2m)}=\mathrm{e}^{-\mathrm{i}(\hbar k-a)^2t/(2m\hbar)} なので1L∑neiknΔe−i(ℏkn−a)2t/(2mℏ)\frac1L\sum_n\mathrm{e}^{\mathrm{i} k_n\Delta}\mathrm{e}^{-\mathrm{i}(\hbar k_n-a)^2t/(2m\hbar)} となる。これは H^\hat H の固有値 En=(ℏkn−a)2/(2m)E_n=(\hbar k_n-a)^2/(2m) によるスペクトルの和 (3.2.20) である。

(3) 巻き数 ww の経路は、w=0w=0 の経路に比べて位相 eiawL/ℏ\mathrm{e}^{\mathrm{i} awL/\hbar} を余分に受け取る。aL/ℏ=qΦ/ℏ=2πqΦ/h=2πφaL/\hbar=q\Phi/\hbar=2\pi q\Phi/h=2\pi\varphi なので、位相は e2πiwφ\mathrm{e}^{2\pi\mathrm{i} w\varphi} である。輪の上で磁場は 0 なので古典の運動は磁束を感じないが、量子の振幅は巻き数ごとに磁束で決まる位相を受け取る(Aharonov–Bohm の位相。第3部第7章で扱う)。準位は

En=(ℏkn−a)22m=12m(2πℏL)2(n−φ)2=Eu(n−φ)2,n∈ZE_n=\frac{(\hbar k_n-a)^2}{2m}=\frac{1}{2m}\Bigl(\frac{2\pi\hbar}{L}\Bigr)^2(n-\varphi)^2=E_{\mathrm u}(n-\varphi)^2,\qquad n\in\mathbb{Z}

である。φ→φ+1\varphi\to\varphi+1 は n→n+1n\to n+1 の付け替えで同じ準位の集合を与えるので、スペクトルは φ\varphi について周期1を持つ。巻き数の和の側でも e2πiwφ\mathrm{e}^{2\pi\mathrm{i} w\varphi} が φ\varphi の周期1の関数であることに対応する。φ=1/2\varphi=1/2 では n=0n=0 と n=1n=1 がともに (n−12)2=14(n-\frac12)^2=\frac14 を与え、これが最小なので基底状態は2重に縮退する。

(4) Eu=(h/L)22m=(6.626×10−34/10−6)22×9.109×10−31 J=2.41×10−25 JE_{\mathrm u}=\frac{(h/L)^2}{2m}=\frac{(6.626\times10^{-34}/10^{-6})^2}{2\times9.109\times10^{-31}}\,\mathrm J=2.41\times10^{-25}\,\mathrm J で、1.50 μeV1.50\,\mu\mathrm{eV}、温度に直して 17.5 mK17.5\,\mathrm{mK} である。φ=1/2\varphi=1/2 の基底状態は Eu/4=0.376 μeVE_{\mathrm u}/4=0.376\,\mu\mathrm{eV} になる。∣φ∣=1/2\lvert \varphi\rvert =1/2 に要る磁束は Φ=h/(2e)\Phi=h/(2e) で、h/e=4.14×10−15 Wbh/e=4.14\times10^{-15}\,\mathrm{Wb} である。円の面積は L2/(4π)=7.96×10−14 m2L^2/(4\pi)=7.96\times10^{-14}\,\mathrm m^2 なので、一様な磁場は B=2.07×10−15/(7.96×10−14) T=0.026 TB=2.07\times10^{-15}/(7.96\times10^{-14})\,\mathrm T=0.026\,\mathrm T である。準位の間隔が 17.5 mK17.5\,\mathrm{mK} の桁なので、この磁束による準位の移動を見るには希釈冷凍機の温度が要る。

(5) a(x)a(x) の輪に沿った平均を aˉ=1L∮a dx\bar a=\frac1L\oint a\,\mathrm{d} x とし、χ′(x)=a(x)−aˉ\chi'(x)=a(x)-\bar a で χ\chi を定めると、∮χ′dx=0\oint\chi'\mathrm{d} x=0 なので χ\chi は輪の上の1価の関数である。中点で離散化すると、例題 3.2.5 の (2) と同じく ∑kχ′(xˉk)ηk\sum_k\chi'(\bar x_k)\eta_k は χ(xf)−χ(xi)\chi(x_f)-\chi(x_i) に収束する(輪を開いた直線上でも χ\chi は周期 LL なので、巻き数によらない)。したがって各経路の位相は ei[χ(xf)−χ(xi)]/ℏeiaˉ(Δ+wL)/ℏ\mathrm{e}^{\mathrm{i}[\chi(x_f)-\chi(x_i)]/\hbar}\mathrm{e}^{\mathrm{i}\bar a(\Delta+wL)/\hbar} で、巻き数ごとの違いは eiaˉwL/ℏ=eiw∮a dx/ℏ\mathrm{e}^{\mathrm{i}\bar awL/\hbar}=\mathrm{e}^{\mathrm{i} w\oint a\,\mathrm{d} x/\hbar} だけに現れる。端の因子 eiχ/ℏ\mathrm{e}^{\mathrm{i}\chi/\hbar} はゲージ変換で、確率に影響しない。左端で離散化すると、式 (3.2.18) により H^\hat H に反エルミートの項 iℏ2ma′(x^)\frac{\mathrm{i}\hbar}{2m}a'(\hat x) が加わり、例題 3.2.5 のとおりノルムが 1m⟨a′⟩\frac1m\langle a' \rangle の割合で変わる。a′a' の輪に沿った積分は 0 なので一様に広がった状態では打ち消し合うが、輪の一部に寄った状態では確率が保存せず、ゲージを変えるだけで答えが変わる。正しい離散化は中点である。

木下の勉強ステータス

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