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定常な流れと WKB 近似

2026年10月17日6分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第7部 第2章 ℏ→0 で Hamilton–Jacobi へ:流体から見た古典極限
目次
  1. と
  2. 無視した を計算する
  3. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

量子力学の様々な構成方法 第7部 第2章 §7.2.3 ★★ 時間によらない流れでは、QQ を無視した2本の式が時間によらない Hamilton–Jacobi 方程式と ρ∝1/p\rho\propto1/p になり、WKB 近似の主要項と一致する。無視した QQ を計算して、近似の条件を波長の変化率で書く

S=W−EtS=W-Et と ρ∝1/p\rho\propto1/p

エネルギー EE の定常状態では、密度が時間によらず、位相が S(r,t)=W(r)−EtS(\bm{r},t)=W(\bm{r})-Et と時間に比例して回る。(7.2.2) に入れると

∣∇W(r)∣22m+V=E,∇⋅(ρ ∇W(r))=0(7.2.10)\frac{\lvert \nabla W(\bm{r})\rvert ^2}{2m}+V=E,\qquad \nabla\cdot\bigl(\rho\,\nabla W(\bm{r})\bigr)=0\tag{7.2.10}

となる。1本目は時間によらない Hamilton–Jacobi 方程式で、W(r)W(\bm{r}) は特性関数である。1次元では W′(x)=±p(x)W'(x)=\pm p(x)、p(x)=2m(E−V(x))p(x)=\sqrt{2m(E-V(x))} で、2本目は (ρ p)′=0(\rho\,p)'=0、つまり

ρ(x)=Cp(x)(7.2.11)\rho(x)=\frac{C}{p(x)}\tag{7.2.11}

になる。ρ p/m\rho\,p/m は確率流密度なので、これは流れの量が一定であることを表す。粒子は速く動く所に短く、遅い所に長くとどまるので、密度は速さに反比例する。古典粒子が区間 dx\mathrm{d} x に滞在する時間 dx/∣x˙∣=m dx/p\mathrm{d} x/\lvert \dot x\rvert =m\,\mathrm{d} x/p に比例する確率密度と同じものである。

極形式に戻すと ψ≈C1/2p(x)−1/2exp⁡(±iℏ∫xp dx′)e−iEt/ℏ\psi\approx C^{1/2}p(x)^{-1/2}\exp\bigl(\pm\tfrac{\mathrm{i}}{\hbar}\int^xp\,\mathrm{d} x'\bigr)\mathrm{e}^{-\mathrm{i} Et/\hbar} で、これは WKB 近似の主要項そのものである(WKB の展開を次数ごとに整理した扱いは 解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第4部第7章)。流体の言葉では、WKB 近似は「QQ を無視した定常な流れ」である。

無視した QQ を計算する

(7.2.11) の ρ\rho に対して、無視した量子ポテンシャルを計算すると近似の良し悪しが分かる。ρ∝p−1/2\sqrt\rho\propto p^{-1/2} を2回微分すると(p−1/2)′′/p−1/2=34(p′/p)2−12 p′′/p(p^{-1/2})''/p^{-1/2}=\tfrac34(p'/p)^2-\tfrac12\,p''/p なので

QWKB=−ℏ22m[34(p′p)2−12 p′′p](7.2.12)Q_{\mathrm{WKB}}=-\frac{\hbar^2}{2m}\Bigl[\frac34\Bigl(\frac{p'}{p}\Bigr)^2-\frac12\,\frac{p''}{p}\Bigr]\tag{7.2.12}

である。pp が一定の領域(ポテンシャルが平らな所)では QWKB=0Q_{\mathrm{WKB}}=0 で、WKB は厳密な平面波になる。QWKBQ_{\mathrm{WKB}} は pp の対数微分の2乗と2階微分で決まり、(7.2.3) の「密度の変わる長さ」LL は、ここでは pp が目立って変わる長さ ∣p/p′∣\lvert p/p'\rvert に当たる。

最も単純な例として一様な力 F>0F>0 を受ける粒子(V=−FxV=-Fx、E=0E=0)を取ると、x>0x>0 で p=2mFxp=\sqrt{2mFx}、p′/p=1/(2x)p'/p=1/(2x)、p′′/p=−1/(4x2)p''/p=-1/(4x^2) なので

QWKB=−5ℏ232 m x2,∣QWKB∣p2/2m=5ℏ232 mFx3=516π2(dλdx)2(7.2.13)Q_{\mathrm{WKB}}=-\frac{5\hbar^2}{32\,m\,x^2},\qquad \frac{\lvert Q_{\mathrm{WKB}}\rvert }{p^2/2m}=\frac{5\hbar^2}{32\,mFx^3}=\frac{5}{16\pi^2}\Bigl(\frac{\mathrm{d} \lambda}{\mathrm{d} x}\Bigr)^2\tag{7.2.13}

となる(λ=2πℏ/p\lambda=2\pi\hbar/p。どちらの等号も検算で確かめた)。WKB 近似の条件として学部の授業で習う「波長の変化率が小さい ∣dλ/dx∣≪1\lvert \mathrm{d}\lambda/\mathrm{d} x\rvert \ll1」は、流体の言葉では「無視した量子ポテンシャルが運動エネルギーに比べて小さい」と同じことで、一様な力ではその比が (dλ/dx)2(\mathrm{d}\lambda/\mathrm{d} x)^2 にちょうど比例する。転回点 x→0x\to0 では比が x−3x^{-3} で発散し、近似は成り立たない。転回点は1次元の焦点で、(7.2.11) の密度もそこで発散する。

例題 7.2.3 一様な電場の中の電子で、量子ポテンシャルを無視できる所 ★★

オリジナル電子が 1 kV/m1\,\mathrm{kV/m} の一様な電場で加速されている(F=eE=1.602×10−16 NF=eE=1.602\times10^{-16}\,\mathrm N)。転回点を x=0x=0 に置き、E=0E=0 の定常な流れを考える。

  1. (7.2.13) の比が 1%1\% になる xx を求めよ。
  2. その点での de Broglie 波長 λ\lambda と ∣dλ/dx∣\lvert \mathrm{d}\lambda/\mathrm{d} x\rvert を求めよ。
  3. 比を 10−410^{-4} にするには転回点からどれだけ離れればよいか。
解答

(1) 5ℏ2/(32 mFx3)=0.015\hbar^2/(32\,mFx^3)=0.01 を解いて

x=(5×1.112×10−6832×9.109×10−31×1.602×10−16×0.01)1/3 m=1.06×10−7 m=106 nm.x=\Bigl(\frac{5\times1.112\times10^{-68}}{32\times9.109\times10^{-31}\times1.602\times10^{-16}\times0.01}\Bigr)^{1/3}\,\mathrm m=1.06\times10^{-7}\,\mathrm m=106\,\mathrm{nm}.

(2) p=2mFxp=\sqrt{2mFx} から λ=2πℏ/p=119 nm\lambda=2\pi\hbar/p=119\,\mathrm{nm} である。∣dλ/dx∣\lvert \mathrm{d}\lambda/\mathrm{d} x\rvert は (7.2.13) の第2の等号から0.01×16π2/5=0.56\sqrt{0.01\times16\pi^2/5}=0.56 である。比が 1%1\% でも、波長は転回点からの距離と同じくらいあり、∣dλ/dx∣\lvert \mathrm{d}\lambda/\mathrm{d} x\rvert も 11 に比べて小さくはない。比は (dλ/dx)2(\mathrm{d}\lambda/\mathrm{d} x)^2 に 5/(16π2)≈0.0325/(16\pi^2)\approx0.032 を掛けたものなので、∣dλ/dx∣≪1\lvert \mathrm{d}\lambda/\mathrm{d} x\rvert \ll1 という目安はかなり控えめな条件になっている。

(3) 比は x−3x^{-3} に比例するので、10−410^{-4} にするには xx を 1001/3=4.64100^{1/3}=4.64 倍にして x=492 nmx=492\,\mathrm{nm} である。

近似の裏付け

型 B(極限) | 小さいもの ∣dλ/dx∣→0\lvert \mathrm{d}\lambda/\mathrm{d} x\rvert \to0(WKB の主要項。QWKBQ_{\mathrm{WKB}} を無視する) | 証明 条件付き(転回点から離れた所。転回点では接続の公式が要り、Airy 関数で補う) | 行き先 近似の数理 第7章

木下の勉強ステータス

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