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何の実験の量で確かめるか・授業で習った形との対応

2026年10月15日6分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第1部 第3章 回折:X 線・電子線・中性子で周期を測る
目次
  1. 授業で習った形との対応
  2. ピークの位置:格子定数
  3. 強度:原子の並び、そして位相問題
  4. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

ハミルトニアンの選び方で固体を考える 第1部 第3章 §1.3.6 ★★ 回折で測るのはピークの位置と強度。位置は格子定数を、強度は原子の並びを決めるが、位相は測れない

授業で習った形との対応

学部の固体物理の授業では、回折を次の2つの式で習うことが多い。1つは Bragg の式 2dsin⁡θ=nλ2d\sin\theta=n\lambda、もう1つは Laue の3つの式

a1⋅Δk=2πh,a2⋅Δk=2πk,a3⋅Δk=2πl\bm{a}_1\cdot\Delta\bm{k}=2\pi h,\qquad\bm{a}_2\cdot\Delta\bm{k}=2\pi k,\qquad\bm{a}_3\cdot\Delta\bm{k}=2\pi l

である(Δk\Delta\bm{k} はこの章の q\bm{q})。この章の形では、どちらも Born 振幅の格子の和 L(q)L(\bm{q}) の主極大の条件 q=G\bm{q}=\bm{G}(式 (1.3.6))から出る。Laue の3つの式は q\bm{q} を逆格子の基底で展開した係数が整数という条件そのもので、Bragg の式はその長さだけを取り出したもの(1.3.2 節)である。授業では強度について「構造因子 Fhkl=∑jfje2πi(hxj+kyj+lzj)F_{hkl}=\sum_jf_j\mathrm{e}^{2\pi\mathrm{i}(hx_j+ky_j+lz_j)}」と書くことも多い。指数の符号がこの章の式 (1.3.9) と逆なのは、散乱ベクトルを k−k′\bm{k}-\bm{k}' と定義するか Fourier 変換の符号を逆にとる流儀の違いで、強度 ∣F∣2\lvert F\rvert ^2 は変わらない。

ピークの位置:格子定数

粉末法では、すべての向きの微結晶が混ざっているので、∣G∣\lvert \bm{G}\rvert が同じ反射は同じ 2θ2\theta に重なる。立方晶では dhkl=a/h2+k2+l2d_{hkl}=a/\sqrt{h^2+k^2+l^2} なので

sin⁡2θ=λ24a2 (h2+k2+l2)(1.3.17)\sin^2\theta=\frac{\lambda^2}{4a^2}\,(h^2+k^2+l^2)\tag{1.3.17}

である。観測されたピークの sin⁡2θ\sin^2\theta の比が整数の比になるように指数をつけ(指数づけ)、消滅則からどの格子かを決め、比例係数から格子定数を求める。例えば Cu の Kα1\mathrm K\alpha_1 線(λ=0.1540593 nm\lambda=0.1540593\,\mathrm{nm}:G. Hölzer et al. (1997), Phys. Rev. A 56, 4554)で格子定数 a=0.5431020511 nma=0.5431020511\,\mathrm{nm}(CODATA 2018 の Si の格子定数)の Si 粉末を測ると、例題 1.3.3 の消滅則から最初の6本は (111)(111)・(220)(220)・(311)(311)・(400)(400)・(331)(331)・(422)(422) で、2θ=28.44∘2\theta=28.44^\circ、47.30∘47.30^\circ、56.12∘56.12^\circ、69.13∘69.13^\circ、76.37∘76.37^\circ、88.03∘88.03^\circ に出る。(200)(200)・(222)(222) が抜けていることが、ダイヤモンド構造の目印である。

強度:原子の並び、そして位相問題

強度は ∣SG∣2\lvert S_{\bm{G}}\rvert ^2 に比例し、原子の並び(dj\bm{d}_j)と種類(sjs_j)を決める材料になる。ただし測れるのは絶対値の2乗だけで、構造因子の位相は失われる。位相が分かれば n(r)=vc−1∑GSGeiG⋅rn(\bm{r})=v_{\mathrm c}^{-1}\sum_{\bm{G}}S_{\bm{G}}\mathrm{e}^{\mathrm{i}\bm{G}\cdot\bm{r}}(X 線で sj=fX,js_j=f_{\mathrm X,j} のとき)と Fourier 級数を逆に足して電子密度が直接得られるが、強度だけからはこの和を組むことができない。これを位相問題と呼ぶ。

強度だけでも組める量がある。∣SG∣2\lvert S_{\bm{G}}\rvert ^2 を係数にした Fourier 級数

P(u)≔1vc∑G∣SG∣2eiG⋅u=∫単位胞n(r) n(r+u) d3r(1.3.18)P(\bm{u})\coloneqq\frac{1}{v_{\mathrm c}}\sum_{\bm{G}}\lvert S_{\bm{G}}\rvert ^2\mathrm{e}^{\mathrm{i}\bm{G}\cdot\bm{u}}=\int_{\text{単位胞}}n(\bm{r})\,n(\bm{r}+\bm{u})\,\mathrm{d}^3r\tag{1.3.18}

は電子密度の自己相関で(Patterson 関数)、原子と原子を結ぶベクトル di−dj\bm{d}_i-\bm{d}_j の所に山を持つ。原子の位置そのものでなく原子間のベクトルの集まりが分かるので、ここから位置を推理するのが結晶構造解析の出発点になる。等式 (1.3.18) は、n(r)n(\bm{r}) の Fourier 級数を右辺に入れ、単位胞の積分で G′=−G\bm{G}'=-\bm{G} の項だけが残ることと、nn が実数なので S−G=SG∗S_{-\bm{G}}=S_{\bm{G}}^* となることを使うと示すことができる。

例題 1.3.6 粉末の回折パターンの指数づけ ★★

オリジナル立方晶の金属の粉末を Cu の Kα1\mathrm K\alpha_1 線(λ=0.1540593 nm\lambda=0.1540593\,\mathrm{nm})で測ったところ、低角から順に2θ=40.26∘2\theta=40.26^\circ、58.26∘58.26^\circ、73.19∘73.19^\circ、87.00∘87.00^\circ、100.64∘100.64^\circ、114.94∘114.94^\circ、131.19∘131.19^\circ に7本のピークが出た。

  1. (1) 各ピークの sin⁡2θ\sin^2\theta を求め、最初のピークの値との比を出せ。
  2. (2) 単純立方・体心立方・面心立方のどれか。最初の6本だけでは決まらないことにも触れよ。
  3. (3) 格子定数を求めよ。
解答

(1) sin⁡2θ\sin^2\theta は順に 0.11840.1184、0.23700.2370、0.35540.3554、0.47380.4738、0.59230.5923、0.71080.7108、0.82930.8293 で、比は 1:2:3:4:5:6:71:2:3:4:5:6:7 である。

(2) 式 (1.3.17) から、h2+k2+l2h^2+k^2+l^2 の比が 1:2:3:4:5:6:71:2:3:4:5:6:7 になる指数の組を探す。単純立方なら 1,2,3,4,5,6,8,…1,2,3,4,5,6,8,\dots(77 は3つの整数の2乗の和で書けない)、体心立方なら h+k+lh+k+l が偶数の 2,4,6,8,10,12,14,…2,4,6,8,10,12,14,\dots、面心立方なら 3,4,8,11,12,…3,4,8,11,12,\dots である。面心立方は比が 3:43:4 で始まるので合わない。単純立方の 1,…,61,\dots,6 と体心立方の 2,…,122,\dots,12 は最初の6本の比がどちらも 1:2:⋯:61:2:\dots:6 で区別することができない。7本目の比が 77 なので、h2+k2+l2=14h^2+k^2+l^2=14((321)(321))を持つ体心立方である。単純立方なら7本目は比 88 の位置に出るはずである。

(3) 体心立方の最初のピークは (110)(110) で h2+k2+l2=2h^2+k^2+l^2=2。sin⁡2θ=λ2⋅2/(4a2)=0.1184\sin^2\theta=\lambda^2\cdot2/(4a^2)=0.1184 から a=λ2/(4×0.1184)=0.3165 nma=\lambda\sqrt{2/(4\times0.1184)}=0.3165\,\mathrm{nm}。

ほかの巻では

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