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授業で習った形との対応

2026年10月15日6分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第2部 第3章 原子 N 個の輪:準位が帯になる

AI 生成・木下が未勉強

ハミルトニアンの選び方で固体を考える 第2部 第3章 §2.3.6 ★★ 化学の Hückel 法の α,β\alpha,\beta、固体物理の tight-binding の式・周期境界条件・重なり積分、格子振動の分散を、この章の形と式で並べる

Hückel 法。化学の授業では、π電子の分子の軌道エネルギーをクーロン積分 α\alpha と共鳴積分 β\beta(どちらも負)で書き、NN 員環の軌道エネルギーを

Eν=α+2βcos⁡2πνN(ν=0,±1,… )E_\nu=\alpha+2\beta\cos\frac{2\pi\nu}{N}\qquad(\nu=0,\pm1,\dots)

と習う。この章の記号とは α=εa\alpha=\varepsilon _{\mathrm a}、β=−t\beta=-t で対応し、式 (2.3.8) と同じものである。

この式の図による覚え方として、半径 2∣β∣2\lvert \beta\rvert の円に頂点を真下に向けた正 NN 角形を内接させ、頂点の高さを準位とする方法(Frost の円)がある(図 2.3.4)。頂点 ν\nu は真下から角度 2πν/N2\pi\nu/N だけ回った位置にあり、高さは −2∣β∣cos⁡(2πν/N)-2\lvert \beta\rvert \cos(2\pi\nu/N) なので、式 (2.3.8) をそのまま絵にしたものである。円の上の角度が kaka に当たり、正多角形の頂点が kk の許される値に当たる。N→∞N\to\infty で頂点が円を埋めることが、準位が帯になることの図の上での姿である。

図

図 2.3.4 Frost の円。半径 2t2t の円に頂点を真下に向けた正 NN 角形を内接させると、頂点の高さが NN 個の輪の準位になる(左 N=6N=6、右 N=5N=5)。頂点の角度が kaka に当たる。

固体物理の tight-binding。固体物理の授業では、原子軌道 ϕ\phi を並べた Bloch 和 ψk(x)=N−1/2∑jeikjaϕ(x−ja)\psi_k(x)=N^{-1/2}\sum_j\mathrm{e}^{\mathrm{i} kja}\phi(x-ja) を試行関数とし、エネルギーの期待値を計算して E(k)=E0−A−2Bcos⁡(ka)E(k)=E_0-A-2B\cos(ka) の形を得ることが多い(E0E_0 は孤立原子の準位、AA は他の原子のポテンシャルによる準位のずれ、BB は隣への移り込みの積分で、教科書によって記号が違う)。この章との対応は εa=E0−A\varepsilon _{\mathrm a}=E_0-A、t=Bt=B である。授業の式は、試行関数をはじめから Bloch 和に選ぶので、kk が良い量子数であることを前提にしている。この章では、kk が並進の固有値として出てくること(2.3.2節)を先に示したので、Bloch 和を選んでよい理由が分かる。

周期境界条件。授業では ψ(x+Na)=ψ(x)\psi(x+Na)=\psi(x)(Born–von Kármán の周期境界条件)を課して eikNa=1\mathrm{e}^{\mathrm{i} kNa}=1 から k=2πν/(Na)k=2\pi\nu/(Na) を得る。これはこの章の T^N=1\hat T^N=1 と同じ条件で、「長さ NaNa の鎖の両端をつないで輪にする」と読める。輪の分子では実際に輪になっているので、この条件は仮定でなく事実である。

重なり積分。授業によっては、隣どうしの原子軌道の重なり s=∫ϕ∗(x)ϕ(x−a) dxs=\int\phi^*(x)\phi(x-a)\,\mathrm{d} x を残し、一般化固有値問題 Hc=εScH\bm{c}=\varepsilon S\bm{c} を解く。重なりの行列 SS も巡回行列なので同じ ∣k⟩| k \rangle で対角化でき、

ε(k)=εa−2tcos⁡(ka)1+2scos⁡(ka)(2.3.17)\varepsilon (k)=\frac{\varepsilon _{\mathrm a}-2t\cos(ka)}{1+2s\cos(ka)}\tag{2.3.17}

になる(ここで εa\varepsilon _{\mathrm a} と −t-t は直交化する前の基底での H^\hat H の行列要素)。s>0s>0 では帯の底(cos⁡ka=1\cos ka=1)は分母が大きくなって浅くなり、天井(cos⁡ka=−1\cos ka=-1)は分母が小さくなって高く持ち上がる。帯は上下に非対称になり、上半分が広がる。2原子分子で反結合軌道が結合軌道より大きく持ち上がること(第2部第1章)の帯版である。

格子振動。同じ質量 MM の原子 NN 個を輪に並べ、隣どうしをばね定数 KK のばねでつなぐと、運動方程式は Mu¨j=−K(2uj−uj−1−uj+1)M\ddot u_j=-K(2u_j-u_{j-1}-u_{j+1}) である。係数の行列はこの章の巡回行列と同じ形で、uj∝eikjau_j\propto\mathrm{e}^{\mathrm{i} kja} を入れると

ω2(k)=2KM(1−cos⁡ka)\omega^2(k)=\frac{2K}{M}\bigl(1-\cos ka\bigr)

を得る(解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第2部第4章)。電子の帯 ε(k)\varepsilon (k) とフォノンの分散 ω2(k)\omega^2(k) は、どちらも並進対称な行列を離散 Fourier 変換で対角化した結果で、ω2\omega^2 の「帯」は [0,4K/M][0,4K/M] である。違いは、ばねの行列が ω=0\omega=0(全体の平行移動)を必ず持つことで、これが音響モードの ω→0\omega\to0 になる。

例題 2.3.7 重なり積分で帯が非対称になる ★

オリジナルεa=0\varepsilon _{\mathrm a}=0、t>0t>0、s=0.2s=0.2 とする。

  1. (1) 式 (2.3.17) を導け(HH と SS が同じ ∣k⟩| k \rangle で対角化されることを使う)。
  2. (2) 帯の底・天井・幅を求め、s=0s=0 と比べよ。
  3. (3) 帯の中で ε(k)=εa\varepsilon (k)=\varepsilon _{\mathrm a} となる kk は ss でずれるか。
解答

(1) SS の行列要素は ⟨j∣S∣j⟩=1\langle j | S | j \rangle =1、⟨j∣S∣j±1⟩=s\langle j | S | j\pm1 \rangle =s で、番号の差だけで決まる巡回行列である。2.3.2節の議論から、S∣k⟩=(1+2scos⁡ka)∣k⟩S| k \rangle =(1+2s\cos ka)| k \rangle、H∣k⟩=(εa−2tcos⁡ka)∣k⟩H| k \rangle =(\varepsilon _{\mathrm a}-2t\cos ka)| k \rangle。一般化固有値問題 H∣k⟩=εS∣k⟩H| k \rangle =\varepsilon S| k \rangle に入れると、εa−2tcos⁡ka=ε(1+2scos⁡ka)\varepsilon _{\mathrm a}-2t\cos ka=\varepsilon (1+2s\cos ka) で、式 (2.3.17) を得る。

(2) 底(k=0k=0)は −2t/(1+0.4)=−1.429t-2t/(1+0.4)=-1.429t、天井(ka=πka=\pi)は 2t/(1−0.4)=3.333t2t/(1-0.4)=3.333t、幅は 4.762t4.762t である。s=0s=0 では底 −2t-2t、天井 2t2t、幅 4t4t であった。底は 0.571t0.571t 浅くなり、天井は 1.333t1.333t 高くなって、上半分の方が大きく伸びる。

(3) ε(k)=0\varepsilon (k)=0 は分子 −2tcos⁡ka=0-2t\cos ka=0 で決まり、ka=π/2ka=\pi/2 のままずれない。重なりは帯の中心の位置を変えず、上下の伸び方だけを変える。

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