この章のまとめ
AI 生成・木下が未勉強
ハミルトニアンの選び方で固体を考える 第2部 第3章 §2.3.7 ★★★ 輪の Hückel 模型は並進で ごとに分かれ、 で幅 の帯と状態密度になる。 は位相の差・帯の底の波数・速さを決める量で、境界条件は で効果を失う
この章では、Hückel 法を原子 個の輪 (2.3.1) に当てた。行列を数値で対角化すると、準位の数は に比例して増えるが、準位は区間 から出ない。この区間の幅が隣の数と で決まることは、不等式 (2.3.3) で示した。間隔が で狭くなった準位の集まりが帯である。
対角化の道具は、輪を1つ回す並進 と が交換すること (2.3.5) であった。 の固有値は1の 乗根 で、その固有ベクトル(離散 Fourier の波)は の固有ベクトルでもあり、固有値は (2.3.8) にまとまる。並進の対称性を持つ巡回行列なら、ホッピングの到達距離によらず同じ方法で対角化できる。
では準位の数え方が状態密度 (2.3.12) になり、帯の端で発散する。電子を原子1個あたり1個詰めると帯の半分が埋まり、HOMO と LUMO の差は に近づいて金属になる。1原子あたりのエネルギー は、孤立した2量体の より低い。有限の輪では、 個の輪が閉殻として下から、 個の輪が上から に近づく。
は3つの意味を持っていた。隣の原子との位相の差( を法として意味を持つ)、帯の底で有効質量 (2.3.14) の自由粒子の波数、群速度 (2.3.15) を決める量である。端のある鎖の準位 (2.3.16) も同じ曲線の上に乗り、 では輪と同じ状態密度を与える。
削ったものは、軌道を1つに絞ったこと(A 型の札)・最近接だけ・直交基底・電子間の相互作用・等間隔の固定の5つで、最後の1つは第2部第8章で戻す。次の第2部第4章では、この章で輪の上で見た「並進の固有値でラベルを付けると が分かれる」ことを、一般の周期ポテンシャルの中の電子について Bloch の定理として言い直す。
総合問題 2種類の原子が交互に並ぶ輪:帯が2本に割れる ★★★
オリジナル2種類の原子 A と B を交互に並べた 個の輪を考える。隣どうしの間隔は 、ホッピングはどの隣どうしでも ()で、軌道のエネルギーは A の原子で 、B の原子で (。A と B の軌道のエネルギーの差が )とする。電子間の相互作用は無視する。原子 を A、原子 を B とし(、番号は で巡回)、原子 の位置を とする。
- (1) この輪で と交換する並進は、原子を2つずらす である。単位胞の長さ・Brillouin 域・許される の数を答え、状態の総数が に保たれることを確かめよ。(使う道具:2.3.2節・第1部第2章)
- (2) A の原子と B の原子それぞれについて、位置の位相をつけた和 、 を作る。この2つの基底で が の行列になることを示し、帯 を求めよ。(使う道具:2.3.2節)
- (3) 2本の帯の間のギャップを求めよ。 でこの章の帯 (2.3.8) に戻ることと、 で孤立した原子に戻ることを確かめよ。(使う道具:2.3.3節・第2部第1章)
- (4) 原子1個あたり電子1個を詰めると、どの帯がどこまで埋まるか。金属か絶縁体かを答え、 での1原子あたりのエネルギーを積分の形で書け。、 の値を数値で求め、 の と比べよ。(使う道具:2.3.3節)
- (5) 下の帯の底()の有効質量を求め、 の との比を で求めよ。(使う道具:2.3.4節)
解答
(1) A と B が交互なので、原子を1つずらすと A と B が入れ替わり は変わる。2つずらす では元に戻るので 。単位胞の長さは で、Brillouin 域は と半分になる。 なので ( は 個の整数)で、許される は 個である。各 に (2) で見る2つの状態があるので、総数は で変わらない。
(2) で、A の原子は両隣の B の原子とだけつながる。 に を当てると、B の原子 の係数は なので、
である。B についても同様で、 は の上で
に閉じる。固有値は
である(、、 の行列を数値で対角化した固有値と一致する)。
(3) 下の帯 の最大値と上の帯 の最小値は、どちらも の Brillouin 域の端 で取られ、 である。ギャップは で、下の帯は 、上の帯は に広がる。 では下の帯が 、ギャップは である。 では で、Brillouin 域が半分になったために元の帯 の の部分が だけ折り返されて上の帯になったものである。ギャップは に閉じ、2本の帯はつながって1本に戻る。 では で、孤立した原子の準位に戻る。 の 行列は、種類の違う2原子の分子の行列でホッピングを から にしたもの(A の原子は B の両隣と同位相でつながる)である。
(4) 電子は 個で、下の帯の 個の準位にスピンの上下で2個ずつ入ると、ちょうど下の帯が全部埋まる。上の帯は空で、その間にギャップ があるので、 なら絶縁体である。1原子あたりのエネルギーは、下の帯の の についての平均に等しい( 個の電子 個の原子 各準位2個 個の ):
では積分が で に戻る。 では数値積分で ( の対角化と一致)で、 より 低い。エネルギーが下がるのは、A の原子に入る電子が低い の側へ寄るためで、下の帯の状態は B の原子に重みが偏っている。
(5) のまわりで を使い、 と置くと。 と比べて
で、 では 倍に重くなる。A と B の準位が違うと、電子が A の原子を通り抜けるときに準位の違いの分だけ移りにくくなり、帯の底の曲がりが緩くなるからである。
木下の勉強ステータス
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