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何の実験の量で確かめるか・授業で習った形との対応

2026年10月15日6分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第4部 第3章 熱電効果と Wiedemann–Franz
目次
  1. Lorenz 比を測る
  2. 授業で習った形との対応
  3. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

ハミルトニアンの選び方で固体を考える 第4部 第3章 §4.3.6 ★★ Lorenz 比は κ\kappa と ρ\rho の測定から求まり、室温の Cu で L0L_0 の 94%。古典の Drude 模型は LL を半分に、SS を数十倍に見積もる

Lorenz 比を測る

Wiedemann–Franz 則を確かめるには、同じ試料の電気抵抗率 ρ=1/σ\rho=1/\sigma と熱伝導率 κ\kappa を同じ温度で測り、L=κρ/TL=\kappa\rho/T を作ればよい。純粋な Cu では、300 K300\,\mathrm K の推奨値として ρ=1.725×10−8 Ω m\rho=1.725\times10^{-8}\,\Omega\,\mathrm m(R. A. Matula (1979), J. Phys. Chem. Ref. Data 8, 1147)、κ=401 W m−1K−1\kappa=401\,\mathrm{W\,m^{-1}K^{-1}}(C. Y. Ho, R. W. Powell, P. E. Liley (1972), J. Phys. Chem. Ref. Data 1, 279)がまとめられている。これから

L=401×1.725×10−8300=2.31×10−8 W Ω K−2=0.944 L0L=\frac{401\times1.725\times10^{-8}}{300}=2.31\times10^{-8}\,\mathrm{W}\,\Omega\,\mathrm{K^{-2}}=0.944\,L_0

となる。室温は Cu のフォノンの特性温度(Debye 温度)と同じ程度の温度で、4.3.5節の非弾性散乱がまだ少し残るので、LL は L0L_0 よりわずかに小さい。フォノンが運ぶ熱は LL を大きくする向きに入るので、測った LL が L0L_0 を下回ることは、電子の熱の流れの方が電荷の流れより早く緩和していることを示している。

Seebeck 係数は、2種類の導体をつないで両端の温度を変えた熱電対の起電力 (SA−SB)ΔT(S_A-S_B)\Delta T として測る。2つの導体の差しか測れないので、1つの物質の SS を決めるには、S=0S=0 とみなせる基準(超伝導体は電流を熱なしで運ぶので S=0S=0)から Thomson 係数 μTh=T dS/dT\mu_{\mathrm{Th}}=T\,\mathrm{d} S/\mathrm{d} T を温度で積分してつなぐ。(4.3.18) の Kelvin の関係は、このように測定の土台にもなっている。

授業で習った形との対応

学部の固体物理の授業では、熱電効果を次の現象論の式で導入することが多い:

J=σE−σS∇T,JQ=ΠJ−κ∇T.\bm{J}=\sigma\bm{E}-\sigma S\nabla T,\qquad \bm{J}_Q=\Pi\bm{J}-\kappa\nabla T .

この章の (4.3.9) を J\bm{J} について解いて熱流の式に入れ直すと、まさにこの形になる(E\bm{E} は E′\bm{E}' と読む)。この章が足したのは、4つの係数を σ(ε)\sigma(\varepsilon ) の3つの積分で書き、Π=TS\Pi=TS と Wiedemann–Franz 則と Mott 公式を同じ計算の結果として出したことである。

もう1つ授業でよく見るのは、Drude の古典的な電子気体で熱伝導率を見積もる計算である。気体分子運動論の κ=13cvv2τ\kappa=\frac13c_vv^2\tau を使い、比熱 cv=32nkBc_v=\frac32n k_{\mathrm B} と2乗平均の速さ ⟨v2⟩=3kBT/m\langle v^2\rangle=3 k_{\mathrm B} T/m を入れる。量子論では、比熱を Sommerfeld の cv=π22nkB(T/TF)c_v=\frac{\pi^2}{2}n k_{\mathrm B}(T/T_{\mathrm F}) に、速さを Fermi 速度 vF2=2εF/mv_{\mathrm F}^2=2\varepsilon _{\mathrm F}/m に置き換える。どちらでも σ=ne2τ/m\sigma=ne^2\tau/m で割ると τ\tau と mm と nn が消える。2つの計算を比べる例題を置く。

例題 4.3.7 古典の電子気体と量子の電子気体で Lorenz 数と熱電能を比べる ★★

オリジナル

  1. (1) 古典の電子気体(cv=32nkBc_v=\frac32n k_{\mathrm B}、⟨v2⟩=3kBT/m\langle v^2\rangle=3 k_{\mathrm B} T/m)で κ/(σT)\kappa/(\sigma T) を求め、L0L_0 と比べよ。
  2. (2) 量子の電子気体(cv=π22nkBT/TFc_v=\frac{\pi^2}{2}n k_{\mathrm B} T/T_{\mathrm F}、v2=vF2v^2=v_{\mathrm F}^2)で同じ比を求め、(4.3.15) に一致することを確かめよ。
  3. (3) 古典の電子気体では、熱電能は「電子1個あたりの比熱を電荷で割ったものの 1/31/3」、S=−cv/(3ne)S=-c_v/(3ne) と見積もられる。この値を求め、例題 4.3.3 の量子の値と比べよ。
解答

(1) κ=13⋅32nkB⋅3kBTmτ=32nkB2Tτm\kappa=\frac13\cdot\frac32n k_{\mathrm B}\cdot\frac{3 k_{\mathrm B} T}{m}\tau=\frac32\frac{n k_{\mathrm B}^2T\tau}{m}、σT=ne2τmT\sigma T=\frac{ne^2\tau}{m}T なので κ/(σT)=32(kB/e)2=1.11×10−8 W Ω K−2\kappa/(\sigma T)=\frac32( k_{\mathrm B}/e)^2=1.11\times10^{-8}\,\mathrm{W}\,\Omega\,\mathrm{K^{-2}}。L0L_0 の 0.4560.456 倍である。

(2) κ=13⋅π22nkBkBTεF⋅2εFmτ=π23nkB2Tτm\kappa=\frac13\cdot\frac{\pi^2}{2}n k_{\mathrm B}\frac{ k_{\mathrm B} T}{\varepsilon _{\mathrm F}}\cdot\frac{2\varepsilon _{\mathrm F}}{m}\tau=\frac{\pi^2}{3}\frac{n k_{\mathrm B}^2T\tau}{m}(TF=εF/kBT_{\mathrm F}=\varepsilon _{\mathrm F}/ k_{\mathrm B})。σT\sigma T で割ると π23(kB/e)2=L0\frac{\pi^2}{3}( k_{\mathrm B}/e)^2=L_0。

(3) S=−13ne⋅32nkB=−kB2e=−43.1 μV K−1S=-\frac{1}{3ne}\cdot\frac32n k_{\mathrm B}=-\frac{ k_{\mathrm B}}{2e}=-43.1\,\mu\mathrm{V\,K^{-1}}。量子の値 −1.56 μV K−1-1.56\,\mu\mathrm{V\,K^{-1}} の 27.6 倍である。

古典の計算では、比熱を TF/T∼102T_{\mathrm F}/T\sim10^2 倍に大きく見積もり、速さの2乗を同じくらい小さく見積もるので、κ\kappa では2つの誤りがほぼ打ち消し合い、LL は係数 3/23/2 と π2/3\pi^2/3 の違いだけで済む。熱電能には速さが入らないので比熱の誤りが打ち消されずに残り、SS は TF/TT_{\mathrm F}/T のけた違いで大きすぎる。Wiedemann–Franz 則が古典論でもおおよそ合うことと、熱電能が古典論で大きく外れることは、同じ理由による。

木下の勉強ステータス

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