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この章のまとめと試験での出方

2026年10月17日6分で読めますAI生成教科書『資格試験』第2章 代表値と散らばりの指標

AI 生成・木下が未勉強

統計学の復習 第2章 §2.8 ★★ ずれの最小化と平行移動の公式から、この章の計算をすべて導いた

この章では、3つの代表値を「ずれの合計を最小にする点」として導いた(定理 2.3)。2乗のずれを使うと平均、絶対値のずれを使うと中央値、一致しない個数を使うと最頻値になる。2乗のずれの最小値を表す平行移動の公式 (2.4) からは、分散の計算公式 (2.6)、2群の分散の分解 (2.8)、平均と中央値の距離の上限(定理 2.4)がすべて導かれた。散らばりについては、nn で割る σ^2\hat\sigma^2(データの記述)と n−1n-1 で割る s2s^2(母分散の推測)を書き分け、n−1n-1 を自由度の数え方と2点の差による表示(命題 2.9)の2通りで説明した。平均の種類は「何を一定にして合計するか」で選び、成長率には倍率の幾何平均、同じ距離の往復や同じ金額での購入には調和平均を使う。変動係数は比尺度のデータに限って使う。

2級では、度数分布表からの平均・分散、3つの代表値の大小と分布の歪み、幾何平均による年平均成長率、変動係数による比較が、それぞれ1問ずつ数値を選ぶ形で出る。1級の統計数理では、この章の結果は単独の大問にはならず、推定量の性質を調べる小問の連鎖の最初の数段として現れる。典型的な流れは次のとおりである。

  • (a) 平行移動の公式で ∑(Xi−Xˉ)2\sum(X_i-\bar X)^2 を ∑(Xi−μ)2\sum(X_i-\mu)^2 と n(Xˉ−μ)2n(\bar X-\mu)^2 に分ける。
  • (b) 期待値をとって E[∑(Xi−Xˉ)2]=(n−1)σ2E\bigl[\sum(X_i-\bar X)^2\bigr]=(n-1)\sigma^2 を出し、S2S^2 の不偏性と σ^2\hat\sigma^2 の偏りを示す。
  • (c) 正規母集団で (n−1)S2/σ2∼χn−12(n-1)S^2/\sigma^2\sim\chi^2_{n-1} を使って分散を求め、S2S^2 と σ^2\hat\sigma^2 の平均二乗誤差を比べる。

下の総合問題は、この流れのとおりに小問を並べた。損失を決めて最小化するという定理 2.3 の見方は、1級では推定量のリスク(数理統計の解説 第10章 §10.1)として一般化され、中央値の性質は順序統計量(同 第5章 §5.4)で確率変数として調べ直される。

総合問題 分散の2つの推定量を平均二乗誤差で比べる ★★★

オリジナルX1,…,XnX_1,\dots,X_n(n≥2n\ge2)は独立に同じ分布に従い、E[Xi]=μE[X_i]=\mu、V[Xi]=σ2V[X_i]=\sigma^2 とする。Xˉ=1n∑iXi\bar X=\frac1n\sum_iX_i、W=∑i(Xi−Xˉ)2W=\sum_i(X_i-\bar X)^2 とおく。

  • (1) W=∑i(Xi−μ)2−n(Xˉ−μ)2W=\sum_i(X_i-\mu)^2-n(\bar X-\mu)^2 を示せ。
  • (2) E[W]=(n−1)σ2E[W]=(n-1)\sigma^2 を示せ。ただし V[Xˉ]=σ2/nV[\bar X]=\sigma^2/n(第8章)は使ってよい。これから、S2=W/(n−1)S^2=W/(n-1) は σ2\sigma^2 の不偏推定量であり、σ^2=W/n\hat\sigma^2=W/n の偏り E[σ^2]−σ2E[\hat\sigma^2]-\sigma^2 は −σ2/n-\sigma^2/n であることを示せ。
  • (3) 以下、母集団は正規分布 N(μ,σ2)\mathrm N(\mu,\sigma^2) とし、W/σ2∼χn−12W/\sigma^2\sim\chi^2_{n-1} と V[χν2]=2νV[\chi^2_\nu]=2\nu(第11章)は使ってよい。推定量 TT の平均二乗誤差を MSE(T)=E[(T−σ2)2]\mathrm{MSE}(T)=E[(T-\sigma^2)^2] と定める。MSE(T)=V[T]+(E[T]−σ2)2\mathrm{MSE}(T)=V[T]+(E[T]-\sigma^2)^2 を示し、MSE(S2)\mathrm{MSE}(S^2) と MSE(σ^2)\mathrm{MSE}(\hat\sigma^2) を求めよ。
  • (4) MSE(σ^2)<MSE(S2)\mathrm{MSE}(\hat\sigma^2)<\mathrm{MSE}(S^2) を示せ。
  • (5) 定数 c>0c>0 に対する推定量 cWcW のうち、平均二乗誤差を最小にする cc を求めよ。
解答

(1) 平行移動の公式 (2.4) はデータの値によらない恒等式なので、確率変数 XiX_i にもそのまま使える。c=μc=\mu とおくと ∑i(Xi−μ)2=W+n(Xˉ−μ)2\sum_i(X_i-\mu)^2=W+n(\bar X-\mu)^2 で、移項すればよい。

(2) E[(Xi−μ)2]=V[Xi]=σ2E[(X_i-\mu)^2]=V[X_i]=\sigma^2、E[(Xˉ−μ)2]=V[Xˉ]=σ2/nE[(\bar X-\mu)^2]=V[\bar X]=\sigma^2/n(E[Xˉ]=μE[\bar X]=\mu による)。(1) の両辺の期待値をとり、期待値の線形性を使うと

E[W]=nσ2−n⋅σ2n=(n−1)σ2.E[W]=n\sigma^2-n\cdot\frac{\sigma^2}{n}=(n-1)\sigma^2 .

したがって E[S2]=E[W]/(n−1)=σ2E[S^2]=E[W]/(n-1)=\sigma^2、E[σ^2]=(n−1)σ2/nE[\hat\sigma^2]=(n-1)\sigma^2/n で、偏りは (n−1)σ2/n−σ2=−σ2/n(n-1)\sigma^2/n-\sigma^2=-\sigma^2/n である。

(3) m=E[T]m=E[T] とおくと T−σ2=(T−m)+(m−σ2)T-\sigma^2=(T-m)+(m-\sigma^2) で、2乗して期待値をとると交差項は 2(m−σ2)E[T−m]=02(m-\sigma^2)E[T-m]=0 なので MSE(T)=V[T]+(m−σ2)2\mathrm{MSE}(T)=V[T]+(m-\sigma^2)^2。W=σ2⋅(W/σ2)W=\sigma^2\cdot(W/\sigma^2) で V[W/σ2]=2(n−1)V[W/\sigma^2]=2(n-1) なので V[W]=2(n−1)σ4V[W]=2(n-1)\sigma^4。したがって

MSE(S2)=2(n−1)σ4(n−1)2+0=2σ4n−1,MSE(σ^2)=2(n−1)σ4n2+σ4n2=(2n−1)σ4n2.\mathrm{MSE}(S^2)=\frac{2(n-1)\sigma^4}{(n-1)^2}+0=\frac{2\sigma^4}{n-1},\qquad \mathrm{MSE}(\hat\sigma^2)=\frac{2(n-1)\sigma^4}{n^2}+\frac{\sigma^4}{n^2}=\frac{(2n-1)\sigma^4}{n^2}.

(4) 差をとると

2n−1−2n−1n2=2n2−(2n−1)(n−1)n2(n−1)=3n−1n2(n−1)>0\frac{2}{n-1}-\frac{2n-1}{n^2}=\frac{2n^2-(2n-1)(n-1)}{n^2(n-1)}=\frac{3n-1}{n^2(n-1)}>0

なので、MSE(S2)>MSE(σ^2)\mathrm{MSE}(S^2)>\mathrm{MSE}(\hat\sigma^2)。分散の減少分 V[S2]−V[σ^2]V[S^2]-V[\hat\sigma^2] が偏りの2乗 σ4/n2\sigma^4/n^2 を上回るので、偏りの無い S2S^2 より、偏りのある σ^2\hat\sigma^2 のほうが平均二乗誤差は小さい。

(5) E[cW]=c(n−1)σ2E[cW]=c(n-1)\sigma^2、V[cW]=2c2(n−1)σ4V[cW]=2c^2(n-1)\sigma^4 なので

MSE(cW)=σ4{2c2(n−1)+(c(n−1)−1)2}.\mathrm{MSE}(cW)=\sigma^4\bigl\{2c^2(n-1)+(c(n-1)-1)^2\bigr\}.

cc で微分して0とおくと 4c(n−1)+2(n−1){c(n−1)−1}=04c(n-1)+2(n-1)\{c(n-1)-1\}=0、すなわち 2c+c(n−1)−1=02c+c(n-1)-1=0 で c=1/(n+1)c=1/(n+1)。括弧の中は cc の2次式で c2c^2 の係数 2(n−1)+(n−1)2>02(n-1)+(n-1)^2>0 なので、これが最小である。最小の平均二乗誤差は 2σ4/(n+1)2\sigma^4/(n+1) で、n−1n-1 でも nn でもなく n+1n+1 で割る推定量が平均二乗誤差の意味では最良になる。

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