この章のまとめと試験での出方
AI 生成・木下が未勉強
統計学の復習 第2章 §2.8 ★★ ずれの最小化と平行移動の公式から、この章の計算をすべて導いた
この章では、3つの代表値を「ずれの合計を最小にする点」として導いた(定理 2.3)。2乗のずれを使うと平均、絶対値のずれを使うと中央値、一致しない個数を使うと最頻値になる。2乗のずれの最小値を表す平行移動の公式 (2.4) からは、分散の計算公式 (2.6)、2群の分散の分解 (2.8)、平均と中央値の距離の上限(定理 2.4)がすべて導かれた。散らばりについては、 で割る (データの記述)と で割る (母分散の推測)を書き分け、 を自由度の数え方と2点の差による表示(命題 2.9)の2通りで説明した。平均の種類は「何を一定にして合計するか」で選び、成長率には倍率の幾何平均、同じ距離の往復や同じ金額での購入には調和平均を使う。変動係数は比尺度のデータに限って使う。
2級では、度数分布表からの平均・分散、3つの代表値の大小と分布の歪み、幾何平均による年平均成長率、変動係数による比較が、それぞれ1問ずつ数値を選ぶ形で出る。1級の統計数理では、この章の結果は単独の大問にはならず、推定量の性質を調べる小問の連鎖の最初の数段として現れる。典型的な流れは次のとおりである。
- (a) 平行移動の公式で を と に分ける。
- (b) 期待値をとって を出し、 の不偏性と の偏りを示す。
- (c) 正規母集団で を使って分散を求め、 と の平均二乗誤差を比べる。
下の総合問題は、この流れのとおりに小問を並べた。損失を決めて最小化するという定理 2.3 の見方は、1級では推定量のリスク(数理統計の解説 第10章 §10.1)として一般化され、中央値の性質は順序統計量(同 第5章 §5.4)で確率変数として調べ直される。
総合問題 分散の2つの推定量を平均二乗誤差で比べる ★★★
オリジナル()は独立に同じ分布に従い、、 とする。、 とおく。
- (1) を示せ。
- (2) を示せ。ただし (第8章)は使ってよい。これから、 は の不偏推定量であり、 の偏り は であることを示せ。
- (3) 以下、母集団は正規分布 とし、 と (第11章)は使ってよい。推定量 の平均二乗誤差を と定める。 を示し、 と を求めよ。
- (4) を示せ。
- (5) 定数 に対する推定量 のうち、平均二乗誤差を最小にする を求めよ。
解答
(1) 平行移動の公式 (2.4) はデータの値によらない恒等式なので、確率変数 にもそのまま使える。 とおくと で、移項すればよい。
(2) 、( による)。(1) の両辺の期待値をとり、期待値の線形性を使うと
したがって 、 で、偏りは である。
(3) とおくと で、2乗して期待値をとると交差項は なので 。 で なので 。したがって
(4) 差をとると
なので、。分散の減少分 が偏りの2乗 を上回るので、偏りの無い より、偏りのある のほうが平均二乗誤差は小さい。
(5) 、 なので
で微分して0とおくと 、すなわち で 。括弧の中は の2次式で の係数 なので、これが最小である。最小の平均二乗誤差は で、 でも でもなく で割る推定量が平均二乗誤差の意味では最良になる。
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