この章のまとめと試験での出方
AI 生成・木下が未勉強
統計学の復習 第3章 §3.5
この章では、まず積の法則から順列・円順列・同じものを含む順列・組合せ・重複組合せの公式を導いた。どの公式も「区別して数えてから、同じものの重複で割る」か「1対1の対応で数えやすいものに置き換える」かのどちらかで作られている。次に事象を標本空間の部分集合として扱い、和事象・積事象・余事象・排反を定義して、de Morgan の法則と要素の個数の包除原理を示した。
確率は、等確率の場合の定義 から (P1)〜(P3) の3つの性質を取り出し、以後の結果をこの3つだけから導いた。余事象の公式と加法定理はこの形で導かれるので、等確率でない場合にも成り立つ。独立は積 で定義し、排反とは正反対の関係であることを確かめた。期待値は根元事象ごとの和として書くと線形性がすぐに出て、指示関数の和に分ければ独立でない事象についても個数の期待値が求められる。
最後に条件付き確率を定義して、乗法定理・全確率の公式・Bayes の定理を導いた。Bayes の定理は「事後確率は事前確率と尤度の積に比例する」と読め、原因が2つのときはオッズの形で「事前オッズ 尤度比」になる。
2級では、この章の内容は次の型の単独の小問として出る。
- ・・ のうち2つか3つが与えられ、加法定理で を出してから積と比べて独立を判定する。
- 有病率・感度・特異度(または工場ごとの生産割合と不良率)が与えられ、全確率の公式で 、Bayes の定理で事後確率を求める。
- 非復元抽出の確率を、組合せの比か乗法定理で求める。
1級(統計数理は 90 分で 5 問から 3 問選択)では、この章の道具は大問の前半の小問として現れ、次のような連鎖になる。
- 原因の分割と事前確率を書く → 各原因のもとでの観測の確率(尤度)を書く → 全確率の公式で観測の確率 → Bayes の定理で事後確率 → 次の観測の予測確率。原因を連続的な母数に置き換えると、数理統計の解説 第10章 §10.4 のベイズ推定の大問になる。
- 根元事象を等確率になるように設定する → 組合せで確率関数を書く → 確率の和が 1 になることを二項定理などで確かめる → 指示関数の和に分けて期待値を出す。第5章の二項分布・超幾何分布の期待値の導出がこの形である。
答案では、条件付き確率を使う前に「何を条件にしているか」と「どの事象どうしが独立と仮定されているか」を1行で書く。例題3.7 の (3) のように、独立の仮定が変わると結果の数値が変わるからである。
総合問題 2つの袋と非復元抽出のベイズ更新 ★★★
オリジナル袋 A には赤玉4個と白玉2個、袋 B には赤玉2個と白玉4個が入っている。公正なさいころを1回投げ、1か2の目が出たら袋 A を、それ以外なら袋 B を選ぶ。選んだ袋から玉を1個ずつ、戻さずに2個取り出す。どちらの袋を選んだかは見ていないものとする。
- (§3.1 の組合せ)袋 A を選んだとき、2個とも赤玉である確率を求めよ。袋 B を選んだときについても求めよ。
- (§3.4 の全確率の公式)2個とも赤玉である確率を求めよ。
- (§3.4 の Bayes の定理)2個とも赤玉であったとき、選んだ袋が A である確率を求めよ。
- (§3.3 の期待値の線形性と例題3.6)取り出した2個のうちの赤玉の個数 の期待値を、 の分布を求めずに計算せよ。さらに の分布を求めて、同じ値になることを確かめよ。
- ((3) の結果と乗法定理)2個とも赤玉であったあと、同じ袋からさらに1個取り出す。それが赤玉である確率を求めよ。
解答
袋 A を選ぶ事象を 、袋 B を選ぶ事象を とすると、、 である。 を「 個目が赤玉」という事象とする。
- 袋の中の6個の玉に番号をつけると、取り出す2個の組 通りが等確率である。袋 A で2個とも赤になる組は赤4個から2個を選ぶ 通り、袋 B では 通りなので
乗法定理で 、 と計算しても同じである。2. 全確率の公式から
3. Bayes の定理から
事前確率 が、2個とも赤という観測で に上がった。オッズで見ると、事前オッズ に尤度比 を掛けて事後オッズ になっている。4. なので である。全確率の公式から
袋を決めたもとでは、例題3.6 と同じ理由で2個目が赤である確率は1個目と等しい(袋 A なら 、袋 B なら )。よって で、
分布で確かめる。 は (2) で求めた。2個とも白の確率は、袋 A で 、袋 B で なので
したがって で、線形性による値と一致する。5. 3個目が赤である事象を とする。観測 のもとで、袋で場合分けする(全確率の公式を、条件 を付けたまま使う)。
袋 A で赤を2個取り出したあとは赤2個・白2個が残るので 、袋 B では赤が残っていないので 0 である。(3) の結果を使って
検算として、乗法定理で3個とも赤の確率を直接求めると (袋 B では 0)であり、 と一致する。観測で原因の確率を更新し((3))、更新した確率で次の観測を予測する((5))という手順は、1級のベイズ推定で事後分布から予測分布を作る手順と同じ形である。
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