この章のまとめと試験での出方
AI 生成・木下が未勉強
統計学の復習 第4章 §4.8 ★★★ 密度 → 累積分布関数 → 変換後の密度 → 期待値・分散 → 確率の評価、が1級の小問の連鎖
確率変数は試行の結果に数を対応させる関数で、その分布は、離散型なら確率関数 、連続型なら密度 で記述される。確率関数は値ごとの確率そのものだが、密度は確率ではなく、区間で積分して初めて確率になる。そのため密度は を超えてよく、単位の取り方で数値が変わり、連続型では1点の確率が なので区間の端点を含めるかどうかで確率は変わらない。累積分布関数 は両方の型に共通の記述で、連続型では が成り立つ。変換 の密度は、 を の確率に直して を求め、微分して出すのが最も確実である。期待値は確率を重みにした平均で、関数の期待値は を重み付けして足せば求まり、一次式についてだけ が成り立つ。分散は で計算し、一次変換では 倍になる。Chebyshev の不等式を使うと、分散だけから「期待値から離れる確率」の上界が得られる。
2級では、この章の内容が「密度から定数・確率・期待値・分散を求める」「 と を求める」の形で毎回出る。1級の統計数理では、大問の最初の2〜3問がこの章の道具の連鎖になることが多い。典型は次の形である。
- 密度の正規化定数を求める。
- 累積分布関数を求め、中央値や分位点を出す。
- 変換 の分布を、累積分布関数を経由して求める(変換後が指数分布やベータ分布になるように作られることが多い)。
- 、(あるいは 、)を求める。
- 独立な 個の平均について、その期待値と分散を求め、Chebyshev の不等式や中心極限定理で確率を評価する。
このあと (5) の続きとして、最尤推定量を求め、その期待値と分散から不偏性や一致性を調べる小問に進む(数理統計の解説 第6章)。次の総合問題は、この (1)〜(5) を1つの分布で通したものである。
総合問題 べき乗の密度から指数分布と標本平均の評価まで ★★★
オリジナル を既知の定数とし、 の密度を ()、それ以外で とする。
- (1) を で表せ。また累積分布関数 と中央値を求めよ。(使う道具:第4章 §4.3・§4.5)
- (2) と を求めよ。(使う道具:第4章 §4.6・§4.7)
- (3) の累積分布関数と密度を求め、 が指数分布 に従うことを示せ。さらに と を求めよ。(使う道具:第4章 §4.5 の変数変換、第6章 指数分布)
- (4) を に従う独立な確率変数とし、 とする。、 を使って、 の Chebyshev の上界を書き、 でこの確率が に近づくことを示せ。、、 のときの上界の値と、中心極限定理による近似値を比べよ( を使ってよい)。(使う道具:第4章 §4.7、第7章 独立な和の分散、第8章 中心極限定理)
解答
(1) 第4章 §4.3・§4.5。 なので ( では で被積分関数が発散するが、積分は収束する)。 から 。 で 、 で 、 で 。中央値は から 。
分子は と整理した。
(3) 第4章 §4.5、第6章。 なので 。 について、 は と同じなので
では 。これは密度 の指数分布 である。部分積分により 。同様に (部分積分で を1回微分する)なので。
(4) 第4章 §4.7、第7章、第8章。Chebyshev の不等式 (4.10) を に使うと
と を固定して とすると右辺は に近づき、左辺は 以上なので に近づく(第8章の大数の法則のこの場合の証明になっている)。、、 では上界は 。一方、 の標準偏差は なので は 標準偏差に当たり、中心極限定理による近似値は である。Chebyshev の上界は正しいが、実際の確率の約5倍の大きさがある。
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