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区間推定の考え方と母分散が既知のときの信頼区間

2026年10月17日10分で読めますAI生成教科書『資格試験』第10章 母平均の区間推定
目次
  1. 信頼区間の定義
  2. 標準化した標本平均の分布は母平均によらない
  3. 不等式を母平均について解く
  4. 区間の幅と必要な標本の大きさ
  5. 確認テスト
  6. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

統計学の復習 第10章 §10.1 ★★★ 分布が μ\mu によらない ZZ の不等式を μ\mu について解くと、xˉ±zα/2 σ/n\bar x\pm z_{\alpha/2}\,\sigma/\sqrt n が出る。必要な標本の大きさはこの半幅から逆算する

この章は、対策本の第18章(母平均の区間推定・母分散既知)と第19章(tt 分布と母分散未知の区間推定・母平均の差)に当たる。

第9章では、母平均 μ\mu を標本平均 Xˉ\bar X という1つの値で推定し、その精度を標準誤差 σ/n\sigma/\sqrt n で表した。しかし連続型の分布では P(Xˉ=μ)=0P(\bar X=\mu)=0 であり、点推定値がちょうど母平均に一致することは確率 00 でしか起こらない。そこで、母平均を含む確率があらかじめ分かっている区間を標本から作る方法を考える。これが区間推定である。

この章で作る道具は3つある。第一に、母分散 σ2\sigma^2 が既知の正規母集団で、標準化した Z=(Xˉ−μ)/(σ/n)Z=(\bar X-\mu)/(\sigma/\sqrt n) の分布が μ\mu によらないことを使って区間を作る方法である(§10.1・§10.2)。第二に、σ\sigma を不偏分散の平方根 SS で置き換えたときに現れる tt 分布を定義し、その性質を導くことである(§10.3)。第三に、tt 分布を使った母分散未知の区間と、2つの母平均の差の区間である(§10.4・§10.5)。

2級の区間推定の問題での誤りは、tt と zz の取り違え・α\alpha と α/2\alpha/2 の取り違え・臨界値の掛け忘れ・ss と s2s^2 の読み違えの4つにほぼ分類することができる。この章ではこの4つがなぜ誤りになるかを、分布の性質から1つずつ説明する。1級との関係では、「分布が母数によらない量(ピボット)を作り、その量の不等式を母数について解く」という区間の作り方そのものが、統計数理の大問で信頼区間を問う小問の標準形になる。一般的な構成は数理統計の解説 第8章 §8.2 で扱う。

信頼区間の定義

母数 θ\theta を含む区間を標本から作るとき、区間の両端は標本 X1,…,XnX_1,\dots,X_n の関数、すなわち統計量になる。

定義 10.1(信頼区間)

0<α<10<\alpha<1 とする。統計量 L=L(X1,…,Xn)L=L(X_1,\dots,X_n) と U=U(X1,…,Xn)U=U(X_1,\dots,X_n)(L≤UL\le U)が、母数 θ\theta がどの値であっても

P(L≤θ≤U)=1−α(10.1)P(L\le\theta\le U)=1-\alpha\tag{10.1}

を満たすとき、区間 [L,U][L,U] を θ\theta の信頼係数 1−α1-\alpha の信頼区間と呼ぶ。100(1−α)%100(1-\alpha)\% 信頼区間とも呼ぶ。標本の実現値 x1,…,xnx_1,\dots,x_n を代入して得られる数の区間 [L(x1,…,xn),U(x1,…,xn)][L(x_1,\dots,x_n),U(x_1,\dots,x_n)] も同じ名前で呼ぶ。

式 (10.1) の中で確率変数なのは LL と UU であり、θ\theta は未知の定数である。確率は「区間の両端がどこに落ちるか」について計算している。この区別は §10.2 で信頼区間の意味を考えるときに必要になる。

標準化した標本平均の分布は母平均によらない

母集団が正規分布 N(μ,σ2)\mathrm N(\mu,\sigma^2) で、σ2\sigma^2 は既知、μ\mu は未知とする。X1,…,XnX_1,\dots,X_n はこの母集団からの無作為標本(独立で同じ分布に従う)とする。第6章の正規分布の再生性と第8章の標本平均の平均・分散の計算から

Xˉ=1n∑i=1nXi∼N ⁣(μ, σ2n)(10.2)\bar X=\frac1n\sum_{i=1}^nX_i\sim\mathrm N\!\left(\mu,\ \frac{\sigma^2}{n}\right)\tag{10.2}

であり、標準化すると

Z=Xˉ−μσ/n∼N(0,1)(10.3)Z=\frac{\bar X-\mu}{\sigma/\sqrt n}\sim\mathrm N(0,1)\tag{10.3}

となる。σ/n\sigma/\sqrt n は Xˉ\bar X の標準偏差で、第9章で標準誤差と呼んだ量である。

式 (10.3) の ZZ は、未知の μ\mu を含んでいるので統計量ではない。しかし ZZ の分布は N(0,1)\mathrm N(0,1) で、μ\mu がどんな値でも同じである。このように、母数を含むがその分布が母数によらない確率変数をピボット(枢軸量)と呼ぶ。区間推定は、ピボットについての確率の式を、母数についての不等式に書き換える操作である。

不等式を母平均について解く

上側 100α%100\alpha\% 点 zαz_\alpha を P(Z>zα)=αP(Z>z_\alpha)=\alpha で定める。標準正規分布の密度は 00 について対称なので P(Z<−zα)=αP(Z<-z_\alpha)=\alpha でもあり、左右に α/2\alpha/2 ずつ残すと

P(−zα/2≤Z≤zα/2)=1−αP\bigl(-z_{\alpha/2}\le Z\le z_{\alpha/2}\bigr)=1-\alpha

となる。括弧の中の不等式を μ\mu について解く。c=zα/2 σ/nc=z_{\alpha/2}\,\sigma/\sqrt n と置くと

−zα/2≤Xˉ−μσ/n≤zα/2  ⟺  −c≤Xˉ−μ≤c  ⟺  Xˉ−c≤μ≤Xˉ+c-z_{\alpha/2}\le\frac{\bar X-\mu}{\sigma/\sqrt n}\le z_{\alpha/2} \iff -c\le\bar X-\mu\le c \iff \bar X-c\le\mu\le\bar X+c

である。1つ目の同値は正の数 σ/n\sigma/\sqrt n を両辺に掛けたもの、2つ目は各辺から Xˉ\bar X を引いて −1-1 を掛け(不等号の向きが逆になる)、左右を入れ替えたものである。同値な事象の確率は等しいので、次の定理が得られる。

定理 10.2(母分散が既知のときの母平均の信頼区間)

正規母集団 N(μ,σ2)\mathrm N(\mu,\sigma^2)(σ2\sigma^2 は既知)からの大きさ nn の無作為標本について、

[ Xˉ−zα/2σn,  Xˉ+zα/2σn ](10.4)\left[\ \bar X-z_{\alpha/2}\frac{\sigma}{\sqrt n},\ \ \bar X+z_{\alpha/2}\frac{\sigma}{\sqrt n}\ \right]\tag{10.4}

は μ\mu の信頼係数 1−α1-\alpha の信頼区間である。

よく使う点は z0.05=1.645z_{0.05}=1.645、z0.025=1.960z_{0.025}=1.960、z0.005=2.576z_{0.005}=2.576 で、それぞれ両側 90%90\%・95%95\%・99%99\% の区間に使う。95%95\% 区間では両側に 2.5%2.5\% ずつ残すので、引くのは上側 2.5%2.5\% 点 z0.025z_{0.025} であり、z0.05z_{0.05} ではない。

区間の3部品

母平均の区間は、いつも

(点推定値) ± (臨界値)×(標準誤差)\text{(点推定値)}\ \pm\ \text{(臨界値)}\times\text{(標準誤差)}

の形をしている。式 (10.4) では点推定値が xˉ\bar x、臨界値が zα/2z_{\alpha/2}、標準誤差が σ/n\sigma/\sqrt n である。この章のほかの区間も、3部品のどれかを取り替えたものとして読むことができる。区間を書くときは3部品を1つずつ確かめる。

母集団が正規分布でないときも、nn が大きければ第8章の中心極限定理によって ZZ の分布は N(0,1)\mathrm N(0,1) で近似されるので、式 (10.4) は信頼係数が近似的に 1−α1-\alpha の区間になる。

区間の幅と必要な標本の大きさ

式 (10.4) の区間の半幅は e=zα/2 σ/ne=z_{\alpha/2}\,\sigma/\sqrt n で、標本の値によらず決まっている。半幅は σ\sigma に比例し、n\sqrt n に反比例する。半幅を半分にするには nn を 44 倍にする必要がある。調査の前に「半幅を e0e_0 以下にしたい」と決めておけば、zα/2 σ/n≤e0z_{\alpha/2}\,\sigma/\sqrt n\le e_0 を nn について解いて

n ≥ (zα/2 σe0)2(10.5)n\ \ge\ \left(\frac{z_{\alpha/2}\,\sigma}{e_0}\right)^2\tag{10.5}

が条件になる。nn は整数なので、右辺を切り上げた整数が必要な最小の大きさである。四捨五入して小さい方へ丸めると条件を満たさなくなる。

例題 10.1 母分散が既知のときの区間を組む ★★★

オリジナルある部品の重さは、標準偏差 6 g6\,\mathrm g の正規分布に従うことが過去の記録から分かっている。新しい製造ロットから36個を無作為に取り出して重さを量ったところ、平均は 50.3 g50.3\,\mathrm g であった。

  1. 母平均 μ\mu の 95%95\% 信頼区間を求めよ。
  2. 99%99\% 信頼区間を求め、(1) の区間と幅を比べよ。
解答

(1) 標準偏差 σ=6\sigma=6 は既知なので、式 (10.4) を使う。3部品は、点推定値 xˉ=50.3\bar x=50.3、臨界値 z0.025=1.960z_{0.025}=1.960、標準誤差 σ/n=6/36=1.0\sigma/\sqrt n=6/\sqrt{36}=1.0 である。半幅は 1.960×1.0=1.961.960\times1.0=1.96 なので

[ 50.3−1.96, 50.3+1.96 ]=[ 48.34, 52.26 ].[\,50.3-1.96,\ 50.3+1.96\,]=[\,48.34,\ 52.26\,].

(2) 臨界値を z0.005=2.576z_{0.005}=2.576 に取り替える。半幅は 2.576×1.0=2.5762.576\times1.0=2.576 で、区間は [ 47.72, 52.88 ][\,47.72,\ 52.88\,] である。幅は (1) の 3.923.92 から 5.155.15 に広がり、比は 2.576/1.960=1.312.576/1.960=1.31 である。同じデータで信頼係数を上げると、区間は広くなる。

例題 10.2 半幅から必要な標本の大きさを逆算する ★★

オリジナル母標準偏差が 33 と分かっている正規母集団の母平均を推定する。

  1. 95%95\% 信頼区間の半幅を 0.50.5 以下にするには、標本の大きさ nn を最小でいくつにすればよいか。
  2. 信頼係数を 99%99\% にすると、必要な nn の最小値はいくつか。
解答

(1) 式 (10.5) に z0.025=1.960z_{0.025}=1.960、σ=3\sigma=3、e0=0.5e_0=0.5 を入れると

n≥(1.960×30.5)2=11.762=138.30n\ge\left(\frac{1.960\times3}{0.5}\right)^2=11.76^2=138.30

となる。n=138n=138 では半幅が 1.960×3/138=0.50051.960\times3/\sqrt{138}=0.5005 で 0.50.5 をわずかに超えるので、切り上げて n=139n=139 である。

(2) z0.005=2.576z_{0.005}=2.576 に取り替えると n≥(2.576×3/0.5)2=15.4562=238.9n\ge(2.576\times3/0.5)^2=15.456^2=238.9 で、n=239n=239 である。臨界値の比 2.576/1.960=1.312.576/1.960=1.31 の2乗 1.731.73 倍だけ、必要な標本が増える。

確認テスト

オリジナル

  1. 10.1-1 正規母集団 N(μ,σ2)\mathrm N(\mu,\sigma^2)(σ2\sigma^2 既知)からの大きさ nn の標本について、μ\mu の 90%90\% 信頼区間を式で書け(z0.05=1.645z_{0.05}=1.645)。
  2. 10.1-2 標準偏差 1212 が既知の正規母集団から大きさ 1616 の標本を取ったところ、標本平均は 73.573.5 であった。母平均の 95%95\% 信頼区間を求めよ。
  3. 10.1-3 標準偏差 1515 が既知の正規母集団で、母平均の 99%99\% 信頼区間の半幅を 22 以下にしたい。必要な標本の大きさの最小値を求めよ(z0.005=2.576z_{0.005}=2.576)。
  4. 10.1-4 a,b>0a,b>0 が Φ(b)−Φ(−a)=1−α\Phi(b)-\Phi(-a)=1-\alpha を満たすとき、[Xˉ−aσ/n, Xˉ+bσ/n][\bar X-a\sigma/\sqrt n,\ \bar X+b\sigma/\sqrt n] も信頼係数 1−α1-\alpha の区間である(Φ\Phi は標準正規分布の累積分布関数)。このような区間のうち幅 (a+b)σ/n(a+b)\sigma/\sqrt n が最小になるのは a=b=zα/2a=b=z_{\alpha/2} のときであることを、bb を aa の関数とみて微分することで示せ。

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