統計学の復習 第9章 §9.6
§9.1 点推定とは
- 9.1-1 (a)(c)(e) が統計量。(b)(d) は未知の μ を含むので、データが得られても値が計算できず、統計量ではない。
- 9.1-2 E[X1]=μ なので不偏である。X1∼N(μ,σ2) なので、任意の ε>0 についてP(∣X1−μ∣≥ε)=2{1−Φ(ε/σ)} で、これは n によらない正の定数である。n→∞ で 0 に近づかないので、一致推定量ではない。標本を増やしても、使っているのは最初の1個だけである。
- 9.1-3 E[Tn]=μ+n1 なので偏りは n1=0 で、不偏ではない。V[Tn]=V[Xˉ]=nσ2 なのでMSE(Tn)=nσ2+n21→0。命題 9.5 により一致推定量である。
- 9.1-4 (9.1) から MSE(θ^)=v+b2。E[θ^]=θ+b なのでE[θ^2]=V[θ^]+(E[θ^])2=v+(θ+b)2。b=0 でも E[θ^2]=θ2+v>θ2(v>0)となり、θ^2 は θ2 の不偏推定量にならない。
§9.2 母平均の点推定と推定量・推定値
- 9.2-1 (a) 正しい。Xˉ は確率変数 X1,…,Xn の関数である。(b) 誤り。xˉ=52.3 は定数なので分散は 0 である。分散 σ2/n をもつのは確率変数 Xˉ である。(c) 誤り。期待値の線形性は独立でなくても成り立つ。独立性(共分散が 0)が要るのは V[Xˉ]=σ2/n の方である。
- 9.2-2 重みの和は (1+2+3)/6=1 なので E[T]=μ。V[T]=361+4+9σ2=187σ2 で、V[Xˉ]=3σ2=186σ2 より大きい(比は 7/6)。命題 9.6 の結果と合っている。
- 9.2-3 (a) E[Xi]=V[Xi]=λ なので、(9.2) から E[Xˉ]=λ、V[Xˉ]=λ/n。(b) Ii を「Xi=0 なら 1、そうでなければ 0」とおくと、N0=∑Ii で、Ii は独立に成功確率 q=e−λ のベルヌーイ分布に従う。よって N0∼Bin(n,q) で、E[N0/n]=q=e−λ、V[N0/n]=ne−λ(1−e−λ)。
- 9.2-4 E[T]=μ は c によらない。独立なので V[T]=c2v1+(1−c)2v2。c で微分して 0 とおくと 2cv1−2(1−c)v2=0、c=v1+v2v2。このとき 1−c=v1+v2v1 で
V[T]=(v1+v2)2v22v1+v12v2=(v1+v2)2v1v2(v1+v2)=v1+v2v1v2.
v1+v2v1v2=v1⋅v1+v2v2<v1、同様に <v2。逆数で書くと V[T]1=v11+v21 で、分散の逆数(精度)が足し算になる。
§9.3 標本分散と不偏分散
- 9.3-1 偏差平方和を w とすると s2−σ^2=w(n−11−n1)=n(n−1)w=n−1σ^2≥0。等号は w=0、すなわちすべてのデータが等しいときに限る。
- 9.3-2 xˉ=5。偏差平方和は ∑xi2−nxˉ2=290−250=40。σ^2=40/10=4、s2=40/9≈4.444。
- 9.3-3 ヒントの恒等式は、(Xi−Xˉ)(Yi−Yˉ) を {(Xi−μX)−(Xˉ−μX)}{(Yi−μY)−(Yˉ−μY)} と展開し、∑(Xi−μX)=n(Xˉ−μX)、∑(Yi−μY)=n(Yˉ−μY) を使えば得られる。期待値をとると、第1項は nγ である。第2項は nE[(Xˉ−μX)(Yˉ−μY)]=nCov(Xˉ,Yˉ) で、Cov(Xˉ,Yˉ)=n21∑i,jCov(Xi,Yj)=n21⋅nγ=nγ(i=j の項は独立なので 0)。よって期待値は nγ−γ=(n−1)γ。n−1 で割った不偏共分散は γ の不偏推定量である。
- 9.3-4 E[Xˉ2]=V[Xˉ]+(E[Xˉ])2=nσ2+μ2 で、σ2>0 なら μ2 より大きいので不偏でない。E[S2/n]=σ2/n なので E[Xˉ2−S2/n]=μ2+nσ2−nσ2=μ2。ただしこの推定量は負の値をとることがあり、μ2≥0 の推定値としては不自然な値になる場合がある。
§9.4 標準偏差と標準誤差
- 9.4-1 s=4 なので s/n=4/8=0.5。16/8=2 とするのは s2 と s の取り違えである。
- 9.4-2 母集団の平均は 1、分散は σ2=E[(X−1)2]=1。S2=(X1−X2)2/2 は、X1=X2(確率 1/2)のとき 0、X1=X2(確率 1/2)のとき 4/2=2 である。E[S2]=21⋅0+21⋅2=1=σ2。S は 0 か 2 なので E[S]=22≈0.707<1=σ。
- 9.4-3 φ(x)=1/x は x>0 で φ′′(x)=2/x3>0 なので下に凸である。定理 9.11 から E[1/X]≥1/E[X]。Xˉ に使うと E[1/Xˉ]≥1/E[Xˉ]=1/μ で、Xˉ が定数でない限り(σ>0 なら)等号は成り立たない。したがって 1/Xˉ は 1/μ を大きめに推定し、不偏推定量にならない。
- 9.4-4 s は母標準偏差 σ の推定値、s/xˉ は母集団の変動係数の推定値なので、どちらも n によってはほぼ変わらない(標本によるぶれはある)。推定した標準誤差は s/n で、n が 4 倍なので約 1/2 になる。
- 9.4-5 p(1−p)/n≤0.015 は n≥p(1−p)/0.000225 と同値である。p=0.2 なら n≥0.16/0.000225=711.1⋯ で、n=712。p が分からなければ p(1−p)≤1/4 を使って n≥0.25/0.000225=1111.1⋯ で、n=1112。サンプルサイズは切り上げる。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com