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両側検定と片側検定

2026年10月17日6分で読めますAI生成教科書『資格試験』第12章 仮説検定の考え方と平均の検定
目次
  1. 対立仮説の向き
  2. 向きはデータを見る前に決める
  3. 片側検定の帰無仮説を不等号で書く場合
  4. 両側検定と二乗
  5. 確認テスト
  6. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

統計学の復習 第12章 §12.5 ★★★ 片側か両側かは差の大きさでなく、対立仮説が母数のどちら側を指すかで決まる。向きはデータを見る前に決める

対立仮説の向き

対立仮説が H1:μ≠μ0H_1:\mu\ne\mu_0 のように μ0\mu_0 の両側を指す検定を両側検定、H1:μ>μ0H_1:\mu>\mu_0 や H1:μ<μ0H_1:\mu<\mu_0 のように片側だけを指す検定を片側検定と呼ぶ。棄却域は H1H_1 の方向に置く。両側検定では α\alpha を左右に α/2\alpha/2 ずつ分けて臨界値は zα/2z_{\alpha/2}、上側の片側検定では α\alpha をすべて右に置いて臨界値は zαz_\alpha である(図 12.3)。α=0.05\alpha=0.05 なら、両側の臨界値は ±1.960\pm1.960、片側は 1.6451.645 である。

図

図 12.3 有意水準 5%5\% の zz 検定の棄却域(色を付けた裾)。両側では左右に 0.0250.025 ずつ、上側の片側では右に 0.050.05 をまとめて置く。

「差がある」ことを示したいとき、差が一定以上なら棄却する、と考えて右側の片側検定を選ぶのは誤りである。両側検定でも、棄却されるのは ∣Z∣\lvert Z\rvert が一定以上のときである。符号つきの ZZ で見れば棄却域は左右の2か所だが、∣Z∣\lvert Z\rvert で見れば右の1か所になる。片側・両側という呼び名は、統計量の振る舞いでなく、H1H_1 が母数の両側を指すか片側だけを指すかで決まる。

向きはデータを見る前に決める

片側検定は同じ α\alpha で両側検定より棄却しやすい。片側検定は「ずれるなら上側にしかずれない」あるいは「上側のずれにしか関心がない」という事前の情報を検定に持ち込んでいるからである。その情報は、データを見る前に問題の内容から決まっていなければならない。データを見てから、xˉ\bar x がずれた向きの片側検定を選ぶと、

PH0(棄却)=P(Z>zα)+P(Z<−zα)=2αP_{H_0}(\text{棄却})=P(Z>z_\alpha)+P(Z<-z_\alpha)=2\alpha

となり、5%5\% と宣言しながら実際には 10%10\% で棄却していることになる(確認テスト 12.5-2)。

片側検定の帰無仮説を不等号で書く場合

上側の片側検定の帰無仮説は、H0:μ=μ0H_0:\mu=\mu_0 の代わりに H0:μ≤μ0H_0:\mu\le\mu_0 と書かれることもある。後者は μ\mu の値を1つに決めないが、次の命題から検定の手続きは変わらない。

命題 12.6(片側の zz 検定の第1種の過誤の確率の最大値)

母分散既知で、規則「Z=(Xˉ−μ0)/(σ/n)>zαZ=(\bar X-\mu_0)/(\sigma/\sqrt n)>z_\alpha なら棄却」を使う。真の母平均が μ≤μ0\mu\le\mu_0 のとき棄却する確率は α\alpha 以下で、μ=μ0\mu=\mu_0 で最大値 α\alpha をとる。

証明

式 (12.2) の導出は μ>μ0\mu>\mu_0 を使っていないので、すべての μ\mu で Pμ(棄却)=Φ(δ−zα)P_\mu(\text{棄却})=\Phi(\delta-z_\alpha)、δ=(μ−μ0)n/σ\delta=(\mu-\mu_0)\sqrt n/\sigma が成り立つ。Φ\Phi は増加関数で、δ\delta は μ\mu について増加するので、Pμ(棄却)P_\mu(\text{棄却}) は μ\mu について増加する。μ≤μ0\mu\le\mu_0 では δ≤0\delta\le0 なので Pμ(棄却)≤Φ(−zα)=αP_\mu(\text{棄却})\le\Phi(-z_\alpha)=\alpha で、等号は μ=μ0\mu=\mu_0 のときである。

したがって H0:μ≤μ0H_0:\mu\le\mu_0 のどの値でも第1種の過誤の確率は α\alpha を超えない。境界の値 μ0\mu_0 で分布を描いて臨界値を引けばよく、帰無仮説を == で書いても ≤\le で書いても手続きは同じである。§12.1 で「H0H_0 は値が1つに決まる側」と述べたが、正確には「確率が最も大きくなる境界の値が1つに決まる側」である。

両側検定と二乗

両側の zz 検定の棄却域 ∣Z∣>zα/2\lvert Z\rvert >z_{\alpha/2} は、Z2>zα/22Z^2>z_{\alpha/2}^2 と同じである。Z2Z^2 は第10章で定義した自由度1のカイ二乗分布 χ12\chi^2_1 に従い、α=0.05\alpha=0.05 では z0.0252=1.9602=3.841=χ12(0.05)z_{0.025}^2=1.960^2=3.841=\chi^2_1(0.05) となる。二乗することで左右2つの裾が右の1つの裾にまとまるので、両側の zz 検定は χ12\chi^2_1 の右側の片側検定と同じものである。第13章の χ2\chi^2 検定や第15章の分散分析の FF 検定がいつも右側の片側検定であるのは、統計量が二乗和で、どちらの向きのずれも統計量を大きくする方向にしか動かさないからである。

例題 12.5 片側と両側で結論が分かれる ★★★

オリジナル菓子の例で、別の日に36袋を量ったところ xˉ=201.8\bar x=201.8 であった(σ=6\sigma=6)。

  1. 「表示より多めに詰めている」ことを調べたいと事前に決めていた場合(H1:μ>200H_1:\mu>200)の、有意水準 5%5\% の検定の結論と pp 値を求めよ。
  2. 「表示からずれている」ことを調べたい場合(H1:μ≠200H_1:\mu\ne200)の結論と pp 値を求めよ。
解答

zobs=(201.8−200)/1=1.8z_{\mathrm{obs}}=(201.8-200)/1=1.8 である(Φ(1.8)=0.96407\Phi(1.8)=0.96407)。

(1) 臨界値は z0.05=1.645z_{0.05}=1.645 で、1.8>1.6451.8>1.645 なので H0H_0 を棄却する。p=P(Z≥1.8)=0.0359<0.05p=P(Z\ge1.8)=0.0359<0.05 である。

(2) 臨界値は z0.025=1.960z_{0.025}=1.960 で、1.8<1.9601.8<1.960 なので H0H_0 を棄却しない。p=2×0.0359=0.0719>0.05p=2\times0.0359=0.0719>0.05 である。

同じデータで結論が分かれるのは、片側検定が「下側へのずれには関心がない」という情報を使っているからである。(1) の結論が正当なのは、調べる向きをデータを見る前に決めていた場合に限る。

確認テスト

オリジナル

  1. 12.5-1 次の場面で、帰無仮説と対立仮説を立てよ。(a) 新しい製法で部品の強度(従来の平均 350350)が上がったかを調べたい。(b) 機械の設定(目標 25.0 mm25.0\,\mathrm{mm})がずれていないかを点検したい。(c) 窓口の平均待ち時間が公表値の 1010 分を超えているという苦情の真偽を調べたい。
  2. 12.5-2 母分散既知の zz 検定で、データを見てから xˉ\bar x がずれた向きの片側検定(臨界値 z0.05=1.645z_{0.05}=1.645)を行うことにした。H0H_0 が正しいときに棄却する確率を求めよ。
  3. 12.5-3 Z∼N(0,1)Z\sim\mathrm N(0,1) のとき、P(Z2>zα/22)=αP(Z^2>z_{\alpha/2}^2)=\alpha を示せ。また z0.005=2.576z_{0.005}=2.576 から、χ12(0.01)\chi^2_1(0.01) の値を求めよ。
  4. 12.5-4 H1:μ>μ0H_1:\mu>\mu_0 の zz 検定で、zobs=−2.1z_{\mathrm{obs}}=-2.1 であった(Φ(2.1)=0.98214\Phi(2.1)=0.98214)。pp 値を求め、結論を述べよ。

木下の勉強ステータス

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