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仮説検定とは

2026年10月17日8分で読めますAI生成教科書『資格試験』第12章 仮説検定の考え方と平均の検定
目次
  1. 見えている差は本物か
  2. 問いを裏返す
  3. 確率版の背理法
  4. 確認テスト
  5. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

統計学の復習 第12章 §12.1 ★★★ 母数を1つの値に仮定すると統計量の分布が決まる。観測値がその分布で珍しすぎれば仮定を棄てる、という確率版の背理法

この章は、対策本の第22章(仮説検定の準備)と第23章(平均の検定)に当たる。

第10章では、分布が母数によらない量(ピボット)を作り、その確率の式を母数について解いて信頼区間を組んだ。仮説検定は同じ道具を逆向きに使う。母数の値を1つ仮定すると、統計量の分布が完全に決まる。その分布のもとで観測値がどれだけ珍しいかを確率で測り、珍しすぎれば最初の仮定を棄てる。区間推定が「μ\mu はどのあたりにあるか」に答えるのに対して、検定は「μ\mu は特定の値 μ0\mu_0 と異なるといえるか」という二択の問いに答える。

前半の5節(§12.1〜§12.5)では、検定の論理・用語・2種類の誤り・棄却域・片側と両側を、母分散が既知の正規母集団という最も簡単な場面で立てる。後半の4節(§12.6〜§12.9)では、母分散が未知の場面に移り、第10章の tt 分布を使って1標本の両側・片側の検定と、2標本の検定を組む。

2級の検定問題での誤りは、pp 値を「帰無仮説が正しい確率」と読む、片側と両側で臨界値を取り違える、tt を使うべき所で zz を使う、対応の有無を見落とす、の4つに集中する。この章ではそれぞれがなぜ誤りになるかを、検定の定義から説明する。1級との関係では、第2種の過誤の確率(検出力)を母数の関数として計算すること、区間推定と検定が同じ不等式の2つの読み方であること、の2点が統計数理の検定の大問の出発点になる。一般論は数理統計の解説 第7章で扱う。

見えている差は本物か

ある菓子の袋には内容量 200 g200\,\mathrm g と表示されている。製造工程の記録から、1袋の内容量は標準偏差 6 g6\,\mathrm g の正規分布に従うことが分かっている。36袋を無作為に選んで量ったところ、平均は xˉ=202.3 g\bar x=202.3\,\mathrm g であった。この工程の母平均 μ\mu は 200 g200\,\mathrm g からずれているといえるだろうか。

標本平均は標本を取り直すたびに変わる確率変数なので、xˉ\bar x が 200200 でなかったというだけでは何も結論することができない。μ=200\mu=200 であっても、xˉ\bar x が 200200 にちょうど一致する確率は 00 である。問題は「2.3 g2.3\,\mathrm g のずれが、標本のばらつきで説明できる大きさかどうか」である。

問いを裏返す

μ\mu の値は分からないので、「μ\mu はいくつか」を直接問うことはできない。そこで問いを裏返し、「もし μ=200\mu=200 だとしたら、xˉ=202.3\bar x=202.3 はどれくらい珍しいか」を問う。この問いには答えを計算することができる。μ=200\mu=200 と値を1つに決めれば、第8章の標本平均の分布と第6章の再生性から

Xˉ∼N ⁣(200, 6236)=N(200, 12)\bar X\sim\mathrm N\!\left(200,\ \frac{6^2}{36}\right)=\mathrm N(200,\ 1^2)

となり、Xˉ\bar X のばらつき方が完全に分かるからである。標準化した

Z=Xˉ−2006/36=Xˉ−200Z=\frac{\bar X-200}{6/\sqrt{36}}=\bar X-200

は標準正規分布に従う。観測値を入れると zobs=2.3z_{\mathrm{obs}}=2.3 である。μ=200\mu=200 の世界で ∣Z∣≥2.3\lvert Z\rvert \ge2.3 となる確率は、第6章の対称性 Φ(−z)=1−Φ(z)\Phi(-z)=1-\Phi(z) から

P(∣Z∣≥2.3)=2{1−Φ(2.3)}=2×(1−0.98928)=0.0214P(\lvert Z\rvert \ge2.3)=2\{1-\Phi(2.3)\}=2\times(1-0.98928)=0.0214

である。μ=200\mu=200 が正しいなら、今回のずれ以上のずれは約 2%2\% の確率でしか起こらない。

ここで推論は2通りに分かれる。μ=200\mu=200 が正しく、約 2%2\% でしか起きないことがたまたま起きたと考えるか、μ=200\mu=200 という仮定の方が誤っていると考えるかである。仮説検定は、珍しさの基準をあらかじめ決めておき(たとえば 5%5\%)、観測値がその基準より珍しければ後者を選ぶ手続きである。

確率版の背理法

この論理は数学の背理法に似ている。背理法は「仮定から矛盾が出たので仮定は偽」と結論する。検定は「仮定のもとでは滅多に起きないことが起きたので、仮定を疑う」と結論する。矛盾の代わりに「確率が小さい」を使うので、結論が誤っている可能性が残る。仮定が本当は正しいのに棄ててしまう確率がそれで、§12.3 で第1種の過誤と呼ぶ量になる。

仮定する側を帰無仮説 H0H_0、その否定の側を対立仮説 H1H_1 と呼ぶ。菓子の例では

H0: μ=200,H1: μ≠200H_0:\ \mu=200,\qquad H_1:\ \mu\ne200

である。H0H_0 が等号の形をしているのは慣習ではない。上の計算は「μ\mu を1つの値に決めれば Xˉ\bar X の分布が決まる」ことに依存していた。μ≠200\mu\ne200 という仮定からは、μ\mu が 201201 なのか 210210 なのかが決まらないので、Xˉ\bar X の分布も1つに決まらず、珍しさを計算することができない。したがって、確率を計算する側、すなわち値が1つに決まる側を H0H_0 に置く。

この非対称性から、結論の強さも非対称になる。H0H_0 を棄却したときは「H0H_0 のもとでは滅多に起きないことが起きた」という根拠がある。一方、棄却しなかったときに言えるのは「H0H_0 のもとでも起こりうる値だった」ことだけで、μ=201\mu=201 のもとでも同じくらい起こりうる値だったかもしれない。棄却しなかったことは、H0H_0 が正しいことの証拠にならない。このため、データで示したい主張は H1H_1 の側に置く。

検定の手順

  1. 帰無仮説 H0H_0(値が1つに決まる側)と対立仮説 H1H_1(示したい側)を立てる。
  2. 有意水準 α\alpha(珍しさの基準。0.050.05 や 0.010.01)を、データを見る前に決める。
  3. H0H_0 のもとで分布が完全に分かる統計量(検定統計量)を選ぶ。
  4. H0H_0 のもとでの確率が α\alpha になる、H1H_1 の方向の珍しい値の集まり(棄却域)を決める。
  5. 観測値から統計量を計算し、棄却域に入れば H0H_0 を棄却し、入らなければ棄却しない。

菓子の例で α=0.05\alpha=0.05 とすると、棄却域は ∣Z∣>1.960\lvert Z\rvert >1.960 で、zobs=2.3z_{\mathrm{obs}}=2.3 はこれに入る。したがって「有意水準 5%5\% で、母平均は 200 g200\,\mathrm g と異なる」と結論する。

例題 12.1 硬貨の偏りを二項分布で検定する ★★

オリジナルある硬貨を20回投げたところ、表が16回出た。表の出る確率を θ\theta とし、「この硬貨は表が出やすい」かどうかを有意水準 5%5\% で調べる。

  1. 帰無仮説と対立仮説を立て、H0H_0 のもとで表の回数 XX が16以上になる確率を求めて結論を述べよ。
  2. 「X≥kX\ge k なら棄却」という形の規則で、H0H_0 のもとで棄却する確率が 0.050.05 以下になる最小の kk を求めよ。そのときの棄却する確率はいくらか。
解答

(1) 示したいのは「表が出やすい」なので H1:θ>1/2H_1:\theta>1/2、値が1つに決まる側を H0:θ=1/2H_0:\theta=1/2 とする。H0H_0 のもとで X∼Bin(20,1/2)X\sim\mathrm{Bin}(20,1/2) なので

P(X≥16)=1220{(2016)+(2017)+(2018)+(2019)+(2020)}=4845+1140+190+20+11048576=61961048576=0.00591\begin{aligned}P(X\ge16)&=\frac{1}{2^{20}}\left\{\binom{20}{16}+\binom{20}{17}+\binom{20}{18}+\binom{20}{19}+\binom{20}{20}\right\}\\ &=\frac{4845+1140+190+20+1}{1048576}=\frac{6196}{1048576}=0.00591\end{aligned}

である。H0H_0 のもとで16回以上は約 0.6%0.6\% でしか起きず、0.050.05 より小さいので H0H_0 を棄却し、「表が出やすい」と結論する。

(2) (2015)=15504\binom{20}{15}=15504、(2014)=38760\binom{20}{14}=38760 なので

P(X≥15)=6196+155041048576=217001048576=0.0207,P(X≥14)=21700+387601048576=604601048576=0.0577\begin{aligned}P(X\ge15)&=\frac{6196+15504}{1048576}=\frac{21700}{1048576}=0.0207,\\ P(X\ge14)&=\frac{21700+38760}{1048576}=\frac{60460}{1048576}=0.0577\end{aligned}

である。k=14k=14 では 0.050.05 を超えるので、最小の kk は 1515 である。そのとき H0H_0 のもとで棄却する確率は 0.02070.0207 で、0.050.05 にちょうどは一致しない。XX は整数の値しかとらないので、棄却する確率もとびとびの値しかとらず、0.050.05 を超えない最大の値 0.02070.0207 を選ぶことになる。

確認テスト

オリジナル

  1. 12.1-1 次の2つの文の誤りを指摘せよ。(a)「主張したい『μ≠50\mu\ne50』を帰無仮説に置き、それが棄却されなければ主張が示されたとする。」(b)「H0:μ=50H_0:\mu=50 が棄却されなかったので、μ=50\mu=50 であることが示された。」
  2. 12.1-2 内容量の母標準偏差が 4 mL4\,\mathrm{mL} と分かっている飲料で、25本の平均は 498.2 mL498.2\,\mathrm{mL} であった。H0:μ=500H_0:\mu=500、H1:μ≠500H_1:\mu\ne500 を有意水準 5%5\% で検定せよ。
  3. 12.1-3 硬貨を10回投げて表が9回出た。H0:θ=1/2H_0:\theta=1/2、H1:θ>1/2H_1:\theta>1/2 として、H0H_0 のもとで X≥9X\ge9 となる確率を求め、有意水準 5%5\% と 1%1\% での結論をそれぞれ述べよ。
  4. 12.1-4 Z∼N(0,1)Z\sim\mathrm N(0,1) のとき、規則「∣Z∣>zα/2\lvert Z\rvert >z_{\alpha/2} なら棄却」で H0H_0 を棄却する確率がちょうど α\alpha になることを、Φ(−z)=1−Φ(z)\Phi(-z)=1-\Phi(z) を使って示せ。

木下の勉強ステータス

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