統計学の復習 第11章 §11.8
§11.1 母比率の信頼区間
- 11.1-1 正規母集団には μ と σ2 という独立に動く2つの未知の母数があり、母平均の区間では推定の対象でない σ を同じデータの s で埋めるので、分母が確率変数になり、その分の余分なばらつきを正確に補正するのが t 分布である。ベルヌーイ分布の母数は p の1つだけで、分散 p(1−p) は p から決まるので、p^ の代入は別の母数の推定ではない。しかも p^ の分布はもともと正規近似で扱っているので、t に替えても精度は上がらない。
- 11.1-2 p^=420/1200=0.35、標準誤差 0.35×0.65/1200=0.00018958=0.013769、半幅 2.576×0.013769=0.03547。区間は [0.3145, 0.3855]。np^=420、n(1−p^)=780 で近似の目安は満たされている。
- 11.1-3 p^=0 では標準誤差が 0×1/20=0 なので、Wald 型の区間は [0,0] につぶれ、使うことができない。Wilson の区間で p^=0 とすると、根号の中は z2/(4n2) だけになり zz2/(4n2)=z2/(2n) なので、両端は
1+z2/nz2/(2n)∓z2/(2n)=0, 1+z2/nz2/n
である。z2/n=3.8415/20=0.19207 から上端は 0.19207/1.19207=0.1611 で、区間は [0, 0.1611]。4. 11.1-4 (11.2) から P(Z≥−zα)≈1−α で、Z≥−zα は p^−p≥−zαp(1−p)/n、すなわち p≤p^+zαp(1−p)/n と同値である。分母の p を p^ に置き換えると上側信頼限界の式になる。p^=24/400=0.06、標準誤差 0.06×0.94/400=0.011874 で、上側信頼限界は 0.06+1.645×0.011874=0.0795。np^=24≥5 なので近似の目安は満たす。
§11.2 必要なサンプルサイズ
- 11.2-1 p(1−p)=−(p2−p)=−(p−21)2+41≤41。(p−21)2≥0 で等号は p=1/2 のときだけなので、最大値 1/4 は p=1/2 でとる。
- 11.2-2 n≥(2.5758/(2×0.02))2=64.3952=4146.8。切り上げて 4147。
- 11.2-3 p∗=0.1 で p∗(1−p∗)=0.09。n≥(1.960/0.02)2×0.09=9604×0.09=864.4。切り上げて 865 個。
- 11.2-4 (11.6) から n≥(1.960×12/2)2=11.762=138.30 で、139。誤差 ±1 では n≥(1.960×12)2=23.522=553.19 で、554。切り上げる前の値は 138.30×4=553.19 で正確に4倍だが、切り上げた後の整数は 139×4=556 と一致しない。4倍の関係は切り上げる前の実数の値で成り立ち、切り上げは最後に1回だけ行う。
§11.3 母比率の差の信頼区間
- 11.3-1 第7章の V[X−Y]=V[X]+V[Y]−2Cov(X,Y) で、2標本が独立なので Cov(p^1,p^2)=0。V[p^i]=piqi/ni を代入して V[p^1−p^2]=p1q1/n1+p2q2/n2。−p^2 の分散は (−1)2V[p^2]=V[p^2] で、符号を変えてもばらつきは減らないので、差の分散も和になる。
- 11.3-2 p^A=0.6、p^B=0.5、差 0.1。標準誤差 0.6×0.4/150+0.5×0.5/200=0.0016+0.00125=0.00285=0.053385、半幅 1.645×0.053385=0.08781。区間は [0.0122, 0.1878]。
- 11.3-3 p^=(90+100)/(150+200)=190/350=0.54286。標準誤差 0.54286×0.45714×(1/150+1/200)=0.248163×0.011667=0.053807。H0:pA=pB の検定では H0 の下での分散を使うのでこのプールした標準誤差を、差の区間推定では H0 を置かないので 11.3-2 の標準誤差 0.053385 を使う。
- 11.3-4 半幅は z(p1q1+p2q2)/n で、見当が無ければ p1q1+p2q2≤1/4+1/4=1/2。1.9601/(2n)≤0.05 から n≥1.9602/(2×0.052)=3.8415/0.005=768.3。各群 769。
§11.4 χ2 分布
- 11.4-1 c4=1/(22Γ(2))=1/4 なので f4(x)=41xe−x/2(x>0)。部分積分で
P(W>x)=∫x∞4te−t/2dt=[−2te−t/2]x∞+∫x∞21e−t/2dt=2xe−x/2+e−x/2=e−x/2(1+2x).
x=9.488 では e−4.744×5.744=0.008703×5.744=0.0500 で、χ42(0.05)=9.488 と合う。2. 11.4-2 E[1/W]=∫0∞x−1cνxν/2−1e−x/2dx=cν∫0∞x(ν−2)/2−1e−x/2dx。最後の積分は χν−22 の密度の積分が 1 であることから 1/cν−2 に等しい(ν≥3 なので ν−2≥1 で、積分は有限)。定理 11.5 の証明の第3段の関係 cν=cν−2/(ν−2) から E[1/W]=cν/cν−2=1/(ν−2)。3. 11.4-3 x>0 で logfν(x)=logcν+(ν/2−1)logx−x/2、その導関数は (ν/2−1)/x−1/2={(ν−2)−x}/(2x)。ν≥3 では x<ν−2 で正、x>ν−2 で負なので、x=ν−2 で最大。ν=1,2 では ν−2≤0 なので x>0 で導関数が常に負になり、fν は単調減少。4. 11.4-4 E[S2]=σ2=4。(11.13) から V[S2]=2×42/10=3.2、標準偏差は 3.2=1.789。
§11.5 χ2 分布表の引き方
- 11.5-1 W=Z2(Z∼N(0,1))について、c>0 で P(W>c)=P(∣Z∣>c)=2P(Z>c)。これが 0.05 になるのは P(Z>c)=0.025、すなわち c=z0.025 のときなので、χ12(0.05)=z0.0252=1.9602=3.841。
- 11.5-2 χ22(α)=−2logα から χ22(0.10)=2log10=4.605。
- 11.5-3 50+1.645×100=66.45。正確な値 67.505 との差は約 −1.06 で、近似の方が小さい。χ2 分布は右に長い裾を持つので、上側の点は対称な正規分布で近似した点より右にある。
- 11.5-4 a=χ122(0.95)=5.226、b=χ122(0.05)=21.026。P(a≤W≤b)=1−0.05−0.05=0.90。
§11.6 母分散の信頼区間
- 11.6-1 χn−12(1−α/2)≤(n−1)s2/σ2≤χn−12(α/2) を σ2 について解くとき逆数をとるので、不等号の向きが逆になり、大きい方の点 χn−12(α/2) が下端の分母に来る。χ2 分布は右に裾を引き、上側の点は期待値 n−1 から遠く下側の点は近い。逆数をとると、下側の点に対応する上端が s2 から遠くなるので、区間は上の側に長い。
- 11.6-2 σ2 の区間は [38/32.852, 38/8.907]=[1.157, 4.266]、σ の区間は [1.076, 2.066]。
- 11.6-3 μ 既知なので自由度は n=10。[25/20.483, 25/3.247]=[1.2205, 7.699]。
- 11.6-4 Q=(n−1)S2/σ2∼χn−12 について P(Q≥χn−12(1−α))=1−α。Q≥χn−12(1−α) は σ2≤(n−1)S2/χn−12(1−α) と同値なので、この不等式は確率 1−α で成り立つ。(n−1)s2=24×0.09=2.16 で、σ2≤2.16/13.848=0.1560、σ≤0.1560=0.3949。
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