tecktom.com

散布図と相関係数

2026年10月17日13分で読めますAI生成教科書『資格試験』第14章 相関と回帰
目次
  1. 散布図
  2. 偏差平方和と偏差積和
  3. 共分散と相関係数
  4. 相関係数はベクトルのなす角の余弦である
  5. 確認テスト
  6. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

統計学の復習 第14章 §14.1 ★★★ 相関係数は平均を引いた2本のベクトルのなす角の余弦で、r=Sxy/SxxSyyr=S_{xy}/\sqrt{S_{xx}S_{yy}} と書けば nn で割るか n−1n-1 で割るかは現れない

この章は、対策本の第25章(相関分析)と第26章(回帰分析)に当たる。

第7章では、2つの確率変数 X,YX,Y の連動の度合いを共分散 Cov(X,Y)\mathrm{Cov}(X,Y) と相関係数 ρ\rho で測った。これらは母集団の分布についての量である。この章では、手元にある nn 組のデータ (x1,y1),…,(xn,yn)(x_1,y_1),\dots,(x_n,y_n) から、同じ種類の量を計算する方法と、一方の変数から他方の変数を予測する直線を引く方法を扱う。

この章で作る道具は4つある。第一に、データの相関係数を、平均を引いた2本のベクトルのなす角の余弦として定義し、−1≤r≤1-1\le r\le1 を Cauchy–Schwarz の不等式から示すことである(§14.1)。第二に、第三の変数 zz の影響を取り除いた相関(偏相関係数)と、データを層に分けて見る層別解析である。全体の相関と層の中の相関が逆向きになる例を、偏差積和の分解から説明する(§14.2)。第三に、最小二乗法で回帰直線を求め、残差の性質と平方和の分解 Syy=SR+SeS_{yy}=S_R+S_e を導くことである(§14.3・§14.4)。説明変数が2つの重回帰と決定係数もここに含める(§14.5)。第四に、誤差に正規分布を仮定して、傾きの推定量 b1b_1 の平均と分散を導き、傾きの tt 検定・回帰の分散分析・相関係数の区間推定を組み立てることである(§14.6)。

2級でのこの範囲の失点は、共分散を nn と n−1n-1 のどちらで割るかを片側だけ揃えること、単回帰の自由度を n−1n-1 と数えること、相関係数の区間推定の n−3n-3 を回帰の n−2n-2 と取り違えることに集中する。この章ではどれも、式の形と自由度の数え方を導出から確かめて防ぐ。1級との関係では、回帰を行列で Y=Xβ+ε\bm Y=X\bm\beta+\bm\varepsilon と書き、射影行列 H=X(X⊤X)−1X⊤H=X(X^\top X)^{-1}X^\top で最小二乗推定量の分布を導く手続きが、統計数理の線形モデルの大問の標準形になる。この章の結果はその p=1,2p=1,2 の場合で、行列による一般の扱いは数理統計の解説 第9章 §9.1・§9.2 で扱う。

散布図

2つの量的変数を同じ個体について測ったデータ (xi,yi)(x_i,y_i)(i=1,…,ni=1,\dots,n)を、平面上の nn 個の点として打った図を散布図と呼ぶ。散布図から読み取るのは、点の並びが右上がりか右下がりか(関係の向き)、直線の周りにどれだけ集まっているか(関係の強さ)、直線でなく曲線に沿っていないか(関係の形)、ほかの点から大きく離れた点がないか(外れ値)の4つである。相関係数はこのうち初めの2つだけを1つの数にまとめる量であり、残りの2つは散布図を見なければ分からない。数値を計算する前に散布図を描くのはこのためである。

偏差平方和と偏差積和

この章の計算はすべて次の3つの量から始まる。

定義 14.1(偏差平方和と偏差積和)

データ (xi,yi)(x_i,y_i)(i=1,…,ni=1,\dots,n)について、xˉ=1n∑xi\bar x=\frac1n\sum x_i、yˉ=1n∑yi\bar y=\frac1n\sum y_i とし、

Sxx=∑i=1n(xi−xˉ)2,Syy=∑i=1n(yi−yˉ)2,Sxy=∑i=1n(xi−xˉ)(yi−yˉ)(14.1)S_{xx}=\sum_{i=1}^n(x_i-\bar x)^2,\qquad S_{yy}=\sum_{i=1}^n(y_i-\bar y)^2,\qquad S_{xy}=\sum_{i=1}^n(x_i-\bar x)(y_i-\bar y)\tag{14.1}

を、それぞれ xx の偏差平方和、yy の偏差平方和、xx と yy の偏差積和と呼ぶ。

SxxS_{xx} は第2章 §2.5 で使った偏差平方和そのものである。手計算では、和をとってから平均の分を引く形が速い。∑(xi−xˉ)(yi−yˉ)\sum(x_i-\bar x)(y_i-\bar y) を展開すると ∑xiyi−yˉ∑xi−xˉ∑yi+nxˉyˉ\sum x_iy_i-\bar y\sum x_i-\bar x\sum y_i+n\bar x\bar y で、∑xi=nxˉ\sum x_i=n\bar x、∑yi=nyˉ\sum y_i=n\bar y を入れると後ろの3項は −nxˉyˉ-n\bar x\bar y にまとまる。したがって

Sxy=∑i=1nxiyi−(∑xi)(∑yi)n,Sxx=∑i=1nxi2−(∑xi)2n(14.2)S_{xy}=\sum_{i=1}^nx_iy_i-\frac{\bigl(\sum x_i\bigr)\bigl(\sum y_i\bigr)}{n},\qquad S_{xx}=\sum_{i=1}^nx_i^2-\frac{\bigl(\sum x_i\bigr)^2}{n}\tag{14.2}

であり、SyyS_{yy} も同じ形である。必要なのは ∑xi, ∑yi, ∑xi2, ∑yi2, ∑xiyi\sum x_i,\ \sum y_i,\ \sum x_i^2,\ \sum y_i^2,\ \sum x_iy_i の5つの和だけである。

共分散と相関係数

SxyS_{xy} を nn で割った Sxy/nS_{xy}/n をデータの共分散と呼ぶ。n−1n-1 で割った Sxy/(n−1)S_{xy}/(n-1) は不偏共分散と呼ばれ、第9章 確認テスト 9.3-3 で見たとおり母集団の共分散の不偏推定量になる。どちらで割るかで値が変わるので、共分散の値を答えるときは問題文の指定に従う。

共分散の符号は関係の向きを表す。xix_i が平均より大きい個体で yiy_i も平均より大きいことが多ければ、正の積 (xi−xˉ)(yi−yˉ)(x_i-\bar x)(y_i-\bar y) が多くなり、和は正になる。しかし共分散の大きさは単位に依存する。xx を cm から m に直すと偏差はすべて 1/1001/100 倍になり、共分散も 1/1001/100 倍になる。そこで、それぞれの散らばりで割って単位を消す。

定義 14.2(相関係数)

Sxx>0S_{xx}>0、Syy>0S_{yy}>0 のとき、

r=rxy=SxySxx Syy(14.3)r=r_{xy}=\frac{S_{xy}}{\sqrt{S_{xx}\,S_{yy}}}\tag{14.3}

をデータの(Pearson の)相関係数と呼ぶ。

共分散と2つの分散を同じ割り方で作れば、どの割り方でも式 (14.3) と同じ値になる。nn で割った場合は

Sxy/nSxx/nSyy/n=Sxy/nSxxSyy/n=SxySxxSyy\frac{S_{xy}/n}{\sqrt{S_{xx}/n}\sqrt{S_{yy}/n}}=\frac{S_{xy}/n}{\sqrt{S_{xx}S_{yy}}/n}=\frac{S_{xy}}{\sqrt{S_{xx}S_{yy}}}

で、分子と分母の 1/n1/n が約分される。n−1n-1 で割った場合も同じである。誤りになるのは、分子と分母の一部だけを割り、残りを割らずに使う場合である。式 (14.3) の形で計算すれば割り算そのものが現れないので、この誤りは起こらない。

落とし穴

共分散は nn で割るか n−1n-1 で割るかで値が変わるが、相関係数は変わらない。相関係数を求めるときは、Sxx,Syy,SxyS_{xx},S_{yy},S_{xy} をそのまま式 (14.3) に入れる。計算の結果が ∣r∣>1\lvert r\rvert >1 になったら、次の定理から計算の誤りが確定する。その多くは割り方を片側だけ揃えたことによる。

相関係数はベクトルのなす角の余弦である

nn 次元のベクトル

a=(x1−xˉ, …, xn−xˉ),b=(y1−yˉ, …, yn−yˉ)\bm a=(x_1-\bar x,\ \dots,\ x_n-\bar x),\qquad \bm b=(y_1-\bar y,\ \dots,\ y_n-\bar y)

を考える。各成分から平均を引いているので、a\bm a と b\bm b を中心化したベクトルと呼ぶ。内積と長さで書くと

a⋅b=Sxy,∥a∥2=Sxx,∥b∥2=Syy\bm a\cdot\bm b=S_{xy},\qquad \lVert \bm a\rVert ^2=S_{xx},\qquad \lVert \bm b\rVert ^2=S_{yy}

であり、式 (14.3) は

r=a⋅b∥a∥ ∥b∥=cos⁡θ(14.4)r=\frac{\bm a\cdot\bm b}{\lVert \bm a\rVert \,\lVert \bm b\rVert }=\cos\theta\tag{14.4}

と書ける。θ\theta は a\bm a と b\bm b のなす角である(図 14.1)。共分散 Sxy/nS_{xy}/n は長さを含んだ内積で、相関係数は長さで割って向きの揃い具合だけを取り出した余弦である。単位を変えると a\bm a や b\bm b の長さは変わるが向きは変わらないので、相関係数は変わらない。

図

図 14.1 中心化した2本のベクトルとなす角。r=cos⁡θr=\cos\theta で、θ=0\theta=0(同じ向き)なら r=1r=1、θ=90∘\theta=90^\circ(直交)なら r=0r=0、θ=180∘\theta=180^\circ なら r=−1r=-1

定理 14.3(相関係数の範囲)

−1≤r≤1-1\le r\le1 である。r=±1r=\pm1 となるのは、すべての点 (xi,yi)(x_i,y_i) が1本の直線 y=α+γxy=\alpha+\gamma x(γ≠0\gamma\ne0)の上にあるときに限り、rr の符号は γ\gamma の符号と一致する。

証明

任意の実数 tt について、2乗の和は負にならないので

0≤∑i=1n{(yi−yˉ)−t(xi−xˉ)}2=Syy−2tSxy+t2Sxx0\le\sum_{i=1}^n\bigl\{(y_i-\bar y)-t(x_i-\bar x)\bigr\}^2=S_{yy}-2tS_{xy}+t^2S_{xx}

である。右辺は tt の2次式で、Sxx>0S_{xx}>0 であるから、すべての tt で 00 以上になる条件は判別式が 00 以下であること、すなわち 4Sxy2−4SxxSyy≤04S_{xy}^2-4S_{xx}S_{yy}\le0 である。両辺を 4SxxSyy>04S_{xx}S_{yy}>0 で割ると r2≤1r^2\le1 となる(これはベクトルの Cauchy–Schwarz の不等式 ∣a⋅b∣≤∥a∥∥b∥\lvert \bm a\cdot\bm b\rvert \le\lVert \bm a\rVert \lVert \bm b\rVert と同じ式である)。

等号 r2=1r^2=1 が成り立つのは判別式が 00 のときで、そのとき2次式は t=t0=Sxy/Sxxt=t_0=S_{xy}/S_{xx} で 00 になる。2乗の和が 00 なので各項が 00 で、すべての ii について yi−yˉ=t0(xi−xˉ)y_i-\bar y=t_0(x_i-\bar x) である。Syy>0S_{yy}>0 から t0≠0t_0\ne0 で、点はすべて直線 y=yˉ+t0(x−xˉ)y=\bar y+t_0(x-\bar x) の上にある。rr と t0t_0 はどちらも SxyS_{xy} と同じ符号を持つ。逆に、すべての点が y=α+γxy=\alpha+\gamma x の上にあれば yi−yˉ=γ(xi−xˉ)y_i-\bar y=\gamma(x_i-\bar x) で、Sxy=γSxxS_{xy}=\gamma S_{xx}、Syy=γ2SxxS_{yy}=\gamma^2S_{xx} となり、r=γ/∣γ∣=±1r=\gamma/\lvert \gamma\rvert =\pm1 である。

注意

この証明は、第7章 §7.2 の相関係数の範囲の定理で母集団の相関係数 ρ\rho について示した証明と同じ形をしている。期待値 E[ ⋅ ]E[\,\cdot\,] をデータの和 ∑\sum に置き換えただけである。

相関係数は直線的な関係の強さだけを測る。x=−2,−1,0,1,2x=-2,-1,0,1,2 に対して y=x2y=x^2 とすると、yy は xx で完全に決まっているが、Sxy=∑xi3−0=0S_{xy}=\sum x_i^3-0=0 なので r=0r=0 になる(確認テスト 14.1-3)。r=0r=0 は「直線的な関係がない」ことを表すだけで、「関係がない」ことは表さない。また、相関係数が大きいことは因果関係があることを意味しない。これは §14.2 の擬相関の話題になる。

変数が3つ以上あるときは、2つずつの相関係数を行列に並べた相関行列を作る。(j,k)(j,k) 成分が rxjxkr_{x_jx_k} で、対角成分はすべて 11、行列は対称である。

例題 14.1 5つの和から相関係数を出し、共分散の割り方を確かめる ★★★

オリジナル6組のデータ (x,y)=(2,3), (4,6), (5,5), (7,9), (8,8), (10,11)(x,y)=(2,3),\ (4,6),\ (5,5),\ (7,9),\ (8,8),\ (10,11) がある。

  1. Sxx, Syy, SxyS_{xx},\ S_{yy},\ S_{xy} を式 (14.2) から求めよ。
  2. nn で割った共分散と、n−1n-1 で割った不偏共分散を求めよ。
  3. 相関係数を求め、nn で割った分散どうしから計算しても同じ値になることを確かめよ。
  4. yy を v=100−2yv=100-2y に変換したとき、xx と vv の相関係数を求めよ。
解答

(1) ∑x=36\sum x=36、∑y=42\sum y=42、∑x2=258\sum x^2=258、∑y2=336\sum y^2=336、∑xy=6+24+25+63+64+110=292\sum xy=6+24+25+63+64+110=292 である。n=6n=6 なので

Sxx=258−3626=258−216=42,Syy=336−4226=336−294=42,S_{xx}=258-\frac{36^2}{6}=258-216=42,\qquad S_{yy}=336-\frac{42^2}{6}=336-294=42,

Sxy=292−36×426=292−252=40.S_{xy}=292-\frac{36\times42}{6}=292-252=40.

(2) 共分散は 40/6=6.66740/6=6.667、不偏共分散は 40/5=8.040/5=8.0 である。

(3) 式 (14.3) から r=40/42×42=40/42=0.952r=40/\sqrt{42\times42}=40/42=0.952 である。nn で割った分散はどちらも 42/6=742/6=7 なので、6.667/(77)=6.667/7=0.9526.667/(\sqrt7\sqrt7)=6.667/7=0.952 で一致する。

(4) vi−vˉ=−2(yi−yˉ)v_i-\bar v=-2(y_i-\bar y) なので Sxv=−2Sxy=−80S_{xv}=-2S_{xy}=-80、Svv=4Syy=168S_{vv}=4S_{yy}=168 である。rxv=−80/42×168=−80/84=−0.952r_{xv}=-80/\sqrt{42\times168}=-80/84=-0.952 で、大きさは変わらず符号だけが反転する。

確認テスト

オリジナル

  1. 14.1-1 身長 xx(cm)と体重 yy(kg)のデータで、xx を m に、yy を g に直した。nn で割った共分散と相関係数はそれぞれ何倍になるか。また、一般に u=ax+bu=ax+b、v=cy+dv=cy+d(ac≠0ac\ne0)と変換したとき ruvr_{uv} を rxyr_{xy} で表せ。
  2. 14.1-2 n=5n=5 のデータで ∑x=30\sum x=30、∑y=40\sum y=40、∑x2=200\sum x^2=200、∑y2=340\sum y^2=340、∑xy=250\sum xy=250 であった。nn で割った共分散・n−1n-1 で割った不偏共分散・相関係数を求めよ。
  3. 14.1-3 (i) x=−2,−1,0,1,2x=-2,-1,0,1,2 と y=x2y=x^2 の相関係数を求めよ。(ii) x=0,1,2,3,4x=0,1,2,3,4 と y=x2y=x^2 の相関係数を小数第3位まで求めよ。(i) と (ii) の違いを、相関係数が何を測るかから説明せよ。
  4. 14.1-4 定理 14.3 の証明の2次式を使わずに、x~i=(xi−xˉ)/Sxx\tilde x_i=(x_i-\bar x)/\sqrt{S_{xx}}、y~i=(yi−yˉ)/Syy\tilde y_i=(y_i-\bar y)/\sqrt{S_{yy}} と置いて ∑(x~i∓y~i)2≥0\sum(\tilde x_i\mp\tilde y_i)^2\ge0 から −1≤r≤1-1\le r\le1 を示せ。

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

← AI生成教科書『資格試験』の記事一覧へ