tecktom.com

FF 分布と FF 分布表

2026年10月17日11分で読めますAI生成教科書『資格試験』第15章 F 分布・等分散性の検定と分散分析
目次
  1. 定義
  2. 密度を導く
  3. 期待値・逆数・ 分布との関係
  4. 分布表の引き方
  5. 確認テスト
  6. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

統計学の復習 第15章 §15.1 ★★★ 独立な χ2\chi^2 を自由度で割った比が Fm,nF_{m,n}。逆数をとると自由度が入れ替わるので、下側の点は 1/Fn,m(α)1/F_{n,m}(\alpha) で引く

この章は、対策本の第27章(FF 分布と等分散性の検定)・第28章(分散分析と一元配置)・第29章(二元配置)に当たる。

第10章と第11章では、平均の区間を tt 分布で、分散の区間を χ2\chi^2 分布で作った。この章で扱うのは、2つの分散を比べる問題と、3つ以上の平均を比べる問題である。一見すると別々の問題だが、どちらも「独立な2つの χ2\chi^2 変数を自由度で割って比をとる」という同じ量に行き着く。その比の分布が FF 分布である。

この章で作る道具は次のとおりである。第一に、FF 分布を定義し、密度・期待値・逆数の性質 Fm,n(1−α)=1/Fn,m(α)F_{m,n}(1-\alpha)=1/F_{n,m}(\alpha)・t2t^2 との関係を導く(§15.1)。第二に、2つの正規母集団の分散が等しいかを FF で検定し、分散の比の区間を作り、等分散を仮定しない Welch の検定の自由度がどこから出るかを説明する(§15.2)。第三に、tt 検定を繰り返すと誤りの確率が膨らむこと(検定の多重性)を確かめ、それを避ける分散分析の考え方を立てる(§15.3)。第四に、一元配置・繰り返しのある二元配置・繰り返しのない二元配置の分散分析を、平方和の分解と平均平方の期待値まで導く(§15.4〜§15.6)。

木下が2級の直前に「型」で押さえただけになっていたのは、等分散の FF 検定が予備検定にすぎないこと、Welch の自由度の意味、平方和の分解で交差項が消える理由、交互作用と繰り返しの関係の4点である。この章ではこの4点を導出から書く。1級との関係では、分散分析の FF が FF 分布に従うことの一般の証明(Cochran の定理)を数理統計の解説 第9章 §9.5 で、データの構造式と期待平均平方による分散分析を実験計画法の解説 第2章〜第6章で扱う。この章はその前提を2級の道具で準備する。

定義

定義 15.1(FF 分布)

U∼χm2U\sim\chi^2_m と V∼χn2V\sim\chi^2_n が独立であるとき、

F=U/mV/n(15.1)F=\frac{U/m}{V/n}\tag{15.1}

の分布を、自由度 (m,n)(m,n) の FF 分布と呼び、Fm,nF_{m,n} と書く。mm を分子の自由度、nn を分母の自由度と呼ぶ。上側 100α%100\alpha\% 点を Fm,n(α)F_{m,n}(\alpha) と書く。すなわち F∼Fm,nF\sim F_{m,n} について P(F>Fm,n(α))=αP\bigl(F>F_{m,n}(\alpha)\bigr)=\alpha である。

第11章で示したように、χν2\chi^2_\nu は独立な標準正規変数 ν\nu 個の2乗和の分布で、期待値は ν\nu である。したがって U/mU/m と V/nV/n はどちらも期待値 11 の正の確率変数で、自由度が大きいほど 11 の近くに集まる。FF はその比なので 11 の近くに山を持ち、正の値だけをとる。順序が意味を持つことに注意する。Fm,nF_{m,n} と Fn,mF_{n,m} は m≠nm\ne n なら別の分布である。

この定義が統計で現れるのは、正規母集団の不偏分散 S2S^2 について第11章の定理((n−1)S2/σ2∼χn−12(n-1)S^2/\sigma^2\sim\chi^2_{n-1})があるからである。独立な2つの標本の不偏分散を S12,S22S_1^2,S_2^2(大きさ n1,n2n_1,n_2、母分散 σ12,σ22\sigma_1^2,\sigma_2^2)とすると、U=(n1−1)S12/σ12U=(n_1-1)S_1^2/\sigma_1^2 と V=(n2−1)S22/σ22V=(n_2-1)S_2^2/\sigma_2^2 は独立な χn1−12\chi^2_{n_1-1} と χn2−12\chi^2_{n_2-1} なので

S12/σ12S22/σ22=U/(n1−1)V/(n2−1)∼Fn1−1, n2−1(15.2)\frac{S_1^2/\sigma_1^2}{S_2^2/\sigma_2^2}=\frac{U/(n_1-1)}{V/(n_2-1)}\sim F_{n_1-1,\,n_2-1}\tag{15.2}

である。§15.2 の等分散性の検定と分散の比の区間は、すべてこの式から出る。

密度を導く

χν2\chi^2_\nu の密度は第11章で導いた

fν(x)=cν xν/2−1e−x/2(x>0),cν=12ν/2Γ(ν/2)f_\nu(x)=c_\nu\,x^{\nu/2-1}\mathrm{e}^{-x/2}\quad(x>0),\qquad c_\nu=\frac{1}{2^{\nu/2}\Gamma(\nu/2)}

である。FF の密度を求める前に、比 Y=U/VY=U/V の密度を出す。y>0y>0 を固定すると、VV の値で条件をつけて

P(Y≤y)=P(U≤yV)=∫0∞fn(v) P(U≤yv) dv=∫0∞fn(v) Gm(yv) dvP(Y\le y)=P(U\le yV)=\int_0^\infty f_n(v)\,P(U\le yv)\,\mathrm{d} v=\int_0^\infty f_n(v)\,G_m(yv)\,\mathrm{d} v

と書くことができる。ここで GmG_m は χm2\chi^2_m の累積分布関数で、2つ目の等号は UU と VV の独立性による。両辺を yy で微分し、積分の中で微分すると(被積分関数が十分に滑らかで、2級の範囲ではこの交換を認める)、Gm′=fmG_m'=f_m から

fY(y)=∫0∞v fn(v) fm(yv) dv=cmcn ym/2−1∫0∞v(m+n)/2−1e−v(1+y)/2 dvf_Y(y)=\int_0^\infty v\,f_n(v)\,f_m(yv)\,\mathrm{d} v =c_mc_n\,y^{m/2-1}\int_0^\infty v^{(m+n)/2-1}\mathrm{e}^{-v(1+y)/2}\,\mathrm{d} v

となる。残った積分は w=v(1+y)/2w=v(1+y)/2 と置換すると (2/(1+y))(m+n)/2Γ((m+n)/2)\bigl(2/(1+y)\bigr)^{(m+n)/2}\Gamma\bigl((m+n)/2\bigr) になる。cmcn=1/(2(m+n)/2Γ(m/2)Γ(n/2))c_mc_n=1/\bigl(2^{(m+n)/2}\Gamma(m/2)\Gamma(n/2)\bigr) なので 22 のべきが消えて

fY(y)=Γ(m+n2)Γ(m2)Γ(n2)  ym/2−1(1+y)−(m+n)/2(y>0)f_Y(y)=\frac{\Gamma\bigl(\frac{m+n}2\bigr)}{\Gamma\bigl(\frac m2\bigr)\Gamma\bigl(\frac n2\bigr)}\;y^{m/2-1}(1+y)^{-(m+n)/2}\qquad(y>0)

である。最後に F=(n/m)YF=(n/m)Y なので、P(F≤x)=P(Y≤mx/n)P(F\le x)=P(Y\le mx/n) を xx で微分して fF(x)=(m/n) fY(mx/n)f_F(x)=(m/n)\,f_Y(mx/n) を得る。

命題 15.2(FF 分布の密度)

Fm,nF_{m,n} の密度は

f(x)=Γ(m+n2)Γ(m2)Γ(n2)(mn)m/2xm/2−1(1+mn x)−(m+n)/2(x>0)(15.3)f(x)=\frac{\Gamma\bigl(\frac{m+n}2\bigr)}{\Gamma\bigl(\frac m2\bigr)\Gamma\bigl(\frac n2\bigr)}\left(\frac mn\right)^{m/2}x^{m/2-1}\left(1+\frac mn\,x\right)^{-(m+n)/2}\qquad(x>0)\tag{15.3}

である。

2級の試験で密度の式を使うことはほとんどない。それでもここで導いたのは、1級の統計数理では「独立な2変数の比の分布を求めよ」という小問がこの形の積分で問われるからである。m=n=2m=n=2 のときは Γ(2)=Γ(1)=1\Gamma(2)=\Gamma(1)=1 で f(x)=(1+x)−2f(x)=(1+x)^{-2} となり、P(F>c)=1/(1+c)P(F>c)=1/(1+c) と閉じた形で計算することができる(確認テスト 15.1-4)。

図

図 15.1 F5,10F_{5,10} と F10,20F_{10,20} の密度。F5,10F_{5,10} の上側 2.5%2.5\% 点 F5,10(0.025)=4.236F_{5,10}(0.025)=4.236 と下側 2.5%2.5\% 点 F5,10(0.975)=1/F10,5(0.025)=1/6.619=0.151F_{5,10}(0.975)=1/F_{10,5}(0.025)=1/6.619=0.151 の外側を塗った。自由度が大きいほど山は 11 の近くに集まる。

期待値・逆数・tt 分布との関係

定理 15.3(FF 分布の性質)

F∼Fm,nF\sim F_{m,n} とする。

  1. n≥3n\ge3 なら E[F]=nn−2E[F]=\dfrac{n}{n-2} である。
  2. 1/F∼Fn,m1/F\sim F_{n,m} であり、したがって下側の点は

Fm,n(1−α)=1Fn,m(α)(15.4)F_{m,n}(1-\alpha)=\frac{1}{F_{n,m}(\alpha)}\tag{15.4}

で与えられる。3. T∼tnT\sim t_n なら T2∼F1,nT^2\sim F_{1,n} であり、tn(α/2)2=F1,n(α)t_n(\alpha/2)^2=F_{1,n}(\alpha) である。

証明

(1) 定義 (15.1) で UU と VV は独立なので、E[F]=E[U/m] E[n/V]=1⋅n E[1/V]E[F]=E[U/m]\,E[n/V]=1\cdot n\,E[1/V] である。第10章で tt 分布の分散を求めたとき、V∼χn2V\sim\chi^2_n(n≥3n\ge3)について E[1/V]=1/(n−2)E[1/V]=1/(n-2) を密度の積分から導いた。したがって E[F]=n/(n−2)E[F]=n/(n-2) である。期待値が分子の自由度 mm によらないのは、分子の U/mU/m の期待値がいつも 11 だからである。

(2) 1/F=(V/n)/(U/m)1/F=(V/n)/(U/m) は、独立な χn2\chi^2_n と χm2\chi^2_m をそれぞれの自由度で割った比なので、定義から Fn,mF_{n,m} に従う。c=1/Fn,m(α)c=1/F_{n,m}(\alpha) と置くと

P(F<c)=P ⁣(1F>1c)=P(1/F>Fn,m(α))=αP(F<c)=P\!\left(\frac1F>\frac1c\right)=P\bigl(1/F>F_{n,m}(\alpha)\bigr)=\alpha

である(F>0F>0 なので逆数をとると不等号の向きが変わる)。P(F<c)=αP(F<c)=\alpha は P(F>c)=1−αP(F>c)=1-\alpha と同じで、cc は上側 100(1−α)%100(1-\alpha)\% 点、すなわち Fm,n(1−α)F_{m,n}(1-\alpha) である。

(3) tt 分布の定義(第10章)から、Z∼N(0,1)Z\sim\mathrm N(0,1) と V∼χn2V\sim\chi^2_n が独立で T=Z/V/nT=Z/\sqrt{V/n} と書ける。T2=(Z2/1)/(V/n)T^2=(Z^2/1)/(V/n) で、Z2∼χ12Z^2\sim\chi^2_1 は VV と独立なので T2∼F1,nT^2\sim F_{1,n} である。tnt_n は 00 について対称なので P(T2>c2)=P(∣T∣>c)=2P(T>c)P(T^2>c^2)=P(\lvert T\rvert >c)=2P(T>c) であり、c=tn(α/2)c=t_n(\alpha/2) と置くと P(T2>tn(α/2)2)=αP(T^2>t_n(\alpha/2)^2)=\alpha である。

性質 (3) は、両側 tt 検定が右片側の FF 検定と同じものであることを意味する。§15.4 で、2群の分散分析がプールした tt 検定と一致することを示すときに、この関係を使う。

FF 分布表の引き方

FF 分布は自由度を2つ持つので、数表は α\alpha ごとに1枚ずつ用意され、分子の自由度を列・分母の自由度を行にとるのが普通である。表によって行と列が逆のこともあるので、見出しを必ず確かめる。数表に載っているのは上側の点だけである。下側の点が必要になったら、式 (15.4) で自由度を入れ替えた上側の点の逆数をとる。自由度を入れ替え忘れて 1/Fm,n(α)1/F_{m,n}(\alpha) とするのが典型的な誤りである。

例題 15.1 FF 分布の上側の点と下側の点 ★★★

オリジナルX∼F6,12X\sim F_{6,12} とする。F6,12(0.05)=2.996F_{6,12}(0.05)=2.996、F12,6(0.05)=4.000F_{12,6}(0.05)=4.000 を使ってよい。

  1. P(X>c)=0.95P(X>c)=0.95 となる cc を求めよ。
  2. P(0.250≤X≤2.996)P(0.250\le X\le2.996) を求めよ。
  3. E[X]E[X] を求め、11 より大きい理由を説明せよ。
解答

(1) P(X>c)=0.95P(X>c)=0.95 を満たす cc は上側 95%95\% 点 F6,12(0.95)F_{6,12}(0.95) である。式 (15.4) から、自由度を入れ替えて

c=F6,12(0.95)=1F12,6(0.05)=14.000=0.250.c=F_{6,12}(0.95)=\frac1{F_{12,6}(0.05)}=\frac1{4.000}=0.250.

1/F6,12(0.05)=1/2.996=0.3341/F_{6,12}(0.05)=1/2.996=0.334 は誤りである。

(2) (1) から P(X<0.250)=0.05P(X<0.250)=0.05、定義から P(X>2.996)=0.05P(X>2.996)=0.05 なので、P(0.250≤X≤2.996)=1−0.05−0.05=0.90P(0.250\le X\le2.996)=1-0.05-0.05=0.90 である。

(3) 定理 15.3 (1) から E[X]=12/(12−2)=1.2E[X]=12/(12-2)=1.2 である。分子の U/6U/6 の期待値は 11 だが、分母の V/12V/12 で割ると、1/x1/x が下に凸な関数なので E[12/V]>1/E[V/12]=1E[12/V]>1/E[V/12]=1 となる(Jensen の不等式、第9章)。分母が小さい値をとったときに比が大きく跳ねる分だけ、期待値は 11 を超える。

確認テスト

オリジナル

  1. 15.1-1 F4,8(0.05)=3.838F_{4,8}(0.05)=3.838 のとき、F8,4(0.95)F_{8,4}(0.95) を求めよ。
  2. 15.1-2 t15(0.025)=2.131t_{15}(0.025)=2.131 のとき、F1,15(0.05)F_{1,15}(0.05) を求めよ。また、そうなる理由を tt 分布と FF 分布の定義から説明せよ。
  3. 15.1-3 Fm,nF_{m,n} の分散が有限であるためには nn がいくつ以上であればよいか。E[F2]=E[(U/m)2] E[(n/V)2]E[F^2]=E[(U/m)^2]\,E[(n/V)^2] と E[1/V2]E[1/V^2] の積分の収束を調べて答えよ(E[U2]=m2+2mE[U^2]=m^2+2m を使ってよい)。
  4. 15.1-4 m=n=2m=n=2 のとき、密度 (15.3) が (1+x)−2(1+x)^{-2} になることを確かめ、上側 5%5\% 点 F2,2(0.05)F_{2,2}(0.05) と下側 5%5\% 点 F2,2(0.95)F_{2,2}(0.95) を求めよ。

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

← AI生成教科書『資格試験』の記事一覧へ