この章のまとめと試験での出方
AI 生成・木下が未勉強
統計学の復習 第15章 §15.7
この章の検定と区間は、すべて「独立な2つの 変数を自由度で割った比は 分布に従う」という1つの事実から出た。2つの母分散を比べるときは、2つの標本の不偏分散の比がそのまま に従う。分散分析では、全体の平方和を要因ごとの平方和と誤差平方和に分解し、要因の平均平方と誤差の平均平方の比をとる。平方和の分解で交差項が消えるのは、どの成分も「ある添字について足すと になる」性質を持つからであり、自由度はその制約の本数を引いて数える。平均平方の期待値は、帰無仮説のもとで 、そうでなければ に効果の2乗和の分だけ上乗せした値になる。分散分析の 検定が右片側なのはこのためである。
| 場面 | 統計量 | のもとでの分布 |
| 等分散性 | ||
| Welch の検定 | 近似的に | |
| 一元配置 | ||
| 繰り返しのある二元配置 | ・・ | など |
| 繰り返しのない二元配置 | ・ | など |
2級では、分散分析表の穴埋め(平方和と自由度は縦に足し算、 は要因を誤差で割る)、 表の読み(分子と分母の自由度の順・下側の点は自由度を入れ替えた逆数)、等分散の 検定から Welch へ進む手順、「反復が無いと誤差が作れない」「分散分析で棄却されてもどの群が違うかは分からない」という文章の正誤が出る。失点しやすいのは、 の自由度の順の取り違え、下側の点で自由度を入れ替え忘れること、 を逆に割ること、組合せの平方和 と交互作用の平方和 の混同である。
1級の統計数理では、分散分析は線形モデルの検定の特別な場合として出る。典型的な小問の連鎖は「平方和の分解を示す → 各平方和の期待値を求める → 帰無仮説のもとで比が 分布に従うことを示す → 検定と区間を作る」である。この章では最後から2番目の段を繰り返し数が等しい一元配置でだけ示した。一般の場合は数理統計の解説 第9章 §9.5 で Cochran の定理として扱う。統計応用(理工学)では、実験計画法の大問の大半が、この章の一元配置・二元配置の分散分析表と、その後の推定(最適条件の母平均の区間)で組み立てられる。データの構造式・期待平均平方・プーリングの判断は実験計画法の解説 第2章〜第6章で扱う。
次の総合問題は、この章の一元配置の分散分析に、第9章の不偏性、第10章の 区間、第11章の母分散の区間をつなぐ。
総合問題 3つの製法の比較を、分散分析から区間推定まで通す ★★★
オリジナル3つの製法 で4個ずつ製品を作り、強度を測った。
| 20 | 23 | 21 | 24 | |
| 25 | 27 | 26 | 30 | |
| 22 | 25 | 23 | 26 |
データはモデル (15.9)(、)に従うとする。
- (1) が の不偏推定量であることを示せ。さらに、 は3つの群の不偏分散の平均に等しいことを示せ。(使う道具:第9章 不偏分散の不偏性、本章 定理 15.8)
- (2) 分散分析表を作り、有意水準 で製法の効果を検定せよ()。(使う道具:本章 §15.4)
- (3) を使って、 の 信頼区間を求めよ(、)。(使う道具:第11章 母分散の区間、本章 定理 15.9 の証明)
- (4) 3つの組の差 、、 について、Bonferroni の方法で、3つが同時に成り立つ確率が 以上の区間を作れ()。どの組に差があるといえるか。(使う道具:第10章 区間、本章 式 (15.14)・命題 15.6)
- (5) 分散分析は群の分散が等しいことを仮定している。 と の不偏分散について、有意水準 の両側の等分散性の検定を行え()。棄却されなかったことから何が言えて、何が言えないか。(使う道具:本章 §15.2)
解答
(1) 群 の不偏分散を とすると、、 なので
で、3つの群の不偏分散の平均である。第9章から なので、期待値の線形性から である(定理 15.8 の の場合)。
(2) 合計は 、、、、、 で、 である。、 である。群の中の偏差平方和は直接計算すると 、、 で、合計 と一致する。
| 要因 | 平方和 | 自由度 | 平均平方 | |
| 計 |
なので、有意水準 で製法の効果は有意である。
(3) を について解くと なので
である。1つの群の4個だけを使えば自由度は だが、3つの群をまとめた は自由度 を持ち、区間が短くなる。
(4) 3つの区間をそれぞれ信頼係数 で作れば、命題 15.6 から、少なくとも1つが外れる確率は 以下である。標準誤差は 、半幅は である。群の平均は 、、 なので
を含まないのは だけで、差があるといえるのは と の組である。(2) の分散分析は「どこかに差がある」ことまでしか言わず、どの組かはこの段で初めて分かる。
(5) 、 で、大きい方を分子に置いて である。 より小さいので、等分散の帰無仮説は棄却されない。言えるのは「分散が異なるという証拠は得られなかった」ことだけで、「分散が等しいことが示された」と結論することはできない。自由度 の上側 点は と大きく、分散が10倍違っても棄却されないほど検出力が低い。分散分析の等分散の仮定は、データの値の範囲・測定の仕組みについての知識と合わせて判断する。
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