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この章のまとめと試験での出方

2026年10月17日9分で読めますAI生成教科書『資格試験』第15章 F 分布・等分散性の検定と分散分析

AI 生成・木下が未勉強

統計学の復習 第15章 §15.7

この章の検定と区間は、すべて「独立な2つの χ2\chi^2 変数を自由度で割った比は FF 分布に従う」という1つの事実から出た。2つの母分散を比べるときは、2つの標本の不偏分散の比がそのまま Fn1−1,n2−1F_{n_1-1,n_2-1} に従う。分散分析では、全体の平方和を要因ごとの平方和と誤差平方和に分解し、要因の平均平方と誤差の平均平方の比をとる。平方和の分解で交差項が消えるのは、どの成分も「ある添字について足すと 00 になる」性質を持つからであり、自由度はその制約の本数を引いて数える。平均平方の期待値は、帰無仮説のもとで σ2\sigma^2、そうでなければ σ2\sigma^2 に効果の2乗和の分だけ上乗せした値になる。分散分析の FF 検定が右片側なのはこのためである。

場面統計量H0H_0 のもとでの分布
等分散性S12/S22S_1^2/S_2^2Fn1−1, n2−1F_{n_1-1,\,n_2-1}
Welch の検定(Xˉ1−Xˉ2)/S12/n1+S22/n2(\bar X_1-\bar X_2)/\sqrt{S_1^2/n_1+S_2^2/n_2}近似的に tν∗t_{\nu^*}
一元配置VA/VeV_A/V_eFk−1, N−kF_{k-1,\,N-k}
繰り返しのある二元配置VA/VeV_A/V_e・VB/VeV_B/V_e・VA×B/VeV_{A\times B}/V_eFa−1, ab(r−1)F_{a-1,\,ab(r-1)} など
繰り返しのない二元配置VA/VeV_A/V_e・VB/VeV_B/V_eFa−1, (a−1)(b−1)F_{a-1,\,(a-1)(b-1)} など

2級では、分散分析表の穴埋め(平方和と自由度は縦に足し算、F0F_0 は要因を誤差で割る)、FF 表の読み(分子と分母の自由度の順・下側の点は自由度を入れ替えた逆数)、等分散の FF 検定から Welch へ進む手順、「反復が無いと誤差が作れない」「分散分析で棄却されてもどの群が違うかは分からない」という文章の正誤が出る。失点しやすいのは、FF の自由度の順の取り違え、下側の点で自由度を入れ替え忘れること、F0F_0 を逆に割ること、組合せの平方和 SABS_{AB} と交互作用の平方和 SA×BS_{A\times B} の混同である。

1級の統計数理では、分散分析は線形モデルの検定の特別な場合として出る。典型的な小問の連鎖は「平方和の分解を示す → 各平方和の期待値を求める → 帰無仮説のもとで比が FF 分布に従うことを示す → 検定と区間を作る」である。この章では最後から2番目の段を繰り返し数が等しい一元配置でだけ示した。一般の場合は数理統計の解説 第9章 §9.5 で Cochran の定理として扱う。統計応用(理工学)では、実験計画法の大問の大半が、この章の一元配置・二元配置の分散分析表と、その後の推定(最適条件の母平均の区間)で組み立てられる。データの構造式・期待平均平方・プーリングの判断は実験計画法の解説 第2章〜第6章で扱う。

次の総合問題は、この章の一元配置の分散分析に、第9章の不偏性、第10章の tt 区間、第11章の母分散の区間をつなぐ。

総合問題 3つの製法の比較を、分散分析から区間推定まで通す ★★★

オリジナル3つの製法 A1,A2,A3A_1,A_2,A_3 で4個ずつ製品を作り、強度を測った。

A1A_120232124
A2A_225272630
A3A_322252326

データはモデル (15.9)(k=3k=3、ni=r=4n_i=r=4)に従うとする。

  1. (1) VeV_e が σ2\sigma^2 の不偏推定量であることを示せ。さらに、VeV_e は3つの群の不偏分散の平均に等しいことを示せ。(使う道具:第9章 不偏分散の不偏性、本章 定理 15.8)
  2. (2) 分散分析表を作り、有意水準 5%5\% で製法の効果を検定せよ(F2,9(0.05)=4.256F_{2,9}(0.05)=4.256)。(使う道具:本章 §15.4)
  3. (3) Se/σ2∼χ92S_e/\sigma^2\sim\chi^2_9 を使って、σ2\sigma^2 の 95%95\% 信頼区間を求めよ(χ92(0.025)=19.023\chi^2_9(0.025)=19.023、χ92(0.975)=2.700\chi^2_9(0.975)=2.700)。(使う道具:第11章 母分散の区間、本章 定理 15.9 の証明)
  4. (4) 3つの組の差 μ2−μ1\mu_2-\mu_1、μ3−μ1\mu_3-\mu_1、μ2−μ3\mu_2-\mu_3 について、Bonferroni の方法で、3つが同時に成り立つ確率が 95%95\% 以上の区間を作れ(t9(0.025/3)=2.933t_9(0.025/3)=2.933)。どの組に差があるといえるか。(使う道具:第10章 tt 区間、本章 式 (15.14)・命題 15.6)
  5. (5) 分散分析は群の分散が等しいことを仮定している。A1A_1 と A2A_2 の不偏分散について、有意水準 5%5\% の両側の等分散性の検定を行え(F3,3(0.025)=15.44F_{3,3}(0.025)=15.44)。棄却されなかったことから何が言えて、何が言えないか。(使う道具:本章 §15.2)
解答

(1) 群 ii の不偏分散を si2=1r−1∑j(xij−xˉi⋅)2s_i^2=\frac1{r-1}\sum_j(x_{ij}-\bar x_{i\cdot})^2 とすると、Se=∑i(r−1)si2S_e=\sum_i(r-1)s_i^2、ϕe=k(r−1)\phi_e=k(r-1) なので

Ve=∑i(r−1)si2k(r−1)=1k∑i=1ksi2V_e=\frac{\sum_i(r-1)s_i^2}{k(r-1)}=\frac1k\sum_{i=1}^ks_i^2

で、3つの群の不偏分散の平均である。第9章から E[si2]=σ2E[s_i^2]=\sigma^2 なので、期待値の線形性から E[Ve]=σ2E[V_e]=\sigma^2 である(定理 15.8 の ni=rn_i=r の場合)。

(2) 合計は T1=88T_1=88、T2=108T_2=108、T3=96T_3=96、T=292T=292、CT=2922/12=7105.33CT=292^2/12=7105.33、∑x2=7190\sum x^2=7190 で、ST=84.67S_T=84.67 である。SA=(882+1082+962)/4−CT=7156−7105.33=50.67S_A=(88^2+108^2+96^2)/4-CT=7156-7105.33=50.67、Se=84.67−50.67=34.00S_e=84.67-50.67=34.00 である。群の中の偏差平方和は直接計算すると 1010、1414、1010 で、合計 3434 と一致する。

要因平方和自由度平均平方F0F_0
AA50.6750.672225.3325.336.716.71
ee34.0034.00993.7783.778
計84.6784.671111

F0=6.71>4.256F_0=6.71>4.256 なので、有意水準 5%5\% で製法の効果は有意である。

(3) P(χ92(0.975)≤Se/σ2≤χ92(0.025))=0.95P\bigl(\chi^2_9(0.975)\le S_e/\sigma^2\le\chi^2_9(0.025)\bigr)=0.95 を σ2\sigma^2 について解くと Se/χ92(0.025)≤σ2≤Se/χ92(0.975)S_e/\chi^2_9(0.025)\le\sigma^2\le S_e/\chi^2_9(0.975) なので

[34.0019.023, 34.002.700]=[ 1.787, 12.59 ]\left[\frac{34.00}{19.023},\ \frac{34.00}{2.700}\right]=[\,1.787,\ 12.59\,]

である。1つの群の4個だけを使えば自由度は 33 だが、3つの群をまとめた SeS_e は自由度 99 を持ち、区間が短くなる。

(4) 3つの区間をそれぞれ信頼係数 1−0.05/31-0.05/3 で作れば、命題 15.6 から、少なくとも1つが外れる確率は 3×0.05/3=0.053\times0.05/3=0.05 以下である。標準誤差は Ve(1/4+1/4)=1.889=1.374\sqrt{V_e(1/4+1/4)}=\sqrt{1.889}=1.374、半幅は 2.933×1.374=4.0312.933\times1.374=4.031 である。群の平均は 2222、2727、2424 なので

μ2−μ1: 5±4.03=[ 0.97, 9.03 ],μ3−μ1: 2±4.03=[ −2.03, 6.03 ],μ2−μ3: 3±4.03=[ −1.03, 7.03 ].\begin{aligned}\mu_2-\mu_1&:\ 5\pm4.03=[\,0.97,\ 9.03\,],\\ \mu_3-\mu_1&:\ 2\pm4.03=[\,-2.03,\ 6.03\,],\\ \mu_2-\mu_3&:\ 3\pm4.03=[\,-1.03,\ 7.03\,].\end{aligned}

00 を含まないのは μ2−μ1\mu_2-\mu_1 だけで、差があるといえるのは A2A_2 と A1A_1 の組である。(2) の分散分析は「どこかに差がある」ことまでしか言わず、どの組かはこの段で初めて分かる。

(5) s12=10/3=3.333s_1^2=10/3=3.333、s22=14/3=4.667s_2^2=14/3=4.667 で、大きい方を分子に置いて F0=4.667/3.333=1.40F_0=4.667/3.333=1.40 である。F3,3(0.025)=15.44F_{3,3}(0.025)=15.44 より小さいので、等分散の帰無仮説は棄却されない。言えるのは「分散が異なるという証拠は得られなかった」ことだけで、「分散が等しいことが示された」と結論することはできない。自由度 (3,3)(3,3) の上側 2.5%2.5\% 点は 15.4415.44 と大きく、分散が10倍違っても棄却されないほど検出力が低い。分散分析の等分散の仮定は、データの値の範囲・測定の仕組みについての知識と合わせて判断する。

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