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この章のまとめと試験での出方

2026年10月17日9分で読めますAI生成教科書『資格試験』第16章 実験計画と時系列・データの諸話題

AI 生成・木下が未勉強

統計学の復習 第16章 §16.10

この章の前半では、実験の設計を確率の計算で根拠づけた。完全無作為化した比較は、見えない個性 uiu_i が何であっても処理の効果の不偏推定になり、そのぶれは 2Su2/r2S_u^2/r という誤差の分散として現れる。反復はこの誤差の大きさを推定できるようにし、局所管理は既知の要因を差の中で引き算して、分散を (1−ρ)(1-\rho) 倍に小さくする。既知の要因はブロックで、未知の要因は無作為化で扱うのが3原則の分業である。検出力は H1H_1 のもとで H0H_0 を棄却する確率で、片側 zz 検定では Φ(Δn−zα)\Phi(\Delta\sqrt n-z_\alpha) と1行で書ける。この式から、nn を増やしても α\alpha は変わらず β\beta が下がること、α\alpha を下げれば β\beta が上がることが読み取れ、検出力の条件を nn について解けば必要な標本の大きさ {(zα+zβ)σ/δ}2\{(z_\alpha+z_\beta)\sigma/\delta\}^2 が出る。

後半では、データの点検と時系列の要約を扱った。外れ値は原因を調べてから扱い、平均と標準偏差を使う ∣z∣>3\lvert z\rvert >3 の規則は、n≤10n\le10 では原理的に外れ値を見つけることができない。Q-Q プロットは、正規分布の分位点が μ+σΦ−1(p)\mu+\sigma\Phi^{-1}(p) と直線になることを使い、曲がり方で歪みと裾の重さを読む。移動平均は、対称な重みなら直線の傾向を保ち、周期と同じ項数なら季節変動を消す。この性質から、中心化移動平均で傾向を取り出し、残りを季節ごとに平均して季節変動を推定する手順を組み立てることができる。自己相関は時点をずらした相関で、季節変動は周期のラグの山として、移動平均は見かけの相関として現れる。物価指数は価格比の加重平均で、重みを基準時点で取るか比較時点で取るかで Laspeyres と Paasche に分かれる。

使う式を表にまとめる。

内容式
無作為化した比較E[yˉT−yˉC]=τE[\bar y_T-\bar y_C]=\tau、V=2Su2/rV=2S_u^2/r
対の比較V[Dˉ]=2σ2(1−ρ)/rV[\bar D]=2\sigma^2(1-\rho)/r
片側 zz 検定の検出力1−β(μ)=Φ(Δn−zα)1-\beta(\mu)=\Phi(\Delta\sqrt n-z_\alpha)、Δ=(μ−μ0)/σ\Delta=(\mu-\mu_0)/\sigma
必要な nn(1標本・片側)n≥{(zα+zβ)σ/δ}2n\ge\{(z_\alpha+z_\beta)\sigma/\delta\}^2、両側は zα/2z_{\alpha/2}、2群は各群2倍
必要な nn(母比率)n≥{(zαp0q0+zβp1q1)/(p1−p0)}2n\ge\{(z_\alpha\sqrt{p_0q_0}+z_\beta\sqrt{p_1q_1})/(p_1-p_0)\}^2
標準化した値の上限∣xi−xˉ∣/s≤(n−1)/n\lvert x_i-\bar x\rvert /s\le(n-1)/\sqrt n
4項の中心化移動平均重み (1/8,1/4,1/4,1/4,1/8)(1/8,1/4,1/4,1/4,1/8)
標本自己相関係数rh=∑t=1n−h(yt−yˉ)(yt+h−yˉ)/∑t=1n(yt−yˉ)2r_h=\sum_{t=1}^{n-h}(y_t-\bar y)(y_{t+h}-\bar y)/\sum_{t=1}^n(y_t-\bar y)^2
Laspeyres・PaaschePL=∑p1q0/∑p0q0P_L=\sum p_1q_0/\sum p_0q_0、PP=∑p1q1/∑p0q1P_P=\sum p_1q_1/\sum p_0q_1

2級では、この章の内容は小問1つずつで出る。Fisher の3原則と処理群・対照群・観察研究の言葉の正誤、検出力と2種類の過誤の言葉の正誤、検出力や必要な nn の数値、箱ひげ図の外れ値、移動平均の個数と値、指数の計算が典型である。失点しやすいのは、検出力を「H0H_0 が正しいときに棄却しない確率」と取り違えること、nn を増やすと α\alpha が下がると思い込むこと、両側検定で zα/2z_{\alpha/2} を使い忘れること、nn の切り上げを忘れることである。

1級の統計数理では、検出力が最もよく出る。典型的な連鎖は「統計量の分布を導く → 有意水準 α\alpha の棄却域を決める → 検出力関数を Φ\Phi や二項分布の和で書く → 検出力が指定の値以上になる最小の nn を求める」で、最強力検定(Neyman–Pearson の補題)や尤度比検定と組み合わせて問われる。数理統計の解説 第7章 §7.5 で扱う。1級の統計応用(理工学)では、Fisher の3原則と乱塊法が実験計画法の大問の出発点になり、ブロックの効果を分散分析で取り除くことで誤差が小さくなる理由が記述で問われる。実験計画法の解説 第1章 §1.1 と第11章で扱う。

次の総合問題は、本章の3原則と検出力に、第7章の線形結合の分散と第10章の対応のある比較をつなぐ。

総合問題 対にするか、しないか(実験の規模を設計する) ★★★

オリジナル2種類の靴底の素材 A・B の摩耗量を比べる。被験者に一定期間靴を履いてもらい、摩耗量を測る。摩耗量は被験者の歩き方によって大きく違う。1人の被験者の1つの靴の摩耗量の分散は σ2=16\sigma^2=16 で既知とする。計画は2つ考えられる。計画1は、被験者を2群に分け、一方の群に A、他方に B の靴を履かせる(各群 rr 人、合計 2r2r 人)。計画2は、rr 人の被験者それぞれに左右で A と B を履かせ、左右のどちらを A にするかはくじで決める。計画2で同じ被験者の左右の摩耗量の相関係数は ρ=0.6\rho=0.6 とする。

  1. (1) 計画1の XˉA−XˉB\bar X_A-\bar X_B と、計画2の差の平均 Dˉ\bar D の分散を、σ2\sigma^2・ρ\rho・rr で表せ。(使う道具:第7章 線形結合の分散、本章 (16.3))
  2. (2) 平均摩耗量の差を δ=μA−μB\delta=\mu_A-\mu_B とする。H0:δ=0H_0:\delta=0、H1:δ>0H_1:\delta>0 を、計画1では XˉA−XˉB\bar X_A-\bar X_B、計画2では Dˉ\bar D を使う片側 zz 検定(有意水準 5%5\%)で検定する。それぞれの検出力を δ\delta と rr の式で書け。(使う道具:本章 定理 16.4)
  3. (3) δ=2\delta=2 を検出力 0.80.8 以上で検出するのに必要な rr を、それぞれの計画で求めよ。被験者の合計人数で比べよ。(使う道具:本章 定理 16.6)
  4. (4) 計画2で、左右のどちらを A にするかをくじで決める理由を述べよ。また、計画2のデータを、対応を無視して計画1と同じ2群の比較として分析すると何が起きるかを、(1) の分散を使って説明せよ。(使う道具:本章 §16.1、第10章 対応のある比較)
解答

(1) 計画1では XˉA\bar X_A と XˉB\bar X_B は別の被験者の平均で独立なので、V[XˉA−XˉB]=σ2/r+σ2/r=2σ2/r=32/rV[\bar X_A-\bar X_B]=\sigma^2/r+\sigma^2/r=2\sigma^2/r=32/r である。計画2では、被験者 jj の左右の差 Dj=XAj−XBjD_j=X_{Aj}-X_{Bj} の分散は、第7章の公式 V[X−Y]=V[X]+V[Y]−2Cov(X,Y)V[X-Y]=V[X]+V[Y]-2\mathrm{Cov}(X,Y) と Cov=ρσ2\mathrm{Cov}=\rho\sigma^2 から 2σ2(1−ρ)2\sigma^2(1-\rho) である。被験者どうしは独立なので V[Dˉ]=2σ2(1−ρ)/r=32×0.4/r=12.8/rV[\bar D]=2\sigma^2(1-\rho)/r=32\times0.4/r=12.8/r である。

(2) どちらの計画でも、検定統計量は「差の推定量 ÷ その標準偏差」で、H0H_0 のもとで N(0,1)\mathrm{N}(0,1) に従う。標準偏差を τ1=32/r\tau_1=\sqrt{32/r}、τ2=12.8/r\tau_2=\sqrt{12.8/r} とすると、定理 16.4 の σ/n\sigma/\sqrt n を τk\tau_k に置き換えて

計画1: Φ ⁣(δ32/r−1.645),計画2: Φ ⁣(δ12.8/r−1.645)\text{計画1}:\ \Phi\!\left(\frac{\delta}{\sqrt{32/r}}-1.645\right),\qquad \text{計画2}:\ \Phi\!\left(\frac{\delta}{\sqrt{12.8/r}}-1.645\right)

である。同じ rr なら、計画2の方が括弧の中が 1/0.4=1.581/\sqrt{0.4}=1.58 倍大きく、検出力が高い。

(3) 条件は δ/τk−1.645≥z0.2=0.8416\delta/\tau_k-1.645\ge z_{0.2}=0.8416、すなわち δ/τk≥2.4865\delta/\tau_k\ge2.4865 である。計画1では 2r/32≥2.48652\sqrt r/\sqrt{32}\ge2.4865 から

r≥32×2.486524=8×6.1827=49.46r\ge\frac{32\times2.4865^2}{4}=8\times6.1827=49.46

で r=50r=50、被験者は 100100 人要る。計画2では r≥12.8×6.1827/4=19.78r\ge12.8\times6.1827/4=19.78 で r=20r=20、被験者は 2020 人でよい。対にすることで、被験者の人数は5分の1になった。人数の比 100:20100:20 は、分散の比 (1−ρ)=0.4(1-\rho)=0.4 に加えて、計画2では1人が2つの測定を出すことによる2倍とを掛けたもの(2.5×2=52.5\times2=5)である。

(4) 左右の足には、利き足かどうかや歩き方の癖によって、研究者が把握していない違いがありうる。いつも A を右足に履かせると、右足の摩耗が大きい場合に、その違いが素材の差に混ざって偏りになる。くじで左右を決めれば、命題 16.2 と同じ理由で、左右の違いは偏りでなく平均 00 の誤差になる。これは局所管理(被験者をブロックにする)と無作為化(ブロックの中の割り付け)を組み合わせた設計である。対応を無視して XˉA−XˉB\bar X_A-\bar X_B の分散を 2σ2/r=32/r2\sigma^2/r=32/r として検定すると、本当の分散 12.8/r12.8/r の2.5倍を使うことになる。検定統計量の分母が 2.5=1.58\sqrt{2.5}=1.58 倍に大きく見積もられる。r=20r=20、δ=2\delta=2 では、統計量 Dˉ/32/20\bar D/\sqrt{32/20} は平均 2/1.6=1.5812/\sqrt{1.6}=1.581、標準偏差 12.8/32=0.632\sqrt{12.8/32}=0.632 の正規分布に従うので、棄却する確率は Φ((1.581−1.645)/0.632)=Φ(−0.10)=0.46\Phi\bigl((1.581-1.645)/0.632\bigr)=\Phi(-0.10)=0.46 に下がる。これは計画1を各群 2020 人で行ったときの検出力 Φ(1.581−1.645)=0.47\Phi(1.581-1.645)=0.47 と同じ程度である。H0H_0 のもとで棄却する確率も P(Z≥1.645/0.632)=P(Z≥2.60)=0.005P(Z\ge1.645/0.632)=P(Z\ge2.60)=0.005 となり、有意水準 0.050.05 を使い切らない。被験者の歩き方の違いを差の中で引き算できるという計画2の利点が、分析で失われる。

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