数理統計 第2章 §2.7
2.1-1 (a) 分布関数である。3性質を順に確かめる。
- 単調性:e−x は減少関数なので −e−x は増加し、指数関数も増加なので、合成は狭義増加である。
- 右連続性:連続なので右連続。
- 左端:x→−∞ で e−x→∞ なので、分布関数は0に近づく。
- 右端:x→∞ で e−x→0 なので、分布関数は1に近づく。
3性質を満たす(Gumbel 分布)。
(b) 分布関数でない。F(0)=1 で、0<x<1 では
F′(x)=−e−x+xe−x=−(1−x)e−x<0
なので、区間 (0,1) で減少し、単調非減少性を満たさない。例えば F(1)=1−e−1=0.632<F(0) である。2. 2.1-2 跳びは式 (2.2) から読む。
P(X=1)P(X=2)P(X<1)P(1/2<X≤3/2)=F(1)−F(1−)=1/2−1/4=1/4,=F(2)−F(2−)=1−(1/2+1/4)=1/4,=F(1−)=1/4,=F(3/2)−F(1/2)=(1/2+1/8)−1/16=9/16.
最後の区間には点1の跳び 1/4 が含まれ、残り 5/16 が連続部分の確率である。全体では跳びの合計が 1/2、連続部分の確率が 1/2 の混合型である。3. 2.1-3 連続で狭義増加な分布関数では F−=F−1 なので、方程式 F(x)=u を解けばよい。
- (a) 1−e−λx=u から x=−log(1−u)/λ。よって X=−log(1−U)/λ∼Ex(λ)。1−U も一様分布に従うので、X=−logU/λ でもよい。
- (b) 1−x−a=u から x=(1−u)−1/a。よって X=(1−U)−1/a。
- (c) コーシー分布の分布関数は
F(x)=∫−∞xπ(1+t2)dt=21+π1arctanx.
F(x)=u から x=tan(π(u−1/2))。よって X=tan(π(U−1/2))。4. 2.1-4 増加列 hn↓0 を取り、An={X≤x−hn} とおく。An は増加列で、和集合は {X<x} である。理由は次の2つである。
- X(ω)<x なら、十分大きい番号で X(ω)≤x−hn。
- 逆に X(ω)≤x−hn なら X(ω)<x。
確率の連続性(増加列の確率は和集合の確率に収束する)から、F(x−hn)=P(An)→P(X<x)。分布関数は単調なので左極限 F(x−) が存在し、特定の列での極限と一致する。よって F(x−)=P(X<x)。5. 2.2-1 部分分数 k(k+1)1=k1−k+11 から
k=1∑Kk(k+1)1=1−K+11→1.
よって c=1。なお ∑kk⋅k(k+1)1=∑kk+11=∞ なので、この分布は期待値を持たない。6. 2.2-2 ∫0∞(1+x)−3dx=[−21(1+x)−2]0∞=21 なので C=2。分布関数は
F(x)=∫0x2(1+t)−3dt=1−(1+x)−2(x>0),F(x)=0(x≤0).
中央値は 1−(1+m)−2=1/2 を解いて、m=2−1=0.4142。7. 2.2-3 式 (2.7) から
Fˉ(x)=exp(−∫0x2tdt)=e−x2.
よって非負の範囲で分布関数は F(x)=1−e−x2 で、密度は 2xe−x2 である。確率は
P(X>1)=e−1=0.3679,P(X>2∣X>1)=e−4/e−1=e−3=0.0498.
2つの値が異なるので、無記憶性は成り立たない。ハザードが時間とともに増える(摩耗する)ので、生き残った個体ほど故障しやすい。8. 2.2-4 裾の確率は次のとおりである(最初の n 回がすべて失敗する確率と読んでもよい)。
P(X>n)=k=n+1∑∞p(1−p)k−1=p(1−p)n⋅1−(1−p)1=(1−p)n
{X>m+n}⊂{X>m} なので
P(X>m+n∣X>m)=P(X>m)P(X>m+n)=(1−p)m(1−p)m+n=(1−p)n=P(X>n).
9. 2.3-1 被積分関数は偶関数なので
∫−∞∞π(1+x2)∣x∣dx=π2∫0∞1+x2xdx=π2R→∞lim21log(1+R2)=∞.
絶対積分が発散するので、定義 2.8 により期待値は存在しない。10. 2.3-2 2.2-4 の解答から P(X≥k)=P(X>k−1)=(1−p)k−1。裾の公式で
E[X]=k≥1∑(1−p)k−1=1/p.
次に q=1−p と置き、公式 ∑k≥1k(k−1)qk−2=dq2d2∑k≥0qk=2/(1−q)3 を使う。
E[X(X−1)]V[X]=k∑k(k−1)pqk−1=pq⋅p32=p22q,=E[X(X−1)]+E[X]−E[X]2=p22q+p1−p21=p22q+p−1=p2q=p21−p.
11. 2.3-3 k+11⋅k!λk=λ1⋅(k+1)!λk+1 なので
E[X+11]=λe−λk=0∑∞(k+1)!λk+1=λe−λ(eλ−1)=λ1−e−λ.
12. 2.3-4 k=∑j=1k1 と書くと
E[X]=k=1∑∞kP(X=k)=k=1∑∞j=1∑kP(X=k).
項はすべて非負なので、和の順序を入れ替えてよい。j を固定して k≥j について足すと
j=1∑∞k=j∑∞P(X=k)=j=1∑∞P(X≥j).
13. 2.4-1 (a) t=0 で M(t)=∫01etxdx=(et−1)/t。また M(0)=1。(b) 密度は区間 (−1,1) で 1/2 なので
φ(t)=21∫−11(costx+isintx)dx.
正弦の項は奇関数で積分は0である。残りは 21∫−11costxdx=21⋅t2sint=tsint。14. 2.4-2 二項定理から
G(s)=k=0∑n(kn)pk(1−p)n−ksk=(1−p+ps)n.
微分すると次のようになる。
G′(s)=np(1−p+ps)n−1,G′′(s)=n(n−1)p2(1−p+ps)n−2
s=1 を代入して E[X]=np, E[X(X−1)]=n(n−1)p2。よって
V[X]=n(n−1)p2+np−n2p2=np−np2=np(1−p).
15. 2.4-3 t<λ で、∣t∣<λ なら級数にも展開できる。
M(t)=∫0∞λe−(λ−t)xdx=λ−tλ=k=0∑∞λktk
tk/k! の係数を比べると、E[Xk]=k!/λk を得る。μ=1/λ として
E[(X−μ)3]V[X]=E[X3]−3μE[X2]+3μ2E[X]−μ3=λ36−6+3−1=λ32,=2/λ2−1/λ2=1/λ2.
歪度は (2/λ3)/(1/λ3)=2 で、母数によらない。16. 2.4-4 (a) 式 (2.19) から
E[Y]V[Y]=MX(1)=eμ+σ2/2,E[Y2]=MX(2)=e2μ+2σ2,=e2μ+2σ2−e2μ+σ2=e2μ+σ2(eσ2−1).
μ=0,σ=1 では E[Y]=e1/2=1.6487, V[Y]=e(e−1)=4.6708。
(b) t>0 とする。もとの正規分布の密度で書くと
E[etY]=∫−∞∞exp{tex−2σ2(x−μ)2}2πσdx.
x→∞ で、指数の第1項は第2項より速く増える(指数関数は任意の多項式より速く増える)。よってある点より右で被積分関数は 1/(2πσ) 以上になり、積分は発散する。17. 2.4-5 正規分布。積率母関数は次のように n 乗の形に書ける。
exp(μt+σ2t2/2)={exp(nμt+nσ22t2)}n
括弧の中は N(μ/n,σ2/n) の積率母関数である。したがってこの分布に従う独立な n 個の和は、一意性から N(μ,σ2) に従う。
ガンマ分布。t<1/β で
(1−βt)−α={(1−βt)−α/n}n
で、括弧の中は Ga(α/n,β) の積率母関数である(例題 2.4)。よって Ga(α/n,β) に従う独立な確率変数の和が、Ga(α,β) に従う。どちらも任意の n で成り立つので、無限分解可能である。18. 2.5-1 もとの確率関数は P(X=0)=P(X=3)=1/8、P(X=1)=P(X=2)=3/8。変換 Y=(X−1)2 は、値 0, 1, 2, 3 をそれぞれ 1, 0, 1, 4 に移す。同じ値に移る点の確率を足すと次のようになる。
P(Y=0)=3/8,P(Y=1)=P(X=0)+P(X=2)=1/8+3/8=1/2,P(Y=4)=1/8
合計は1である。19. 2.5-2 もとの密度は区間 (−1,2) で 1/3。変換後の台は [0,4) である。値の範囲で分ける。
- 0<y<1:正負の両方の逆像が台に入るので、式 (2.25) から fY(y)=2y1/3+1/3=3y1。
- 1<y<4:負の側の −y<−1 は台の外なので、正の側だけが寄与する。fY(y)=2y1/3=6y1。
- それ以外では0。
積分は次のとおり1になる。
∫013ydy+∫146ydy=32+31(2−1)=1
20. 2.5-3 平方根は正の範囲で増加で、逆関数は x=y2、微分係数は 2y である。よって
fY(y)=e−y2⋅2y=2ye−y2(y>0).
(a) 部分積分で
E[Y]=∫0∞2y2e−y2dy=[−ye−y2]0∞+∫0∞e−y2dy=2π.
(b) もとの密度で積分すると
E[X]=∫0∞x1/2e−xdx=Γ(3/2)=21Γ(1/2)=2π=0.8862.
両者は一致する。21. 2.5-4 正接は区間 (−π/2,π/2) で狭義増加で、値域は R。逆関数は x=arctany、微分係数は 1/(1+y2)。もとの密度は 1/π なので
fY(y)=π1⋅1+y21(y∈R).
22. 2.5-5 変換 g(u)=−2logu は区間 (0,1) で狭義減少で、値域は正の実数全体である。逆関数は u=e−y/2、微分係数の絶対値は 21e−y/2。一様分布の密度は1なので
fY(y)=21e−y/2(y>0).
これは Ex(1/2)=Ga(1,2)=Ga(2/2,2) で、自由度2のカイ二乗分布 χ22 である。
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