物理のための微分幾何入門 第4章 §4.6
- 4.1-1 定理 4.4 より、次元は nr+s=41+2=64 である。
- 4.1-2 0 でない成分は Txx=2, Txy=1, Tyx=−3 の3つである。
(Tij)=(2−310),T(u,v)=Tijuivj=2⋅1⋅3+1⋅1⋅(−1)+(−3)⋅2⋅3=6−1−18=−13
3. 4.1-3 成分で書くと、条件は αiβj=βiαj がすべての添字の組で成り立つことである。比例 β=cα のときは、両辺はともに cαiαj で、条件は成り立つ。
逆を示す。1形式 α は 0 でないので、0 でない成分 αk がある。条件で j=k とおくと、すべての i について次の式が成り立つ。
βi=αkβkαi
定数を c=βk/αk とおけば、β=cα である。4. 4.1-4 命題 4.5 より、表現行列の成分は Nij=ei(e1)e2(ej)=δ1iδj2 である。
A=(0010),A2=(0000)
写像としては Ae2=e1, Ae1=0 である。2回続けると、どちらの基底ベクトルも 0 に写るので、A2=0 がわかる。5. 4.2-1 列が新しい基底の成分になる行列と、その逆行列は次のとおりである。
A=(1101),B=(1−101)
ベクトルの新しい成分は v′=Bv である。
v′=(1−101)(35)=(32)
確かに 3e1′+2e2′=3e1+3e2+2e2=3e1+5e2 である。
1形式の新しい成分は αi′=α(ei′) である。計算すると α1′=α(e1+e2)=2, α2′=α(e2)=1 となる。元の基底では 1⋅3+1⋅5=8、新しい基底では 2⋅3+1⋅2=8 で、値は一致する。6. 4.2-2 極座標の関係 x=rcosθ, y=rsinθ を微分すると、次のようになる。
dx=cosθdr−rsinθdθ,dy=sinθdr+rcosθdθ
これを代入して展開すると、交差項は −rsinθcosθ+rsinθcosθ=0 で消える。
g=dr⊗dr+r2dθ⊗dθ,(gij′)=(100r2)
行列で g′=ATA を計算しても、同じ結果になる(行列は例題 4.2 のもの)。7. 4.2-3 変換則 (4.4) を (2,1) 型に当てはめ、下の添字を上の第2添字にそろえる。
T′ikk=BiaBkbAckTabc
積 BkbAck は (AB)cb=δbc である。したがって右辺は BiaTabb=Biawa になる。これはベクトルの変換則である。8. 4.2-4 行列で書くと TikTki=Tr(T2) である。新しい基底では T′=BTA なので、T′2=BTABTA=BT2A となる。トレースの性質から Tr(BT2A)=Tr(T2AB)=TrT2 で、値は変わらない。
例題 4.2 のテンソルでは、直交座標で J2=−1(単位行列の −1 倍)である。したがって値は −2 である。極座標でも次のように同じ値になる。
J′2=(01/r−r0)2=(−100−1),TrJ′2=−2
9. 4.3-1 命題 4.11 の式を成分に当てはめる。
(T(ij))=(1333),(T[ij])=(0−110)
和をとると元の行列に戻る。10. 4.3-2 和の添字の名前を入れ替えても和は変わらない。
SijAij=SjiAji=Sij(−Aij)=−SijAij
2つ目の等号で、2つのテンソルの対称性と反対称性を使った。自分の符号を変えたものに等しい数は 0 である。11. 4.3-3 引張り応力は σ0=100N/(1.0×10−6m2)=1.0×108Pa である。角度が 30∘ では、2つの三角関数の値は次のとおりである。
cos2ϕ=43,sinϕcosϕ=43
したがって2つの応力は次の値になる。
σn=43σ0=7.5×107Pa,τ=43σ0=4.3×107Pa
面に沿う応力の最大値は、45∘ での σ0/2=5.0×107Pa である。12. 4.3-4 計量は対角なので、添字を上げると時間の添字を1つ含む成分だけ符号が変わる。
F0i=−F0i,Fij=Fij(i,j=1,2,3)
これを使って和を分ける。
FμνFμν=2i∑F0iF0i+i=j∑FijFij=−2i∑c2Ei2+2(Bz2+Bx2+By2)
第1項の係数2は、成分 F0i と Fi0 の2つから出る。第2項は、空間の添字の3つの組が順序の違いで2回ずつ現れる。したがって FμνFμν=2(B2−E2/c2) である。13. 4.3-5 式 Aij=ϵijlal の両辺に 21ϵkij を掛け、2つの添字について和をとる。
21ϵkijAij=21ϵkijϵijlal=21⋅2δklal=ak
例として第3成分を書くと、次のようになる。
a3=21(ϵ312A12+ϵ321A21)=21(A12−A21)=A12
14. 4.4-1 なりえない。命題 4.15 により、テンソル場の成分が1つの座標ですべて 0 なら、ほかのどの座標でもすべて 0 である。極座標で 0 でない成分があるので、この量はテンソル場ではない(Christoffel 記号がその例である)。15. 4.4-2 位置ベクトルは X=(u,v+u2) である。
eu=∂u∂X=(1,2u),ev=∂v∂X=(0,1)
微分すると ∂ueu=(0,2)=2ev で、ほかの3つの微分は 0 である。定義 (4.19) から、0 でない Christoffel 記号は Γvuu=2 だけである。座標線のうち一方は直線だが、もう一方の座標線(v が一定の線)が放物線なので、記号は 0 にならない。16. 4.4-3 極座標で書くと r=b2+w2t2, θ=arctan(wt/b) である。微分すると次のようになる。
r˙=rw2t,r¨=r3w2b2,θ˙=r2bw,θ¨=−r42bw3t
とくに r¨=w2b2/r3 は正で、0 でない。
一方、向心の項は rθ˙2=b2w2/r3 なので、動径成分は ar=r¨−rθ˙2=0 である。また (2/r)r˙θ˙=2bw3t/r4 なので、角度成分も aθ=0 である。力の働かない運動の加速度は、どの座標でも 0 になる。17. 4.4-4 1形式の変換則 ∂j′f=∂x′j∂xk∂kf を、もう1回微分する。
∂i′∂j′f=∂x′j∂xk∂x′i∂xl∂l∂kf+∂x′i∂x′j∂2xk∂kf
第1項は (0,2) 型の変換則で、第2項は一般に 0 でない。例として平面の関数 f=x をとると、直交座標では2階偏微分はすべて 0 である。極座標では f=rcosθ で、∂θ∂θf=−rcosθ は 0 でないので、命題 4.15 によりテンソルでない。
臨界点では ∂kf=0 なので、第2項が消えて (0,2) 型の変換則だけが残る。臨界点での2階微分が極小・極大・鞍点の判定に使えるのは、この値が座標に依らない対象だからである。
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