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2026年10月22日14分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第11章 曲率テンソル
目次
  1. 2次元球面
  2. 双曲平面と Poincaré 上半平面
  3. 物理の例:相対論の速度の空間
  4. 3次元球面
  5. 最大対称な空間
  6. 確認テスト
  7. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

物理のための微分幾何入門 第11章 §11.5 ★★ 球面・双曲平面・3次元球面の曲率を最後まで計算し、最大対称な空間の形 Rρσμν=k(gg−gg)R_{\rho\sigma\mu\nu}=k(gg-gg) にまとめる

2次元球面

半径 aa の球面の結果を集める。Christoffel 記号は §11.1 のとおりで、(11.8) と例題 11.2 から次を得る。

Rθφθφ=a2sin⁡2θ,K=1a2,Rμν=1a2gμν,R=2a2.(11.27)R_{\theta\varphi\theta\varphi}=a^2\sin^2\theta,\qquad K=\frac1{a^2},\qquad R_{\mu\nu}=\frac1{a^2}g_{\mu\nu},\qquad R=\frac2{a^2}.\tag{11.27}

球面はどの点もどの向きも同じなので、曲率が点にも向きにも依らないことは計算の前から予想できる。実際の計算では θ\theta が現れる成分も、計量で割ると定数になる。

双曲平面と Poincaré 上半平面

KK が負の定数になる2次元の面を双曲平面と呼ぶ。例題 11.1 の f=ℓsinh⁡(r/ℓ)f=\ell\sinh(r/\ell) はその1つの書き方である。もう1つの書き方として、上半平面 y>0y>0 に次の計量を置いたものがある。

ds2=ℓ2 dx2+dy2y2(y>0).(11.28)\mathrm{d} s^2=\ell^2\,\frac{\mathrm{d} x^2+\mathrm{d} y^2}{y^2}\qquad(y>0).\tag{11.28}

これを Poincaré 上半平面と呼ぶ。

例題 11.6 Poincaré 上半平面の曲率と測地線 ★★★

オリジナル計量 (11.28) について次を求めよ。

  1. 0でない Christoffel 記号。
  2. RxyxyR^x{}_{yxy}、Gauss 曲率 KK、Ricci テンソル、スカラー曲率。
  3. 中心が xx 軸上にある半円が、弧長 ss をパラメータとする測地線であること。半円の中心を x0x_0、半径を ρ\rho とし、次の形に書く。

x=x0+ρtanh⁡(s/ℓ),y=ρ/cosh⁡(s/ℓ).x=x_0+\rho\tanh(s/\ell),\qquad y=\rho/\cosh(s/\ell).

解答

(1) gxx=gyy=ℓ2/y2g_{xx}=g_{yy}=\ell^2/y^2 で、yy だけに依る。∂ygxx=∂ygyy=−2ℓ2/y3\partial_yg_{xx}=\partial_yg_{yy}=-2\ell^2/y^3 を (11.1) に入れると、0でないのは次の3種類である。

Γxxy=Γxyx=−1y,Γyxx=1y,Γyyy=−1y.\Gamma^x{}_{xy}=\Gamma^x{}_{yx}=-\frac1y,\qquad \Gamma^y{}_{xx}=\frac1y,\qquad \Gamma^y{}_{yy}=-\frac1y .

(2) 接続は xx に依らないので、(11.3) の ∂x\partial_x の項は消える。

Rxyxy=−∂yΓxxy+ΓxxλΓλyy−ΓxyλΓλxy.R^x{}_{yxy}=-\partial_y\Gamma^x{}_{xy}+\Gamma^x{}_{x\lambda}\Gamma^\lambda{}_{yy}-\Gamma^x{}_{y\lambda}\Gamma^\lambda{}_{xy}.

積の項で0でないのは ΓxxyΓyyy=1/y2\Gamma^x{}_{xy}\Gamma^y{}_{yy}=1/y^2 と ΓxyxΓxxy=1/y2\Gamma^x{}_{yx}\Gamma^x{}_{xy}=1/y^2 である。

Rxyxy=−1y2+1y2−1y2=−1y2.R^x{}_{yxy}=-\frac1{y^2}+\frac1{y^2}-\frac1{y^2}=-\frac1{y^2}.

添字を下げると Rxyxy=(ℓ2/y2)(−1/y2)=−ℓ2/y4R_{xyxy}=(\ell^2/y^2)(-1/y^2)=-\ell^2/y^4 である。det⁡g=ℓ4/y4\det g=\ell^4/y^4 で割ると

K=−1ℓ2,Rμν=−1ℓ2gμν,R=−2ℓ2K=-\frac1{\ell^2},\qquad R_{\mu\nu}=-\frac1{\ell^2}g_{\mu\nu},\qquad R=-\frac2{\ell^2}

を得る。後の2つは命題 11.11 による。

(3) 半円の上では (x−x0)2+y2=ρ2(tanh⁡2+cosh⁡−2)=ρ2(x-x_0)^2+y^2=\rho^2(\tanh^2+\cosh^{-2})=\rho^2 である。速度の成分と速さは次のとおりである(双曲線関数の引数は s/ℓs/\ell)。

x˙=ρℓcosh⁡−2,y˙=−ρℓsinh⁡cosh⁡−2,ℓ2y2(x˙2+y˙2)=ℓ2cosh⁡2ρ2⋅ρ2ℓ21+sinh⁡2cosh⁡4=1.\dot x=\frac\rho\ell\cosh^{-2},\qquad \dot y=-\frac\rho\ell\sinh\cosh^{-2},\qquad \frac{\ell^2}{y^2}(\dot x^2+\dot y^2)=\frac{\ell^2\cosh^2}{\rho^2}\cdot\frac{\rho^2}{\ell^2}\frac{1+\sinh^2}{\cosh^4}=1 .

したがって ss は弧長である。

測地線の方程式 (11.2) は次の2本である。

x¨−2yx˙y˙=0,y¨+1yx˙2−1yy˙2=0.\ddot x-\frac2y\dot x\dot y=0,\qquad \ddot y+\frac1y\dot x^2-\frac1y\dot y^2=0 .

u=s/ℓu=s/\ell と書くと、1本目の2つの項は次のように等しい。

x¨=−2ρℓ2sinh⁡ucosh⁡3u,2yx˙y˙=2cosh⁡uρ⋅ρℓcosh⁡2u⋅(−ρsinh⁡uℓcosh⁡2u)=−2ρℓ2sinh⁡ucosh⁡3u.\ddot x=-\frac{2\rho}{\ell^2}\frac{\sinh u}{\cosh^3u},\qquad \frac2y\dot x\dot y=\frac{2\cosh u}{\rho}\cdot\frac{\rho}{\ell\cosh^2u}\cdot\Bigl(-\frac{\rho\sinh u}{\ell\cosh^2u}\Bigr)=-\frac{2\rho}{\ell^2}\frac{\sinh u}{\cosh^3u}.

2本目は y¨=(y˙2−x˙2)/y\ddot y=(\dot y^2-\dot x^2)/y と書け、両辺は次のように等しい。

y¨=ρℓ2sinh⁡2u−1cosh⁡3u=y˙2−x˙2y.\ddot y=\frac{\rho}{\ell^2}\frac{\sinh^2u-1}{\cosh^3u}=\frac{\dot y^2-\dot x^2}{y}.

図

図 11.5 Poincaré 上半平面の測地線。xx 軸に中心を持つ半円(赤)と縦の直線(青)が測地線である。y→0y\to0 に近づくほど計量 ℓ2/y2\ell^2/y^2 が大きくなるので、xx 軸までの距離は無限大になる(確認テスト 11.5-3)。右端の目盛り y=0.4,0.8,1.6,3.2y=0.4,0.8,1.6,3.2 の隣どうしの間の長さは、どれも ℓln⁡2\ell\ln2 である。

この面の三角形は、内角の和が π\pi より小さい。不足分は面積の 1/ℓ21/\ell^2 倍で、これは第15章 §15.1 の局所の Gauss–Bonnet の定理の負の曲率の場合である。平行線の公理が成り立たない幾何の模型として、Poincaré 上半平面は数学の歴史の上でも重要である。

物理の例:相対論の速度の空間

特殊相対論で、粒子の取り得る4元速度の全体は、uμuμ=c2u^\mu u_\mu=c^2 を満たす点の集合である。これは Minkowski 空間の中の双曲面で、c=1c=1 の単位で u=(cosh⁡η, sinh⁡η n)u=(\cosh\eta,\ \sinh\eta\,\bm n) と書ける。η\eta はラピディティ、n\bm n は運動の向きを表す単位ベクトルである。

Minkowski 計量 (+,−,−,−)(+,-,-,-) をこの双曲面に制限すると、次の計算になる。

(du0)2−∣du∣2=sinh⁡2η dη2−(cosh⁡2η dη2+sinh⁡2η ∣dn∣2)=−(dη2+sinh⁡2η ∣dn∣2).(\mathrm{d} u^0)^2-\lvert\mathrm{d}\bm u\rvert^2=\sinh^2\eta\,\mathrm{d}\eta^2-\bigl(\cosh^2\eta\,\mathrm{d}\eta^2+\sinh^2\eta\,\lvert\mathrm{d}\bm n\rvert^2\bigr) =-\bigl(\mathrm{d}\eta^2+\sinh^2\eta\,\lvert\mathrm{d}\bm n\rvert^2\bigr).

符号を反転したものは正定値で、速度の空間の自然な計量になる。

運動を1つの平面に限ると ∣dn∣2=dφ2\lvert\mathrm{d}\bm n\rvert^2=\mathrm{d}\varphi^2 で、計量は dη2+sinh⁡2η dφ2\mathrm{d}\eta^2+\sinh^2\eta\,\mathrm{d}\varphi^2 になる。これは例題 11.1 の f=sinh⁡ηf=\sinh\eta の場合で、K=−1K=-1 の双曲平面である(確認テスト 11.5-2)。原点(静止)から速さ uu の点までの距離は η=artanh⁡u\eta=\operatorname{artanh}u で、速さの合成がラピディティの和になる性質の幾何的な表現になっている。

速度の空間が曲がっていることには物理的な帰結がある。ブーストを次々と合成して静止に戻ると、空間の向きが回って戻る。これは速度の空間での平行移動のホロノミーで、Thomas–Wigner 回転と呼ばれる。名前と現象は『相対論入門』第2章 §2.4 にある。

3次元球面

4次元の Euclid 空間の中の、半径 aa の3次元球面を S3S^3 と書く。3つの角 χ,θ,φ\chi,\theta,\varphi を使うと、その計量は次の形になる。

ds2=a2(dχ2+sin⁡2χ (dθ2+sin⁡2θ dφ2)),0≤χ≤π.(11.29)\mathrm{d} s^2=a^2\bigl(\mathrm{d}\chi^2+\sin^2\chi\,(\mathrm{d}\theta^2+\sin^2\theta\,\mathrm{d}\varphi^2)\bigr),\qquad 0\le\chi\le\pi .\tag{11.29}

χ\chi を固定した面は半径 asin⁡χa\sin\chi の2次元球面である。

例題 11.7 3次元球面の曲率 ★★

オリジナル計量 (11.29) について次を求めよ。

  1. 0でない Christoffel 記号。
  2. RχθχθR^\chi{}_{\theta\chi\theta} と RθφθφR^\theta{}_{\varphi\theta\varphi}。
  3. Ricci テンソルとスカラー曲率。結果を Rρσμν=k(gρμgσν−gρνgσμ)R_{\rho\sigma\mu\nu}=k(g_{\rho\mu}g_{\sigma\nu}-g_{\rho\nu}g_{\sigma\mu}) の形と比べよ。
解答

(1) s=sin⁡χs=\sin\chi、c=cos⁡χc=\cos\chi と略す。(11.1) から、下の添字の対称性を除いて0でないのは次の6つである。

Γχθθ=−sc,Γχφφ=−scsin⁡2θ,Γθχθ=Γφχφ=cs,Γθφφ=−sin⁡θcos⁡θ,Γφθφ=cot⁡θ.\Gamma^\chi{}_{\theta\theta}=-sc,\quad \Gamma^\chi{}_{\varphi\varphi}=-sc\sin^2\theta,\quad \Gamma^\theta{}_{\chi\theta}=\Gamma^\varphi{}_{\chi\varphi}=\frac cs,\quad \Gamma^\theta{}_{\varphi\varphi}=-\sin\theta\cos\theta,\quad \Gamma^\varphi{}_{\theta\varphi}=\cot\theta .

(2) まず RχθχθR^\chi{}_{\theta\chi\theta} を求める。∂θΓχχθ=0, Γχχλ=0\partial_\theta\Gamma^\chi{}_{\chi\theta}=0,\ \Gamma^\chi{}_{\chi\lambda}=0 なので

Rχθχθ=∂χΓχθθ−ΓχθθΓθχθ=−(c2−s2)+sc⋅cs=s2.R^\chi{}_{\theta\chi\theta}=\partial_\chi\Gamma^\chi{}_{\theta\theta}-\Gamma^\chi{}_{\theta\theta}\Gamma^\theta{}_{\chi\theta} =-(c^2-s^2)+sc\cdot\frac cs=s^2 .

次に RθφθφR^\theta{}_{\varphi\theta\varphi} では、積の項のうち λ=χ,φ\lambda=\chi,\varphi のものが残る。

Rθφθφ=∂θΓθφφ+ΓθθχΓχφφ−ΓθφφΓφθφ=(sin⁡2θ−cos⁡2θ)−c2sin⁡2θ+cos⁡2θ=s2sin⁡2θ.R^\theta{}_{\varphi\theta\varphi}=\partial_\theta\Gamma^\theta{}_{\varphi\varphi}+\Gamma^\theta{}_{\theta\chi}\Gamma^\chi{}_{\varphi\varphi}-\Gamma^\theta{}_{\varphi\varphi}\Gamma^\varphi{}_{\theta\varphi} =(\sin^2\theta-\cos^2\theta)-c^2\sin^2\theta+\cos^2\theta=s^2\sin^2\theta .

同じ計算で Rχφχφ=s2sin⁡2θR^\chi{}_{\varphi\chi\varphi}=s^2\sin^2\theta も得られる。

(3) 添字を下げると Rχθχθ=a2s2R_{\chi\theta\chi\theta}=a^2s^2 で、これは gχχgθθ/a2g_{\chi\chi}g_{\theta\theta}/a^2 に等しい。ほかの成分も同じく (gρμgσν−gρνgσμ)/a2(g_{\rho\mu}g_{\sigma\nu}-g_{\rho\nu}g_{\sigma\mu})/a^2 に一致し、k=1/a2k=1/a^2 である。Ricci は、たとえば Rχχ=Rθχθχ+Rφχφχ=1+1=2R_{\chi\chi}=R^\theta{}_{\chi\theta\chi}+R^\varphi{}_{\chi\varphi\chi}=1+1=2 で、2gχχ/a22g_{\chi\chi}/a^2 に等しい。したがって

Rμν=2a2gμν,R=6a2R_{\mu\nu}=\frac2{a^2}g_{\mu\nu},\qquad R=\frac6{a^2}

を得る。

S3S^3 は、一様等方で正に曲がった宇宙の空間部分の模型になる。宇宙の時間発展を含めた計量(FLRW 計量)は『相対論入門』第14章 §14.1 で扱う。

最大対称な空間

ここまでの例はどれも Rρσμν=k(gρμgσν−gρνgσμ)R_{\rho\sigma\mu\nu}=k(g_{\rho\mu}g_{\sigma\nu}-g_{\rho\nu}g_{\sigma\mu}) の形をとった。この形の空間では、断面曲率 (11.18) がどの点のどの面でも kk になる。このような空間を最大対称な空間(定曲率空間)と呼ぶ。

表 11.2 最大対称な空間の曲率。最後の行は確認テスト 11.5-1 で導く。
空間計量kkRμνR_{\mu\nu}RR
平面・Rn\mathbb{R}^nδij\delta_{ij}000000
球面 S2S^2(11.27)1/a21/a^2g/a2g/a^22/a22/a^2
双曲平面 H2H^2(11.28)−1/ℓ2-1/\ell^2−g/ℓ2-g/\ell^2−2/ℓ2-2/\ell^2
3次元球面 S3S^3(11.29)1/a21/a^22g/a22g/a^26/a26/a^2
一般の nn 次元—kk(n−1)kg(n-1)kgn(n−1)kn(n-1)k

確認テスト

オリジナル

  1. 11.5-1 nn 次元で、Riemann テンソルが Rρσμν=k(gρμgσν−gρνgσμ)R_{\rho\sigma\mu\nu}=k(g_{\rho\mu}g_{\sigma\nu}-g_{\rho\nu}g_{\sigma\mu}) の形をとるとする。このとき Rμν=(n−1)k gμνR_{\mu\nu}=(n-1)k\,g_{\mu\nu} と R=n(n−1)kR=n(n-1)k を示せ。
  2. 11.5-2 速度の空間の計量 dη2+sinh⁡2η dφ2\mathrm{d}\eta^2+\sinh^2\eta\,\mathrm{d}\varphi^2 の Gauss 曲率を求めよ。また、速さ uu に対応するラピディティを η=artanh⁡u\eta=\operatorname{artanh}u とする(光速を1とする単位)。このとき sinh⁡η=u/1−u2\sinh\eta=u/\sqrt{1-u^2} を示せ。
  3. 11.5-3 Poincaré 上半平面 (11.28) で、縦の直線 x=x0x=x_0 が測地線であることを示せ。その上で y=1y=1 から y=y0<1y=y_0<1 までの長さを求めよ。y0→0y_0\to0 でどうなるか。
  4. 11.5-4 3次元球面 (11.29) の全体積を求めよ。

木下の勉強ステータス

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