相対論入門 第5章 §5.6
- 5.1-1 γu=1/1−0.64=5/3 なので、uμ=γu(c,0,0.8c,0)=(35c, 0, 34c, 0)。大きさは uμuμ=925c2−916c2=c2 である。
- 5.1-2 β=0.6、γ=1.25 で (5.5) を使う。元の成分は
u0=35c,u1=0,u2=34c
なので
u′0=1.25×35c=1225c,u′1=1.25×(0−0.6×35c)=−1.25c,u′2=34c,u′3=0.
3次元の速度は ux′=cu′1/u′0=−1.25×2512c=−0.6c、uy′=34×2512c=0.64c である。
速さは c0.36+0.4096=c0.7696≈0.877c、γu′=u′0/c=25/12≈2.083 である。確かめると 1/1−0.7696=1/0.2304=1/0.48=25/12 で一致する。x 成分は、系 K′ の速度を逆向きにしたものである。y 成分は、(5.6) の uy/γ=0.8c/1.25 と一致している。3. 5.1-3 γu=1/1−0.992=1/0.0199≈7.089 なので
pc=γucumec2≈7.089×0.99×0.511MeV≈3.59MeV.
すなわち p≈3.59MeV/c である。Newton 力学の meu は 0.99×0.511≈0.506MeV/c である。相対論の運動量はその γu≈7.1 倍である。4. 5.1-4 uμwμ は不変量なので、uμ の粒子の静止系で計算してよい。この系でのもう一方の粒子の速度を w とすると
uμ=(c,0),wμ=γw(c,w)
なので
uμwμ=c⋅γwc=γwc2≥c2.
γw≥1 で、等号は w=0 のときに限る。すなわち2つの粒子の速度が等しい(uμ=wμ)ときである。
この計算は同時に、uμwμ/c2 が γw に等しいことを示している。γw は、一方の粒子から見たもう一方の粒子の γ 因子である。u と w の役割を入れ替えても内積は同じなので、相対速度の大きさはどちらから見ても等しい。5. 5.2-1 E=(mc⋅c)2+(mc2)2=2mc2。速さは (5.18) から u=pc2/E=mc3/(2mc2)=c/2≈0.707c である。6. 5.2-2 γu=E/(mpc2)=1+T/(mpc2)=1+7.00×106/938.272≈7.46×103。1−u/c は、u/c=1−1/γu2≃1−1/(2γu2) から
1−cu≃2γu21=2×(7461.5)21≈8.98×10−9
である。展開の次の項は 1/(8γu4)∼10−17 程度で、3桁には影響しない。7. 5.2-3 β=u/c と書くと、求める条件は
(1−β2)−1/2−1β2/2=0.99
である。(5.16) から、分母は 21β2(1+43β2+⋯) である。したがって比はおよそ 1−43β2 である。43β2≈0.01 から β≈0.115 の見当がつく。
上の式を数値的に解くと β≈0.1154 である。電子では T=(γu−1)mec2=(1/1−0.11542−1)×511keV≈3.44keV にあたる。数 keV より大きなエネルギーの電子では、Newton 力学の運動エネルギーの誤差が1%を超える。8. 5.2-4 2粒子の4元運動量を p1μ=m1u1μ、p2μ=m2u2μ とすると
M2c2=(p1+p2)μ(p1+p2)μ=m12c2+m22c2+2m1m2u1μu2μ.
5.1-4 から u1μu2μ≥c2 なので
M2c2≥(m12+m22+2m1m2)c2=(m1+m2)2c2,
すなわち M≥m1+m2 である。等号は u1μ=u2μ、すなわち2粒子が同じ速度で動き、重心系で2つとも静止しているときに限る。(一方の質量が0の場合は 5.1-4 が使えない。そのときも (5.20) の右辺は、命題 5.6 の証明の不等式から (m1+m2)2c2 以上である。)9. 5.3-1 光子1つの不変質量は kμkμ=0 から0である。反応の後の電子と陽電子の不変質量は 5.2-4 から 2me>0 以上なので、不変質量の保存と両立しない。(原子核の近くでは、原子核が運動量を受け取るので対生成が起きる。)10. 5.3-2 (5.25) に、次の値(いずれも MeV)を入れる。
M=1115.683,m1=938.272,m2=139.570
M2−(m1+m2)2M2−(m1−m2)2=1244748.6−1161743.4=83005.2,=1244748.6−637924.9=606823.7
(単位は MeV2)で、
pc=2×1115.68383005.2×606823.7MeV≈2231.37224432MeV≈100.6MeV.
陽子のエネルギーは (5.24) から
Ep=2×1115.6831115.6832+938.2722−139.5702MeV≈943.65MeV
で、運動エネルギーは約 5.4MeV である。943.652−938.2722≈100.6 で、運動量と整合する。11. 5.3-3 (5.27) で ma=0(光子)、mb=mp とする。反応の後の質量の和は mp+mπ0 である。
Eγしきい=2mp(mp+mπ0)2−mp2c2=(mπ0+2mpmπ02)c2=134.977+2×938.272134.9772 MeV≈144.7MeV.
中性パイ中間子の静止エネルギーより約 9.7MeV 多く要る。その分が反応の後の重心の運動エネルギーになる。12. 5.3-4 電子の運動エネルギー E−E′ が最大になるのは、E′ が最小のときである。それは (5.28) で 1−cosθ が最大になる後方散乱 θ=π のときである。
Emin′=1+2E/(mec2)E=1+2.00/0.5111.00MeV≈4.9141.00MeV≈0.2035MeV
なので、電子の運動エネルギーの最大値は 1.00−0.2035≈0.7965MeV である。13. 5.3-5 入射粒子・標的・散乱後の2粒子の4元運動量を、順に p1,…,p4 とする。エネルギーは E1,…,E4 とする。実験室系では p2μ=(mc,0) である。保存則 p1+p2=p3+p4 の両辺の大きさを比べる。どの粒子も pμpμ=m2c2 を満たすので
p1μp2μ=p3μp4μ
である。左辺は mE1、右辺は E3E4/c2−p3⋅p4 なので
p3⋅p4=c2E3E4−mc2E1.
エネルギーの保存 E1+mc2=E3+E4 を使って E1 を消すと、分子は
E3E4−mc2(E3+E4)+m2c4=(E3−mc2)(E4−mc2)=T3T4
となる。散乱が起きて2粒子とも動いていれば、2つの運動エネルギーはともに正である。したがって p3⋅p4>0 で、2つの運動量のなす角は直角より小さい。
Newton 力学では、次の2つの保存則を使う。
∣p1∣2=∣p3∣2+∣p4∣2(運動エネルギー),p1=p3+p4(運動量)
ここから p3⋅p4=0 が出て、なす角は直角に等しい。運動エネルギーが静止エネルギーより十分小さいとき、相対論の結果の T3T4/c2 は ∣p3∣∣p4∣ より小さい。小さくなる割合は T/(mc2) の程度で、なす角は Newton 力学の直角に近づく。14. 5.4-1 (5.34) と uμ=γu(c,u) から
uμfμ=γuc⋅γucF⋅u−γuu⋅γuF=0.
一方、pμpμ=m2c2 を固有時で微分し、左辺に pμ=muμ を代入する。
2pμfμmuμfμuμfμ=2mc2dτdm=mc2dτdm=c2dτdm(pμ=muμ を代入)
したがって uμfμ=0 と dm/dτ=0 は同じ条件である。(5.34) は時間成分を仕事率 F⋅u から作っており、これは「力のした仕事がすべて運動エネルギーになり、静止エネルギーは変わらない」と仮定したことにあたる。15. 5.4-2 電場の大きさを E場=1.00×106V/m と書く。力 F=eE場 が一定である。したがって双曲線運動の式で α=eE場/me とする。γuu=αt から
t=αγuu=γucu⋅eE場mec,eE場mec=1.602×10−19×1.00×1069.109×10−31×2.998×108s≈1.705×10−9s.
5.1-3 から γuu/c=7.089×0.99≈7.018 なので t≈7.018×1.705×10−9s≈1.20×10−8s である。距離は (5.40) を γu で書き直した x=(c2/α)(γu−1)=(mec2/(eE場))(γu−1) を使う。mec2/e=0.511×106V なので mec2/(eE場)=0.511m で、
x≈0.511m×(7.089−1)≈3.11m.
これは、運動エネルギー T=(γu−1)mec2≈3.11MeV を、1 MV/m の電場で 3.11 m 進んで得ることと同じである。16. 5.4-3 粒子の瞬間静止系を K′ とする。K′ は K に対して標準配置で動く。その速さは β=u/c である。4元力は4元ベクトルなので、次のように変わる。
f′1=γ(f1−βf0)
元の系では (5.34) から f1=γuFx、f0=γuFxu/c である。さらに γ=γu、β=u/c なので
f′1=γu(γuFx−cuγuFxcu)=γu2(1−c2u2)Fx=Fx.
系 K′ では粒子が静止しているので γu′=1 である。したがって f′1=Fx′ で、Fx′=Fx である。17. 5.4-4 u(t)=αt/1+(αt/c)2 を微分すると
dtdu=1+(αt/c)2α−(1+(αt/c)2)3/2αt⋅α2t/c2=(1+(αt/c)2)3/2α.
γuu=αt から
γu2=1+c2γu2u2=1+(cαt)2
なので、du/dt=α/γu3 である。(5.38) で力と加速度が速度に平行な場合は、F=γu3mdu/dt である。ここに F=mα を入れると同じ du/dt=α/γu3 になり、整合している。18. 5.4-5 (5.38) から、平行な向きに要る力は γu3ma、垂直な向きに要る力は γuma である。比は γu2 である。u=0.6c では γu=1.25 である。したがって比は 1.252=1.5625 である。
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