相対論入門 第6章 §6.6
- 6.1-1 (6.6) から F02=−Ey/c。F13=−ϵ13kBk=−ϵ132B2=+By。下付きにすると、添字に0を1つ含む成分だけ符号が変わる(η11η33=(−1)(−1)=1)。したがって
F02=+cEy,F13=F13=By
である。行列 (6.7) の第0行第2列と第1行第3列を読んでも同じ値になる。2. 6.1-2 E=E0y^、B=0 を (6.12) に入れると
Ey′=γE0,Bz′=γ(0−c2vE0)=−cγβE0,
ほかは0。β=0.8 では γ=5/3 である。したがって γβ=4/3 である。不変量は
E′2−c2B′2=γ2E02−γ2β2E02=γ2(1−β2)E02=E02
で、元の系の値と一致する。E′⋅B′=Ey′By′=0 も、元の系の値0と一致する。数値は Ey′=35×1.0×104=1.67×104 V/m、Bz′=−34×1.0×104/(2.998×108)=−4.45×10−5 T である。3. 6.1-3 (6.8) から F~i0=−F~0i=Bi である。ν=0 成分は
∂μF~μ0=∂0F~00+∂iF~i0=0+i∑∂iBi
なので、∇⋅B=0 である。ν=1 では
∂0F~01+∂2F~21+∂3F~31=−c1∂tBx+∂y(ϵ213cEz)+∂z(ϵ312cEy)=c1(−∂tBx−∂yEz+∂zEy)
である(ϵ213=−1、ϵ312=+1)。これが0であることは ∂yEz−∂zEy=−∂tBx を意味する。すなわち (∇×E)x=−∂tBx である。4. 6.1-4 時間成分と空間成分の式は
∇⋅E=ε0ρ,∇×B−c21∂tE=μ0J
である。後者の発散をとると、回転の発散が0であることから −c21∂t(∇⋅E)=μ0∇⋅J。前者を時間で微分して代入すると、次の式になる。
−c2ε01∂tρ=μ0∇⋅J
c2ε0μ0=1 から ∂tρ+∇⋅J=0 を得る。3次元で「回転の発散が0」を使った所が、4次元では「対称な ∂ν∂μ と反対称な Fμν の縮約が0」にあたる。5. 6.1-5 条件は E⋅B=0 かつ E2−c2B2=0 である。(6.9) により、この2つの量はどちらも Lorentz 不変量の定数倍なので、どの慣性系で計算しても 0 のままである。したがって、すべての慣性系で E′⊥B′ かつ E′=cB′ が成り立つ。電磁波の平面波がこの性質を持つので、平面波はどの系から見ても(強さと振動数は変わるが)平面波である。6. 6.2-1 uμfμ=qFμνuμuν である。電磁場テンソルは反対称で uμuν は対称なので、これは0である。一方、uμfμ=uμd(muμ)/dτ である。uμuμ=c2 が一定であることから uμduμ/dτ=0 である。残る項は c2dm/dτ なので、dm/dτ=0 である。すなわち静止質量が保存する。7. 6.2-2 エネルギーは運動エネルギーと静止エネルギーの和なので γu=(1.0+0.511)/0.511=2.957。E=γumec2=1.511 MeV なのでpc=1.5112−0.5112 MeV=1.422 MeV である。半径は R=p/(eB)=1.422×106/(2.998×108×0.10) m=4.74×10−2 m(4.7 cm)。周波数は (6.18) から
f=2πγumeeB=2π×2.957×9.109×10−311.602×10−19×0.10 Hz=9.47×108 Hz.
Newton 力学の式では eB/(2πme)=2.80×109 Hz で、正しい値はその 1/γu である。確かめとして 2πRf=2π×0.0474×9.47×108=2.82×108 m/s は速さ u=c1−1/γu2=0.941c に一致する。8. 6.2-3 Ey′=γ(E0−vB0)=0 から
v=B0E0=1.0×10−31.0×105 m/s=1.0×108 m/s,β=0.3336,γ=1−β21=1.0607
である。その系の磁場は
Bz′=γ(B0−c2vE0)=γB0(1−β2)=γB0=9.43×10−4 T
で、ほかの成分は0。不変量は2つの系で次のとおりで、一致する。
元の系:系 K′:B02−c2E02B′2=1.0×10−6−(3.336×10−4)2=8.887×10−7 T2,=(9.427×10−4)2=8.887×10−7 T2
9. 6.2-4 電場が x 方向だけのとき、0でない成分は次の2つだけである。
F10=cE,F01=−cE
α=qE/m とおくと、(6.13) は
dτdu0=mqF01u1=mq(−cE)(−u1)=cαu1,dτdu1=mqF10u0=cαu0
で、u2,u3 は一定(初めに0なので0)である。u0±u1 は、それぞれ e±ατ/c に比例する。初期条件 u0(0)=c、u1(0)=0 から
u0=ccoshcατ,u1=csinhcατ
を得る。固有時で積分し、初期位置を原点(x0(0)=x1(0)=0)とすると
ct=αc2sinhcατ,x=αc2(coshcατ−1)
で、第5章 §5.4 の双曲線運動の式と一致する。4元加速度の大きさは aμaμ=α2(sinh2−cosh2)=−α2 なので、固有加速度は α=qE/m で一定である。10. 6.3-1 (6.21) から ∑iTii=−∑iσii=−ε0(E2−23E2)−μ01(B2−23B2)=2ε0E2+2μ0B2。Tμμ=ημνTμν=T00−∑iTii で、これは T00 と等しい量の差なので 0 である。11. 6.3-2 電場が z 方向だけで磁場がないとき、(6.19) の応力は対角で、
σ11=σ22=−2ε0E02,σ33=ε0E02−2ε0E02=2ε0E02
である。Poynting ベクトルは0なので
Tμν=2ε0E02diag(1, 1, 1, −1)
である。T33<0 は、z 方向(力線の向き)の張力である。T11=T22>0 は垂直な向きの圧力である。大きさはどちらも ε0E02/2 である。
平行板コンデンサーの極板が引き合うのは、この張力による。数値は ε0E02/2=8.854×10−12×(1.0×106)2/2=4.43 Pa である。12. 6.3-3 nμ=(1,1,0,0) は nμnμ=1−1=0 である。Tμμ=ε0E2nμnμ=0、TμνTμν=ε02E4(nμnμ)(nνnν)=0。どちらも光的なベクトル nμ の大きさが 0 であることから従う。13. 6.3-4 変換則から
T′μν=ΛμαΛνβTαβ=ε0E2(Λn)μ(Λn)ν
で、(Λn)0=γ(1−β)、(Λn)1=γ(−β+1) である。よって
T′00=γ2(1−β)2T00=1−β2(1−β)2T00=1+β1−βT00.
第3章の縦の Doppler 効果では、光と同じ向きに動く観測者の見る振動数が (1−β)/(1+β) 倍になる。平面波では E′=cB′ のまま電場の振幅もこの因子で変わるので、エネルギー密度は振動数の比の2乗倍になり、上の結果と一致する。β=0.6 では (1−0.6)/(1+0.6)=0.25 倍である。14. 6.3-5 (6.23) を V で積分し、発散の項に Gauss の発散定理を使うと
−dtd∫Vuemd3x=∮∂VS⋅da+∫VJ⋅Ed3x
となる(V は時間によらない)。左辺は場のエネルギーが減る割合、右辺第1項は境界から外へ出ていくエネルギーの流れ、第2項は場が電荷にする仕事の割合である。15. 6.4-1 静止系では uμ=(c,0) なので
T00=(ρ+c2P)c2−P=ρc2,T0i=0,Tij=−Pηij=Pδij
で、diag(ρc2,P,P,P) である。トレースは Tμμ=ρc2−3P で、P=ρc2/3 のときに 0 になる(放射)。16. 6.4-2 γu=1/1−0.36=1.25 で、γu2=1.5625 である。各成分は
T00T01T11=γu2ρc2=1.5625ρc2,=γu2ρc⋅0.6c=0.9375ρc2,=γu2ρ(0.6c)2=0.5625ρc2
である。確かめとして、トレース T00−T11=1.0ρc2 はダストの静止系の値 ρc2 と一致する。17. 6.4-3 1つ目の方法。系 K′ では、流体は速さ βc で動く。向きは −x 方向である。したがって4元速度は u′μ=(γc, −γβc, 0, 0) で、(6.32) から
T′00T′01T′11=(ρc2+P)γ2−P=γ2(ρc2+β2P),=−(ρc2+P)γ2β,=(ρc2+P)γ2β2+P=γ2(β2ρc2+P)
となる(γ2−1=γ2β2 を使った)。2つ目の方法。T=diag(ρc2,P,P,P) に対して
T′00T′01T′11=(Λ00)2T00+(Λ01)2T11=γ2ρc2+γ2β2P,=Λ00Λ10T00+Λ01Λ11T11=−γ2βρc2−γ2βP,=(Λ10)2T00+(Λ11)2T11=γ2β2ρc2+γ2P
で、1つ目と一致する。18. 6.4-4 積の微分で ∂μ(ρuμuν)=∂μ(ρuμ)uν+ρuμ∂μuν=0。uν を掛けて縮約する。第1項は uνuν=c2 を使って c2∂μ(ρuμ)。第2項は uν∂μuν=21∂μ(uνuν)=21∂μc2=0(ここでも uνuν=c2 が場所によらない定数であることを使う)なので 0。よって ∂μ(ρuμ)=0。これを元の式に戻すと第1項が消えて、ρuμ∂μuν=0 が残る。密度が0でない所で uμ∂μuν=0 である。19. 6.4-5 ρc2=1.0×103×(2.998×108)2=9.0×1019 Pa なので P/(ρc2)=1.013×105/9.0×1019=1.1×10−15 である。地上の物質では T00=ρc2 が他の成分より15桁ほど大きい。Tμν はダストの形 ρuμuν でよく近似される。第11章の Newton 極限で、重力の源として T00 だけを残すのはこのためである。
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