相対論入門 第7章 §7.6
- 7.1-1 慣性質量 mi は運動方程式 mix¨=F の比例係数で、加速されにくさを表す。重力質量 mg は重力場から受ける力 −mg∇Φ の比例係数で、重力の受けやすさを表す。重力だけを受ける物体の加速度は x¨=−(mg/mi)∇Φ である。比がすべての物体で同じ値 k なら、加速度は −k∇Φ で物体によらない。
- 7.1-2 物体 A、B の加速度の平均を a=(aA+aB)/2 とすると、
aA=a(1+2ηE),aB=a(1−2ηE)
である。落下時間 t=2h/a は a−1/2 に比例するので、1次まで展開して
tA≃t(1−4ηE),tB≃t(1+4ηE),tB−tA≃2ηEt.
t=2×100/9.8s=4.518s なので、差は
21×1.0×10−9×4.518s=2.3×10−9s
である。3. 7.1-3 振り子の振れの角を θ とすると、円弧に沿った運動方程式は miℓθ¨=−mggsinθ≃−mggθ である。よって角振動数と周期は
ω2=mimgℓg,T=2πmgmigℓ.
重力質量と慣性質量の比を k と書くと T∝k−1/2 である。2つの振り子 A、B の周期の相対差は
TTB−TA≃2kA−kB=2ηE
となる。相対差が 10−3 より小さければ ∣ηE∣<2×10−3 となる。4. 7.1-4 慣性質量をそろえると、水平の力は A、B とも −Mihe^N で等しく、水平の力の差からは回転力が出ない。一方、鉛直の力は −mgg0+MiΩ2Rcos2φ である。k=mg/mi と書くと、A と B の重力質量は
Mi(kA−kB)=MiηE
だけ違う。
棒を水平に保つには、糸を付ける点を棒の中央から重さの釣り合う点へずらす必要がある。物体 A、B について、重さと、糸の付け位置からの距離を次のように書く。
重さ WA, WB,距離 ℓA, ℓB
釣り合いの条件と、重さの比は
WAℓA=WBℓB,ℓA+ℓB=2ℓ,WBWA≃1+ηE
であり、これから
ℓA≃ℓ(1−2ηE),ℓB≃ℓ(1+2ηE)
となる。2つの物体に等しい水平の力 −Mihe^N がかかるので、吊り糸のまわりの回転力は
N=−ℓAMih+ℓBMih=Mih(ℓB−ℓA)=MihℓηE
となる。そろえた慣性質量と重力質量の違いは、ηE の高次の差しか生まない。したがって1次では (7.7) と同じく
N=MℓΩ2RsinφcosφηE
である。何をそろえても、回転力は ηE に比例する量として現れる。5. 7.2-1 弱い等価原理は、重力だけを受けるテスト粒子の軌道が組成によらないこと(落下の普遍性)を述べる。Einstein の等価原理はそれに加え、局所慣性系の中で行う重力以外のすべての実験が、場所と速度によらず特殊相対論に従うことを述べる。6. 7.2-2 時刻0に原点から水平(x 方向)に速さ u で投げる。箱も時刻0に静止から落ち始めたとする。地上の座標での運動と、(7.9) で箱の座標に移したものは
x=ut,z=−21gt2⟶x′=x=ut,z′=z+21gt2=0
である。箱の中では、物体は高さを変えずに速さ u で等速直線運動をする。7. 7.2-3 月による潮汐加速度は
(3.844×108)32×4.905×1012×6.371×106m/s2=1.10×10−6m/s2,
太陽による潮汐加速度は
(1.496×1011)32×1.327×1020×6.371×106m/s2=5.05×10−7m/s2
で、比は 1.10×10−6/5.05×10−7=2.18 である。太陽の重力そのものは月の重力の約180倍ある。しかし潮汐力は距離の3乗に反比例するので、月のほうが約2倍大きい。8. 7.2-4 潮汐テンソルの跡は ∑i∂i∂iΦ=∇2Φ である。ρm を質量密度とすると、Poisson 方程式は
∇2Φ=4πGρm
なので、物質のない所(ρm=0)では跡は0である。点質量の場合は、本文の R3GMdiag(1,1,−2) の跡が0であることからも確かめられる。
次に、雲の中の3つの粒子の中心からの変位が張る平行六面体の体積を
V=det[ξ(1),ξ(2),ξ(3)]
とする。行列式を時間で2回微分すると、各列を2回微分した項と、異なる2つの列を1回ずつ微分した項が出る。最初に静止していれば t=0 で ξ˙(a)=0 なので後者は消え、
V¨t=0=det[ξ¨(1),ξ(2),ξ(3)]+det[ξ(1),ξ¨(2),ξ(3)]+det[ξ(1),ξ(2),ξ¨(3)]
となる。行列 ∂i∂jΦ を E と書くと、(7.11) は
ξ¨(a)=−Eξ(a)
である。任意の行列 E と3つのベクトルについて、各列に E を1回ずつ掛けた行列式の和は、
(trE)det[ξ(1),ξ(2),ξ(3)]
に等しい。これは det(1+ϵE)=1+ϵtrE+O(ϵ2) の1次の項を比べると得られる。したがって
V¨t=0=−(trE)V=−(∇2Φ)V=0
である。最初に静止した雲は、鉛直に伸び水平に縮むが、体積は2次まで変わらない。9. 7.3-1 山頂の時計の読みが進む。山頂のほうが重力ポテンシャル Φ が大きく、(7.17) の dτ=(1+Φ/c2)dt の係数が大きいからである。10. 7.3-2 進みの率は
c2gh=(2.998×108)29.80×3776=4.12×10−13
で、1日あたり 4.12×10−13×86400s=3.56×10−8s=35.6ns 進む。11. 7.3-3 軌道半径は r=6.791×106m、速さは u=GM⊕/r=7.661×103m/s である。重力の部分は
c2GM⊕(R⊕1−r1)=8.988×10163.986×1014(1.5696−1.4725)×10−7=4.31×10−11,
速さの部分は u2/(2c2)=GM⊕/(2rc2)=3.27×10−10 である。差と1日あたりの遅れは
4.31×10−11−3.27×10−102.83×10−10×86400s=−2.83×10−10,=24.5μs
で、1日あたり 24.5μs 遅れる。低い軌道では速さの効果が重力の効果を上回る。12. 7.3-4 円軌道では u2=GM⊕/r なので、衛星と地上の進みの差は
c2GM⊕(R⊕1−r1)−2rc2GM⊕=c2GM⊕(R⊕1−2r3)
である。これが0になるのは r=23R⊕ のとき、すなわち地表からの高さが 21R⊕≈3200km のときである。それより低い軌道では衛星の時計が遅れ、高い軌道では進む。13. 7.3-5 K での天井と光の位置は
z天井=h+21gt2,z光=ct
なので、到着時刻 t1 は ct1=h+21gt12 を満たす。小さい解は
t1=gc−c2−2gh=ch(1+2c2gh+O((gh/c2)2))
である。天井の速さは u=gt1 なので βu=gh/c2+21(gh/c2)2+⋯ となる。Doppler の比は (1−βu)/(1+βu)=1−βu+21βu2+⋯ で、ϵ=gh/c2 と置けば
f0f=1−ϵ−21ϵ2+21ϵ2+O(ϵ3)=1−ϵ+O(ϵ3)
となる。到着の遅れは 1−ϵ の1次の項を変えず、補正は ϵ2 以下の程度である。
(ただし、この計算は床と天井が同じ加速度で動くと仮定している。§7.4 の Rindler 座標では天井の加速度が少し小さく、厳密な比は 1/(1+ϵ)=1−ϵ+ϵ2−⋯ になる。ϵ2 の項は、ロケットの加速のさせ方によって変わる。)14. 7.4-1 ρ=c2/α+ξ を一定とする。(7.23) から世界線の固有時は dτ=(ρα/c2)dT なので、θ=αT/c=cτ/ρ である。世界線
ct=ρsinhρcτ,x+αc2=ρcoshρcτ
を τ で微分すると
uμ=c(coshρcτ, sinhρcτ, 0, 0),aμ=ρc2(sinhρcτ, coshρcτ, 0, 0)
である。aμaμ=(c2/ρ)2(sinh2−cosh2)=−(c2/ρ)2 なので、固有加速度は c2/ρ=α/(1+αξ/c2) である。15. 7.4-2 光が部屋を横切る時間は L/c で、その間に下がる距離は (7.26) から
2c2gL2=2×(2.998×108)29.8×3.02m=4.9×10−16m
である。向きの変化は (7.27) から gL/c2=3.3×10−16rad である。16. 7.4-3 同時刻線 T= 一定は図 7.3 の原点を通る直線である。その上では ρ=c2/α+ξ が0から無限大まで動く。
- 位置が一定の観測者は ρ>0、すなわち ξ>−c2/α にいる。
- 地平面は ρ=0、すなわち ξ=−c2/α にあたる。線素 (7.22) の時間の項の係数が0になる所である。
固有加速度 (7.21) は c2/ρ なので、ξ→−c2/α で無限大に発散する。地平面のすぐ外に静止し続けるには、限りなく大きな加速度が要る。α=9.8m/s2 の観測者から地平面までの距離は c2/α=9.17×1015m である。17. 7.4-4 ϵ=αh/c2 として 1/(1+ϵ)=1−ϵ+ϵ2+O(ϵ3) である。1次の項 −ϵ は (7.14) の −gh/c2 と一致する。逆向きに ξ=h から ξ=0 へ送るときも、時刻の目盛りの間隔は保たれる。受信と送信の振動数の比は
fhf0=dτ0dτh=1+ϵ
である。往きの比 1/(1+ϵ) と帰りの比 1+ϵ の積は1になり、往復させた光は元の振動数に戻る。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com