何を近似したか・何の実験の量で確かめるか
AI 生成・木下が未勉強
光学と量子エレクトロニクス 第31章 §31.5 ★★ ポンプを古典の振幅に置いたこと・1つのモードだけを取り出したこと・強い局部発振光で測ったこと。損失は真空を混ぜるビームスプリッタで、測れるスクイーズの上限は 。確かめる量はホモダイン検出の雑音とショット雑音の比
置いた近似
1つ目は、スクイーズを作るポンプ光を古典の振幅 に置いたことである(パラメトリック近似)。ポンプ光も本当は量子化したモードで、スクイーズした光子を2個作るたびにポンプの光子が1個減り、ポンプ自身の揺らぎも乗る。ポンプの光子数 がスクイーズした光の光子数より十分多ければ、この減りと揺らぎは相対的に の桁で小さい。第19章で原子を駆動するレーザー光を古典に置いたのと同じ型の近似で、強い場の量子揺らぎを捨てる極限である。
近似の裏付け
型 B(極限) | 小さいもの (ポンプの光子数がスクイーズした光の光子数より十分多い) | 証明 要確認(ポンプを量子化した3モードの模型の解と比べる誤差の評価の形を、原論文で確かめていない) | 行き先 近似の数理 第6章
2つ目は、1つのモードだけを取り出したことである。実際のスクイーズド光は、共振器の中の光パラメトリック発振器(第17章)がしきい値の下で出す連続の光で、多くの周波数のモードを持つ。ポンプの周波数の半分 から上下に だけ離れた2つのモード が、式 (31.25) の形の対になってスクイーズされ、測定では周波数 の雑音のスペクトルとして現れる。この章の1つのモードの式は、 ごとの対を1つの直交位相の組として読み替えたもので、スクイーズの強さ は に依る(共振器の線幅より高い では弱い)。
近似の裏付け
型 A(射影) | 小さいもの 連続の周波数のモードのうち、1つのモード(または の1対)が張る部分空間 | 証明 要確認(対ごとに独立に扱えることは2次の Hamiltonian では厳密だが、有限の時間で測ることによるモードの混ざりを押さえる評価の形を確かめていない) | 行き先 近似の数理 第4章
3つ目は、レーザー光をコヒーレント状態とみなしたことである。しきい値より上のレーザーの位相は、第22章(第22章)の Schawlow–Townes の線幅で、ゆっくり拡散する。位相の分からないコヒーレント状態を平均すると、光子数の状態の Poisson 分布の混合になり、 になる。K. Mølmer (1997), Phys. Rev. A 55, 3195 は、この観点からレーザー光をコヒーレント状態とみなすことは便利な約束にすぎないと論じた。干渉計とホモダイン検出では、信号の光と基準の光を同じレーザーから分けるので、共通の位相のずれは差に現れず、どちらもコヒーレント状態とみなした計算と同じ結果になる。
損失は真空を混ぜる
スクイーズした光が途中で吸収・散乱され、透過率 で届くとする。損失は、透過率 のビームスプリッタで、使っていないもう一方の入口から真空 が混ざることと同じで、出口の演算子は である。 と の揺らぎは独立なので、出口の直交位相の分散は
になる。 をいくら大きくしても、測れるスクイーズは で頭打ちになる。光子数の分布で言えば、スクイーズド真空の光子は対で入っていて、損失は対の片方を抜き取って相関を壊す。光検出器の量子効率もここに入る。スクイーズの実験の数字がいつも効率の数字と一緒に報告されるのは、このためである。
ホモダイン検出
直交位相 は、平衡ホモダイン検出で測る。測りたい光 と、同じレーザーから分けた強い局部発振光(コヒーレント状態 、)を 50:50 のビームスプリッタで重ね、2つの出口の光検出器の光電流の差をとる。出口の光子数の差は で(総合問題 (5) と同じ計算)、局部発振光の演算子 を数 に置くと
になる。局部発振光の位相 を回せば、測る直交位相の向きを選べる。局部発振光自身の強度の揺らぎは、差をとると2つの出口で打ち消し合う(H. P. Yuen, V. W. S. Chan (1983), Opt. Lett. 8, 177)。信号の光の入口を塞ぐと は真空で、差の光電流の雑音は真空の分散 を測る。これがショット雑音の水準で、スクイーズの dB はこの水準との比である。局部発振光の演算子を数に置いたのは近似で、置かなかった場合の差の分散は である(総合問題 (5) で確かめる)。
近似の裏付け
型 B(極限) | 小さいもの (局部発振光が信号の光より十分強い) | 証明 条件付き(局部発振光がコヒーレント状態であること。置かない場合の分散との差は の1項だけで、本章の verify で厳密な分散と比べた) | 行き先 近似の数理 第1章
図 31.3 のスクイーズド真空をホモダイン検出で測ったときの雑音の、局部発振光の位相への依存。損失が無いとき(点線)と全体の効率 のとき(実線)。縮めた向きの谷は数度の位相のずれで浅くなり、 でショット雑音の水準に戻る。
何の実験の量で確かめるか
光子数の分布が Poisson 分布であることは、レーザー光の光子を数える実験で確かめられた(F. T. Arecchi (1965), Phys. Rev. Lett. 15, 912 は、レーザー光と擬似熱光の光子数の分布を比べた)。これは強度の揺らぎの話で、位相の情報を含まない。直交位相の揺らぎは、ホモダイン検出の差の光電流の雑音のスペクトルを、信号の入口を塞いだときのショット雑音と比べて測る。スクイーズの最初の観測は、R. E. Slusher, L. W. Hollberg, B. Yurke, J. C. Mertz, J. F. Valley (1985), Phys. Rev. Lett. 55, 2409 の共振器の中の4光波混合による。光パラメトリック発振器をしきい値の下で使う方法は L.-A. Wu, H. J. Kimble, J. L. Hall, H. Wu (1986), Phys. Rev. Lett. 57, 2520 が始め、いまの標準の光源になっている。H. Vahlbruch, M. Mehmet, K. Danzmann, R. Schnabel (2016), Phys. Rev. Lett. 117, 110801 は、ショット雑音より 低い雑音を測った。式 (31.27) から、これには光源から検出器までの全体の効率が 以上要る。
例題 31.5 損失と位相の揺れで測れるスクイーズ ★★★
オリジナル光源で のスクイーズド真空を作り、全体の効率 でホモダイン検出する。
- (1) のとき、縮めた向きと伸ばした向きで測れる雑音を dB で求めよ。2つの分散の積は真空の何倍か。
- (2) 縮めた向きで を測るには、 はいくつ以上要るか。 で、光源をいくら強くしても超えられない値はいくつか。
- (3) で、局部発振光の位相が縮めた向きから ずれると、測れる雑音は何 dB になるか。
解答
(1) 光源の分散の比は 、。式 (31.27) から縮めた向きは 、すなわち 、伸ばした向きは 、すなわち である。積は真空の 倍で、損失を受けた状態はもう不確定性の下限を満たさない。縮めた向きは から まで落ちるのに、伸ばした向きはほとんど落ちない。小さい量に が足されるか、大きい量に足されるかの違いである。
(2) から 。 では でも分散の比は までしか下がらず、 が上限である。
(3) 中間の向きの式で とすると、比は 、すなわち である(図 31.3)。伸ばした向きの に が掛かった が、縮めた向きの より大きくなる。強くスクイーズするほど、局部発振光の位相を細かくそろえる必要がある。
木下の勉強ステータス
木下はまだこの記事を勉強していません。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com
← AI生成教科書『虎の巻』の記事一覧へ