tecktom.com

何を近似したか・何の実験の量で確かめるか

2026年10月15日9分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第31章 コヒーレント状態とスクイーズド状態
目次
  1. 置いた近似
  2. 損失は真空を混ぜる
  3. ホモダイン検出
  4. 何の実験の量で確かめるか
  5. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

光学と量子エレクトロニクス 第31章 §31.5 ★★ ポンプを古典の振幅に置いたこと・1つのモードだけを取り出したこと・強い局部発振光で測ったこと。損失は真空を混ぜるビームスプリッタで、測れるスクイーズの上限は 1−η1-\eta。確かめる量はホモダイン検出の雑音とショット雑音の比

置いた近似

1つ目は、スクイーズを作るポンプ光を古典の振幅 κ\kappa に置いたことである(パラメトリック近似)。ポンプ光も本当は量子化したモードで、スクイーズした光子を2個作るたびにポンプの光子が1個減り、ポンプ自身の揺らぎも乗る。ポンプの光子数 NpN_{\mathrm p} がスクイーズした光の光子数より十分多ければ、この減りと揺らぎは相対的に 1/Np1/\sqrt{N_{\mathrm p}} の桁で小さい。第19章で原子を駆動するレーザー光を古典に置いたのと同じ型の近似で、強い場の量子揺らぎを捨てる極限である。

近似の裏付け

型 B(極限) | 小さいもの 1/Np→01/\sqrt{N_{\mathrm p}}\to0(ポンプの光子数がスクイーズした光の光子数より十分多い) | 証明 要確認(ポンプを量子化した3モードの模型の解と比べる誤差の評価の形を、原論文で確かめていない) | 行き先 近似の数理 第6章

2つ目は、1つのモードだけを取り出したことである。実際のスクイーズド光は、共振器の中の光パラメトリック発振器(第17章)がしきい値の下で出す連続の光で、多くの周波数のモードを持つ。ポンプの周波数の半分 ω\omega から上下に Ω\Omega だけ離れた2つのモード ω±Ω\omega\pm\Omega が、式 (31.25) の形の対になってスクイーズされ、測定では周波数 Ω\Omega の雑音のスペクトルとして現れる。この章の1つのモードの式は、Ω\Omega ごとの対を1つの直交位相の組として読み替えたもので、スクイーズの強さ rr は Ω\Omega に依る(共振器の線幅より高い Ω\Omega では弱い)。

近似の裏付け

型 A(射影) | 小さいもの 連続の周波数のモードのうち、1つのモード(または ω±Ω\omega\pm\Omega の1対)が張る部分空間 | 証明 要確認(対ごとに独立に扱えることは2次の Hamiltonian では厳密だが、有限の時間で測ることによるモードの混ざりを押さえる評価の形を確かめていない) | 行き先 近似の数理 第4章

3つ目は、レーザー光をコヒーレント状態とみなしたことである。しきい値より上のレーザーの位相は、第22章(第22章)の Schawlow–Townes の線幅で、ゆっくり拡散する。位相の分からないコヒーレント状態を平均すると、光子数の状態の Poisson 分布の混合になり、⟨a^⟩=0\langle \hat a \rangle =0 になる。K. Mølmer (1997), Phys. Rev. A 55, 3195 は、この観点からレーザー光をコヒーレント状態とみなすことは便利な約束にすぎないと論じた。干渉計とホモダイン検出では、信号の光と基準の光を同じレーザーから分けるので、共通の位相のずれは差に現れず、どちらもコヒーレント状態とみなした計算と同じ結果になる。

損失は真空を混ぜる

スクイーズした光が途中で吸収・散乱され、透過率 η\eta で届くとする。損失は、透過率 η\eta のビームスプリッタで、使っていないもう一方の入口から真空 v^\hat v が混ざることと同じで、出口の演算子は a^′=η a^+1−η v^\hat a'=\sqrt\eta\,\hat a+\sqrt{1-\eta}\,\hat v である。a^\hat a と v^\hat v の揺らぎは独立なので、出口の直交位相の分散は

(ΔXθ′)2=η(ΔXθ)2+(1−η)14,(ΔXθ′)21/4=η e−2r+1−η ≥ 1−η(31.27)(\Delta X'_\theta)^2=\eta(\Delta X_\theta)^2+(1-\eta)\frac14,\qquad \frac{(\Delta X'_\theta)^2}{1/4}=\eta\,\mathrm{e}^{-2r}+1-\eta\ \ge\ 1-\eta\tag{31.27}

になる。rr をいくら大きくしても、測れるスクイーズは 1−η1-\eta で頭打ちになる。光子数の分布で言えば、スクイーズド真空の光子は対で入っていて、損失は対の片方を抜き取って相関を壊す。光検出器の量子効率もここに入る。スクイーズの実験の数字がいつも効率の数字と一緒に報告されるのは、このためである。

ホモダイン検出

直交位相 X^θ\hat X_\theta は、平衡ホモダイン検出で測る。測りたい光 a^\hat a と、同じレーザーから分けた強い局部発振光(コヒーレント状態 ∣β⟩| \beta \rangle、β=∣β∣eiθ\beta=\lvert \beta\rvert \mathrm{e}^{\mathrm{i}\theta})を 50:50 のビームスプリッタで重ね、2つの出口の光検出器の光電流の差をとる。出口の光子数の差は a^†b^+b^†a^\hat a^\dagger\hat b+\hat b^\dagger\hat a で(総合問題 (5) と同じ計算)、局部発振光の演算子 b^\hat b を数 β\beta に置くと

n^c−n^d≈β∗a^+βa^†=2∣β∣ X^θ(31.28)\hat n_{\mathrm c}-\hat n_{\mathrm d}\approx\beta^*\hat a+\beta\hat a^\dagger=2\lvert \beta\rvert \,\hat X_\theta\tag{31.28}

になる。局部発振光の位相 θ\theta を回せば、測る直交位相の向きを選べる。局部発振光自身の強度の揺らぎは、差をとると2つの出口で打ち消し合う(H. P. Yuen, V. W. S. Chan (1983), Opt. Lett. 8, 177)。信号の光の入口を塞ぐと a^\hat a は真空で、差の光電流の雑音は真空の分散 14\frac14 を測る。これがショット雑音の水準で、スクイーズの dB はこの水準との比である。局部発振光の演算子を数に置いたのは近似で、置かなかった場合の差の分散は 4∣β∣2(ΔXθ)2+⟨a^†a^⟩4\lvert \beta\rvert ^2(\Delta X_\theta)^2+\langle \hat a^\dagger\hat a \rangle である(総合問題 (5) で確かめる)。

近似の裏付け

型 B(極限) | 小さいもの ⟨a^†a^⟩/∣β∣2→0\langle \hat a^\dagger\hat a \rangle /\lvert \beta\rvert ^2\to0(局部発振光が信号の光より十分強い) | 証明 条件付き(局部発振光がコヒーレント状態であること。置かない場合の分散との差は ⟨a^†a^⟩\langle \hat a^\dagger\hat a \rangle の1項だけで、本章の verify で厳密な分散と比べた) | 行き先 近似の数理 第1章

図

図 31.3 15 dB15\,\mathrm{dB} のスクイーズド真空をホモダイン検出で測ったときの雑音の、局部発振光の位相への依存。損失が無いとき(点線)と全体の効率 η=0.9\eta=0.9 のとき(実線)。縮めた向きの谷は数度の位相のずれで浅くなり、±10∘\pm10^\circ でショット雑音の水準に戻る。

何の実験の量で確かめるか

光子数の分布が Poisson 分布であることは、レーザー光の光子を数える実験で確かめられた(F. T. Arecchi (1965), Phys. Rev. Lett. 15, 912 は、レーザー光と擬似熱光の光子数の分布を比べた)。これは強度の揺らぎの話で、位相の情報を含まない。直交位相の揺らぎは、ホモダイン検出の差の光電流の雑音のスペクトルを、信号の入口を塞いだときのショット雑音と比べて測る。スクイーズの最初の観測は、R. E. Slusher, L. W. Hollberg, B. Yurke, J. C. Mertz, J. F. Valley (1985), Phys. Rev. Lett. 55, 2409 の共振器の中の4光波混合による。光パラメトリック発振器をしきい値の下で使う方法は L.-A. Wu, H. J. Kimble, J. L. Hall, H. Wu (1986), Phys. Rev. Lett. 57, 2520 が始め、いまの標準の光源になっている。H. Vahlbruch, M. Mehmet, K. Danzmann, R. Schnabel (2016), Phys. Rev. Lett. 117, 110801 は、ショット雑音より 15 dB15\,\mathrm{dB} 低い雑音を測った。式 (31.27) から、これには光源から検出器までの全体の効率が 0.970.97 以上要る。

例題 31.5 損失と位相の揺れで測れるスクイーズ ★★★

オリジナル光源で 15 dB15\,\mathrm{dB} のスクイーズド真空を作り、全体の効率 η\eta でホモダイン検出する。

  1. (1) η=0.9\eta=0.9 のとき、縮めた向きと伸ばした向きで測れる雑音を dB で求めよ。2つの分散の積は真空の何倍か。
  2. (2) 縮めた向きで 10 dB10\,\mathrm{dB} を測るには、η\eta はいくつ以上要るか。η=0.9\eta=0.9 で、光源をいくら強くしても超えられない値はいくつか。
  3. (3) η=0.9\eta=0.9 で、局部発振光の位相が縮めた向きから 3∘3^\circ ずれると、測れる雑音は何 dB になるか。
解答

(1) 光源の分散の比は e−2r=10−1.5=0.0316\mathrm{e}^{-2r}=10^{-1.5}=0.0316、e2r=31.6\mathrm{e}^{2r}=31.6。式 (31.27) から縮めた向きは 0.9×0.0316+0.1=0.1280.9\times0.0316+0.1=0.128、すなわち −8.91 dB-8.91\,\mathrm{dB}、伸ばした向きは 0.9×31.6+0.1=28.60.9\times31.6+0.1=28.6、すなわち +14.56 dB+14.56\,\mathrm{dB} である。積は真空の 0.128×28.6=3.670.128\times28.6=3.67 倍で、損失を受けた状態はもう不確定性の下限を満たさない。縮めた向きは 15 dB15\,\mathrm{dB} から 8.9 dB8.9\,\mathrm{dB} まで落ちるのに、伸ばした向きはほとんど落ちない。小さい量に 1−η1-\eta が足されるか、大きい量に足されるかの違いである。

(2) η×0.0316+1−η≤0.1\eta\times0.0316+1-\eta\le0.1 から η≥0.9/0.968=0.929\eta\ge0.9/0.968=0.929。η=0.9\eta=0.9 では r→∞r\to\infty でも分散の比は 1−η=0.11-\eta=0.1 までしか下がらず、10 dB10\,\mathrm{dB} が上限である。

(3) 中間の向きの式で ψ=3∘\psi=3^\circ とすると、比は 0.9 (0.0316cos⁡23∘+31.6sin⁡23∘)+0.1=0.2060.9\,(0.0316\cos^23^\circ+31.6\sin^23^\circ)+0.1=0.206、すなわち −6.85 dB-6.85\,\mathrm{dB} である(図 31.3)。伸ばした向きの 31.631.6 に sin⁡23∘=0.0027\sin^23^\circ=0.0027 が掛かった 0.0870.087 が、縮めた向きの 0.0320.032 より大きくなる。強くスクイーズするほど、局部発振光の位相を細かくそろえる必要がある。

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

← AI生成教科書『虎の巻』の記事一覧へ