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授業で習った形との対応

2026年10月15日6分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第4部 第2章 ゆらぎの定理
目次
  1. 熱力学:最大仕事の原理
  2. 統計力学:詳細つり合いと Kolmogorov の判定条件
  3. 線形応答:Einstein の関係と揺動散逸の関係
  4. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

相対エントロピーから情報と物理を組み立てる 第4部 第2章 §4.2.6 ★★ 最大仕事の原理・詳細つり合いと Kolmogorov の判定条件・Einstein の関係と揺動散逸の関係が、ゆらぎの定理の平均・特別な場合・2次の展開として並ぶ

熱力学:最大仕事の原理

学部の熱力学では、温度 TT の熱浴に接した系を状態 A から状態 B に移すときの仕事について

W≥FB−FA(等号は準静的な操作)W\ge F_{\mathrm B}-F_{\mathrm A}\qquad(\text{等号は準静的な操作})

を学ぶ(最大仕事の原理。系が外にする仕事 −W-W は自由エネルギーの減り以下)。この章の形では、これは Jarzynski 等式 (4.2.20) に Jensen の不等式を当てた平均の不等式 (4.2.21) である。等式の方は平均だけでなく分布の全体を縛り、上界 (4.2.22) を与える。T=300 KT=300\,\mathrm K では kBT=4.14×10−21 Jk_{\mathrm B} T=4.14\times10^{-21}\,\mathrm J で、a=1 Ja=1\,\mathrm J の破れの確率の上界はe−2.4×1020\mathrm{e}^{-2.4\times10^{20}} になる。マクロな系で最大仕事の原理が例外なく成り立つように見えるのは、破れが禁じられているからではなく、この確率が観測にかからないほど小さいからである。一方 a=kBTa= k_{\mathrm B} T の程度の破れは、例題 4.2.4 のとおり普通に起こる。準静的な極限では、散逸仕事 ⟨W⟩−ΔF\langle W \rangle -\Delta F が 00 に近づき、それに伴って式 (4.2.19) から分散も 00 に近づく。この極限で WW は確率変数でなくなり、熱力学の等号に戻る。

統計力学:詳細つり合いと Kolmogorov の判定条件

統計力学や確率過程の授業では、Markov 鎖の定常分布 π\pi が平衡の分布であるための条件として詳細つり合い K(y ∣ x)π(x)=K(x ∣ y)π(y)K(y\,|\,x)\pi(x)=K(x\,|\,y)\pi(y) を学び、それが遷移確率だけで判定できる形として、すべての閉じた輪 x1→x2→⋯→xm→x1x_1\to x_2\to\cdots\to x_m\to x_1 について

K(x2 ∣ x1)K(x3 ∣ x2)⋯K(x1 ∣ xm)=K(xm ∣ x1)⋯K(x2 ∣ x3)K(x1 ∣ x2)K(x_2\,|\,x_1)K(x_3\,|\,x_2)\cdots K(x_1\,|\,x_m)=K(x_m\,|\,x_1)\cdots K(x_2\,|\,x_3)K(x_1\,|\,x_2)

が成り立つこと(Kolmogorov の判定条件)を学ぶ。この章の形では、λ\lambda を止めて平衡分布から始めると、局所詳細つり合いと式 (4.2.16)(W=0W=0、ΔF=0\Delta F=0)からすべての経路で Σ[Γ]=0\Sigma[\Gamma]=0、すなわち P[Γ]=P~[Γ~]P[\Gamma]=\tilde P[\tilde\Gamma] になる。平衡状態とは、どの経路も逆回しの経路と同じ確率で起こる状態である。Kolmogorov の条件は、輪を一周する経路とその逆の経路の確率が等しいことを言っている。非保存力で駆動された系では一周の比が eΣ輪≠1\mathrm{e}^{\Sigma_{\text{輪}}}\ne1 になり、その対数が一周で熱浴に捨てる熱(を kBTk_{\mathrm B} T で割ったもの)である。

線形応答:Einstein の関係と揺動散逸の関係

線形応答の授業では、拡散係数 DdifD_{\mathrm{dif}} と移動度 μm\mu_{\mathrm m}(力 ff に対する速度の比 v=μmfv=\mu_{\mathrm m}f)の間の Einstein の関係 μm=βDdif\mu_{\mathrm m}=\beta D_{\mathrm{dif}} を、揺動散逸の関係の最も簡単な例として学ぶ(解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第3部第9章)。4.2.5 節の乱歩では、速度は v=a(r+−r−)=2arsinh⁡(βfa/2)v=a(r_+-r_-)=2ar\sinh(\beta fa/2)、拡散係数は Ddif=a22(r++r−)=a2rcosh⁡(βfa/2)D_{\mathrm{dif}}=\frac{a^2}{2}(r_++r_-)=a^2r\cosh(\beta fa/2) なので

vβfDdif=2tanh⁡(βfa/2)βfa → βfa→0  1(4.2.29)\frac{v}{\beta fD_{\mathrm{dif}}}=\frac{2\tanh(\beta fa/2)}{\beta fa}\ \xrightarrow{\ \beta fa\to0\ }\ 1\tag{4.2.29}

で、力が弱い極限で Einstein の関係 v=βDdiffv=\beta D_{\mathrm{dif}}f が出る。強い力では比は 11 より小さく、応答は線型からずれる。ゆらぎの定理 (4.2.26) の方は、力の強さによらず厳密に成り立つ。

もう1つの対応は、Jarzynski 等式の2次の展開 (4.2.23) である。ゆっくりした操作では WW のゆらぎが小さく正規分布に近いので

⟨W⟩−ΔF≈β2σW2(4.2.30)\langle W \rangle -\Delta F\approx\frac{\beta}{2}\sigma_W^2\tag{4.2.30}

になる。左辺は平均の散逸、右辺は平衡の近くでのゆらぎで、散逸はゆらぎで決まるという揺動散逸の関係の、仕事についての形である。例題 4.2.4 のばねを引く問題では、これが近似なしに成り立った。

例題 4.2.6 Einstein の関係からのずれと一周の比 ★

オリジナル

  1. 式 (4.2.29) の比を、βfa=1\beta fa=1 と βfa=0.1\beta fa=0.1 で求めよ。
  2. 3つの状態が輪をなし、時計回りの跳びの率が r+r_+、反時計回りが r−r_-(r+/r−=eβfar_+/r_-=\mathrm{e}^{\beta fa}、βfa=1\beta fa=1)のとき、Kolmogorov の判定条件の両辺の比を求め、一周で熱浴へ捨てる熱を答えよ。
解答

(1) βfa=1\beta fa=1 では 2tanh⁡(0.5)=0.9242\tanh(0.5)=0.924、βfa=0.1\beta fa=0.1 では 2tanh⁡(0.05)/0.1=0.999172\tanh(0.05)/0.1=0.99917 である。tanh⁡u=u−u3/3+⋯\tanh u=u-u^3/3+\cdots からずれは (βfa)2/12(\beta fa)^2/12 の程度で、βfa=0.1\beta fa=0.1 では 10−310^{-3} 程度しかない。βfa=1\beta fa=1 は kBTk_{\mathrm B} T と同じだけの仕事を1歩でする強い力で、ここまで強くしても速度は線型応答から 8% しかずれない。

(2) 時計回りの一周の率の積は r+3r_+^3、反時計回りは r−3r_-^3 で、比は (r+/r−)3=e3βfa=e3=20.1(r_+/r_-)^3=\mathrm{e}^{3\beta fa}=\mathrm{e}^3=20.1 である。11 でないので詳細つり合いは成り立たず、定常状態は平衡でない。比の対数 33 nat が一周のエントロピー生成で、熱浴へ捨てる熱は 3fa=3kBT3fa=3 k_{\mathrm B} T、すなわち一周で力がした仕事に等しい。

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