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授業で習った形との対応

2026年10月15日6分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第1部 第6章 拘束と未定乗数
目次
  1. 力の図と第1種の方程式
  2. 最大エントロピーと乗数
  3. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第1部 第6章 §1.6.6 ★★ 力の図を描いて張力・垂直抗力を未知数に置く Newton の解き方は、第1種の方程式そのもの。統計力学の最大エントロピーの乗数も同じ道具

力の図と第1種の方程式

解析力学を使わない力学の授業では、振り子を次のように解く。おもりにかかる力を図に描き、重力 mgm\bm{g} と張力(大きさ FtF_{\mathrm t}、支点向き)を未知数として Newton の運動方程式を立て、円運動の動径方向と接線方向に分ける。

動径方向: mlθ˙2=Ft−mgcos⁡θ,接線方向: mlθ¨=−mgsin⁡θ.(1.6.19)\text{動径方向:}\ ml\dot\theta^2=F_{\mathrm t}-mg\cos\theta,\qquad \text{接線方向:}\ ml\ddot\theta=-mg\sin\theta .\tag{1.6.19}

運動は接線方向の式で決まり、張力は動径方向の式で決まる。この章の言葉では、接線方向の式が拘束に沿う向きの式(一般化座標 θ\theta の Euler–Lagrange 方程式)で、動径方向の式が拘束に垂直な向きの式、すなわち乗数を決める式である。実際、動径方向の式から出る Ft=mlθ˙2+mgcos⁡θF_{\mathrm t}=ml\dot\theta^2+mg\cos\theta は、v=lθ˙v=l\dot\theta として式 (1.6.12) と同じである。「張力」「垂直抗力」「束縛力」と呼んで力の図に描き込んでいた矢印が、乗数 λ\lambda と拘束の勾配の積 λ∇Φ\lambda\nabla\Phi にあたる。授業の解き方では「張力は糸の向き」「垂直抗力は面に垂直」を図から読み取っていたが、この章ではそれを ∇Φ\nabla\Phi の向きとして、また d'Alembert の原理(仮想変位に仕事をしない)として導いた。

両者の違いは、拘束が込み入ったときに現れる。力の図を描く方法では、拘束力の向きをその都度見抜く必要があり、刃の拘束のように「横には進めない」という速度の拘束では向きを見抜きにくい。第1種の方程式では、拘束の式から ∇Φ\nabla\Phi や aaja_{aj} を機械的に計算すれば向きが決まる。

最大エントロピーと乗数

統計力学の授業では、カノニカル分布を「エネルギーの平均値を決めたうえでエントロピーを最大にする分布」として導くことがある。状態 ii の確率を pip_i、エネルギーを EiE_i とし、S/kB=−∑ipiln⁡piS/ k_{\mathrm B}=-\sum_ip_i\ln p_i を2つの拘束 ∑ipi=1\sum_ip_i=1 と ∑ipiEi=U\sum_ip_iE_i=U のもとで最大にする。乗数を α\alpha, β\beta として

∂∂pi[−∑lplln⁡pl−α(∑lpl−1)−β(∑lplEl−U)]=−ln⁡pi−1−α−βEi=0\frac{\partial }{\partial p_i}\Bigl[-\sum_lp_l\ln p_l-\alpha\Bigl(\sum_lp_l-1\Bigr)-\beta\Bigl(\sum_lp_lE_l-U\Bigr)\Bigr]=-\ln p_i-1-\alpha-\beta E_i=0

から pi∝e−βEip_i\propto\mathrm{e}^{-\beta E_i} が出る。これは式 (1.6.6) の有限次元の未定乗数そのもので、エネルギーの拘束の乗数がカノニカル分布の β\beta になる。さらに式 (1.6.7) の感度の読み方から、最大エントロピー S∗(U)S^*(U) について d(S∗/kB)dU=β\frac{\mathrm{d} (S^*/ k_{\mathrm B})}{\mathrm{d} U}=\beta が成り立つ。これは熱力学の ∂S/∂U=1/T\partial S/\partial U=1/T と同じ式で、乗数 β=1/(kBT)\beta=1/( k_{\mathrm B} T) が温度の逆数であることがここから分かる。カノニカル分布の導出そのものは 第3部第3章で扱う。

授業での呼び方この章の言葉
振り子・斜面張力・垂直抗力(力の図の矢印)拘束力 λ∇Φ\lambda\nabla\Phi
張力の求め方動径方向の運動方程式拘束を2回微分して乗数を決める
面から離れる条件垂直抗力 =0=0乗数の符号が変わる
エネルギー保存「抗力は仕事をしない」∂Φ/∂t=0\partial\Phi/\partial t=0 なら P=0P=0
カノニカル分布エントロピー最大の条件拘束 ∑piEi=U\sum p_iE_i=U の乗数が β\beta
∂S/∂U=1/T\partial S/\partial U=1/T温度の定義乗数は感度:df∗/dc=λ\mathrm{d} f^*/\mathrm{d} c=\lambda

例題 1.6.6 2準位系の最大エントロピーと乗数 ★★

オリジナルエネルギーが 00 と ε\varepsilon の2つの状態を持つ系で、平均エネルギーを U=ε/4U=\varepsilon /4 と決めて S/kB=−p0ln⁡p0−p1ln⁡p1S/ k_{\mathrm B}=-p_0\ln p_0-p_1\ln p_1 を最大にする。

  1. (1) 乗数 β\beta を使って p1p_1 を表し、βε\beta\varepsilon を求めよ。
  2. (2) 最大エントロピー S∗/kBS^*/ k_{\mathrm B} の値を求めよ。
  3. (3) u=U/εu=U/\varepsilon の関数として S∗/kBS^*/ k_{\mathrm B} を書き、d(S∗/kB)dU=β\frac{\mathrm{d} (S^*/ k_{\mathrm B})}{\mathrm{d} U}=\beta を u=1/4u=1/4 で確かめよ。
解答

(1) 本文の計算から pi∝e−βEip_i\propto\mathrm{e}^{-\beta E_i} なので p1=e−βε1+e−βεp_1=\dfrac{\mathrm{e}^{-\beta\varepsilon }}{1+\mathrm{e}^{-\beta\varepsilon }}。拘束 p1ε=U=ε/4p_1\varepsilon =U=\varepsilon /4 から p1=14p_1=\frac14、よって e−βε=13\mathrm{e}^{-\beta\varepsilon }=\frac13、βε=ln⁡3=1.10\beta\varepsilon =\ln3=1.10。

(2) p0=34p_0=\frac34, p1=14p_1=\frac14 を入れて S∗/kB=−34ln⁡34−14ln⁡14=ln⁡4−34ln⁡3=0.562S^*/ k_{\mathrm B}=-\frac34\ln\frac34-\frac14\ln\frac14=\ln4-\frac34\ln3=0.562。

(3) 拘束から p1=up_1=u, p0=1−up_0=1-u なので S∗/kB=−uln⁡u−(1−u)ln⁡(1−u)S^*/ k_{\mathrm B}=-u\ln u-(1-u)\ln(1-u)。uu で微分すると ln⁡1−uu\ln\dfrac{1-u}{u} で、u=14u=\frac14 では ln⁡3\ln3。ddU=1εddu\frac{\mathrm{d} }{\mathrm{d} U}=\frac1\varepsilon \frac{\mathrm{d} }{\mathrm{d} u} なので d(S∗/kB)dU=ln⁡3ε=β\frac{\mathrm{d} (S^*/ k_{\mathrm B})}{\mathrm{d} U}=\frac{\ln3}{\varepsilon }=\beta となり、(1) の乗数と一致する。乗数 β\beta は、平均エネルギーを少し増やしたときにエントロピーがどれだけ増えるかを表している。

ほかの巻では

木下の勉強ステータス

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