tecktom.com

この章のまとめ

2026年10月15日10分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第1部 第6章 拘束と未定乗数

AI 生成・木下が未勉強

解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第1部 第6章 §1.6.7 ★★★ 拘束は消さずに乗数で残せる。乗数は拘束力であり感度でもある。積分の拘束では定数の乗数が固有値になる

拘束は、座標の関係 Φ(x,t)=0\Phi(x,t)=0 として書けるホロノミック拘束と、速度の関係としてしか書けない非ホロノミック拘束に分かれ、時刻を含むかどうかでスクレロノミックとレオノミックに分かれる。ホロノミック拘束は一般化座標を選べば消せるが、消すと拘束力が見えなくなり、非ホロノミック拘束はそもそも消すことができない。拘束を残したまま停留の条件を書くのが未定乗数法で、停留点では目的の勾配が拘束の勾配の線型結合になる。時刻ごとの拘束には時刻の関数 λ(t)\lambda(t) が対応し、L+λΦL+\lambda\Phi の Euler–Lagrange 方程式は Lagrange の第1種の方程式 mx¨=−∇V+λ∇Φm\ddot x=-\nabla V+\lambda\nabla\Phi になる。乗数の項は拘束力で、拘束を2回微分すれば状態の関数として決まり、その符号から拘束がいつまで成り立つかが分かる。拘束力は仮想変位に仕事をせず、時刻を含まない拘束なら実際の運動にも仕事をしないのでエネルギーが保存し、時刻を含む拘束は P=−λ ∂Φ/∂tP=-\lambda\,\partial\Phi/\partial t の仕事をする。速度の拘束には、作用の停留でなく d'Alembert の原理から同じ形の乗数の項を入れる。積分の拘束 C[q]=cC[q]=c には定数の乗数が1つ対応し、∫q˙2\int\dot q^2 を ∫q2=1\int q^2=1 のもとで停留させると乗数は固有値になる。どの場合も乗数は「拘束の値を1単位変えたときの最適値の変化」で、熱力学の逆温度 β\beta もこの意味の乗数である。乗数とそれに対応する拘束の値の組(λ\lambda と cc、β\beta と UU)は、第1部第7章の Legendre 変換で入れ替える変数の組にあたる。

この章の道具

  • 有限次元:∇f=∑aλa∇Φa\nabla f=\sum_a\lambda_a\nabla\Phi_a、Φa=0\Phi_a=0。乗数は感度 df∗/dc=λ\mathrm{d} f^*/\mathrm{d} c=\lambda。
  • 時刻ごとの拘束:ddt∂L∂x˙j−∂L∂xj=∑aλa(t)∂Φa∂xj\frac{\mathrm{d} }{\mathrm{d} t}\frac{\partial L}{\partial \dot x_j}-\frac{\partial L}{\partial x_j}=\sum_a\lambda_a(t)\frac{\partial \Phi_a}{\partial x_j}(第1種の方程式)。拘束力は λ∇Φ\lambda\nabla\Phi。
  • 乗数の決め方:Φ¨=0\ddot\Phi=0 に運動方程式の加速度を入れる。符号が変われば拘束が外れる。
  • 拘束力の仕事率:P=−∑aλa ∂Φa/∂tP=-\sum_a\lambda_a\,\partial\Phi_a/\partial t。定常な拘束なら 00。
  • 速度の拘束 ∑jaajx˙j+aat=0\sum_ja_{aj}\dot x_j+a_{at}=0:右辺を ∑aλaaaj\sum_a\lambda_aa_{aj} にする(作用には入れない)。
  • 積分の拘束:δF/δq=λ δC/δq\delta F/\delta q=\lambda\,\delta C/\delta q、λ\lambda は定数。∫q2=1\int q^2=1 なら固有値問題。

総合問題 回る輪の上のビーズを2通りに解く ★★★

オリジナル第1部第2章の1.2.7節の総合問題と同じ系を、拘束を消さずに乗数で解く。半径 RR の円形の針金の輪を鉛直に立て、その鉛直な直径のまわりに一定の角速度 ω\omega で回す。輪にはめた質量 mm のビーズは輪に沿って摩擦なく動く。ビーズの位置を極座標 (r,θ,φ)(r,\theta,\varphi)(θ\theta は鉛直下向きから測る角、φ\varphi は回転軸まわりの角)で表すと、位置は (rsin⁡θcos⁡φ, rsin⁡θsin⁡φ, −rcos⁡θ)(r\sin\theta\cos\varphi,\ r\sin\theta\sin\varphi,\ -r\cos\theta)、拘束は Φ1=r−R=0\Phi_1=r-R=0 と Φ2=φ−ωt=0\Phi_2=\varphi-\omega t=0 の2本である。ωc=g/R\omega_{\mathrm c}=\sqrt{g/R} とおく。

  1. (1) (使う道具:1.6.1節/第1部第2章・第1部第5章)2本の拘束を分類し、拘束を消して θ\theta だけで書いた Lagrangian を求めよ。
  2. (2) (使う道具:第1部第4章・第1部第2章の総合問題)θ\theta の運動方程式を求め、釣り合いの位置をすべて求めよ。ω>ωc\omega>\omega_{\mathrm c} で現れる釣り合いの角 θ∗\theta_* を求めよ。
  3. (3) (使う道具:第1部第2章の総合問題)θ=0\theta=0 と θ∗\theta_* のまわりの小さな振動の角振動数を求め、ω=2ωc\omega=2\omega_{\mathrm c}、R=0.1 mR=0.1\,\mathrm m、g=9.81 m s−2g=9.81\,\mathrm{m\,s^{-2}} で θ∗\theta_* と振動の角振動数の値を求めよ。
  4. (4) (使う道具:1.6.3節)拘束を消さずに L+λ1Φ1+λ2Φ2L+\lambda_1\Phi_1+\lambda_2\Phi_2 の rr の式を書き、乗数 λ1\lambda_1(輪がビーズを動径方向に押す力)を求めよ。釣り合いの位置 θ∗\theta_* での値を求め、m=10 gm=10\,\mathrm g で重さ mgmg の何倍か答えよ。
  5. (5) (使う道具:1.6.4節)φ\varphi の式から乗数 λ2\lambda_2 を求め、拘束力の仕事率 PP を求めよ。ビーズの力学的エネルギー EE が保存しないこと、代わりに h=E−mR2ω2sin⁡2θh=E-mR^2\omega^2\sin^2\theta が保存することを示せ。θ=0.1 rad\theta=0.1\,\mathrm{rad} から静かに放したとき、ビーズが折り返す角を (3) の数値で求めよ。
解答

(1) Φ1=r−R\Phi_1=r-R は時刻を含まない座標の関係なのでホロノミックかつスクレロノミック、Φ2=φ−ωt\Phi_2=\varphi-\omega t は時刻を含む座標の関係なのでホロノミックかつレオノミックである。自由度は 3−2=13-2=1 で、θ\theta を一般化座標に選べる。速度の2乗は r˙2+r2θ˙2+r2sin⁡2θ φ˙2\dot r^2+r^2\dot\theta^2+r^2\sin^2\theta\,\dot\varphi^2、ポテンシャルは V=−mgrcos⁡θV=-mgr\cos\theta なので、r=Rr=R, φ˙=ω\dot\varphi=\omega を入れて

L=12mR2(θ˙2+ω2sin⁡2θ)+mgRcos⁡θ.L=\frac12mR^2\bigl(\dot\theta^2+\omega^2\sin^2\theta\bigr)+mgR\cos\theta .

(2) (1) の LL の Euler–Lagrange 方程式は、第2章の総合問題 (5) の式で Ω→ω\Omega\to\omega, g/R→ωc2g/R\to\omega_{\mathrm c}^2 としたもの

θ¨=sin⁡θ (ω2cos⁡θ−ωc2)\ddot\theta=\sin\theta\,\bigl(\omega^2\cos\theta-\omega_{\mathrm c}^2\bigr)

である。釣り合いも第2章の結果のとおり、θ=0\theta=0(最下点)、θ=π\theta=\pi(最上点)、および ω>ωc\omega>\omega_{\mathrm c} のときだけ現れる cos⁡θ∗=ωc2/ω2\cos\theta_*=\omega_{\mathrm c}^2/\omega^2 の θ=±θ∗\theta=\pm\theta_* である。

(3) 第2章の総合問題 (5) の結果から、θ=0\theta=0 のまわりの角振動数の2乗は ωc2−ω2\omega_{\mathrm c}^2-\omega^2(ω>ωc\omega>\omega_{\mathrm c} なら不安定)、θ∗\theta_* のまわりの角振動数は ωsin⁡θ∗\omega\sin\theta_* で θ∗\theta_* は安定である。数値では ωc=9.90 rad s−1\omega_{\mathrm c}=9.90\,\mathrm{rad\,s^{-1}}, ω=19.8 rad s−1\omega=19.8\,\mathrm{rad\,s^{-1}}, cos⁡θ∗=14\cos\theta_*=\frac14 より θ∗=75.5∘\theta_*=75.5^\circ、振動の角振動数は ω15/4=19.2 rad s−1\omega\sqrt{15}/4=19.2\,\mathrm{rad\,s^{-1}}。

(4) rr の式は ddt(mr˙)−∂L∂r=λ1\frac{\mathrm{d} }{\mathrm{d} t}(m\dot r)-\frac{\partial L}{\partial r}=\lambda_1 で、∂L∂r=mrθ˙2+mrsin⁡2θ φ˙2+mgcos⁡θ\frac{\partial L}{\partial r}=mr\dot\theta^2+mr\sin^2\theta\,\dot\varphi^2+mg\cos\theta。拘束の上では r¨=0\ddot r=0, r=Rr=R, φ˙=ω\dot\varphi=\omega なので

λ1=−mR(θ˙2+ω2sin⁡2θ)−mgcos⁡θ.\lambda_1=-mR\bigl(\dot\theta^2+\omega^2\sin^2\theta\bigr)-mg\cos\theta .

λ1<0\lambda_1<0 は、輪がビーズを中心向きに押していることを表す。θ∗\theta_* では θ˙=0\dot\theta=0、g=Rω2cos⁡θ∗g=R\omega^2\cos\theta_* なのでλ1=−mRω2(sin⁡2θ∗+cos⁡2θ∗)=−mRω2\lambda_1=-mR\omega^2(\sin^2\theta_*+\cos^2\theta_*)=-mR\omega^2。大きさは mRω2=0.392 NmR\omega^2=0.392\,\mathrm N で、ω2=4g/R\omega^2=4g/R から重さ mgmg のちょうど4倍である。回転軸から Rsin⁡θ∗R\sin\theta_* の距離で回るのに要る向心力 mRsin⁡θ∗ ω2mR\sin\theta_*\,\omega^2(水平)と、重力を支える mgmg(鉛直)の合力が、輪の中心を向いた大きさ mRω2mR\omega^2 の力になっている。

(5) φ\varphi の式は ddt(mr2sin⁡2θ φ˙)=λ2\frac{\mathrm{d} }{\mathrm{d} t}\bigl(mr^2\sin^2\theta\,\dot\varphi\bigr)=\lambda_2 で、拘束を入れて λ2=2mR2ωsin⁡θcos⁡θ θ˙\lambda_2=2mR^2\omega\sin\theta\cos\theta\,\dot\theta。これは輪がビーズに加える回転軸まわりのトルクである。∂Φ2/∂t=−ω\partial\Phi_2/\partial t=-\omega, ∂Φ1/∂t=0\partial\Phi_1/\partial t=0 なので、式 (1.6.14) から P=λ2ω=2mR2ω2sin⁡θcos⁡θ θ˙P=\lambda_2\omega=2mR^2\omega^2\sin\theta\cos\theta\,\dot\theta。力学的エネルギー E=12mR2(θ˙2+ω2sin⁡2θ)−mgRcos⁡θE=\frac12mR^2(\dot\theta^2+\omega^2\sin^2\theta)-mgR\cos\theta を (2) の運動方程式を使って微分すると dEdt=2mR2ω2sin⁡θcos⁡θ θ˙=P\frac{\mathrm{d} E}{\mathrm{d} t}=2mR^2\omega^2\sin\theta\cos\theta\,\dot\theta=P で、θ\theta が変わる間は 00 でない。輪を一定の速さで回し続けるモーターが仕事をするので、EE は保存しない。一方 h=12mR2(θ˙2−ω2sin⁡2θ)−mgRcos⁡θh=\frac12mR^2(\dot\theta^2-\omega^2\sin^2\theta)-mgR\cos\theta は、運動方程式の両辺に mR2θ˙mR^2\dot\theta を掛けると dhdt=0\frac{\mathrm{d} h}{\mathrm{d} t}=0 となって保存する。hh は (1) の Lagrangian が時刻をあらわに含まないことから出る保存量で、その一般形は 第1部第10章の Noether の定理で扱う。θ=0.1\theta=0.1 から静かに放すと、hh の保存から折り返す角 θ1\theta_1 は −12ω2sin⁡2θ1−ωc2cos⁡θ1=−12ω2sin⁡2(0.1)−ωc2cos⁡(0.1)-\frac12\omega^2\sin^2\theta_1-\omega_{\mathrm c}^2\cos\theta_1=-\frac12\omega^2\sin^2(0.1)-\omega_{\mathrm c}^2\cos(0.1) の、θ∗\theta_* より大きい解で、ω=2ωc\omega=2\omega_{\mathrm c} では θ1=119.7∘\theta_1=119.7^\circ である。ビーズは θ∗=75.5∘\theta_*=75.5^\circ をはさんで 0.1 rad0.1\,\mathrm{rad} と 119.7∘119.7^\circ の間を往復し、その間 EE は増減を繰り返す。

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

← AI生成教科書『虎の巻』の記事一覧へ