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力が働くとき:一様な力と電磁場

2026年10月15日9分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第2部 第3章 相対論的粒子の作用
目次
  1. 一様な力と双曲運動
  2. 電磁場の中の粒子
  3. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第2部 第3章 §2.3.6 ★★ LL に −V-V や −qϕ+qv⋅A-q\phi+q\bm{v}\cdot\bm{A} を足すと、運動方程式は ddt(γmv)=\frac{\mathrm{d} }{\mathrm{d} t}(\gamma m\bm{v})= 力。一様な力では双曲線の世界線、磁場では周期が γ\gamma 倍に伸びた円運動になる

一様な力と双曲運動

自由粒子の LL にポテンシャル −V(x)-V(\bm{x}) を足した L=−mc2/γ−VL=-mc^2/\gamma-V を考える。Euler–Lagrange 方程式は

ddt(γmv)=−∇V(2.3.19)\frac{\mathrm{d} }{\mathrm{d} t}(\gamma m\bm{v})=-\nabla V\tag{2.3.19}

で、左辺は運動量の時間変化、右辺は力である。LL が tt によらないので E=γmc2+VE=\gamma mc^2+V が保存する。ただし −V-V は Lorentz 変換で不変な形をしていないので、この LL は「ある慣性系で決めた静的な力」を表すだけである。Lorentz 変換で不変な相互作用の代表は次の小節の電磁場である。

一様な力 FF(V=−FxV=-Fx)で、t=0t=0 に静止していた粒子を考える。式 (2.3.19) から γmv=Ft\gamma mv=Ft なので

v(t)=Ft/m1+(Ft/mc)2,x(t)=mc2F(1+(Ftmc)2−1)(2.3.20)v(t)=\frac{Ft/m}{\sqrt{1+(Ft/mc)^2}},\qquad x(t)=\frac{mc^2}{F}\Bigl(\sqrt{1+\Bigl(\frac{Ft}{mc}\Bigr)^2}-1\Bigr)\tag{2.3.20}

である(xx は vv を積分した)。x+mc2/Fx+mc^2/F と ctct は (x+mc2/F)2−c2t2=(mc2/F)2(x+mc^2/F)^2-c^2t^2=(mc^2/F)^2 を満たすので、世界線は (ct,x)(ct,x) 平面の双曲線で、これを双曲運動と呼ぶ。速さは cc に近づくが越えない。エネルギーの保存 γmc2−Fx=mc2\gamma mc^2-Fx=mc^2 からも同じ xx が出る。Ft≪mcFt\ll mc では x≈Ft2/(2m)x\approx Ft^2/(2m) で Newton 力学の等加速度運動に戻る。双曲運動は、一様に加速する観測者の座標(Rindler 座標)として一般相対論の等価原理の章で使う(第2部第11章)。

図 図

図 2.3.3 一様な力 FF のもとで静止から動き出す粒子。点線は式 (2.3.20) の双曲運動(厳密)、実線は Newton 力学の等加速度運動 x=Ft2/(2m)x=Ft^2/(2m), v=Ft/mv=Ft/m(遅い極限の近似)。t≈0.5 mc/Ft\approx0.5\,mc/F までは両者がほぼ重なり、その後、相対論の速さは cc(破線)に近づく

例題 2.3.6 一様な電場で加速される電子 ★★

オリジナル電子(mc2=0.511 MeVmc^2=0.511\,\mathrm{MeV}, m=9.109×10−31 kgm=9.109\times10^{-31}\,\mathrm{kg})が、強さ 1.00 MV m−11.00\,\mathrm{MV\,m^{-1}} の一様な電場の中で静止から加速される。力の大きさは F=e×1.00×106 V m−1=1.602×10−13 NF=e\times1.00\times10^6\,\mathrm{V\,m^{-1}}=1.602\times10^{-13}\,\mathrm N である。

  1. (1) 時間の尺度 mc/Fmc/F と長さの尺度 mc2/Fmc^2/F を求めよ。
  2. (2) 速さが 0.9c0.9c になる時刻と、それまでに進む距離を求めよ。
  3. (3) Newton 力学で同じ速さになる時刻と比べよ。
解答

(1) mc/F=9.109×10−31×2.998×108/1.602×10−13=1.705×10−9 smc/F=9.109\times10^{-31}\times2.998\times10^8/1.602\times10^{-13}=1.705\times10^{-9}\,\mathrm s。mc2/Fmc^2/F は「静止エネルギーを1 m あたりの仕事で割ったもの」で、0.511 MeV/(1.00 MeV m−1)=0.511 m0.511\,\mathrm{MeV}/(1.00\,\mathrm{MeV\,m^{-1}})=0.511\,\mathrm m。

(2) v=0.9cv=0.9c では γ=1/0.19=2.294\gamma=1/\sqrt{0.19}=2.294、γv/c=2.065\gamma v/c=2.065。γmv=Ft\gamma mv=Ft から t=2.065 mc/F=3.52×10−9 st=2.065\,mc/F=3.52\times10^{-9}\,\mathrm s。距離はエネルギーの保存 Fx=(γ−1)mc2Fx=(\gamma-1)mc^2 から x=1.294×0.511 m=0.661 mx=1.294\times0.511\,\mathrm m=0.661\,\mathrm m。

(3) Newton 力学では t=0.9 mc/F=1.53×10−9 st=0.9\,mc/F=1.53\times10^{-9}\,\mathrm s で、相対論の 2.32.3 倍短い。速さが光速に近づくと、同じ力で運動量は同じだけ増えても速さはほとんど増えなくなる。

電磁場の中の粒子

電磁場の中の荷電粒子(電荷 qq)では、第2部第2章と同じ相互作用の項を足す(第2部第2章)。

L=−mc21−v2c2−qϕ(x,t)+qv⋅A(x,t),S=−mc∫ds−q∫Aμ dxμ(2.3.21)L=-mc^2\sqrt{1-\frac{v^2}{c^2}}-q\phi(\bm{x},t)+q\bm{v}\cdot\bm{A}(\bm{x},t),\qquad S=-mc\int\mathrm{d} s-q\int A_\mu\,\mathrm{d} x^\mu\tag{2.3.21}

で、4元ポテンシャルは Aμ=(ϕ/c,A)A^\mu=(\phi/c,\bm{A})、Aμ=(ϕ/c,−A)A_\mu=(\phi/c,-\bm{A}) である。Aμdxμ=ϕ dt−A⋅dxA_\mu\mathrm{d} x^\mu=\phi\,\mathrm{d} t-\bm{A}\cdot\mathrm{d}\bm{x} なので2つの書き方は一致する。第2項 −q∫Aμdxμ-q\int A_\mu\mathrm{d} x^\mu は世界線に沿った線積分で、Lorentz 変換で不変であり、径数の取り替えでも変わらない。

正準運動量は pcan=γmv+qA\bm{p}_{\mathrm{can}}=\gamma m\bm{v}+q\bm{A} で、第2部第2章と同じく運動学的運動量 γmv\gamma m\bm{v} とは qAq\bm{A} だけ違う。Euler–Lagrange 方程式は

ddt(γmv+qA)=−q∇ϕ+q∇(v⋅A)\frac{\mathrm{d} }{\mathrm{d} t}(\gamma m\bm{v}+q\bm{A})=-q\nabla\phi+q\nabla(\bm{v}\cdot\bm{A})

で、dAdt=∂tA+(v⋅∇)A\frac{\mathrm{d} \bm{A}}{\mathrm{d} t}=\partial_t\bm{A}+(\bm{v}\cdot\nabla)\bm{A} と ∇(v⋅A)−(v⋅∇)A=v×(∇×A)\nabla(\bm{v}\cdot\bm{A})-(\bm{v}\cdot\nabla)\bm{A}=\bm{v}\times(\nabla\times\bm{A}) を使うと

ddt(γmv)=q(E+v×B),E=−∇ϕ−∂tA,B=∇×A(2.3.22)\frac{\mathrm{d} }{\mathrm{d} t}(\gamma m\bm{v})=q(\bm{E}+\bm{v}\times\bm{B}),\qquad \bm{E}=-\nabla\phi-\partial_t\bm{A},\quad\bm{B}=\nabla\times\bm{A}\tag{2.3.22}

になる。Lorentz 力の式は Newton 力学のときと同じ形で、左辺の運動量だけが γmv\gamma m\bm{v} に替わる。径数を τ\tau に選んで作用 (2.3.21) の Euler–Lagrange 方程式を書くと、同じ式が4元の形

mduμdτ=qFμνuν,Fμν=∂μAν−∂νAμ(2.3.23)m\frac{\mathrm{d} u^\mu}{\mathrm{d} \tau}=qF^{\mu\nu}u_\nu,\qquad F_{\mu\nu}=\partial_\mu A_\nu-\partial_\nu A_\mu\tag{2.3.23}

で出る。μ=0\mu=0 の成分は ddt(γmc2)=qE⋅v\frac{\mathrm{d} }{\mathrm{d} t}(\gamma mc^2)=q\bm{E}\cdot\bm{v}(電場がする仕事率)、μ=i\mu=i の成分は式 (2.3.22) である(F0i=−Ei/cF^{0i}=-E^i/c の約束で確かめられる)。FμνF_{\mu\nu} を場の側から作用で扱うのは第2部第6章である(第2部第6章)。

一様な磁場 B\bm{B} だけがあるとき、Lorentz 力は速度に垂直で仕事をしないので γ\gamma は一定で、式 (2.3.22) は γmdvdt=qv×B\gamma m\frac{\mathrm{d} \bm{v}}{\mathrm{d} t}=q\bm{v}\times\bm{B} となる。これは質量を γm\gamma m に替えた Newton 力学のサイクロトロン運動で、角振動数は

ω=∣q∣Bγm,r=∣p∣∣q∣B(磁場に垂直な運動)(2.3.24)\omega=\frac{\lvert q\rvert B}{\gamma m},\qquad r=\frac{\lvert \bm{p}\rvert }{\lvert q\rvert B}\quad(\text{磁場に垂直な運動})\tag{2.3.24}

である。速い粒子ほど回る周期が長くなる。

例題 2.3.7 磁場の中を回る電子 ★

オリジナル運動エネルギー E−mc2=1.000 MeVE-mc^2=1.000\,\mathrm{MeV} の電子(mc2=0.511 MeVmc^2=0.511\,\mathrm{MeV}, e/m=1.7588×1011 C kg−1e/m=1.7588\times10^{11}\,\mathrm{C\,kg^{-1}})が、B=0.100 TB=0.100\,\mathrm T の一様な磁場に垂直に入る。

  1. (1) γ\gamma と pcpc を求めよ。
  2. (2) 角振動数 ω\omega と半径 rr を求めよ。
  3. (3) Newton 力学の式 ω0=eB/m\omega_0=eB/m と比べよ。
解答

(1) γ=1+1.000/0.511=2.957\gamma=1+1.000/0.511=2.957。pc=E2−m2c4=(1.511)2−(0.511)2=1.422 MeVpc=\sqrt{E^2-m^2c^4}=\sqrt{(1.511)^2-(0.511)^2}=1.422\,\mathrm{MeV}。

(2) ω=eB/(γm)=1.7588×1010/2.957=5.95×109 s−1\omega=eB/(\gamma m)=1.7588\times10^{10}/2.957=5.95\times10^9\,\mathrm{s^{-1}}。r=p/(eB)=pc/(ecB)r=p/(eB)=pc/(ecB) で、pc/e=1.422×106 Vpc/e=1.422\times10^6\,\mathrm V なので r=1.422×106/(2.998×108×0.100)=4.74×10−2 mr=1.422\times10^6/(2.998\times10^8\times0.100)=4.74\times10^{-2}\,\mathrm m。

(3) ω0=1.76×1010 s−1\omega_0=1.76\times10^{10}\,\mathrm{s^{-1}} で、ω\omega はその 1/γ=0.3381/\gamma=0.338 倍。一定の周波数の電場で加速し続ける装置(サイクロトロン)が、電子では γ\gamma がすぐ大きくなって同期がずれ、使えなくなる理由がこれである。

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