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授業で習った形との対応

2026年10月15日6分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第2部 第19章 ブラックホール力学の4法則
目次
  1. 第一法則と自然な変数
  2. Euler の関係と Smarr の公式
  3. 第三法則
  4. Newton の重力との対応
  5. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第2部 第19章 §2.19.6 ★★ 熱力学の授業の dU=TdS+ΩdJ\mathrm{d} U=T\mathrm{d} S+\Omega\mathrm{d} J・Euler の関係・Nernst の定理と、ブラックホールの第一法則・Smarr の公式・極限 Kerr を式で並べる

第一法則と自然な変数

熱力学の授業では、内部エネルギーを自然な変数 (S,V,N)(S,V,N) の関数とみなし

dU=TdS−PdV+μdN,T=∂U∂S∣V,N(2.19.25)\mathrm{d} U=T\mathrm{d} S-P\mathrm{d} V+\mu\mathrm{d} N,\qquad T=\frac{\partial U}{\partial S}\Bigr|_{V,N}\tag{2.19.25}

と書く。回転する物体では、角運動量 JJ と角速度 Ω\Omega の組が加わって dU=TdS+ΩdJ\mathrm{d} U=T\mathrm{d} S+\Omega\mathrm{d} J となる(体積と粒子数を固定した場合)。ブラックホールでこれに対応するのは式 (2.19.17) の Mc2(A,J)Mc^2(A,J) で、

c2δM=κc28πGδA+ΩHδJ,κc28πG=∂(Mc2)∂A∣J,ΩH=∂(Mc2)∂J∣Ac^2\delta M=\frac{\kappa c^2}{8\pi G}\delta A+\Omega_{\mathrm H}\delta J,\qquad \frac{\kappa c^2}{8\pi G}=\frac{\partial (Mc^2)}{\partial A}\Bigr|_J,\quad \Omega_{\mathrm H}=\frac{\partial (Mc^2)}{\partial J}\Bigr|_A

である。ブラックホールには体積と粒子数に当たる変数がなく、状態は (A,J)(A,J)(電荷を入れれば QQ も)だけで決まる。授業で「状態方程式」として個別に与えられていた T(S,V)T(S,V) や P(S,V)P(S,V) に対応するのは、一般相対論の解 (2.19.1) から決まる κ(A,J)\kappa(A,J)・ΩH(A,J)\Omega_{\mathrm H}(A,J) である。

Euler の関係と Smarr の公式

授業の熱力学では、U(S,V,N)U(S,V,N) が示量変数について1次の同次関数 U(λS,λV,λN)=λU(S,V,N)U(\lambda S,\lambda V,\lambda N)=\lambda U(S,V,N) であることから、Euler の同次関数の定理によって

U=TS−PV+μN(2.19.26)U=TS-PV+\mu N\tag{2.19.26}

が導かれる(Euler の関係)。系を λ\lambda 倍に複製すると、エネルギーもエントロピーも体積も λ\lambda 倍になるからである。

ブラックホールでは事情が違う。長さの単位を λ\lambda 倍に取り替えると、rg=GM/c2r_{\mathrm g}=GM/c^2 と a=J/(Mc)a=J/(Mc) がともに λ\lambda 倍になる解が得られるので、M→λMM\to\lambda M、J→λ2JJ\to\lambda^2J、A→λ2AA\to\lambda^2A と変わる。つまり M(A,J)M(A,J) は

M(λ2A,λ2J)=λ M(A,J)(2.19.27)M(\lambda^2A,\lambda^2J)=\lambda\,M(A,J)\tag{2.19.27}

を満たす。これを λ\lambda で微分して λ=1\lambda=1 と置くと 2A ∂M/∂A+2J ∂M/∂J=M2A\,\partial M/\partial A+2J\,\partial M/\partial J=M で、偏微分を第一法則の係数で書き直すと

Mc2=κc2A4πG+2ΩHJ(2.19.28)Mc^2=\frac{\kappa c^2A}{4\pi G}+2\Omega_{\mathrm H}J\tag{2.19.28}

を得る。Smarr(1973、Physical Review Letters 30、71)の公式で、Euler の関係 (2.19.26) のブラックホール版である。係数の2は、ブラックホールの MM が AA と JJ について1次でなく 1/21/2 次の同次関数であることによる。エネルギーが面積に比例しない(半径に比例する)ので、ブラックホールは示量的な系ではない。Schwarzschild では Mc2=κc2A/(4πG)=2THSBHMc^2=\kappa c^2A/(4\pi G)=2T_{\mathrm H}S_{\mathrm{BH}} で、普通の物質の U=TS−PVU=TS-PV とは係数が違う形になる。

第三法則

授業の第三法則(Nernst–Planck の定理)は「T→0T\to0 で S→0S\to0」で、ここから「有限回の操作で T=0T=0 に達しない」が導かれる。ブラックホールでは前者が成り立たず(極限 Kerr の面積は有限)、後者に当たる形だけを第三法則として立てる。この違いは、ブラックホールの SBHS_{\mathrm{BH}} が普通の物質のエントロピーとどこまで同じものかという問いに直結し、相対エントロピーから情報と物理を組み立てる 第7部第1章で扱う。

Newton の重力との対応

授業の力学では、半径 RR、質量 MM の星の表面重力を GM/R2GM/R^2、脱出速度を 2GM/R\sqrt{2GM/R} と習う。脱出速度が cc になる半径は R=2GM/c2=rsR=2GM/c^2=r_{\mathrm s} で、その表面重力は GM/rs2=c4/(4GM)GM/r_{\mathrm s}^2=c^4/(4GM) である。どちらも Schwarzschild の rsr_{\mathrm s} と κ\kappa に一致するが、意味は違う。Newton の星の表面では光は(減速しながら)逃げられるし、表面重力は表面に立つ人が感じる加速度である。一般相対論の κ\kappa は、地平面のすぐ外の観測者が感じる加速度(発散する)に赤方偏移の因子をかけたもので、遠方から測った量である(式 (2.19.13))。

例題 2.19.6 Smarr の公式を数値で確かめる ★

オリジナル例題 2.19.1 のブラックホール(a∗=0.8a_\ast=0.8)で、Smarr の公式 (2.19.28) の右辺の2項がそれぞれ Mc2Mc^2 の何割かを求め、和が Mc2Mc^2 になることを確かめよ。さらに、理想気体の U(S,V,N)U(S,V,N) のような1次の同次関数では右辺の係数が1になる理由を、同次性の次数から説明せよ。

解答

κ=(3/16)c2/rg\kappa=(3/16)c^2/r_{\mathrm g}、A=12.8πrg2A=12.8\pi r_{\mathrm g}^2 から

κc2A4πG=(3/16)⋅12.8π4πc4rgG=0.6 c4GGMc2=0.6 Mc2.\frac{\kappa c^2A}{4\pi G}=\frac{(3/16)\cdot12.8\pi}{4\pi}\frac{c^4r_{\mathrm g}}{G}=0.6\,\frac{c^4}{G}\frac{GM}{c^2}=0.6\,Mc^2.

ΩH=c/(4rg)\Omega_{\mathrm H}=c/(4r_{\mathrm g})、J=0.8MrgcJ=0.8Mr_{\mathrm g}c から 2ΩHJ=2⋅c4rg⋅0.8Mrgc=0.4 Mc22\Omega_{\mathrm H}J=2\cdot\frac{c}{4r_{\mathrm g}}\cdot0.8Mr_{\mathrm g}c=0.4\,Mc^2。和は Mc2Mc^2 になる。

f(λpx1,λpx2)=λqf(x1,x2)f(\lambda^{p}x_1,\lambda^{p}x_2)=\lambda^{q}f(x_1,x_2) を λ\lambda で微分して λ=1\lambda=1 と置くと p(x1∂1f+x2∂2f)=qfp(x_1\partial_1f+x_2\partial_2f)=qf なので、変数と偏微分の積の和は ff の q/pq/p 倍になる。示量的な熱力学系は p=q=1p=q=1 で係数 1、ブラックホールは p=2p=2、q=1q=1 なので和は Mc2/2Mc^2/2 になり、両辺を2倍した形が式 (2.19.28) である。

木下の勉強ステータス

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