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出てくるもの2:Hawking 放射

2026年10月15日9分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第5部 第12章 曲がった時空の場の量子論:Unruh 効果と Hawking 放射
目次
  1. Kruskal 座標と指数関数の関係
  2. 崩壊でできたブラックホールの状態
  3. 2次元の模型と4次元の放射
  4. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第5部 第12章 §5.12.4 ★★★ Schwarzschild の外向きの光的座標 uu と地平面の上でなめらかな Kruskal 座標 UU は U=−cκe−κu/cU=-\frac c\kappa\mathrm{e}^{-\kappa u/c} で結ばれ、Rindler の式の aa を表面重力 κ\kappa に替えたものになる。遠方には温度 ℏκ/(2πckB)\hbar\kappa/(2\pi c k_{\mathrm B}) の熱放射が届く

Kruskal 座標と指数関数の関係

Schwarzschild の外向きの光的座標 u=t−r∗/cu=t-r_*/c は遠方の観測者の時計で測った量で、遠方の観測者にとっての正の振動数は e−iΩu\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\Omega u} である。一方、地平面の上でなめらかな座標は 第2部第17章の Kruskal 座標で、表面重力κ=c4/(4GM)=c2/(2rs)\kappa=c^4/(4GM)=c^2/(2r_{\mathrm s})(第2部第19章)を使って

U=−cκ e−κu/c,V=cκ eκv/c(5.12.29)U=-\frac{c}{\kappa}\,\mathrm{e}^{-\kappa u/c},\qquad V=\frac{c}{\kappa}\,\mathrm{e}^{\kappa v/c}\tag{5.12.29}

と書ける。du=−c dU/(κU)\mathrm{d} u=-c\,\mathrm{d} U/(\kappa U)、UV=−(c/κ)2er∗/rsUV=-(c/\kappa)^2\mathrm{e}^{r_*/r_{\mathrm s}} を式 (5.12.11) に入れると

ds2=rsr e−r/rs c2 dU dV(5.12.30)\mathrm{d} s^2=\frac{r_{\mathrm s}}{r}\,\mathrm{e}^{-r/r_{\mathrm s}}\,c^2\,\mathrm{d} U\,\mathrm{d} V\tag{5.12.30}

となり、r=rsr=r_{\mathrm s}(U=0U=0)で係数が有限の正の値 e−1\mathrm{e}^{-1} をとる。式 (5.12.29) は Rindler の式U=−cae−au/cU=-\frac ca\mathrm{e}^{-au/c} の加速度 aa を表面重力 κ\kappa に置き換えたものと同じ形をしている。地平面のすぐ外の時空は加速度 κ\kappa の Rindler 時空に見える(第2部第19章)が、式 (5.12.29) は地平面の近くに限らず、外側全体で厳密に成り立つ。

崩壊でできたブラックホールの状態

星が崩壊する前の時空は平坦に近く、場は過去の遠方の真空にある。Hawking(1975、Communications in Mathematical Physics 43、199)は、この真空を作るモードを過去の遠方から未来の遠方まで追いかけた。内向きの波は星の中心を通って外向きに折り返し、遠方へ出ていく。最後に地平面に捕まる光線(U=0U=0)の近くを通る波は、出ていくときに指数関数で引き伸ばされる。入るときの時刻 vv と出るときの UU の関係はなめらかで、U=0U=0 の近くでは1次の関係 U∝v−v0U\propto v-v_0 で近似できる(v0v_0 は最後に逃げられる光線の入る時刻)。したがって、崩壊から十分時間が経った後、外向きのモードは「Kruskal の UU について正の振動数のモードが空」という状態にある。これは5.12.3節の ∣0M⟩| 0_{\mathrm M} \rangle と同じ条件である。落下する観測者が地平面を通るとき固有時は UU になめらかに比例するので、この条件は「落下する観測者は地平面で特別なものを見ない」と言っても同じである。

遠方の観測者は uu で正の振動数を測るので、Rindler の計算で a→κa\to\kappa と置き換えればよい。式 (5.12.25) から、遠方に届く外向きの粒子の数は

dNdt dΩ=12π 1e2πcΩ/κ−1(5.12.31)\frac{\mathrm{d} N}{\mathrm{d} t\,\mathrm{d}\Omega}=\frac{1}{2\pi}\,\frac{1}{\mathrm{e}^{2\pi c\Omega/\kappa}-1}\tag{5.12.31}

で、温度

TH=ℏκ2πckB=ℏc38πGMkB(5.12.32)T_{\mathrm H}=\frac{\hbar\kappa}{2\pi c k_{\mathrm B}}=\frac{\hbar c^3}{8\pi GM k_{\mathrm B}}\tag{5.12.32}

の熱放射である。これが Hawking 放射で、第2部第19章で結果だけ引いた THT_{\mathrm H} の式がここで出た。地平面の内側(U>0U>0)のモードは、Rindler の左の楔のモードにあたる。式 (5.12.28) と同じ対の構造で、外へ出る粒子は地平面の内側の相手と対になっている。外だけを見ると熱的な混合状態に見えるのはこのためで、純粋状態から出発したのに外には熱放射しか出ないという点が、情報の問題と呼ばれる問いになる。この問いは相対エントロピーから情報と物理を組み立てる 第7部第2章で扱う。

2次元の模型と4次元の放射

ここでの計算は時間と動径の2次元に限った。4次元の場を ϕ=r−1ψℓ(t,r) Yℓm(θ,φ)\phi=r^{-1}\psi_\ell(t,r)\,Y_{\ell m}(\theta,\varphi)(YℓmY_{\ell m} は球面調和関数)と展開すると、ψℓ\psi_\ell は2次元の波動方程式にポテンシャルを足した (c−2∂t2−∂r∗2+Vℓ)ψℓ=0\bigl(c^{-2}\partial_t^2-\partial_{r_*}^2+V_\ell\bigr)\psi_\ell=0、Vℓ=(1−rs/r)[ℓ(ℓ+1)/r2+rs/r3]V_\ell=(1-r_{\mathrm s}/r)\bigl[\ell(\ell+1)/r^2+r_{\mathrm s}/r^3\bigr] に従う。このポテンシャルの山が外向きの波の一部を地平面へ跳ね返すので、遠方に届くのは式 (5.12.31) に透過率 Γℓ(Ω)\Gamma_\ell(\Omega)(灰色体因子)を掛けたものになる。地平面の近くで決まる温度 (5.12.32) は変わらず、スペクトルの形だけが黒体からずれる。2次元の模型(Γ=1\Gamma=1)では、遠方に届くエネルギーの流れは5.12.3の (3) と同じ計算で P1+1=π(kBTH)2/(12ℏ)P_{1+1}=\pi( k_{\mathrm B} T_{\mathrm H})^2/(12\hbar) になる。

近似の裏付け

型 B(極限) | 小さいもの ℏc/(GM2)→0\hbar c/(GM^2)\to0(Planck 質量に比べてブラックホールが重い。放射の反作用で計量が変わる速さが遅い) | 証明 要確認(計量を古典のまま場だけ量子化する外場近似と、崩壊から十分後の放射に限る近似。誤差の評価は確かめていない) | 行き先 近似の数理 第7章

例題 5.12.4 地平面のそばに止まる観測者の温度 ★★

オリジナル半径 rr に止まる観測者の固有加速度は a(r)=(GM/r2)/1−rs/ra(r)=(GM/r^2)/\sqrt{1-r_{\mathrm s}/r} である(第2部第19章)。Tolman(1930、Physical Review 35、904)の関係によれば、温度 T∞T_\infty の熱平衡にある静止した系を半径 rr で測ると局所的な温度は T∞/1−rs/rT_\infty/\sqrt{1-r_{\mathrm s}/r} になる。

  1. 観測者自身の加速度による Unruh 温度 TU(r)=ℏa(r)/(2πckB)T_{\mathrm U}(r)=\hbar a(r)/(2\pi c k_{\mathrm B}) を、THT_{\mathrm H} と rs/rr_{\mathrm s}/r で表せ。
  2. Hawking 放射を局所的に測った温度 TH/1−rs/rT_{\mathrm H}/\sqrt{1-r_{\mathrm s}/r} との比を求め、r=1.01rsr=1.01r_{\mathrm s} と r=3rsr=3r_{\mathrm s} で値を出せ。
  3. TU(r)T_{\mathrm U}(r) を遠方へ赤方偏移させた 1−rs/r TU(r)\sqrt{1-r_{\mathrm s}/r}\,T_{\mathrm U}(r) の r→rsr\to r_{\mathrm s} の極限を求めよ。
解答

(1) TH=ℏc3/(8πGMkB)=ℏGM/(2πckBrs2)T_{\mathrm H}=\hbar c^3/(8\pi GM k_{\mathrm B})=\hbar GM/(2\pi c k_{\mathrm B} r_{\mathrm s}^2)(rs2=4G2M2/c4r_{\mathrm s}^2=4G^2M^2/c^4 を使った)なので

TU(r)=ℏGM2πckBr211−rs/r=TH(rsr)211−rs/r.T_{\mathrm U}(r)=\frac{\hbar GM}{2\pi c k_{\mathrm B} r^2}\frac{1}{\sqrt{1-r_{\mathrm s}/r}}=T_{\mathrm H}\Bigl(\frac{r_{\mathrm s}}{r}\Bigr)^2\frac{1}{\sqrt{1-r_{\mathrm s}/r}} .

(2) 比は TU(r)/(TH/1−rs/r)=(rs/r)2T_{\mathrm U}(r)\big/\bigl(T_{\mathrm H}/\sqrt{1-r_{\mathrm s}/r}\bigr)=(r_{\mathrm s}/r)^2。r=1.01rsr=1.01r_{\mathrm s} で 0.9800.980、r=3rsr=3r_{\mathrm s} で 0.1110.111。地平面のすぐそばでは、止まる観測者が感じる温度は自分の加速度の Unruh 温度でほぼ説明できる。遠くでは2つは別物になる。

(3) 1−rs/r TU(r)=TH(rs/r)2→TH\sqrt{1-r_{\mathrm s}/r}\,T_{\mathrm U}(r)=T_{\mathrm H}(r_{\mathrm s}/r)^2\to T_{\mathrm H}。地平面のそばの Unruh 温度は発散するが、重力赤方偏移の因子 g00\sqrt{g_{00}} がちょうど打ち消し、遠方では有限の THT_{\mathrm H} が残る。1−rs/r  a(r)→c2/(2rs)=κ\sqrt{1-r_{\mathrm s}/r}\;a(r)\to c^2/(2r_{\mathrm s})=\kappa は、第2部第19章で表面重力を「赤方偏移をかけた加速度」と読んだことと同じである。

木下の勉強ステータス

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