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コヒーレント状態とスクイーズド状態:楕円の地図

2026年10月17日7分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第5部 第6章 光の状態の地図:コヒーレント・スクイーズド・猫状態と P・Q 表示、位相空間の構成の限界
目次
  1. 変位は3つの分布をそろって平行移動する
  2. スクイーズド真空
  3. Gauss 型の状態の分類
  4. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

量子力学の様々な構成方法 第5部 第6章 §5.6.3 ★★ Gauss 型の状態は3つの分布がどれも Gauss 関数で、各直交位相の分散が ss ごとに 14\frac14 ずつずれる。スクイーズド状態では PP の分散が負になり、PP は関数として存在しない

変位は3つの分布をそろって平行移動する

コヒーレント状態 ∣α0⟩=D^(α0)∣0⟩| \alpha_0 \rangle =\hat D(\alpha_0)| 0 \rangle では、ρ^=∣α0⟩⟨α0∣\hat\rho=| \alpha_0 \rangle \langle \alpha_0 | が (5.6.8) の形そのものなので P=δ2(α−α0)P=\delta^2(\alpha-\alpha_0) である。命題 5.6.3 から W=G1/2(α−α0)=2πe−2∣α−α0∣2W=G_{1/2}(\alpha-\alpha_0)=\frac2\pi\mathrm{e}^{-2\lvert \alpha-\alpha_0\rvert ^2}、Q=G1(α−α0)Q=G_1(\alpha-\alpha_0) となる。

一般の状態を変位させたときも同じことが起こる。D^(β)†D^(ξ)D^(β)=D^(ξ)eξβ∗−ξ∗β\hat D(\beta)^\dagger\hat D(\xi)\hat D(\beta)=\hat D(\xi)\mathrm{e}^{\xi\beta^*-\xi^*\beta}(D^(β)†a^D^(β)=a^+β\hat D(\beta)^\dagger\hat a\hat D(\beta)=\hat a+\beta から)なので、ρ^→D^(β)ρ^D^(β)†\hat\rho\to\hat D(\beta)\hat\rho\hat D(\beta)^\dagger で χs(ξ)→χs(ξ)eξβ∗−ξ∗β\chi_s(\xi)\to\chi_s(\xi)\mathrm{e}^{\xi\beta^*-\xi^*\beta}、Fourier 変換すると Fs(α)→Fs(α−β)F_s(\alpha)\to F_s(\alpha-\beta) となる。外から古典の電流でモードを駆動すると変位が起こるので、駆動は3つの分布をそろって β\beta だけ平行移動させる。これは 第5部第2章の「線形の Heisenberg 発展では WW は古典の流れで運ばれる」の特別な場合で、PP と QQ にも同じことが成り立つ。

スクイーズド真空

スクイーズ演算子 S^(r)=exp⁡[r(a^2−a^†2)/2]\hat S(r)=\exp[r(\hat a^2-\hat a^{\dagger2})/2](光学と量子エレクトロニクス 第31章の S^(ζ)\hat S(\zeta) で ζ=r\zeta=r を実数に選んだもの)はS^†a^S^=a^cosh⁡r−a^†sinh⁡r\hat S^\dagger\hat a\hat S=\hat a\cosh r-\hat a^\dagger\sinh r を与え、X^1→e−rX^1\hat X_1\to\mathrm{e}^{-r}\hat X_1、X^2→erX^2\hat X_2\to\mathrm{e}^{r}\hat X_2 と直交位相を伸び縮みさせる。これは面積を保つ線形の正準変換なので、第5部第2章の命題(Wt=W0∘M−1W_t=W_0\circ M^{-1})から、スクイーズド真空 ∣r⟩=S^(r)∣0⟩| r \rangle =\hat S(r)| 0 \rangle の Wigner 関数は真空の WW を引き伸ばしたもので

W(α)=2πexp⁡(−2e2rX12−2e−2rX22),Var X1=e−2r4,Var X2=e2r4(5.6.11)W(\alpha)=\frac2\pi\exp\bigl(-2\mathrm{e}^{2r}X_1^2-2\mathrm{e}^{-2r}X_2^2\bigr),\qquad \mathrm{Var}\,X_1=\frac{\mathrm{e}^{-2r}}{4},\quad\mathrm{Var}\,X_2=\frac{\mathrm{e}^{2r}}{4}\tag{5.6.11}

である。前置きの係数は面積を保つことから変わらない。QQ は命題 5.6.3 で WW を各直交位相の分散 14\frac14 の Gauss 関数でならしたもので、Gauss 関数どうしの畳み込みでは分散が足されるから

Q(α)=12πV1V2exp⁡(−X122V1−X222V2),V1,2=1+e∓2r4,V1V2=cosh⁡r2(5.6.12)Q(\alpha)=\frac{1}{2\pi\sqrt{V_1V_2}}\exp\Bigl(-\frac{X_1^2}{2V_1}-\frac{X_2^2}{2V_2}\Bigr),\qquad V_{1,2}=\frac{1+\mathrm{e}^{\mp2r}}{4},\qquad\sqrt{V_1V_2}=\frac{\cosh r}{2}\tag{5.6.12}

となる。原点の値 Q(0)=1/(πcosh⁡r)Q(0)=1/(\pi\cosh r) は、(5.6.7) の ∣⟨0∣r⟩∣2/π\lvert \langle 0 | r \rangle \rvert ^2/\pi と一致する(⟨0∣r⟩=1/cosh⁡r\langle 0 | r \rangle =1/\sqrt{\cosh r})。

PP を同じ考えで出そうとすると、各直交位相の分散を WW から 14\frac14 引くことになり、X1X_1 の方向の「分散」は (e−2r−1)/4<0(\mathrm{e}^{-2r}-1)/4<0 になる。負の分散の Gauss 関数は存在しない。特性関数で言えば、ξ=ik\xi=\mathrm{i} k(kk は実数。eξα∗−ξ∗α=e2ikX1\mathrm{e}^{\xi\alpha^*-\xi^*\alpha}=\mathrm{e}^{2\mathrm{i} kX_1} で X1X_1 の方向を見る)で

χ1(ik)=χ0(ik)ek2/2=exp⁡(k22(1−e−2r))\chi_1(\mathrm{i} k)=\chi_0(\mathrm{i} k)\mathrm{e}^{k^2/2}=\exp\Bigl(\frac{k^2}{2}\bigl(1-\mathrm{e}^{-2r}\bigr)\Bigr)

が k→∞k\to\infty で Gauss 関数のように増える。多項式でおさえられない関数の Fourier 変換は、緩増加超関数(Schwartz の意味の超関数)としても存在しない。スクイーズド状態の PP は、関数としても通常の超関数としても書けない。

図

図 5.6.1 1つのモードの位相空間に描いた Gauss 型の状態の WW の楕円(各方向の標準偏差を半径に取った等高線。点線は厳密な形)。真空とコヒーレント状態は半径 12\frac12 の円、スクイーズド状態(r=0.69r=0.69、約 6 dB)は面積が同じで向きで太さの違う楕円、熱的な光は真空より大きい円。左下の灰色は同じスクイーズド状態の QQ で、各直交位相の分散に 14\frac14 を足すので、細い向きでも半径 12\frac12 を下回らない。PP は逆に 14\frac14 を引くので、細い向きで分散が負になる。

Gauss 型の状態の分類

一般の Gauss 型の状態(WW が Gauss 関数の状態。変位・スクイーズ・回転・熱的な雑音の組み合わせ)は、(X1,X2)(X_1,X_2) の共分散行列 V\mathsf V で決まる。命題 5.6.3 から、FsF_s の共分散行列は V−s41\mathsf V-\frac s4\mathsf 1 で、s=1s=1 の PP が正の Gauss 関数になるのは V−141\mathsf V-\frac14\mathsf 1 が正定値のとき、つまりどの向きの直交位相の分散も真空の 14\frac14 を下回らないときに限る。どの向きかで 14\frac14 を下回る状態(スクイーズを持つ状態)の PP は関数でない。PP が非負の確率分布として書ける状態を古典の光と呼ぶ規約は 光学と量子エレクトロニクス 第32章にあり、そこで P≥0P\ge0 から g(2)(0)≥1g^{(2)}(0)\ge1 が出ることを示している。Gauss 型の状態では、古典の光であることと、どの向きの雑音も真空以上であることが同じ条件になる。

例題 5.6.3 10 dB のスクイーズド真空の3つの分布 ★★

オリジナル細い向きの分散が真空の 110\frac{1}{10}(10 dB)のスクイーズド真空について、rr を求め、WW・QQ・PP の各直交位相の分散を並べよ。QQ の細い向きの分散から、スクイーズの大きさを読み取る式を書け。

解答

e−2r=0.1\mathrm{e}^{-2r}=0.1 から r=12ln⁡10=1.1513r=\frac12\ln10=1.1513。

WW の分散は (5.6.11) から Var X1=0.025\mathrm{Var}\,X_1=0.025、Var X2=2.5\mathrm{Var}\,X_2=2.5(積 116\frac1{16} で最小不確定)。QQ は 14\frac14 を足して 0.2750.275 と 2.752.75。PP は 14\frac14 を引いて −0.225-0.225 と 2.252.25 で、X1X_1 の方向で負になり、Gauss 関数として存在しない。

QQ の細い向きの分散 V1V_1 は真空の QQ の値 12\frac12 より小さいが、14\frac14 を下回ることはない。スクイーズは WW の分散 V1−14V_1-\frac14 で読む必要があり、真空との比は (V1−14)/14=4V1−1(V_1-\frac14)/\frac14=4V_1-1、デシベルでは −10log⁡10(4V1−1)-10\log_{10}(4V_1-1) である(V1=0.275V_1=0.275 で 10 dB)。QQ の上ではスクイーズは「真空より少し細い」だけに見え、強いスクイーズほど QQ の形は WW から離れる。

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