この章のまとめ
AI 生成・木下が未勉強
量子力学の様々な構成方法 第9部 第2章 §9.2.7 ★★★ 命題の束の上の確率から密度行列と Born の規則が出ること、2次元での破れと効果による回復をまとめ、Kochen–Specker の定理へ渡す
第9部第1章で置いた「状態=命題の束の上の加法的な確率」という要請から出発し、確率の形がどこまで決まるかを調べた。状態は1次元の射影の上の値 で決まり、 はどの正規直交基底でも和が になる非負の関数(frame function)である。この条件には、同じ命題の確率がどの基底(測定)に入れても同じという非文脈性が含まれている。Gleason の定理は、 ならそのような がすべて の形であることを言う。ここから、Born の規則 が公理でなく帰結になり、分散のない状態が無いこと(隠れた変数の非文脈的な理論の不可能性)と、 個の確率で状態がすべて決まること(トモグラフィー)が出る。証明の中心は2段に分かれる。連続な frame function については、 を固定して残りを回す平均から が出て、球面調和関数の成分に係数 が掛かり、 以外の成分が消える。こうして は2次形式になる。非負性から連続性を出す部分は、大円の上の関係と有界性を無数の大円の間でつなぐ Gleason の議論で、複素の場合は直交する3本の実係数の結合へ制限して実3次元に帰着させる。2次元では基底が互いに交わらない2本組に分かれるので、 を満たす関数なら何でも射影の上の状態になり、3乗の割り当てや分散のない割り当ても許される。確率を効果(POVM の要素)に割り当てると、別々の基底の射影を足した効果を通して値の間に関係が付き、Busch の定理で2次元でも密度行列が出る。橋の節では、Gleason の定理が第9部から第4部への橋で、第1部の Born の規則と第8部の状態の線型性を導くことを並べ、共通例題②の Rabi 振動の状態を3つの命題の確率から組み直した。次の 第9部第3章 では、Gleason の定理の連続性の議論を有限個の基底に置き換え、分散のない状態の不可能性を組み合わせだけで示す(Kochen–Specker の定理)。
この章の道具
- frame function:(どの正規直交基底でも)。状態 ↔ 重み の非負の frame function。
- Gleason の定理: なら 、。
- 証明の芯:、 は で 倍、 は だけ。
- トモグラフィー:、。
- 2次元: だけ。効果まで広げれば Busch の定理で 。
総合問題 3準位系の確率の割り当てを、組み直し・制限・検査でひととおり調べる ★★★
オリジナル3準位系(基底 )で、ある装置が非文脈的な確率の割り当てを与えている。 がその状態とわかっているとして、次を調べる。
- (1) と、, での値を求め、トモグラフィーの公式で を組み直せ。(使う道具:9.2.2節)
- (2) を極とする実の大円 の上で を求め、 が一定であることと、大円の上の最大値・最小値を求めよ。(使う道具:9.2.4節の関係 (a)、第9部第1章の直交補)
- (3) 実の球面の上で、 に を足した が frame function にならないことを、2つの基底の和を比べて示せ()。 は球面調和関数のどの に属するか。(使う道具:9.2.3節)
- (4) この系に、分散のない状態(すべての命題に か を割り当てる状態)を考えることができるかを、Gleason の定理を使って答えよ。(使う道具:9.2.2節の系、第9部第1章の状態の定義)
- (5) 部分空間 に「はい」と答えた後の状態(Lüders の規則)を量子ビットの状態として Bloch ベクトルで書き、純粋度を求めよ。さらに効果 の確率を、2通りの分け方で計算して一致することを確かめよ。(使う道具:9.2.5節、第1部第2章の Q4、第4部第1章の純粋度)
解答
(1) 対角成分から , 。、。公式 (9.2.5) で となり、 の 成分に戻る。
(2) 。 で と の符号が反転するので 。関係 (a) のとおり、極の値だけで決まる。 の振幅は なので、最大値 、最小値 。これは左上の のブロック の固有値に等しい。
(3) なので で、 は の帯球関数に属する。 は frame function なので、 が frame function なら も(重み の差の)frame function でなければならない。標準基底では , で和は 。 成分がすべて の基底では各値が で和は 。 なら2つの和が違うので、 は frame function でない。9.2.3節の言葉では、 の係数 がこの成分を許さない。
(4) 考えられない。 なので Gleason の定理から、どの状態も の形で について連続である。単位球面は連結なので、 と しかとらない連続関数は定数で、基底の和が か になり にならない(系 9.2.3)。この装置の割り当てを分散のない状態の混合として説明する、非文脈的な隠れた変数は無い。
(5) Lüders の規則で 、 なので、(, と読む)の上で 。 と比べて , から 。純粋度は で、混合状態である。効果 の確率は、1つ目の分け方で 。2つ目の分け方(固有分解、)で 。密度行列から作った割り当てなので2通りが一致し、例題 9.2.5 の3乗の割り当てとの違いがここに出ている。
木下の勉強ステータス
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