この章のまとめ
AI 生成・木下が未勉強
量子力学の様々な構成方法 第9部 第5章 §9.5.7 ★★★ 操作的な公理から有限次元の量子力学を導いた道筋と、各公理がどの選択肢を落としたかを整理する
一般確率論の系を、状態の指定に要る確率の数 と区別できる状態の数 で特徴づけ、Hardy の5つの公理(確率・単純さ・部分空間・合成系・連続性)を置いた。部分空間の公理から は狭義の単調増加、合成系の公理 から完全乗法的になり、この2つから ( は正の整数)が出た。連続性の公理は単体の (古典)を落とし、単純さの公理が を選ぶ。、 の状態空間は、連続な可逆の変換が推移的に働くことから3次元の球(Bloch 球)になる。共通例題②の Rabi 振動は球の回転で、離調があると軌道が の向きへ出るので、状態空間が 平面の円板しかない実数の量子論では書けない。合成系の公理は局所トモグラフィーと同じで、実数の量子論(2つの rebit で 、足りないのは )と四元数の量子論()を落とし、複素数を選ぶ。Masanes–Müller は単純さの公理を使わずに球の次元を に絞り、Chiribella らは純化の要請で量子力学を選び出した。純化は古典の混合が無知の表現であることと両立せず、純化の一意性は操舵と同じ構造を持つ。橋の節では、公理から基準の Q1〜Q6 が出ること(Q5 は Wigner の定理と連続性と Stone の定理から証明)と、有限次元の量子力学が公理をすべて満たすことを示し、有限次元では2つの出発点が同値であることを確かめた。
図 9.5.3 操作的な公理から有限次元の量子力学への道筋。実線は公理が許す方向、点線は公理で落ちる理論。純化の要請(Chiribella ら)と Masanes–Müller の要請は、(H2) を使わずに同じ終点へ着く別の道である。
この章の道具
- Hardy の公理 (H1)〜(H5):確率・単純さ・部分空間・合成系 , ・連続性。
- と から (挟み込み と差分の議論)。
- 連続性 ⇒ 。、 は単位球、可逆な変換は 、生成子 。
- 局所トモグラフィー ⇔ :実数(、)と四元数()を除く。
- 純化:古典は満たさない。一意性 ⇒ 操舵(平均の状態は変わらない)。
- 連続な可逆の時間発展はユニタリ(反ユニタリは行列式 で到達できない)→ Stone の定理で 。
総合問題 仮の理論を公理で絞り込む ★★★
オリジナルある実験家が、2準位の系について だけを測定から確かめた。Hardy の公理 (H3)(H4) が成り立つとして、次に答えよ。
- (1) 完全乗法性と単調性だけを使い、 について (9.5.1) の挟み込み(、)から の範囲を求め、 を決めよ。(使う道具:9.5.2節)
- (2) の状態空間で、 軸のまわりの角 の回転を実現する のユニタリを求め、 がどこへ移るかを答えよ。同じ回転を実現するユニタリが何個あるかも答えよ。(使う道具:9.5.3節、第9部第4章、第1部第2章)
- (3) 実数の量子論の2つの rebit で を考える。局所的な測定では区別できないことと、大域的な測定で正しく言い当てる確率の最大値を求めよ。(使う道具:9.5.4節、第4部第3章)
- (4) を Bloch ベクトル の状態とする。例題 9.5.5 の の B を の固有基底で測ったとき、A に残る状態とその確率を求めよ。 の純粋度も求めよ。(使う道具:9.5.5節、第4部第2章)
- (5) (1)〜(4) の結果のそれぞれが、基準の公理 Q1〜Q6 のどれを操作的な公理から導いたものに当たるかを答えよ。(使う道具:9.5.6節、第1部第2章)
解答
(1) は と の間にあるので、 である。: から 、。: から 、。: から 、。: から 、。4つの区間の共通部分 に入る整数は だけなので、 である。 を大きくすれば区間は へ縮み、定理 9.5.3 の段階1を数値でたどったことになる。
(2) 軸まわりの角 の回転は の向きの回転で、 から 。 で
である。 の回転で ()は へ移る( の向きに倒れる)。状態ベクトルでは 。 と は同じ回転を与え、それ以外の位相 も同じ状態の変換を与えるが、行列式 に揃えた の中では の2個である( が2対1)。(検算では、 軸の正の向きの が へ移ることを数値で確かめ、上と同じ回転の向きであることを確認した。)
(3) 命題 9.5.5 の なので、局所的な実の効果の積はどれも を与え、区別できない。大域的な測定で当てる確率の最大値は で、 の固有値は (各2重)なので 、最大値は である。 を測り、 なら 、 なら と答えればよい(期待値は )。
(4) の固有ベクトル で を展開すると、各結果の確率は 、A に残る状態は である。その Bloch ベクトルは 、、 で、 の純粋な状態である。平均は で、例題 9.5.5 の の場合と同じ に戻る。 の純粋度は である。
(5) (1) は の決定で、状態が の密度行列で書けること(Q1・Q3 の器の大きさ)に当たる。(2) は連続な可逆の変換が のユニタリで実現されることで、Q5 に当たる。(3) は局所トモグラフィーが実数を除くことで、Q6(テンソル積)と、数が複素数であること(Q1 のヒルベルト空間の係数体)に当たる。(4) は純化で、混合状態が大きな系の純粋な状態の一部であることを言い、Q1(純粋な状態は射線)と Q6 を合わせた浄化に当たる(第4部第2章)。
木下の勉強ステータス
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