この章のまとめと試験での出方
AI 生成・木下が未勉強
統計学の復習 第1章 §1.6 ★★ 記述統計の道具を式で定義し直し、分位点・ジニ係数・外れ値の割合を分布から計算する
この章では、データの扱い方を決める尺度と、分布の形を表す4つの道具を式で定義した。尺度は「どの変換で情報が変わらないか」で区別し、代表値がその変換と可換かどうかで使える代表値が決まる(命題 1.2)。クロス集計表では、行の条件付き相対度数がすべての行で等しいことが独立の定義で、そのとき度数は期待度数 (1.1) に一致する。度数分布表からの分位点は、階級内一様の仮定のもとで累積相対度数の折れ線 (1.3) を逆に解いた値 (1.4) である。ジニ係数はローレンツ曲線の下の面積から で定義し、平均差による表示 (1.7) と一致する。箱ひげ図の の柵は、正規分布では約 の値だけを外れ値とする基準である(命題 1.9)。
2級では、この章の内容は「尺度の分類」「度数分布表から中央値・四分位数を読む」「箱ひげ図とヒストグラムの対応」「ジニ係数の計算」の形で、毎回1〜2問が出る。計算はどれも数分で終わるが、補間を忘れて階級値を答える、幅の違う階級の高さを度数のまま読む、ひげの端を柵の値と読む、という取り違えで落としやすい。
1級では記述統計そのものは問われない。この章の道具は、母集団の分布に置き換えた形で現れる。「累積分布関数を求める → 分位点関数を出す → 分位点・四分位範囲を母数で書く → ある事象の確率や期待値を計算する」という連鎖は、1級の統計数理で分布を1つ与えて順に計算させる小問の流れと同じである。経験分布関数 と順序統計量の分布は、数理統計の解説 第5章 §5.4 で扱う。次の総合問題は、この章の道具を第4章(累積分布関数と期待値)・第6章(指数分布)・第7章(2変数の期待値)の道具と組み合わせて、この連鎖を1回通すものである。
総合問題 指数分布の所得モデルで、外れ値の割合とジニ係数を計算する ★★
オリジナルある集団の所得 が指数分布 (密度 、、)に従うとする。
- (1) 累積分布関数 と分位点関数 を求め、第1・第3四分位数と四分位範囲を で表せ。(使う道具:第4章 累積分布関数、本章 §1.3 分位点)
- (2) の柵を求め、 が柵の外に出る確率を求めよ。命題 1.9 の正規分布の場合と比べ、違いの理由を述べよ。(使う道具:本章 §1.5、第6章 指数分布)
- (3) ローレンツ曲線 を求め、ジニ係数 を求めよ。(使う道具:本章 (1.8))
- (4) を独立に に従う確率変数とする。 と の分布を使って を求め、式 (1.9) から (3) と同じ が出ることを確かめよ。(使う道具:第7章 独立な2変数の確率、本章 (1.9))
解答
(1) で である。 を について解くと となる。
(2) 上の柵は である。下の柵は で、 なので下に外れる値は無い。上に外れる確率は を使って
となり、 によらない。正規分布の のおよそ7倍である。柵は から左右対称に同じ幅で引くので、対称な分布を念頭に置いた基準である。右に長い裾を持つ指数分布では、上側に正規分布よりはるかに多くの値が出るので、異常でない値の約 が外れ値と判定される。歪んだ分布のデータに箱ひげ図の基準をそのまま使うときは、外れ値の多さを分布の形のせいと区別する必要がある。
(3) である。 を使うと
は と置いて となる( で )。よって
は によらない。 を変えることは全員の所得を同じ倍率で変えることに当たり、ジニ係数は倍率で変わらないからである。
(4) とおく。独立性から なので、 で である。 は、 なら右辺が 、 なら になることから成り立つ。期待値の線形性から
式 (1.9) に入れると で、(3) と一致する。
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