この章のまとめと試験での出方
AI 生成・木下が未勉強
数理統計 第5章 §5.6
この章では、統計量の分布を求める方法を3通り用意した。
- 厳密な計算。積率母関数の積による和の分布(再生性)、変数変換と条件付けによる密度の導出(カイ二乗・・)、事象の言い換えによる順序統計量の分布関数である。
- 正規母集団に固有の構造。直交変換によって と が独立に分かれる。後者は に従う(定理5.5)。これを行列で書き直したものが冪等行列の二次形式の定理(定理5.22)で、回帰の残差平方和にも使う。
- の近似。大数の法則で、推定量が母数に近づくことを示す。中心極限定理で、 倍した誤差が正規分布に従うことを示す。Slutsky の定理で未知の分散を推定値に置き換え、デルタ法で推定量の関数へ移す。端点が母数の分布では、最小値・最大値が の速さで収束し、 倍すると指数分布に収束する(定理5.21)。
統計数理(90分で5問から3問選択)では、この章の道具は次のような小問の連鎖で問われる。
端点型の分布。次の順に小問が続く。
- 規格化定数を求める。
- 最小値(または最大値)の分布関数を (5.15) で書く。
- の厳密な分布を求める。
- の極限分布を求める。
- それをピボットにした信頼区間を作る。
2025年 統計数理 問2 の題材(台の端が母数で決まる分布の最小値の厳密分布と極限分布)がこの形である。
正規標本。次の順に小問が続く。
- と の独立性を直交変換で示す。
- を導く。
- の密度を条件付けで導く。
- 区間推定か検定に進む。
2025年 統計数理 問3 の題材(単回帰の推定量から正規と を作り、それを組み合わせた統計量の密度を求める)は、この手続きを回帰に移したものである。
再生性と積率母関数。次の順に小問が続く。
- 個々の分布の積率母関数を求める。
- 和の分布を求める。
- その逆数や対数の期待値を求める(例題5.1)。
- 不偏化する。
2025年 統計数理 問5 の題材(ポアソン分布の再生性と積率母関数)もこの系列に入る。
漸近論。次の順に小問が続く。
- 中心極限定理を使う。
- デルタ法で推定量の関数の漸近分布を求める。
- 分散安定化を行う。
- 近似信頼区間を作る(例題5.4)。
第6章の最尤推定量の漸近正規性と組み合わせて出ることが多い。
答案で点を確保するには、どの小問でも「何が独立で、なぜその分布になるか」を1行書き添えるとよい。たとえば 分布を使うときは、分子が標準正規、分母が独立な を自由度で割ったものの平方根、という定義の3条件を確かめてから使う。極限分布の問題では、拡大の倍率( か か)を先に決める。そのうえで生存関数 を書いて極限をとる形にすると計算が短い。
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