物理のための微分幾何入門 第3章 §3.7
- 3.1-1 e1=αdx+βdy と置く。条件は e1(e1)=α=1 と e1(e2)=α+β=0 である。これから β=−1 を得る。同様に e2=γdx+δdy と置き、条件を課す。
e2(e1)=γ=0,e2(e2)=γ+δ=1
e1=dx−dy,e2=dy
たとえば v=(3,2) は v=e1+2e2 である。双対基底の値 e1(v)=1 と e2(v)=2 は、この係数に一致する。2. 3.1-2 極座標の例の dx=cosθdr−rsinθdθ と dy=sinθdr+rcosθdθ を代入する。
xdy−ydx=rcosθ(sinθdr+rcosθdθ)−rsinθ(cosθdr−rsinθdθ)=r2dθ
dr の項は打ち消し合う。3. 3.1-3 直交座標では ω=−ydx+xdy なので、成分は (ωx,ωy)=(−y,x) である。
ω(V)=(−y)(−y)+x⋅x=r2,ω(W)=(−y)x+xy=0
極座標では V=∂θ で W=r∂r である(第2章)。極座標の表示 r2dθ を作用させると、値は r2 と0になる。これは直交座標の結果と一致する。4. 3.1-4 ea′=Ajaej を v=v′aea′ に代入する。
v=v′aAjaej
基底による展開は一意なので、ej の係数を比べて vj=Ajav′a を得る。両辺に (A−1)bj を掛けて j について和をとる。左辺では (A−1)bjAja=δba を使うと、次の式を得る。
v′b=(A−1)bjvj
5. 3.2-1 微分は df=ydx+xdy である。点 (1,1) では dfp=dx+dy になる。ベクトルの成分は (1,2) なので、dfp(V)=1+2=3 である。6. 3.2-2 チャート (T,V) では U=CVT を微分する。結果は dU=CVdT で、dV の係数は0である。チャート (S,V) では (3.11) の形 dU=TdS−pdV である。S の式を微分した dS=TCVdT+VnRdV を代入する。
TdS−pdV=CVdT+VnRTdV−VnRTdV=CVdT
2つの表示は同じ1形式である。dV の係数は、チャート (T,V) では0である。チャート (S,V) では −p である。この違いは、同じ1形式を違う基底で展開したことによる。7. 3.2-3 (a) (3.6) から dθ=(−ydx+xdy)/(x2+y2) である。(b) 直交座標の Euclid の計量は gij=δij なので、成分をそのまま並べる。
gradθ=x2+y2−y∂x+x∂y=r21∂θ
(c) 極座標の成分は (∂rθ,∂θθ)=(0,1) で、読み替えたベクトルは ∂θ=−y∂x+x∂y である。(b) との比は r2 である。点 (3,4) では r2=25 なので、25倍違う。正しい勾配は gθθ=1/r2 を掛けたもので、(3.10) と一致する。8. 3.2-4 任意の V∈TpM について、定義 (3.7) と方向微分の積の規則を使う。速度が V の曲線 c(s) をとると、積の方向微分は次のように計算できる。
V(fh)=dsd[f(c(s))h(c(s))]s=0=f(p)V(h)+h(p)V(f)
左辺は d(fh)p(V)、右辺は (f(p)dhp+h(p)dfp)(V) である。すべての V で値が一致するので、d(fh)=fdh+hdf が成り立つ。9. 3.3-1 成分は ωx=2xy と ωy=x2 である。∂xωy−∂yωx=2x−2x=0 なので閉形式である。条件 ∂xf=2xy を積分して、f=x2y+c(y) と置く。もう1つの条件 ∂yf=x2+c′(y)=x2 から、c は定数である。したがって f=x2y を得る。10. 3.3-2 (a) γ(t)=(1−t,t) では γ˙=(−1,1) である。
ω(γ˙)=−t⋅(−1)+(1−t)⋅1=1,∫γω=∫011dt=1
(b) γ(t)=(cost,sint) では γ˙=(−sint,cost) である。
ω(γ˙)=sin2t+cos2t=1,∫γω=2π
閉形式の条件を調べると ∂xωy−∂yωx=1−(−1)=2=0 である。ω は閉形式でないので完全形式でもなく、線積分は端点だけでは決まらない。11. 3.3-3 微分 dU=CVdT+V2an2dV に pdV を足す。すると an2/V2 の項が打ち消し合う。
δQ=CVdT+V−nbnRTdV
∂VCV=0 に対して ∂T(nRT/(V−nb))=nR/(V−nb)=0 なので、閉形式でない。温度で割ると、2つの偏導関数 ∂V(CV/T) と ∂T(nR/(V−nb)) はどちらも0になり、閉形式になる。領域 T>0、V>nb は凸である。定理 3.12(星形の中心を領域内の1点に移したもの)から完全形式である。
S=CVlnT+nRln(V−nb)+定数
12. 3.3-4 λω=df の両辺に Φ′(f) を掛ける。連鎖律 d(Φ∘f)=Φ′(f)df(命題 3.6 の成分で確かめられる)を使う。
Φ′(f)λω=Φ′(f)df=d(Φ(f))
右辺は完全形式で、Φ′(f)λ は0にならないので積分因子である。熱力学では、Φ(S)=eS を選ぶと eS/T も積分因子になる。13. 3.4-1 球座標では ∣x˙∣2=r˙2+r2θ˙2+r2sin2θφ˙2 である。
pr=mr˙,pθ=mr2θ˙,pφ=mr2sin2θφ˙
変換則 (3.20) から pφ=xpy−ypx で、角運動量の z 成分である。14. 3.4-2 確認テスト 3.1-2 の結果から、A=2Br2dθ である。成分は Ar=0 と Aθ=21Br2 になる。Lagrangian の速度に依存する部分は 2m(r˙2+r2θ˙2)+eAθθ˙ である。
pθ=mr2θ˙+2eBr2
15. 3.4-3 Legendre 写像は次の対応である。
p1=m(q˙1+21q˙2),p2=m(21q˙1+q˙2)
W=m(11/21/21) の行列式は 43m2=0 なので、正則である。逆行列を掛けて速度を求める。
q˙1=3m2(2p1−p2),q˙2=3m2(2p2−p1)
Lagrangian は速度の2次形式なので、piq˙i=2L である。したがって H=L となる。速度を代入して運動量で書く。
H=3m2(p12−p1p2+p22)
16. 3.4-4 (3.20) と (3.19) を掛け合わせて a について和をとる。
pa′q˙′a=∂q′a∂qjpj∂qk∂q′aq˙k
連鎖律から ∂q′a∂qj∂qk∂q′a=∂qk∂qj=δjk なので、右辺は pjq˙j になる。17. 3.5-1 (a) 運動方程式は γ¨=−g である。γ(0)=0 を満たす解は次の式で、v0 は任意の実数である。
γ(t)=v0t−21gt2
(b) v0 を指定すると、解は上の式の1本だけに決まる。命題 3.20 のとおり、接束と時刻の各点を通る解はただ1つである。18. 3.5-2 手順1は ∂L/∂q=mqv2 と ∂L/∂v=m(1+q2)v である。手順2で (q,v)=(γ,γ˙) を代入し、手順3で2番目の式を t で微分する。
dtd[m(1+γ2)γ˙]=m(1+γ2)γ¨+2mγγ˙2
これから mγγ˙2 を引いて、Euler–Lagrange 方程式を得る。
(1+γ2)γ¨+γγ˙2=0
エネルギー関数は E=m(1+q2)v2−L=2m(1+q2)v2 である。経路に沿って微分する。
dtdE=mγγ˙3+m(1+γ2)γ˙γ¨=mγ˙[(1+γ2)γ¨+γγ˙2]=0
∂L/∂t=0 なので、(3.29) とも一致する。19. 3.5-3 手順1は ∂L/∂q=0 と ∂L/∂v=m(v+at) である。手順2で代入すると m(γ˙+at) になる。手順3で時刻について微分すると m(γ¨+a) になる。Euler–Lagrange 方程式は γ¨=−a である。
これは x=γ+21at2 が等速運動することと同じである。
この Lagrangian は時刻に陽に依存し、∂L/∂t=ma(v+at) である。エネルギー関数は E=m(v+at)v−2m(v+at)2=2mv2−2ma2t2 である。解 γ˙=c−at(c は定数)を代入すると、エネルギー関数の時間変化は次のようになる。
dtdE=mγ˙γ¨−ma2t=−ma(c−at)−ma2t=−mac
一方 −∂L/∂t=−ma(γ˙+at)=−mac で、(3.29) と一致する。c=0 なら E は保存しない。直交座標 x では Lagrangian は時刻に依存せず、エネルギーは保存する。∂L/∂t は関数と座標の組 (q,v,t) で決まる量で、座標を変えると値が変わる。20. 3.5-4 手順1で、追加の項 M=∂iΛvi+∂tΛ の偏導関数を求める。
∂qj∂M=∂j∂iΛvi+∂j∂tΛ,∂vj∂M=∂jΛ
手順2で経路を代入すると、∂M/∂vj は (∂jΛ)(γ(t),t) になる。手順3で t で微分すると、連鎖律から次の式を得る。
dtd[∂jΛ(γ(t),t)]=∂i∂jΛγ˙i+∂t∂jΛ
これは手順2の ∂M/∂qj に一致する。2階偏導関数の順序は交換できるからである。したがって追加の項は Euler–Lagrange 方程式に寄与せず、L′ と L の方程式は一致する。
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