物理のための微分幾何入門 第11章 §11.7
- 11.1-1 (11.3) で μ と ν を入れ替えると
Rρσνμ=∂νΓρμσ−∂μΓρνσ+ΓρνλΓλμσ−ΓρμλΓλνσ
となる。4つの項は、もとの式の第2・第1・第4・第3項の −1 倍である。したがって Rρσνμ=−Rρσμν。2. 11.1-2 例題 11.1 で f=r とする。0でない Christoffel 記号は Γrφφ=−r、Γφrφ=1/r である。
Rrφrφ=∂rΓrφφ−ΓrφφΓφrφ=−1−(−r)r1=0.
2次元では成分は1つしかないので(例題 11.2)、Riemann テンソル全体が 0 である。3. 11.1-3 (a) f=kr なので f′′=0 である。例題 11.1 から Rrφrφ=−ff′′=0 で、2次元なのでこれで全成分が 0 である。
(b) 円 r=r0 を φ をパラメータとしてたどる。平行移動の方程式 (11.2) は
dφdVr=−ΓrφφVφ=ff′Vφ,dφdVφ=−ΓφφrVr=−ff′Vr
である。長さ1の基底での成分 Vr^=Vr, Vφ^=fVφ に直す。f は円の上で一定なので、次の式になる。
dφdVr^=f′Vφ^,dφdVφ^=−f′Vr^
となる。解は、基底に対して角速度 f′ で回る回転である。1周する間に、ベクトルは基底に対して角 2πf′ だけ周回と逆向きに回る。
基底は1周でもとに戻るので、ベクトルの向きの変化は −2πf′≡2π(1−f′)(mod2π) である。円錐では f′=k なので、ベクトルは周回の向きに 2π(1−k) だけ回る。球面の緯線では f′=cos(r0/a) である。回転角 2π(1−cos(r0/a)) は、球冠の面積と Gauss 曲率の積に一致する。
(c) 命題 11.4 は、閉路が囲む小さな領域の全体で計量が滑らかであることを仮定している。円 r=r0 は頂点 r=0 を囲み、頂点では計量が滑らかでない。頂点の周りを1周する角が 2πk で、2π に足りないからである。
曲率は頂点の1点に集中していて、その量が 2π(1−k) である。頂点を囲まない閉路では、ベクトルは回らない。4. 11.1-4 定義から
R(hX,Y)Z=∇hX∇YZ−∇Y∇hXZ−∇[hX,Y]Z.
第1項は ∇ の下付きの方向が関数倍について線形なので h∇X∇YZ である。第2項は Leibniz 則から ∇Y(h∇XZ)=(Yh)∇XZ+h∇Y∇XZ である。第3項は [hX,Y]=h[X,Y]−(Yh)X から h∇[X,Y]Z−(Yh)∇XZ である。符号を付けて足すと (Yh)∇XZ の項が打ち消し合い、hR(X,Y)Z が残る。5. 11.2-1 N5=25×24/12=50。一方、次の計算でも同じ値になる。
M=10,2M(M+1)−(45)=55−5=50.
6. 11.2-2 (11.10) で σ=ρ とすると Rρρμν=−Rρρμν となり、この成分は消える。和をとった方は Rρρμν=gρλRλρμν である。前の因子は2つの添字について対称、後ろの因子は反対称なので、和は 0 になる。7. 11.2-3 例題 11.2 から、0でない成分は次の4つである。
Rθφθφ=Rφθφθ=a2sin2θ,Rθφφθ=Rφθθφ=−a2sin2θ.
8. 11.2-4 隣り合う添字の3つの入れ替えで C が符号を変えることを示せばよい。隣り合う入れ替えを重ねれば、すべての置換が作れるからである。μ↔ν は、3項がそれぞれ (11.9) で並べ替えると互いに移り合い、
Cρσνμ=Rρσνμ+Rρνμσ+Rρμσν=−Rρσμν−Rρνσμ−Rρμνσ=−Cρσμν
となる。σ↔μ も同じで、3項は (11.9) で次のように移り合う。
Cρμσν=Rρμσν+Rρσνμ+Rρνμσ=−Rρμνσ−Rρσμν−Rρνσμ=−Cρσμν.
ρ↔σ では、入れ替えた巡回和の3項を (11.9)〜(11.12) で並べ替え、1番目の添字を ρ にする。
Rσρμν=−Rρσμν,Rσμνρ=Rνρσμ=−Rρνσμ,Rσνρμ=Rρμσν=−Rρμνσ.
したがって Cσρμν=−Cρσμν である。9. 11.3-1 (11.9) から Rρμνρ=−Rρμρν=−Rμν。10. 11.3-2 球面では K=1/RE2=1/(6.371×106)2 m−2=2.46×10−14 m−2、R=2K=4.93×10−14 m−2 である。円柱の面は、弧長 r=aφ を使うと dr2+dz2 と書ける。計量の成分が定数なので接続は 0 で、スカラー曲率も 0 である。円柱は3次元の空間の中では曲がって見えるが、切り開けば伸び縮みなしに平面へ広がるので、内在的な曲率を持たない。11. 11.3-3 gxx=gyy=e2w から、0でない Christoffel 記号は次のとおりである(wx=∂xw などと略す)。
Γxxx=wx,Γxxy=wy,Γxyy=−wx,Γyyy=wy,Γyxy=wx,Γyxx=−wy.
(11.3) から
Rxyxy=∂xΓxyy−∂yΓxxy+ΓxxλΓλyy−ΓxyλΓλxy=−wxx−wyy+(−wx2+wy2)−(wy2−wx2)
で、積の項は打ち消し合って Rxyxy=−(wxx+wyy) になる。
添字を下げて detg=e4w で割ると、次を得る。
K=e4we2wRxyxy=−e−2w(wxx+wyy).
w=ln(ℓ/y) では wyy=1/y2, e−2w=y2/ℓ2 である。したがって K=−1/ℓ2 で、例題 11.6 と一致する。12. 11.3-4 gμνgμν=n なので gμνGμν=R−2nR=(1−2n)R。 Gμν=0 とする。n≥3 では係数 1−n/2 が0でないので、跡の式からスカラー曲率が消える。したがって Rμν=Gμν+21gμνR=0 である。逆に Rμν=0 なら、スカラー曲率も消えて Gμν=0 である。n=2 では (11.16) から Einstein テンソルが恒等的に消えるので、Gμν=0 は何の条件にもならない。13. 11.4-1 平面では K=0 なので、一般解は j=j0+j1t である。平面の2本の直線の間隔は、初めの間隔 j0 と開く角 j1(小さいとき)で決まる1次式で、上の解と同じ形である。14. 11.4-2 方程式は j′′=j/ℓ2 である。j(0)=0, j′(0)=1 を満たす解は j=ℓsinh(t/ℓ) である。出発の角が δφ の2本の測地線の間隔は jδφ である(例題 11.4 と同じ考え方)。距離 r の所でこれを1周分足し合わせると、円の周が得られる。
∫02πj(r)dφ=2πℓsinh(r/ℓ).
正の数 x では sinhx>x なので、周は平面の値より長い。r≪ℓ では 2πr(1+r2/6ℓ2+⋯) である。15. 11.4-3 例題 11.5 と同じ式に太陽の値を入れて
as=ds32GMsRE=(1.496×1011)32×6.674×10−11×1.989×1030×6.371×106 m/s2=5.05×10−7 m/s2
で、月の 1.10×10−6 m/s2 との比は 0.46 である。
引力そのものは GMs/ds2=5.93×10−3 m/s2 で、月の 3.32×10−5 m/s2 の約180倍である。潮汐は距離の3乗に反比例するので、遠い太陽の寄与は引力の比ほど大きくならない。
大潮では2つの潮汐テンソルの伸びる向きがそろって足し合わされ、小潮では一方の伸びる向きに他方の縮む向きが重なる。月の方向の成分で比べると、比は (1+0.46)/(1−0.46)=2.7 と見積もられる。16. 11.4-4 ∂jr=nj、∂jni=(δij−ninj)/r を使う。∂iΦ=GMni/r2=GMxi/r3 で、もう一度微分すると
∂j∂iΦ=GM(r3δij−r53xixj)=r3GM(δij−3ninj)
を得る。
n に作用させると、次の式になる。
r3GM(n−3n)=−r32GMn.
したがって n は固有値 −2GM/r3 の固有ベクトルである。質量の方向に垂直なベクトル e では njej=0 である。そのため固有値は +GM/r3 で、この固有空間は2次元である。跡は (GM/r3)(3−3)=0 で、固有値の和 −2+1+1=0 とも合う。17. 11.5-1 gρμ で縮約する。gρμgρμ=n, gρμgρνgσμ=gσν を使うと次を得る。
Rσν=k(ngσν−gσν)=(n−1)kgσν,R=gσνRσν=n(n−1)k.
18. 11.5-2 例題 11.1 で f=sinhη とする。f′′=f なので K=−1 である。u=tanhη なら 1−u2=1/cosh2η である。
coshη=1−u21,sinhη=tanhηcoshη=1−u2u.
これは γu で、4元速度の空間成分そのものである。19. 11.5-3 縦の直線 x=x0 では x˙=0 なので、測地線の方程式の1本目は自動的に成り立つ。2本目は y¨−y˙2/y=0 である。y=es/ℓ を入れると、次のように成り立つ。
y¨=ℓ2y,yy˙2=ℓ2y.
これは速さ ℓy˙/y=1 の弧長のパラメータでもある。
y=1 から y=y0 までの長さは
∫y01yℓdy=ℓlny01
である。y0→0 でこれは無限大に発散し、x 軸は無限に遠い。たとえば y0=10−3 で長さは 6.91ℓ である。20. 11.5-4 体積要素は detg=a3sin2χsinθ なので
V=a3∫0πsin2χdχ∫0πsinθdθ∫02πdφ=a3⋅2π⋅2⋅2π=2π2a3.
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com